阿部和重のレビュー一覧
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阿部和重作品への勝手なイメージで、物語中で細部へのこだわりを持った描写がなされる、というものがあります
ホントに自分がなんとなく感じただけのふわっとした印象ですけど
で、過去作『インディヴィジュアル・プロジェクション』だと、フリオ・イグレシアスの歌詞への執拗な考察シーンがでてくるんですよ
そんな流れで今作を読んだ時に気になっちゃうのが「グラフィティ/チャーチズ」です
実在の曲なので、検索からの和訳をかけてみたらこれがもう作品にぴったりで
上で例に出した『インディヴィジュアル・プロジェクション』でのフリオの歌詞のように執拗な考察をするわけでもなく、ただ単にgoogleパワーで翻訳をかけたものを読んだだけでウルっとしてしまいました
ちなみにこの感想文もグラフィティをリピート再生しながら書いてます
こんなの映像化されたら主題歌でしょもう(笑
考察考察と書いてきてなんですが、私はそこまで深く考えずにこの物語を読み終えました
壮大な純愛小説にユーモアと少々のバイオレンスを、という印象です
とっても面白かった!
作中に出てくる「アルフレッド・ヒッチコック試論」は、デビュー前の作者が書いた実在の映画評論だそうです
検索すれば無料で読めます(作者様ご本人がnoteにあげています)
気になる方は是非 -
Posted by ブクログ
自称ドナルド・トランプの隠し子
南北朝鮮に所属する国家職員の秘密の会合
……などが物語序盤から描写されるのですが、基本は主人公横口健二の大冒険といった内容です
知り合いのヤクザから仕事を押し付けられ、北朝鮮からの密入国者ハナコと一緒に謎の映画雑誌を探し出すはめになった横口健二、そんなお話
スラスラと読めるし、内容も面白い
でも改めてストーリーを思い返してみるとお話の進展はほぼないような気もします
でも読んでいると面白いんですよ、すごい、なにこれ
上巻の最後の最後になって急に物語がアクセル全開になって、なんだかんだで下巻が読みたくてしょうがないです -
Posted by ブクログ
阿部和重の作品集『無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2』を読みました。
阿部和重の作品は、1年前に読んだ伊坂幸太郎との合作『キャプテンサンダーボルト』以来ですね。
-----story-------------
暴力、ネット、閉塞
阿部和重は時代を看取していた
「J文学」ブームを牽引した先進的傑作
まさに「初期」であるがゆえの
荒々しさとナイーヴさを併せ持った傑作揃い
――解説(佐々木敦)より
野間文芸新人賞受賞作、芥川賞候補作を収めた阿部和重の神髄がつまった新編!
現代日本文学の稀有な才能・阿部和重が不穏な語りで暗示する、危険で予知的な小説世界。
90年代末からゼロ年代初頭に発表された、野間文芸新人賞受賞作『無情の世界』(「トライアングルズ」「無情の世界」「鏖(みなごろし)」所収)、芥川賞候補作『ニッポニアニッポン』を収めた阿部和重の神髄がつまった新編。
〈解説=佐々木敦〉
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2011年(平成23年)に講談社文庫より刊行された『IP/NN 阿部和重傑作集』収録の『ニッポニアニッポン』と、2009年(平成21年)に講談社文庫より刊行された『ABC<阿部和重初期作品集>』収録の『トライアングルズ』、『無情の世界』、『鏖(みなごろし)』を再編集して、2023年(令和5年)に刊行された作品です。
■トライアングルズ
■無情の世界
■鏖(みなごろし)
■ニッポニアニッポン
■解説 佐々木敦
4作品とも、人間の内面に潜んでいる狂気を描いた作品……エゴイズム、暴力、不倫、ストーカー等、正常な精神状態であれば忌避すべき行動に導く狂気が、自分の中にも宿っているような気持ちになってきて、ヒリヒリするような印象を受けながら読み進めました、、、
特別な物語ではなく、実は身近にあるリアルなことなんじゃないのか……と、そんな錯覚を起こしそうに気持ちになって、ページを捲る手が止まりませんでした。
不快な展開なのに、なぜか読んでいて心地良い……不思議な印象の作品たちでした、、、
芥川賞候補作の『ニッポニアニッポン』に描かれるネットへの依存は、現代の日本において、さらに進んでいると感じるし、孤立化することによる自意識過剰、自分を特別視する傾向って、益々強まるんじゃないかという思いが強まりましたね……エンディングはクイーンの"ボヘミアン・ラプソディー"がピッタリ合っていまたねー 阿部和重の他の作品も読んでみたくなりました。 -
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スリル感、スピード感抜群の映像的なストーリー
小学生以来の悪ガキコンビ
高校時代の過去の出来事をキッカケに、決定的に関係が疎遠になっていた
ひょんな事から再び出会った二人が、世界を巻き込むような壮大な事件に巻き込まれる
お互いに色々な事情で抱えた借金
公開中止になった特撮映画
ゴシキヌマの水を求める謎の組織と銀髪の男
村上病の謎
戦時中のB29の不可解な墜落
テロ組織
相葉時之と井ノ原悠という名前は、解説でも語られているけど、明らかにアイドルグループを意識してるよな
二人の性格も真面目と不真面目、熱血とクール、猪突猛進と冷静沈着と対象的だけど
特撮ヒーローものの「鳴神戦隊サンダーボルト」に思い入れがあるという共通点
ターミネーターの如く執拗に、そしてタフに追いかけてくる銀髪の男
謎の美女 桃沢瞳
色仕掛けを武器に男から情報を引き出しつつ、彼女も何らかの事情を抱えていそうな雰囲気
それにしても、冒頭の一文「ガイノイド脂肪に注目しろ!」のインパクトよ
この文章はどっちの思惑なんですかね?
