阿部和重のレビュー一覧
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購入済み
身につまされるかも
パン屋の歴史的な裏付けとか、よく調べてるなって
感心する一方、あるはあるは、エロビデオに
出てきそうなものや、アニメの驚きの展開に使われそうな
ものとか、次々と、あああ、自分もこんなものを
日常目にしているから、世界のことを
しっかり心配して、自分の行く道を考えたり
してないんじゃないか、って、
安穏として、なるようになれでだらしなく
生きている自分が恥ずかしい。
これほど、悪い人ばかりの町って
とんでもないけど、うかうかしてると
なりかねないよね。
最後のところもギクッてした。
まあ、よくもこんなって、
何代も続いてこうなってきたってのも
恐ろしい。 -
Posted by ブクログ
本作は神町トリロジー三部作の二部作目に当たる。前作の『シンセミア』とは少々違った書かれた方がされており、一貫して回想形式のような語りになっているが、その理由は記憶を操作する術を代々受け継ぐ菖蒲家が舞台であるからであろう。
その菖蒲家が記憶を操作する以上、何を語られても信用していいものなのか疑惑が残るはずだが、それが最小限に抑えられてるように感じるのは、語り手が重層的に変わるからである。主に語り手は菖蒲家の二女の菖蒲あおばと書店の経営者の石川の2人であるが、最後は、また別の怪しい組織が調べた菖蒲家についての報告書のような形式の文章で終わる。
第三者からの視点が複数あるために、記憶を操 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今でいうところの中二病的思考なシネフィル青年の話。
「特別な存在」でありたいと願う唯夫は、昼と夜の長さが同一になる「秋分の日」生まれということに特別さを感じ、対する「春分の日」的なるものと闘う決意をする。何の冗談か!と!もうニヤニヤしてしょうがないw 唯夫を記述する筆者もまた唯夫自身の別人格で、それはどうやら小説自身の筆者=阿部和重らしく、虚構の中の虚構の虚構と構造が凝ってる。いきなり訳の分からないブルース・リー論から始まって予想のつかない展開も読みづらい文章も全て阿部和重の狙い通りか。
時代は90年代。そして非常に90年代的な小説。サブカルな若者の日常、バブル崩壊後の倦怠感、ネット以前の世界