あらすじ
7月の人事異動を経て、新メンバーも加わった京橋中央税務署を揺るがす大事件が発生した。あの――悪質な滞納者から隠し財産を差し押さえまくり、顔がハスキー犬のように怖くて、“京橋中央署の死に神”と恐れられる、特別国税徴収官(略してトッカン)――鏡が、担当の滞納者を恫喝して自殺に追い込んだとして、遺族に訴えられるかもしれないのだ。しかも原告の背後には、税務署の天敵・勤労商工会がついているという。勤商の弁護士・吹雪敦は、正義の名のもと、ぐー子たちをあからさまに挑発。鬼上司のピンチにぐー子(トッカン付き徴収官)は真相究明に立ち上がる。しかし当の鏡は何もするなといつになく消極的。ぐー子自身も計画倒産に関する別の案件でにわかに忙しくなり、八方ふさがりのところへ、思わぬ助っ人――鏡の過去を知る人物が現われた……!
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Posted by ブクログ
お仕事小説。高殿さんのこのタイプの本はどれを手にとっても惹きつけられる。普通の庶民の目の届かない場所にまで。
今回、たまたま裁判所、司法など目にすることが多いのでこの本に描かれているそういった場所も知った気になってしまっている。
堅い職場なのでしょうが分かりやすくて、シリーズ続きが気になる。
Posted by ブクログ
トッカンvs勤労商工会 2013/3/29
稼ぎのない男なんて精子以下よ。消えちまえ!
2014年2月5日記述
高殿円さんによる小説。
トッカンとしては2冊目の作品にあたる。
今作では主人公鈴宮深樹がずうずうしいまでに活躍する。
(上司である鏡が訴訟騒ぎになりかけたためでもある)
ホツマへの破産申立の不服のあたりは爽快だった。
署長に付いて来てもらう等カウンターパートとして
上手く動いたと思う。そうでないと裁判官は出てこなかったろうし。
本書は400ページをこえている。
しかし巻末にある
井上真央さんと高殿円さんの対話にもあったように
すっと物語の世界に入っていける。
小説を読んでいるけど良い意味で小説っぽくないのだ。
そのままドラマに出来そう。
(実際にドラマ化された)
本作においては鏡が栃木県出身であること。
鏡の高校時代の友人本屋敷と里見の援護。
栃木県は東北ではなく北関東だと言いはる鏡に
ちょっと笑いそうになる。
ネット上で時々見かけるグンマーへの反発と似ているのだろう。
墓に隠し財産を持っていた滞納者。
この時は前作同様に鏡らしい雰囲気だった。
同僚(錨喜理子)が徐々に精神を病んでいたこと。
その原因は体裁。
本作では体裁を取り繕ったが故に仮面の自分に
引っ張られ実態の自分と異なってしまった人物が描かれる。
どれも現実に起こりそうなことであるしリアリティがあった。
とは言え体裁なり仮面なりなんでもかんでも本音、本能ばかり言いたい放題では社会は回らないのも事実である。
「稼ぎのない男なんて精子以下よ。消えちまえ!」(錨喜理子)
なんて言われた日には・・・暴れだすのも無理はない。
トンデモ暴言ではあるけど印象に残った言葉。
思っていることを登場人物に代弁させれる作家は直接
世の中に発信するわけではないから安全。ある意味羨ましい。
やるな高殿円。
Posted by ブクログ
シリーズ第2弾。今回は鏡特官が訴えられるという非常事態。グー子(深樹)は鏡の無実を証明するために奔走する話のあらすじ。グー子がもがきながらも自分の「場所(この場合職場や生き方、仕事の方法色々な意味が含まれると思う)」を見つけていく姿がいい。今後どのように成長していくのか続きを読むのが楽しみだ。感想はこんなところです。
Posted by ブクログ
トッカンシリーズ第2作。
ぐー子の気持ちが痛いほどわかる。女性の仕事での立場はすき間。。確かに。偉くなろうとも思ってないけど、でも仕事は頑張りたいし褒められたい。でもそれに気付けたのはぐー子が成長したからなんだろうな。
鏡特官とのやり取りはラノベっぽくていらないところもあるけど、でも続編も読むぞ。
余談だけど。。国民が素直に税金を払えばぐー子の部署は不要なんだろうな。払わないことで逆に税金の無駄遣いとも言えるのか。税金は払おう。