阿部和重のレビュー一覧

  • アメリカの夜

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    読み終わってしばらく酔っ払っているかのような、一発キメテいるかのような浮遊感。
    パンチの効いた一冊。

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    2017年10月25日
  • グランド・フィナーレ

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    これは神町絡みって分かりやすかったし、ニッポニア関連の話題も出てきたけど、やっぱりそれぞれの相関性はほぼ皆無なんですね。独立した物語になっていて、これ単独でも十分楽しめる内容でした。まあ、どこまで楽しめたかってのは別問題で、アブノーマル描写が多いなってこと以外、とりたてて言うことはない感じでした。でもそのアブノーマリティも、前2作の方が極端に思えましたが。表題作以外のおまけ(?)短編に関しては、読み流した程度で、特に感慨は覚えませんでした。やっぱりシンセミアが最強と思います。

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    2016年06月01日
  • ミステリアスセッティング

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    久々の阿部和重の作品だが、相変わらず物語のスピードが素晴らしい。息つく暇もなく、一気に読んでしまった。思い返すと大傑作の「シンセミア」もそうで、一晩であの上下巻を読んでしまったのが懐かしい。

    本作は一人の孤独な少女が巻き起こす奇跡の話であり、スピード感溢れる語り口で、孤独な戦いを挑む彼女の姿に惹きつけられてしまう。ケータイ小説として書かれたという背景は個人的にはあまり感じず、短文を重ねながらの語り口は速度を高めるのに効果的に寄与していると感じた。冒頭とラストが、円環を描くようにリンクする小説技法もこの人らしい。

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    2014年12月09日
  • グランド・フィナーレ

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    とても重いテーマだった。

    児童性愛者の主人公。
    なんだかこう、はじめてこういう人の主観にたってみて、きっと子どもに対するときめきみたいなものは抑えられないんだろうと思い、なんと少し同情の気持ちが湧いてしまった。
    子どものことはみんな、好きでしょう?それを、性的に好きになるかどうかって、意外と紙一重だったりしないのかな………
    主人公の異常性が露骨にえがかれていなかったからか、彼の子どもへの愛情が強いからか、2人の女の子が非常に愛らしくえがかれていたからか、案外ぽろっとハマってしまうものなのかもしれないと感じた。
    主人公の男性的な事実のみの思考、離婚やドラッグや法に触れる仕事といったハードな現実

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    2014年12月01日
  • シンセミア(上)

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    「これでもか!」というくらいの大量の登場人物のほとんどが人道から外れた行為を己の快楽や利得のためだけに行うとある村のスラップスティックな物語。

    ドラッグ、盗撮、淫行、殺人……破滅的な行いを繰り返しながらも物語がパタパタと綺麗に収束していく様は見事。
    ミステリあり、深い人間描写ありと純文学畑の作家とは思えないエンタメぷりに酔いしれた。過激な描写ばかりのため読む人は選ぶが。

    タランティーノを文章化するとこんな感じになるのかも。

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    2014年03月08日
  • シンセミア(上)

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    上下逆に投稿してしまいましたが・・下巻では蠢く人物たちの俗悪な狂騒に拍車がかかり一気にカタストロフィに突き進みます。その高揚感だけで読み進めてしまいました。これだけの群像劇をまとめ上げる作者の力量には感服します。神町トリロジー読み進めようと思います。

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    2013年10月09日
  • シンセミア(上)

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    こういう多くの人が出てくる群像話は好きです。
    はじめのうちは人の把握に疲れますが、読み進めると各登場人物のキャラが際立ってきます。
    偏った性癖を持つキャラが多くて楽しめました。

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    2013年08月21日
  • シンセミア(下)

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    山形県に実在する神町という町を舞台に、一筋縄ではいかない曲者達が巻き起こす様々な事件を描いた群像劇。
    あえて感情移入を排するためか、登場人物がみな人格的に壊れていて、上巻は読み進めるのに少し苦痛を感じる程だったが、ストーリーが大きく動き出す下巻の半ばあたりから俄然面白くなり、ラストもこれしかない感じの結末で、道徳心のかけらもない人物ばかりの小説でありながら、読後感は意外と悪くなかった。
    いずれにしても、戦後の日本社会の一面を象徴する、「神町」という町そのものがこの群像劇の真の主人公のような印象を受けたが、そういう意味では同じく「神町」を舞台とする「ピストルズ」という作品も是非読んでみたい。

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    2013年07月29日
  • グランド・フィナーレ

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    2005年芥川賞受賞作。作品全体の暗さ、不気味さが体に残る。前半は主人公の気持ち悪さが際立つが、意外と自己反省的で、自分の悪い部分を分析する一面も見られる。掴みどころがない。掴みどころのなさから多少の人間味が出ていて(とても魅力とは呼べないけど)、憎みきれない。

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    2014年10月18日
  • シンセミア(下)

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    これはなかなかの読み応え。
    がつんと言うのとも違うけど、物語力があって、
    堪能させていただきました。

