阿部和重のレビュー一覧
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阿部和重の作品集『無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2』を読みました。
阿部和重の作品は、1年前に読んだ伊坂幸太郎との合作『キャプテンサンダーボルト』以来ですね。
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暴力、ネット、閉塞
阿部和重は時代を看取していた
「J文学」ブームを牽引した先進的傑作
まさに「初期」であるがゆえの
荒々しさとナイーヴさを併せ持った傑作揃い
――解説(佐々木敦)より
野間文芸新人賞受賞作、芥川賞候補作を収めた阿部和重の神髄がつまった新編!
現代日本文学の稀有な才能・阿部和重が不穏な語りで暗示する、危険で予知的な小説世界。
90年代末からゼ -
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スリル感、スピード感抜群の映像的なストーリー
小学生以来の悪ガキコンビ
高校時代の過去の出来事をキッカケに、決定的に関係が疎遠になっていた
ひょんな事から再び出会った二人が、世界を巻き込むような壮大な事件に巻き込まれる
お互いに色々な事情で抱えた借金
公開中止になった特撮映画
ゴシキヌマの水を求める謎の組織と銀髪の男
村上病の謎
戦時中のB29の不可解な墜落
テロ組織
相葉時之と井ノ原悠という名前は、解説でも語られているけど、明らかにアイドルグループを意識してるよな
二人の性格も真面目と不真面目、熱血とクール、猪突猛進と冷静沈着と対象的だけど
特撮ヒーローものの「鳴神戦隊サンダーボル -
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二人の作家が織りなすノンストップエンタメ
小学生以来の悪ガキコンビ
蔵王の御釜の水を求める謎の組織と異様に強い銀髪の男
戦後に発生した「村上病」の謎
東京大空襲の日に東北方面で墜落した三機のB29
詳細な感想は下巻を読み終わってから
阿部和重と伊坂幸太郎の合作らしい
阿部和重さんの著作は未読なので何とも言えないけど、伊坂さんのは何作か読んだ事があるので、所々に漂うそれっぽさは感じる
どうやって書いたんでしょうね?
江國香織さんと辻仁成さんのように、それぞれ別の人物のパートを書いているわけでもない
木皿泉のように、二人でプロットを相談し、どちらかが主導して書いて、もう片方がバトンタッ -
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もうすぐクリスマスですね。
ー 二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ…
芥川賞受賞の表題作は、ロリコン趣味が露呈して、妻と最愛の娘に去られた男の再生の物語。
とは言え、反省はしてるんだろうけど、主人公はきっと変態なままだ。
気持ち悪いまま読み終えた。
阿部和重さんは、そんな病んでいる男を一人称でドライに描き上げる。
村上龍さんは芥川賞の選評の中で「少女に対する偏愛という、いろいろな意味で危険なモチーフについて、作者が踏み込んで書いていないのが最大の不満だった」と言っているが、そこがこの小説をかえって不気味にしている、と思った。
主人公の内面については薄っぺらく描かれてるので、引 -
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伊坂幸太郎とのコラボ作品「キャプテン・サンダーボルト」は読んだことはあるけれど、阿部和重作品はこれが初読み。なんだか長くて難しそうな作品を書くという勝手な思い込みで近づけずにいた。
500ページ弱、2段組というボリュームやや怯むも、「北朝鮮からの密使である名前のない女と、落ちぶれた映画監督の純愛」という設定に惹かれ読んでみた。
なかなかハードボイルドな設定なんだけど、独特の世界観で深刻になりすぎず、グイグイというわけでもないけどついついやめられなくて読み続けてしまう感じ。
ユーモアのセンス、押し付けがましくないメッセージ性、主人公のキャラクター、とどれをとっても「過ぎない」感じが実にい。
今 -
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終わり、それとも始まり……神町を巡る物語「グランドフィナーレ」という名の終わりの始まり。毎日出版文化賞、伊藤整賞W受賞作「シンセミア」に続く、二人の少女と一人の男を巡る新たなる神町の物語。
自分の過去をまるで他人事のように小さく語る主人公。刑事事件になっていないからなのか、それとも思考を停止しているだけなのか。クライマックスもこじんまりしていてサイコパス感が出ていて良かった。阿部小説は文体にかなり特徴があるらしい。とある芥川賞作家は、この作品についてこう書いていた。「多くの読者は疲れるだろう」と。だけどグランドフィナーレを読み終えた直後の感想は「普通に読めるし面白い」だった。