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税金滞納者から問答無用で取り立てを行なう、みんなの嫌われ者――徴収官。そのなかでも、特に悪質な事案を担当するのが特別国税徴収官(略してトッカン)だ。東京国税局京橋地区税務署に所属する、言いたいことを言えず、すぐに「ぐ」と詰まってしまう鈴宮深樹(通称ぐー子)は、冷血無比なトッカン・鏡雅愛の補佐として、今日も滞納者の取り立てに奔走中。 納税を拒む資産家マダムの外車やシャネルのセーター、果ては高級ペットまでS(差し押さえ)したり、貧しい工場に取り立てに行ってすげなく追い返されたり、カフェの二重帳簿を暴くために潜入捜査をしたり、銀座の高級クラブのママと闘ったり。 税金を払いたくても払えない者、払えるのに払わない者……鬼上司・鏡の下、ぐー子は、人間の生活と欲望に直結した、“税金”について学んでいく。仕事人たちに明日への希望の火を灯す、今一番熱い税務署エンターテインメント第1弾!
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Posted by ブクログ
お仕事系エンタメ小説という軽い言葉で表現してはいけないほど、深みのある小説です。
もちろん物語の主人公は通称ぐー子25歳のトッカン付新米国税徴収官。そして彼女の成長物語なんですが、彼女を取り巻く様々なキャラクターの登場、やり取り、それらの設定が繊細かつダイナミック、それでいて見事なまでに張り巡らされた伏線が素晴らしくイッキに読み終えてしまいました。ぐー子の直属の上司である鏡トッカン、彼の部下ぐー子に対する深い愛情をひしひしと感じながら、あからさまではないその愛情のムチをしっかり理解して成長していくぐー子の姿も感動的でした。小説終盤の大橋夫妻のところへ向かったぐー子の一連の行動や言動、大橋夫妻とのやり取りはエンタメ小説なのに読んでいて涙がとまりませんでした。
この小説のテーマは仕事に向き合う、或いは人生に対して迷いながらも、必死に生きている人たちに対する「応援」なんだと思いました。
続編を読みたいと思いました!
Posted by ブクログ
高殿さんを読むのははじめてだったのだけれど、すごく面白くてファンになりました。特にこのシリーズは良かった。
最近この手のお仕事小説は、やる気はあるけれどからまわりしがちの新人の女性が、(表面的には)厳しい(けれど、実は愛情にあふれた)熱い上司の指導の下、仕事を学びながら人としても成長していく・・という展開が定番になっているんでしょうか。男の子の成長物語にもそれなりにニーズはありそうな気もするのですが、男性も女性も共感する相手は「若い女子」になりがちということなのか。
税金を払わない人には、お金はあるけれど資産や収入を隠して税金を払おうとしない「悪いやつら」と、単純にお金がないのに、消費税のように、営業していたら必ず払わなければいけない類の税金を払えずに滞納してしまっている「かわいそうな人」の二種類があるようで、
このトッカンという徴税官はどちらかといえば前者からあの手この手で何とかお金を取り立てる人のようです。
相手が前者の場合には、悪者に立ち向かうヒーロー的な位置づけになりうるのでしょうが、後者の場合には、全てを失った人からさらにむしりとる血も涙もない人のようにもなり、ヤクザの借金取りのように、通常の神経ではなかなかできないようなところもある、そういうお仕事である、そんな背景があります。
そういう職場で、ふつうの感覚の女の子が凄腕の徴収官の上司の助手を命じられ、発破をかけられながら仕事に立ち向かっていくということになれば、そりゃあ葛藤も生じるだろうと。
というわけでこのシリーズ、とても楽しませてもらいました。
Posted by ブクログ
世間には道理が合わない事、事実が多分にある。それは権力、金、コネなどによって捻じ曲げられ一部のものだけが徳をする世の流れだ。現実でも多くの政治家の闇金、裏金、帳簿に載せない献金・横流し現金など権力を振える上に行けば行くほど隠されたものが多く、暴露、露見しても知らんふりを通す輩が増えた。道徳観が薄くなり始めた日本は「今がよければそれで良し」「世間が知らなければどこまでも悪を続ける」「悪を悪とも思わない、罪を罪とも思わない」「見て見ぬ振りして自分が徳(無害であれば)をすれば良しとする」本書の魅力は新米の滞納者への税金徴収する徴収官と上司とのやりとりから始まる税務署の見方、捉え方、考え方、納税者を救う相談など参考になる、一番「犯罪」が多いものはなんと「脱税」だという。
初耳、税務署では「滞納処分停止」から「徴収の緩和制度」と言うものがある、生活に困窮している人々への相談にも乗ると言う事らしい。
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