高殿円のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
混色再び!
今回は黒のスピンオフ作品、レオンも参加してのお話。
舞台は表紙絵から想像できるとおり「温泉」がメイン。
ちなみに帯には「今度は温泉で大暴れ!?」とありました。この時点で混迷の度合いが伺えるものである(笑)
前回のまぁぶると違い、同じ場所を舞台としたお話です。
ニホン風という、異国情緒というよりは異界情緒という言葉すら似合う、メニス帝国が凰都ヴィレニスはシラホネ温泉郷
ちなみに、温泉は混浴である。
白の面々は、長期休暇を利用しての新たな馴染みの精霊を探しに、久方ぶりの地上へ。
ジョッシュの家、すなわちタタラ家が所有するヴィレニスの別荘付近の森に、多くの精霊が居るとのウワサ。
そこ -
Posted by ブクログ
評価に迷うシリーズ4作目。
はっきり言ってしまうと、前3冊に比べて文章は圧倒的に読みづらい。しかし、少なくとも本シリーズで、高殿は決して自分の文章に酔うという愚を犯さないため、作者の書きたいことは(多少手間取るが)十分に読み取れる。
近代に入り、戦争が非人間化・脱人間化(非人道化ではない)していく様子を、実に興味深く描き出すその手腕には舌を巻く。決して安易なヒューマニズムに傾くことなく、幼稚な陰謀論に陥ることもなく、国際システムの避けられざる現象としての戦争を、登場人物それぞれの立場から浮き彫りにする様は、まさに見事としか言いようがない。
5巻まで読んだ段階で、間違いなくシリーズの最高傑作。