伊坂さんっぽくはあるけど……
戦後に発生した架空の病気「村上病」の謎
新型コロナウイルスのパンデミック前にこの物語が書かれていたんだなぁ
架空の物語ではあるけど、所々に人々の反応の答え合わせがされた気がする
国が推奨するワクチン接種
それに反発する人
ワクチンのリスクとベネフィットの比較
所々の設定に物語上の都合のよいファンタジー要素があるけど、実際にバイオテロを起いたら大変な事になるというのが実感できる
ラストの展開ですけど、あそこの気密性ってどうなんですかね?
確か人が閉じ込められたときのために通気孔があるようなものですけど
ま、その辺のツッコミは野暮ですね
色々と手こずらせたり、いい場面で活躍したりした犬のポンセ(仮称)
助っ人外国人で巨人の選手ではなかったというヒント
名前が何かの伏線や前フリかと思ったけど違ったな
下巻のボーナストラックでも登場してるし、やはりマスコット的な立ち位置なんだろうなぁ
物語としてはバディものにあたるけど、その執筆背景が何よりのバディものになっているというね
阿部和重と伊坂幸太郎が打ち合わせして、お互いに担当する章を決め
さらに出来上がった文章にまたお互いにガンガン手を入れてくという制作方法らしい
お互いに手の入っていない部分はないとの事
阿部和重さんの著作は一作も読んでないし、伊坂幸太郎は何作か読んだ程度だけど、設定や言い回しの所々から伊坂幸太郎っぽさは感じる
世の中に、こんな制作スタイルで出版された作品って他にあるのかな?
こんな特徴というだけでもこの作品に価値があると思える -
Posted by ブクログ
二人の作家が織りなすノンストップエンタメ
小学生以来の悪ガキコンビ
蔵王の御釜の水を求める謎の組織と異様に強い銀髪の男
戦後に発生した「村上病」の謎
東京大空襲の日に東北方面で墜落した三機のB29
詳細な感想は下巻を読み終わってから
阿部和重と伊坂幸太郎の合作らしい
阿部和重さんの著作は未読なので何とも言えないけど、伊坂さんのは何作か読んだ事があるので、所々に漂うそれっぽさは感じる
どうやって書いたんでしょうね?
江國香織さんと辻仁成さんのように、それぞれ別の人物のパートを書いているわけでもない
木皿泉のように、二人でプロットを相談し、どちらかが主導して書いて、もう片方がバトンタッチして加筆修正して、とか?
うーん、二人の文章を読み込んでいるわけではないので、よくわからん -
Posted by ブクログ
もうすぐクリスマスですね。
ー 二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ…
芥川賞受賞の表題作は、ロリコン趣味が露呈して、妻と最愛の娘に去られた男の再生の物語。
とは言え、反省はしてるんだろうけど、主人公はきっと変態なままだ。
気持ち悪いまま読み終えた。
阿部和重さんは、そんな病んでいる男を一人称でドライに描き上げる。
村上龍さんは芥川賞の選評の中で「少女に対する偏愛という、いろいろな意味で危険なモチーフについて、作者が踏み込んで書いていないのが最大の不満だった」と言っているが、そこがこの小説をかえって不気味にしている、と思った。
主人公の内面については薄っぺらく描かれてるので、引き起こした事象から主人公のヤバさを読者は受け止める。なんかね、もういや〜なもやもやが残るんですよ。
人にあまりおすすめはしたくないが、僕はこの短編にかなりやられました。
そして、meguyamaさんもレビューでおっしゃってたけど、収録された最後の短編の「20世紀」と「グランド・フィナーレ」がループしているように思えて…
読み終えて、さーっと全身に鳥肌が立ちました。
人生って、ほんとにコワイ…
あと、「グランド・フィナーレ」の作中に登場するジャズ曲、アーチー・シェップの「Quiet Dawn」は危なっかしい少女のヴォーカルが心をすごく不穏にさせます。
くれぐれも、この曲を聴きながら「グランド・フィナーレ」を読まないように。
おかしくなります。 -
Posted by ブクログ
ジャケ買い。樋口一葉読みたかった。
訳本だから、どこまで原作のニュアンスが生きているか分からないけど、どの作品も良かった。
以下、ネタバレ含む。
「たけくらべ」
とりあえず文学史で覚えるとしたら、これ。
あと『ガラスの仮面』でストーリー覚えた。
美登利という女の子の、正太に対する気持ちと、信如に対する気持ちが、うまく書き分けられていて、どこか“持てる者”としての傲慢が似合う。
エンディングに花を持ってくる、映像的な清々しさというか、寂しさも良かった。
「やみ夜」
うらぶれた屋敷の主、お蘭が、いつの時点から直次郎を使おうと思っていたかで、印象が変わる。
何をテーマにして良いか難しい作品だけど、不幸であって当然と感じている直次郎が、お蘭のために命をかけ、でも仕損じる所に意味があるような気がする。
他、「うもれ木」「わかれ道」。