高殿円のレビュー一覧
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プロローグから、テンポの良い大阪弁の丁々発止のやり取りに笑ってしまった。
物語は大阪京橋にある、言わずと知れた、あのビルがモデル。
逞しく生き抜いてNo.2にまで上り詰めたホステスのルーと、不動のNo.1ホステスの真珠。
この手の話にありがちな「女の闘い」は二人の間には無い。
真珠をどこまでも慕うルーと、ルーを優しく包み込む真珠。
月70万も稼ぎながら長屋で慎ましく暮らす真珠は、辛い過去を背負っていた。
真珠の心中は分からない。良く生き抜いたと思う。
そして、ルーも。
高殿氏はインタビューで「キャバレー文化を筆で残しておきたいと思った」と語っている。
哀しくも温かく、夢中で読んで心を揺さぶ -
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ネタバレ百貨店の外商で働く鮫島静緒の物語。シリーズ4作目。
いつも楽しく読んでいるシリーズですが、今作が一番ジェットコースターな展開に感じました。
40代になり、合併した会社の中で迎えた新しい上司や部下との関係、身体の不調、難航する家探し…と次々と困難が降りかかります。
畳み掛けるようなトラブルに少しずつ弱っていく静緒の姿が辛い。その中で、「まるで懐いた家猫のような」桝家との関係が清涼剤になっています。
最初のギクシャクしていたのが信じられないくらい、家族のような存在になっていますね。
散々苦しんだからこそ終盤で静緒が吹っ切るシーンの爽快感がすごく良かった。
爆弾を落とした形で次回に続いているので -
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ネタバレ百貨店で働いていた時に、"超お金持ち"を相手にする外商って何?と気になっていて読み始めました。
バイトからのし上がって行く静緒がかっこ良過ぎて、毎回しびれる!
そして、桁違いのお買い物をする顧客様達の華やかな世界を味わえるのも楽しみのひとつ。
ジュエリーや名だたる高級ブランド達のお洋服、美味しそうな高級な食べ物の描写を読んでるだけで、心が満たされます。
桝屋と静緒が住んでる豪華なマンションも住んでみたいなーと毎回妄想を繰り返します笑
更に、その顧客様を相手にする、富久丸百貨店で働く販売員がプロフェッショナル過ぎて、読んでいて仕事へのモチベーションが上がる!
何といっても -
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政略結婚ってタイトルからイメージした話とは随分違った内容でしたが、三篇それぞれ面白かったです。
江戸後期から明治までを生きた加賀前田家のお姫様の時代と、明治半ばの、パリに生まれた子爵家のお嬢様の時代と、第一次世界大戦後の昭和金融恐慌で没落した公家の流れの伯爵家令嬢の昭和・平成。
血筋や家名に掛けられた呪いが変遷する時代の波に翻弄され、やがて蜃気楼のように溶けていくまでの三世代。
三つの話を繋ぐのは九谷の絵皿。とすると三話目の主役は実は皿の持ち主の峰山奈知子なのかも?(三話目でも「蕗野」が出てくるのかと思ってたけど違った。)
氏より育ちと言うけれど、彼女たちの聡明さと時代に立ち向かう凛々し -
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「上流階級」シリーズ、やっぱりおもしろい!
其の一から少しずつ、静緒と桝家の関係が変化している。静緒も桝家も、ぶつかりながらもお互いを認めていて、将来の孤独への不安を抱えている。
日頃考えないようにしているけれど、将来の孤独への不安は私自身も感じていて、共感できた。
外商なんて全くの異世界の話のような気がしていたけれど、静緒の仕事への姿勢や考え方は、どんな仕事にも参考になることがあるように思う。
外商はお客さんのプライベートに深く入り込む仕事だけに、静緒が珠里との関係に悩んだように、バランスが難しいんだろうと思う。
外商でなくても、長く付き合いのある取引先に情がわいたり、「こ -
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ネタバレトッカン第四巻。
短編集だけど、超短いやつと中編くらいのやつと両方あるかな。
対馬の回、美味しそう。トッカンは食べ物を美味しそうに紹介するなぁ。ゴールデンフィンガーより、のとぐろとイカ刺しが食べたくなる。
5年目の鮭たち、たしかに年次研修って婚活的な?そういう面があったかも。まったく参加しなかったよ。むだにしたなぁ。
しかし、ぐー子がトッカンとした滞納者との攻防の話をしたら、相手が離れてしまったのは、あるあるだよねぇ。でも、そういう人はきっとこの先も仕事のキャリアとか内容とかで比べっこしてはひいていくひとなのかもしれない。むしろ、その人でなかったのがよかったのかもね。