【感想・ネタバレ】政略結婚のレビュー

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Posted by ブクログ

政略結婚ってタイトルからイメージした話とは随分違った内容でしたが、三篇それぞれ面白かったです。

江戸後期から明治までを生きた加賀前田家のお姫様の時代と、明治半ばの、パリに生まれた子爵家のお嬢様の時代と、第一次世界大戦後の昭和金融恐慌で没落した公家の流れの伯爵家令嬢の昭和・平成。
血筋や家名に掛けられた呪いが変遷する時代の波に翻弄され、やがて蜃気楼のように溶けていくまでの三世代。

三つの話を繋ぐのは九谷の絵皿。とすると三話目の主役は実は皿の持ち主の峰山奈知子なのかも?(三話目でも「蕗野」が出てくるのかと思ってたけど違った。)

氏より育ちと言うけれど、彼女たちの聡明さと時代に立ち向かう凛々しさは名家の姫ならではと思わされたりもする。血は尊い、と感じるのは、血と共に誇りと覚悟を脈々と受け継いでいるからであろうか。実に何とも、そういう世であった。


カバーの絵は、底抜けに甘々の文庫版よりも単行本のデザインの方が好き。

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2023年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の中で、久しぶりにヒット
面白かったなあ
最初のほう、あんまり色恋がなくてただただその時代を淡々と生きている女性の話で、あんまり歴史に興味深い人間でも詳しい人間でもないから、のめるこめるかなあこの話に…なんて思っていたのですが。
夫も子も失くしたけれど、しっかりと生き抜いて“家”を守り抜いた第一章てんさいの君を読み終わったときに、ああ好きやなこの話…となりました。
第二章のプリンセス・クタニは個人的には1番好きなお話。主人公も、話のストーリーも、政略結婚も、恋愛模様も、最後のプロポーズも(笑)わくわくして最後まで楽しく読めた。
そして、第三章の華族女優があったから、個人的にはこの物語好きなんやなあと思ったり。“家”を守り抜くことが人を守ることに繋がる時代が、そうじゃなくなった。第一章と第二章で、大事に大事にしてきたものを、第三章で終わらせる。でも、だからどこかの章がバッドエンドだったわけでなくて。
その時代を生きた人のハッピーエンドを常に描いてる。なんかそれが面白いなあと思ったり。
んー、なにが言いたいのかわからなくなってきたけれど、全部通して面白かったです。

あと、個人的に第一章の
「それでも死なぬものは死なぬ」
がとてもとても良かった。この言葉、大好きかもしれない。宝物になるかもしれない。
案外、裏テーマ?みたいなのはこの言葉なのかもしれないと個人的に思ったり。
恋愛や結婚や生き方や…全てはきっと時代によって左右される。その人の気持ちだけでは、というより気持ちすらも左右されるものなのだと思う。それでも、どんな状況にあってもどんな生き方をしても、「死なぬものは死なぬ」
その人にしか出来ないこと、その人のやるべきことがあるのかもしれないなあなんてふと。
自分も、何歳になっても何があっても「死なぬものは死なぬ」と思いながら生きていたいもんです。

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2022年08月07日

Posted by ブクログ

1番好きな小説のひとつです。どれから読んでも話はわかります。個人的は、他の方もあげられた2番目のプリンセスクタニの話が好きです。

江戸時代の前田藩のお姫さまが江戸に嫁いできての話→これは後でwikiを読んで知ったのですがかなり史実が入っているのですね。てんさいの君(てんさい糖=甘い)と呼ばれた夫との関係や、江戸時代の奥の女性に求められた役割など…

明治大正の小松藩のお姫さまが2話目の主人公です。
パリ生まれで、生まれの小松藩には足を踏み入れたことのない万里子が、九谷焼を万博に売り込んでいく現代のお仕事小説のようなストーリーです。

ちなみに、私はこの話を読んでからどうしても九谷焼が欲しくなりそれなりに高価なものでしたが、金沢にいき購入しました。笑

3話目は昭和の没落華族令嬢が主人公です。
高殿円さんも2話目が創造ならば3話目が破壊だと表現していましたが、2話目の前向きな明るい話とは打って変わって退廃的な、耽美的な雰囲気の漂うストーリーです。
家も失い新宿の劇場で歌手としてレビューに立つ花音子、段々と迫ってくる戦争の影響。
花音子がステージで客の投げ入れた生の薔薇を踏み潰すシーンが、大好きです。

3話目がはまった方にはぜひ高殿円さんのグランドシャトー(戦後の大阪キャバレーのお話)もすすめたいですね。

またハードカバー版の3主人公の表紙のデザインも美しいです。

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2021年08月08日

ネタバレ 購入済み

良かったです

作家さんの情報もなく作品の情報もなく、あらすじと本の表紙にひかれて購入。
第一印象、大当たりって感じです。面白かった~。爽快感があるわけでも軽快な別けでも凄く深いわけでもないけど、心に残る感じです。
若い時の私ではあんまり響かないかも…少し年を重ねてから読んだ方が楽しめる本なのではないかと感じます。

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2020年09月20日

Posted by ブクログ

時代ごとの恋愛を描いているが、時代が違えど女性の強さは一貫としていてとても素敵だと感じた。
個人的には、てんさいの君がお気に入り。
家族、人の繋がりってすごいなと思った。

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2021年06月18日

Posted by ブクログ

時代を跨いだ主人公三人ともバイタリティのある女性。
結婚しないことも含めて結局はその機会がきたとき
動けるかどうかがその後の人生の分岐点なのかな。
万里子さんがすき。

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2022年03月07日

Posted by ブクログ

三つの時代で生きる女性たちの大河って感じだった。政略結婚というタイトルだけれど、実際は結婚というよりそれぞれの身の振り方がテーマかなと思った。
近代にかけて生きるのしんどくなってて大変。主人子もどんどんパワフルな人になっていく。

個人的に最初の話が一番好き。てんさいの君こと夫がすごく優しくてお茶目で良い。

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2021年01月29日

Posted by ブクログ

江戸・大正・昭和の各時代を生きた3人の女性を主人公に「昔の」女の生き方をテーマにした作品だった。タイトルから想像するほどには、結婚が中心テーマではなく…。タイトルとの齟齬は感じつつも、内容は読みやすかった(作者はライトノベル出身なのだそう)。
現代とは価値観の違う各時代を生きた女性たち。それぞれに波瀾万丈な人生を自分らしくしなやかに生きた姿がかっこいい。展開が都合が良すぎるか?と思わなくもないけど、それはそれで作品の醍醐味。きっと名もなき多くの女性たちが、過去に主人公たちと同じような境遇にあり生きていたんだろう。

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2020年12月06日

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