阿部和重のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『グランド・フィナーレ』は、「視る」という行為を主題に据えながら、デジタルとアナログの対比を巧みに織り込んだ作品である。文章は驚くほど軽やかで読みやすい。しかし、その軽やかさの奥に不穏なものが潜んでいる。
とりわけ印象的なのは、少女への偏愛というモチーフがあからさまには語られない点だ。むしろ書かれないことによって、その欲望の存在がかえって不気味な輪郭を帯びてくる。視線のあり方そのものが問われる作品だからこそ、この抑制された描写は効果的に機能している。
一方で、第二部は最後まで可視化を拒むような構成を取る。読み終えてみると、最後まで視ることを欲した主人公は,本質的には何も変わっていないのでは -
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試し読み
Posted by ブクログ
インターネットやSNSなどの発達による社会変化があまりに急激なので、2010〜12年に書かれた連載をまとめたこの本は、数十年も前のことのように見えてしまうが、実際は15年しか経っていない。福島第一原子力発電所の事故後は、今後原発政策は息詰まるだろう、国民は原発を認めないだろう、というのが一般的な認識だったことを改めて思い出した。
1951年マッカーサー「アメリカ人ドイツ人が45歳だとすると、日本人は12歳だ」と発言したとか。(だから原爆も落とせるわけだ) そこからスタートした連載で、日本人は成熟拒否で、小さいことが善で、マンガやアニメが世界に輸出されていて、というふうに、著者の思う日本人= -
Posted by ブクログ
先に進めるまでまさに巻を惜く能わずの面白さがありながらも非常に不快で好きにはなれない小説。再読だけど1度目は登場人物の多さに圧倒されて2度目の今回でようやく人物たちの最後がわかったという次第。群像劇だがほんとに登場人物が多い。山形県の仮想の町を舞台に、最初は町の歴史から、続いて現代の登場人物たちが織りなす人間模様がこれでもかと描写される。それがまた醜いながらも一部には細かく正義や相手への純愛さも入り混じる。100%好きにはなれなくてもわずかに感情移入できる人物たちにせめて最後はいい思いをと期待しながら読むとほぼ全てが裏切られるという。舞台の神町三部作だが次作はファンタジー色が強いと。読むかは微