阿部和重のレビュー一覧

  • キャプテンサンダーボルト 下

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    『キャプテンサンダーボルト』 阿部和重 × 伊坂幸太郎少年野球でバッテリーを組んでいた相葉と井ノ原が、大人になって再会し、蔵王の御釜を舞台にテロリストと戦う冒険譚。相葉は熱血タイプ、井ノ原は巻き込まれ体質で、関わらないようにしても結局巻き込まれる。その心理描写が面白い。村上病という架空の感染症、生物兵器、東京大空襲のB29墜落など、歴史とフィクションが絶妙に絡み合う。「村上病はあるけどない」という言葉が物語の鍵。登場人物や犬も個性的で、特に犬は自由気ままで愛らしく、『ハウルの動く城』の犬を思い出した。ストーリーは一見大味でも、伏線回収やテンポの良さに伊坂さんらしさが光る。阿部さんの作品も読ん

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    2025年11月27日
  • グランド・フィナーレ

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    またこの世から一冊、未読の阿部和重作品が消えた。この悲しみを何と表そうか。タイに行くことになり、6時間も拘束されて発狂する!とお守りに持っていきました。お陰で快適わくわくフライト。内容はさすがとしか言いようがないユニバースの構築と変人たちの強固な結びつき。どいつもこいつもどの口が何をほざいてやがる、、と思えるぐらいに人間。いつかこの世界の相関図を頭で描けたら

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    2025年08月14日
  • たけくらべ 現代語訳・樋口一葉

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    私にはきちんと内容を理解するにはまだ頭が足りないようだ。一度読み終えたものの何度か読み返す必要があると感じた。

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    2025年02月09日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    映画2時間みているような……頭の中で映像化される感覚、の代名詞の小説では?
    いいコンビ。主人公2人の性格が正反対だからこその面白み。ずっとその掛け合いみていたい。

    どん底に落ちても何度だって這い上がれる。チャンスは必ず来るんだ…。



    実際の蔵王と五色沼に行きたくなってきた!

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    2025年01月08日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック

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    本を手にした時は、結構なボリュームに一瞬怯みましたが、読み始めると、まあ、テンポの良いこと!サクサク読めました。
    主人公がどうしようもなく頼り無いんだけど、これがまた絶妙なスパイスになっていたと思います。
    主人公以外の登場人物も一人一人キャラが立つ、て言ったら良いのかな?皆味あって良かったです。
    怒涛のラブストーリー…かどうかはなんともですが、怒涛な展開なのは間違いなく、読み応えあって
    面白かった!


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    2024年12月07日
  • たけくらべ 現代語訳・樋口一葉

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    訳者後付けでも解説されているように、一葉の作品には句点、段落があまり見られない。もちろん当時はカギ括弧のような様式も主流ではなかったのだろうが、21世紀の我々が馴染んだ文体ではない。

    しかし、訳者の努力の賜物なのだろう。非常に読みやすかった。「たけくらべ」はロマンスともジューブナイルとも分類できない複雑さがあり、充分に面白い。

    「たけくらべ」以外の短編たちもよい。「うもれ木」なんかは私の好みだった。恋愛:人間的成長=8:2くらいの混ぜ具合。当時の主流だっただけなのか、一葉が個人的に恋愛を関心事としていたのかはわからないのだが、何はともあれ良い作品だと思った。

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    2024年08月02日
  • キャプテンサンダーボルト 新装版(新潮文庫nex)

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    事実とフィクションを織り交ぜながら話が進んでいくと、本当にあったことなのか?と思ってしまうリアリティさがあって面白かった。私は山形県出身なので、あぁ、あの道かとか、あの場所かと想像できてわくわくしながら読めたのが良かった。

    結局ポンセのちゃんとした名前が分からずじまいだったけど、ポンセなんだよね?きっと笑

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    2024年02月29日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック

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    ネタバレ

     480ページもあって2段組みで読むのが大変なのはわかっているからずっと積読状態であった。ところが読み始めると面白い。読むのが遅くてすらすらとは読めないのだけど、ずっと楽しい。3週間くらい掛かった。

     主人公の横口が優柔不断で心配になるばかりなのだけど、そんな彼だからこそ勇気を振り絞る姿に胸を打たれる。ハナとのピュアな恋がじんわりくる。ヤクザの沢田も古本屋の女の子もキャラが立っていて登場するたびに、待ってました!みたいな感じで楽しい。

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    2024年02月08日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック

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    最高。とにかく読ませるテーマと展開と文章(というか語り口)で次から次へと届きそうな距離のニンジンが。読みやめるのが難しくて結局、3日で読んでしまった。この人の作品は全部読もうと思ってるけど、ハマり過ぎてしまいそうなので一作ずつ徐々に読もう。感想はとにかく時代に対する明確なスタンスと時事ネタの風刺とか皮肉が効いていて、読み進める上で必要なガソリンたる謎がいっつも深いんですよねえ。一生、映画化しないで欲しいと勝手に思います。というか、際どすぎて無理か笑

