高殿円のレビュー一覧
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百貨店の外商さんと、そのお客様である上流階級の方々を描くお仕事小説です。
主人公は、専門高校卒でパートからバイヤー、外商へと異例の抜擢をされた女性外商。相手にするのはお得意様ばかり、月々の売上ノルマは1,500万。庶民にはなかなか窺い知れない世界で奮闘する主人公と、彼女が関わっていく人間模様が魅力的に描かれています。
同作家様の本は、『トッカン』を読んだことがあったのですが、そちらはあまり好みに合わなかったので、この本も手に取るのを少し迷いました。けれど、『上流階級』という一言と、本の表紙の装丁。それに、『外商』という普段目にすることのない仕事について書かれていることに心惹かれました -
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面白かった〜
知られざる(?)外商の世界の話。
とはいえ、外商のことも、少しずつ知られてきたよね。
富裕層向けの仕事。百貨店の一部門ではあるのだけど、店舗にいるのではなく、顧客の自宅へ出向いていく。
ごほうびと言う言葉は知らなかった。
ご褒美ではない。呉服・宝飾・美術品、その頭文字をとってごほうび。
このごほうびをサラッと買ってしまうのが、外商の商売相手。金額のスケールが違う。
百貨店は女の世界。一方で外商は男の世界。(と言われてきた)
そんな外商の世界で奮闘するのは女主人公。
とってもフィクションなんだけど、コミカルすぎずシリアスすぎず。ちょうどいい塩梅。
これ、シリーズものなんだね。 -
Posted by ブクログ
大阪人なら、行ったことはなくとも名前は知っている京橋グランシャトー。ずっと「グランシャトー」やと思っていたのに、えっ、「グランドシャトー」やったん!?と驚きながら読みはじめましたが、実存するのは「グランシャトー」ですよね。
どこまでがホンマなんですか。史実に基づいた小説を書くのがお得意な著者のこと、グランシャトーもそこで働く人たちにもきっとモデルがいらっしゃいましょう。
いわゆるお勉強はでけんかったとしても、人生の機微を知る人たちがここにおる。姫路から逃げてきて京橋にたどりつき、中崎町の長屋に居ついたルーと共に、何十年という時を私も過ごしたような気分になりました。
すべての光景を思い浮か -
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大阪京橋のグランシャトーにまつわる物語であること、私自身長年大阪に住んでいること、京橋近辺の街並に多少思い入れがあったこともあり、思わず購入。
昭和も終わりに差しかかっていた子供の時分、大阪環状線の京橋駅を降りたときに感じた強烈なドブの臭い、地面にびっしりへばり付いているガムの吐き捨て跡と、あたり一面に捨てられているタバコの吸殻。こんなに汚い街があるなんて子供ながらに衝撃を受けたことを今だに覚えている。
大阪の汚い街と言えば西成のイメージがあるかもしれないが、自分の中では京橋こそが大阪で一番汚くてガラの悪い街というイメージだ。
こんな負のイメージが強い京橋だが、グランシャトーの曲は鮮明に -
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この本は書店でタイトルを見た瞬間、大阪人なら買わねば。と作家名も何も確認せずに購入。ある一定年齢以上の関西人なら必ず知っているCM。京橋のレジャービル「グランシャトー」がモデルだとすぐにわかったからだ。
プロローグを読み始めてすぐに作品世界に吸い込まれ、最後まで読んで、再びプロローグに戻って読み、そのまま二周目を読んでしまうという、非常に奥が深い小説でした。
もう二度と戻らないゆったりとした時の流れと懐の深い昭和の空気感が文章からあふれてきます。そしてこの本を開くと、一定年齢以上の関西人なら必ず歌える「京橋は♪」で始まるあのCMソングが脳内で再生されます。主人公ルーの執着が悲しく切なく逞しく愛 -
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プロローグから、テンポの良い大阪弁の丁々発止のやり取りに笑ってしまった。
物語は大阪京橋にある、言わずと知れた、あのビルがモデル。
逞しく生き抜いてNo.2にまで上り詰めたホステスのルーと、不動のNo.1ホステスの真珠。
この手の話にありがちな「女の闘い」は二人の間には無い。
真珠をどこまでも慕うルーと、ルーを優しく包み込む真珠。
月70万も稼ぎながら長屋で慎ましく暮らす真珠は、辛い過去を背負っていた。
真珠の心中は分からない。良く生き抜いたと思う。
そして、ルーも。
高殿氏はインタビューで「キャバレー文化を筆で残しておきたいと思った」と語っている。
哀しくも温かく、夢中で読んで心を揺さぶ -
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ネタバレ百貨店の外商で働く鮫島静緒の物語。シリーズ4作目。
いつも楽しく読んでいるシリーズですが、今作が一番ジェットコースターな展開に感じました。
40代になり、合併した会社の中で迎えた新しい上司や部下との関係、身体の不調、難航する家探し…と次々と困難が降りかかります。
畳み掛けるようなトラブルに少しずつ弱っていく静緒の姿が辛い。その中で、「まるで懐いた家猫のような」桝家との関係が清涼剤になっています。
最初のギクシャクしていたのが信じられないくらい、家族のような存在になっていますね。
散々苦しんだからこそ終盤で静緒が吹っ切るシーンの爽快感がすごく良かった。
爆弾を落とした形で次回に続いているので -
Posted by ブクログ
ネタバレ百貨店で働いていた時に、"超お金持ち"を相手にする外商って何?と気になっていて読み始めました。
バイトからのし上がって行く静緒がかっこ良過ぎて、毎回しびれる!
そして、桁違いのお買い物をする顧客様達の華やかな世界を味わえるのも楽しみのひとつ。
ジュエリーや名だたる高級ブランド達のお洋服、美味しそうな高級な食べ物の描写を読んでるだけで、心が満たされます。
桝屋と静緒が住んでる豪華なマンションも住んでみたいなーと毎回妄想を繰り返します笑
更に、その顧客様を相手にする、富久丸百貨店で働く販売員がプロフェッショナル過ぎて、読んでいて仕事へのモチベーションが上がる!
何といっても -
Posted by ブクログ
政略結婚ってタイトルからイメージした話とは随分違った内容でしたが、三篇それぞれ面白かったです。
江戸後期から明治までを生きた加賀前田家のお姫様の時代と、明治半ばの、パリに生まれた子爵家のお嬢様の時代と、第一次世界大戦後の昭和金融恐慌で没落した公家の流れの伯爵家令嬢の昭和・平成。
血筋や家名に掛けられた呪いが変遷する時代の波に翻弄され、やがて蜃気楼のように溶けていくまでの三世代。
三つの話を繋ぐのは九谷の絵皿。とすると三話目の主役は実は皿の持ち主の峰山奈知子なのかも?(三話目でも「蕗野」が出てくるのかと思ってたけど違った。)
氏より育ちと言うけれど、彼女たちの聡明さと時代に立ち向かう凛々し