高殿円のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
通勤で使う京阪電車が京橋駅に滑り込む直前、読んでいた本から目を上げれば、窓の外に見える色褪せた黄色いビル、それが「グランシャトー」。
そこにはついこの間まで(と思って調べてみたら8年も前だった)「ナイトクラブ香蘭」というのがあったよねえ。そこをモデルにして書かれたと思しきお話。
義父との結婚を迫られ家を捨てキャバレー「グランドシャトー」に転がり込んだルーと、彼女がねえさんと慕う№1ホステス真珠の物語。
『みんなが焼け野原から鉄くずを拾って闇市をつくり、あっという間にコンクリートで覆いつくした京橋』の雰囲気がよく表され、当時のキャバレーの様子もよく分かる。
描かれる時代や風俗に加え、京橋や中崎町などよく知った場所が出て来ることもあって、まずまず面白く読めた。
型破りなルーの生き方の中に見える、当時の社会における働く女性の立場や見られ方に対する反骨心が痛快。
莫大な稼ぎがあるはずなのに下町の長屋に居続けた真珠だが、最終盤で明かされた、その清貧な生き方にも心を打たれた。
本の中のグランドシャトーのテーマソングは別のものだったが、脳内には“京橋は~♪”で始まる曲が流れ続けていた。 -
Posted by ブクログ
テーマは面白かった。
国税庁の調査官が主人公。徴税というテーマで、物語が作られている。
法人部門をさんずい、個人部門をにんべんと呼ぶらしい。などなど。全く知らなかった専門用語に心躍る。
主人公らが対峙するのは脱税をした人々。
どこに、どのように現金をかくしているのか、というのはさながらミステリー要素。
答えが分かった時、なるほどそう来るか!と膝を打つ想い。
ただ、良かったのはそれくらいかなぁ。
キャラクターはよくある感じ。
ちょっと抜けてるんだけど暗い過去を持つ、若い女性が主人公。
そして、主人公の上司。一見、人の心を持たない、徴税が大好きなスーパーエリート。
それから、ライバルの意地悪な同年代女性。そして、ちょっと妖艶な謎多き女先輩など…。
ちょっとテンプレが過ぎる感じ…笑
ストーリーに関しても、割りとよくある展開かなぁ。
小説としては星3つくらいな感じ。
続編が出てるらしいけど、読むかは微妙なライン。
若い小説初心者向けの一冊かな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ辺境の小さな国の王女として生まれ、幸せな結婚をし、息子を授かった環璃。だが、その幸せな暮らしは突如終わりを迎え、広大な大陸を統べる燦帝国の次期皇帝を選ぶ「皇后星」に選ばれ、環璃の国は滅ぼされてしまう。
産まれたばかりの息子は人質に取られ、旦那さんは殺されて、次期皇帝候補の子供を妊娠する為だけに大陸を渡り歩かなくてはならない過酷な旅。そんな中、男に触れただけで塵となる力を持つチユギと出会う事で環璃の運命は大きく変わって行く…
中々ヘビーな展開で、どんよりした気分でしたが、希望を捨てない環璃の強い意識が格好良かったです。
息子も殺されてはいないかヒヤヒヤでしたが、最後まで生き延びていてくれたのは救いでした。
神と共存した環璃の長い年月の先に、また次の物語があるんですよね。次はどんな人に繋がれるのか知りたいです。