阿部和重のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026.40
伊坂幸太郎新潮文庫25周年の特別カバーがすごく可愛くて買ったのだけど、元々のデザインだったら手に取ってないのでデザインの偉大さを感じた。
この会話の感じ、脳内で映画になる感じ、伊坂幸太郎さんの小説が大好きだった学生時代を思い出す。そして久しぶりに読んでもやっぱり好きだ。。。面白かった。そして時折出てくる現実世界への批判的な台詞が大好き。
阿部和重さんの作品は読んだことがないのだけど、これを機に読んでみたい。
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P191 「昔からのインフルエンザで、年間、千人の死者が出たとニュースになっても誰も注目しないが、新型インフルエンザが出て、一人でも亡くなれば、大騒ぎになる」人々の関心や恐怖は、ニュースの見出しの大きさに影響を受け、ニュースの見出しは、新奇さ、稀有さに影響を受けるわけだ。
P327 「マーフィーの法則にもある。人生で楽しいものは、違法か、反道徳的か、もしくは太りやすい」
P526 「当時はオーストラリアの植民者たちが、我が物顔で振る舞って、先住民たちに厳しかった。どこかの国と一緒だな。あとから来た奴らが偉そうに、だ」
P532 「戦争ってのは、クソだな」アンソニー・D・レイノルドが不意に吐露した。「なぜか知ってるか?」「さあ」「戦争をやりたがるのはたいてい、戦争でひどい目に遭ったことのない奴らだからだ」
P541 「野球には逆転がある」「井ノ原、あのな」分かってる、とうなずく。野球には逆転があるが、俺たちの生きている社会にはなかなかない。
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Posted by ブクログ
伊坂幸太郎・阿部和重『キャプテンサンダーボルト』
借金返済のため、一攫千金を狙う相葉時之。山形のホテルで手違いから、テロリストから追われる身となる。
絶対絶命の中、旧友・井ノ原悠と出会う。
蔵王の御釜を発生源とする『村上病』。
第二次世界大戦中、東京大空襲の日に蔵王に墜落したとされるB29。
御釜でのロケを敢行し、公開直前に公開中止となった『劇場版 鳴神戦隊サンダーボルト』。
そして、御釜の『五色沼の水』を狙うテロリスト。
テロリストからの逃走を続ける相葉と井ノ原。
それぞれがつながり始める…
真相が明らかに…
伊坂幸太郎と阿部和重の合作。
伊坂幸太郎らしいといえば、伊坂幸太郎らしい作品で…
合作らしさはどこに…
阿部和重作品を読んだことがないので、阿部和重らしさがわからないのだが…
しかし、国は怖い…
国の機密事項を隠すため、病気をでっち上げ、国民にワクチンを打つなんて…
『村上病はあるけど、ない』
新型コロナのワクチン接種も正しかったのだろうか…
でもハッピーエンドに終わってよかった。
相葉も井ノ原もこのままじゃ、大金は掴めないな…と思ってたところ、思わぬ救世主が…
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Posted by ブクログ
ネタバレ阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの合作の小説です。2人で思ったよりきちんと文書や話を推敲しあって作った長編小説のようです。
相葉時之はかつて少年野球のピッチャーを務めていた男でした。性格は行動力がある反面、あまり深くものごとを考えないため、いつも失敗してしまいます。後輩の女性を助けようとした結果、代わりに多額の借金を背負うことになります。この借金返済のため、心の拠り所だった実家を母から売却されてしまい、相葉は家を買い戻すための資金を必死で探していました。
井ノ原悠は、相葉とバッテリーを組んでいたキャッチャーで、常識な社会人です。小さい子供がいますが、原因不明の皮膚病院を患い治療費が嵩み、借金をしてしまいます。仕事はオフィスにあるコピー機の販売や保守点検を行っています。しかし毎月の給料ではやっていけないので、営業で売り込んだコピー機から会議資料・機密資料などのスキャン結果を自分のパソコンに転送をさせるプログラムを組んで、情報屋としてお金を稼いでいました。
桃沢瞳は、作品冒頭に出てくる女性です。「ガイノイド脂肪に注目しろ」と言って、色仕掛けで情報を集めています。ただ、書き出しのインパクトは強く、一気に彼女の印象が頭に叩き込まれます。彼女の目的は父親の無念を晴らし、村上病の謎を解くことです。
ある日相葉は、「一儲けできる」と思う取引のため、ホテルでの待ち合わせに向かいます。しかし、別の部屋でのロシア人の取引と、関係者が入れ違ってしまいます。状況を誤解したロシア陣たちと乱闘になりますが、ホテルのガードマンである同級生の助けで辛うじて逃げ出します。その際、水を汲んできた髭面男のスマホを奪うことに成功します。相葉はその後映画館に潜り込みますが、その際に、偶然旧友の井ノ原に出会います。「金が欲しくないか?」と井ノ原に問いかけますが、面倒事に巻き込まれるのを嫌い断られます。しかし、結局は事の成り行きで井ノ原ひ強制的に関与してしまうことになります。映画館には、髭面男が追いかけてきますが、さらに彼を殺したロシア人のメンターに今度は追われることになります。