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    2023年12月13日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    上下巻の下巻って割と好き。「一冊の長編の後半」ではなく、「上下巻の下巻」が。上巻で登場人物の掘り下げが完了していて、尚且つ展開も盛り上げている状態で、初速の勢いがいいのが下巻。
    上巻も面白かったが、下巻はそのまま疾走感を保ったまま走りきった感じでさらに良かった。
    とは言え、伊坂作品の中では中の下くらいの感じ。個人的な好みとしては。★3〜4。
    と思っていたけど、ラストのボーナストラックが良すぎた。最高の読後感。

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    2023年05月31日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    ワクチンや生物兵器など、まさに今!な内容で楽しめた。

    伊坂さんの小説は名言が散りばめられてるところが好き。主人公の2人も野球少年時代、言われてたこととか鮮明に覚えていて、それを大人になった今に落とし込んでるとこも良い。

    「常識を疑え」これ大事

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    2022年10月28日
  • シンセミア(上)

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    フォークナーの流れで共同体物語の傑作である阿部和重の「シンセミア」を再読。長い小説だがあっという間に読み終わる。すごい小説である。まともな登場人物が全く出てこず、とことん安っぽく、馬鹿馬鹿しい内容が盛りだくさんだが、読み進めるうちにどんどん引き込まれていってしまう。それらの描写の集積が、一つの共同体の歴史としてしかと刻み込まれる。圧巻の完成度、恐るべき著者の技術。現代文学の最高峰である。

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    2022年04月21日
  • シンセミア(下)

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    実際に存在する山形は東根市の神町を舞台に、信じられないくらいの登場人物の多さに(解説によると60名だそう)入り組んだ相関関係を、戦後の混乱期から現代まで、町史的に描いているフィクション。構成も年代記であっても、ただ年代を追っているのではなくて、手法が凝らしてあるのもよい。

    ところどころ臭気ふんぷんの場面が参るし、そんなのありか?という漫画的なドタバタ展開があるが、それが妙味になり、効いてきておもしろくてやがて深く考えさせられる。なるほど現代はそういう戦後のどさくさの上に成り立っているのだと。この町の創造の出来事は架空であって架空でない、日本中がそうなんだ、今でも、と言うような。

    上下巻合わ

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    2021年12月11日
  • シンセミア(上)

    購入済み

    身につまされるかも

    パン屋の歴史的な裏付けとか、よく調べてるなって
    感心する一方、あるはあるは、エロビデオに
    出てきそうなものや、アニメの驚きの展開に使われそうな
    ものとか、次々と、あああ、自分もこんなものを
    日常目にしているから、世界のことを
    しっかり心配して、自分の行く道を考えたり
    してないんじゃないか、って、
    安穏として、なるようになれでだらしなく
    生きている自分が恥ずかしい。
    これほど、悪い人ばかりの町って
    とんでもないけど、うかうかしてると
    なりかねないよね。
    最後のところもギクッてした。
    まあ、よくもこんなって、
    何代も続いてこうなってきたってのも
    恐ろしい。

    #ドロドロ #ダーク #シュール

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    2021年08月31日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック

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    阿部和重「ブラックチェンバーミュージック」読んだ mainichibooks.com/books/novel-cr…
    今年度エンタメ部門NO1(自己ランキング) 表紙も会話もポップ、トランプの隠し子、北朝鮮のスパイ、ヒチコック映画論に隠された暗号に注文の多い古本屋。重いテーマも二段組も圧倒的なリーダビリティであっという間よ(おわり

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    2021年08月28日
  • キャプテンサンダーボルト 新装版(新潮文庫nex)

    購入済み

    後味良い

    ユーモラスで、後味良い。伊坂幸太郎のファンで読んだが、共同作品とは思えないほどの完成度。巻末のボーナス短編も良かった。

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    2021年07月25日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    面白かった。
    上巻、下巻まとめての感想になりますが、序盤の入りが話のノリが悪くてぼちぼちでしたね。後半からは一気読みでしたね。
    相葉と井ノ原のキャラが掴めてからが一気になりましたね。大きなストーリーは星4つですが、最後の伏線の回収とエピローグの余韻がすごく良くて星5にしました。ボーナストラックも良かったです。

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    2021年03月12日
  • ピストルズ 下

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    本作は神町トリロジー三部作の二部作目に当たる。前作の『シンセミア』とは少々違った書かれた方がされており、一貫して回想形式のような語りになっているが、その理由は記憶を操作する術を代々受け継ぐ菖蒲家が舞台であるからであろう。
    その菖蒲家が記憶を操作する以上、何を語られても信用していいものなのか疑惑が残るはずだが、それが最小限に抑えられてるように感じるのは、語り手が重層的に変わるからである。主に語り手は菖蒲家の二女の菖蒲あおばと書店の経営者の石川の2人であるが、最後は、また別の怪しい組織が調べた菖蒲家についての報告書のような形式の文章で終わる。
    第三者からの視点が複数あるために、記憶を操

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    2020年09月18日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    面白かったー!
    前半の途中からラストまで、一気読み。
    ハラハラドキドキに、ミステリー要素ありで面白かった!

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    2019年12月01日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    都合よくいきすぎと思いつつ、爽快感がたまらない。ボーナストラックがまたよかった。伊坂幸太郎がもっと好きになりました。

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    2019年01月11日