    阿部和重、多分初めてと思いますが、少なくともこのシリーズは
    独特の世界構築がされてて癖になりますね。

    ピストルズも(ちょっと満腹気味だから間をあけてから)読みたいと思います。

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    2013年06月19日
  • アメリカの夜

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    特別でありたいと願えば願うほど、「『きちがいになりたい』ひと」「シネフィル」という『型』にはまってしまう若者がジレンマともがく姿を、小説という枠を何処までも自由に使ってあらわした作品。唐突に思想談義があったり、あらすじはあってないようなものだし、主人公は著者と話し始めるし、シリアスシーンも左右白黒に塗り分けた主人公のせいで台無しだし笑、すべてがめちゃくちゃ。しかし、その滅茶苦茶が著者の言いたい話の流れに従って並べられているから、読むうちにこころが引っ張られていってしまう。青さ、だけでは片づけられない一冊。

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    2016年01月17日
  • 映画覚書vol.1

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    『青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン! 』(リトルモア)にはかなり笑わせてもらったが、本書はそれよりやや真面目(!)に映画について論じている。読んでいて新鮮だったのは、ハリウッドの洗練されたスタジオ製作システムが崩壊し、映画の表現方法(あるいは技法)がリアリズムに近接するようになったとい「時代の流れ」について言及している部分だ。70年代に入ると、ルーカス、スピルバーグ、デ・パルマ、スコセッシといったニュー・ウェーヴが登場し、アクションを機軸とした展開の速い作品がもてはやされるようになるわけだが、たしかに僕らも「生々しい映像」が映画の醍醐味と考えるムキがあるように思う。そういう意味では、19

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    2012年11月18日
  • グランド・フィナーレ

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    私は佳作だと思います。
    設定から奇を衒う内容を思わせます。しかし本作品では普通に、大人から見た子供、大人になったが故遠く感じてしまう子供、その純粋なものに触れたい気持ちを抑えられない不純な大人が描かれているのです。
    設定のマニアックさのバイアスがあるので酷評されている感がありますが、普通の純文学と見ていいのではないでしょうか?

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    2012年11月16日
  • IP/NN 阿部和重傑作集

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    個人的にIPが星3つ、NNが星4つ半ぐらいかな。やー面白かったです、ニッポニアニッポン。主人公のぶっとび具合がもう、一周回ってアホ可愛く思えてしまいます。勝手にトキを守ろうと決めたくせに、トキの交尾に逆ギレしてるあたりが笑える。

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    2012年09月03日
  • グランド・フィナーレ

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    シンセミアほどの衝撃はないが、ありそうにない話でいながら、リアリティのある、筆者の真骨頂が発揮された作品であると思う。救われない内容でありながら、何か心温まるものが感じられて、とても味のある作品ではないかと思う。

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    2012年07月10日
  • 幼少の帝国―成熟を拒否する日本人―

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    著者のフィクション作品などまるで触れたことなくいきなり本作を読んだ形。成熟拒否をテーマとし、多ジャンルの先端の人へのインタビュー&論評。普段触れることが少ない領域ばかりで面白かった。簡潔でわかり易さを重視する昨今の本と比較し冗長に感じる向きもあろうが、個人的には久々に贅沢に文章を読むことができた方を評価したい。

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    2012年07月08日
  • 幼少の帝国―成熟を拒否する日本人―

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    これまで阿部和重さんの著作は全て購入しており、評論という今までにない切り口や、「幼少の帝国」というタイトルからしてデリダ(だっけ?)の「表徴の帝国」のオマージュといったところに、期待十分というで購入。
    が、読後の感想としては、なんとまぁ切れ味の悪いというか普通の評論でしたー。

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    2012年06月16日
  • アメリカの夜

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    初めて阿部和重作品を読んだ。ある男性(唯生)についての話。語り口調。一文が長くて改行が少なく、前の文章に引きづられて話がよく脱線するため、慣れるまでは少し読みにくい。話が進むにつれて、唯生の言動、挙動がどんどん面白くなっていく。後半は何度も笑った。

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    2014年10月19日
  • IP/NN 阿部和重傑作集

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    「ぼく」という幻想。

    この本は『インディヴィジュアル・ブロジェクション』と
    『ニッポニアニッポン』という
    阿部の代表作を1冊にまとめたものである。

    感じたのは人称の問題だ。

    それは「ぼく」という幻想のありかを
    突き詰めていくことになる。

    1作目のは主人公は自分をスパイだと思う映写技師だ。
    「ぼく」という一人称で書かれることで、
    本当にスパイなのか、
    身の回りに危機が迫っているのかどうかが
    曖昧なままで物語は進んでいく。

    「ぼく」の実は平凡な日常が
    Гスパイ行為」というフィルターを通すと、
    非日常へ様変わりしていく。

    本当の「ぼく」は何なのか?
    存在自体が揺らいでいく。
    これは今を生

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    2012年04月28日
  • アメリカの夜

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    84点。特別な存在でありたいと願う主人公は、ひたすらに体を鍛え、思索にふける。主人公と語り手は同一人物なんだけど分裂し、ひたすらに自己言及しまくる。タイトルはトリュフォーの映画そのままだが、主人公が至るところはこの映画、もっといえばヨーロッパ映画的な主題に通低するもの。現実の虚構化、日常の演劇化、みたいな。

    映画や小説を「泣けたわ」「笑えたわ」とシンプルな感想を吐くだけの一娯楽として、あるいはコミュニケーションのネタとして消費する昨今の潮流に逆らい、批判的精神を常にもちメッセージを見い出すべき、みたいな一昔前の教養主義的なお寒い考えで映画鑑賞や読書にひねもす明け暮れながらも、目的があるわけで

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    2012年03月04日