相葉がスマートフォンを持っていることが明らかになると、冷酷で異常にこの銀髪の男メンターが、執拗に相葉と井ノ原を追い始めます。この男は“テロリスト”のような存在として描かれ、死体を重ねながら、2人は追われるようになります。
相葉と井ノ原は、奪ったスマホの情報を辿る中で、「ゴシキヌマ」という言葉と出会います。これは蔵王山中にある火口湖「御釜」のことであり、その地元ではかつてウイルス性の感染症「村上病」が流行し、立入禁止区域となっていました。またその地域には、太平洋戦争末期にB29爆撃機が墜落したという痕跡があります。物語の冒頭で髭面男の汲んで来た水も御釜の水でした。
さらに物語が進む中で、二人は公開直前に上映中止となった幻の映画『鳴神戦隊サンダーボルト』の存在を知ります。この映画は蔵王の御釜を舞台に撮影されたものですが、中止の理由は公にされなかったため、館長が所持していたコピーを二人は入手し鑑賞します。その映像には、五色沼で魚が生きて跳ねている場面が写っており、それが原因で公開中止になったのだと、2人は気づきます。
やがて、2人は桃沢瞳と合流します。桃沢は、村上病に関する情報を集めていたため、情報屋の井ノ原に接近していたためです。しかし、桃沢はメンターに攫われてしまいます。メンターが2人に要求したことは一つでした。五色沼の水を汲んでくること。
相葉と井ノ原は、映画のサンダーボルトの主演をしていた赤木駿に出会い、五色沼やB29に関する情報を仕入れます。特殊な五色沼の水から、旧日本軍は化学兵器を作ろうとしていたこと、B29はそれを察知していたアメリカ軍が派遣した爆破部隊であったことを教えてもらいます。
桃沢を助けるため、2人は御釜に侵入し、水を汲んできます。そして、待ち合わせ場所に現れたメンターに桃とひきかえに水を渡します。その場でメンターは水から化学兵器を作ります。彼は日本の破滅を願うテロリストでした。2人は共同してメンターを倒しますが、メンターはその場で化学兵器に時限爆弾をつけて作動させてしまいます。都市部での爆破をさけるため、2人はそれを仙台市内の銀行の金庫でそれを爆破させます。
感謝した資産家より、2人は借金を帳消しにしてもらます。また相葉は桃沢と付き合い始めます。
非常に話のあらすじは面白いです。そのうち、映画化とかされそう。ただ、共著であるせいか、少しいつもの伊坂幸太郎さんの作品より読みづらい気がします。
でも、それを差し引いても面白いですね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ伊坂幸太郎25周年特別版のカバーに惹かれて購入
合作ということでどうかなって思ったけど、買って正解だった。
勢いだけ良くていつも肝心なところで選択を間違える相葉と、真面目っぽいけどなんだかんだと相葉に付き合う井ノ原のコンビがとても良かった。
特に相葉の、自分のせいで他人を不幸にしてしまったことを内心では悔やみながらも強がりが出て、また自己嫌悪するという人間臭いところがかなり好きだった。ちょこちょこ「ちゃんと考えて動きなよ…」って思うところもあったけど、そこも含めて相葉っていう人間って感じで、最終的には好きになってた。
話的には、テロの話は片付いた実感がない感じで呆気なく終わるし、借金もなんかいつの間にか無くなってるしでちょっと消化不良な感じもある。
でも最後の、12年前の骨折事件のその後が語られるところはとても良かった。相葉は井ノ原と再会して、12年前の後日談を知ったことで救われて(奥さんも手に入れて)、井ノ原は相葉と再会してあり得ない経験をしたことで息子の治療も思い切れた。相葉と井ノ原それぞれの人生の逆転の話だったのかな。
調べたら、楽天の試合は実際3点差から見事逆転勝利したとのことだった。
野球には逆転があるし、人生にもあるのかもしれない。
最後の書き下ろし短編もめちゃくちゃ良かった。赤木さんかなり好き。 -
Posted by ブクログ
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プロフェッショナルなメンバー達の活躍によって順調に思われたチームの活動だったが、クイーンでありクエーサーでもあるQの対象変更、そして怪しげな「引き寄せの法則」や故ダイアナ妃とQとの暗合を語る新メンバー、ニナイの加入を契機として歯車が狂い始める。やがて事態は加速度的に破滅、あるいは奇跡へと向かっていく...
相変わらずのスタイリッシュな語り口で紡がれる、ほとんどスパイアクションのようなアイドルパパラッチアクション小説。
散りばめられたモチーフやラストの解釈などは他の人にお任せしたいところだが、エンターテイメント小説としてもアイドル礼賛小説としても一級品の出来。