阿部和重のレビュー一覧

  • ブラック・チェンバー・ミュージック 下【毎日文庫】

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    阿部和重作品への勝手なイメージで、物語中で細部へのこだわりを持った描写がなされる、というものがあります
    ホントに自分がなんとなく感じただけのふわっとした印象ですけど

    で、過去作『インディヴィジュアル・プロジェクション』だと、フリオ・イグレシアスの歌詞への執拗な考察シーンがでてくるんですよ

    そんな流れで今作を読んだ時に気になっちゃうのが「グラフィティ/チャーチズ」です

    実在の曲なので、検索からの和訳をかけてみたらこれがもう作品にぴったりで
    上で例に出した『インディヴィジュアル・プロジェクション』でのフリオの歌詞のように執拗な考察をするわけでもなく、ただ単にgoogleパワーで翻訳をかけたも

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    2025年03月04日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック 上【毎日文庫】

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    自称ドナルド・トランプの隠し子
    南北朝鮮に所属する国家職員の秘密の会合
    ……などが物語序盤から描写されるのですが、基本は主人公横口健二の大冒険といった内容です

    知り合いのヤクザから仕事を押し付けられ、北朝鮮からの密入国者ハナコと一緒に謎の映画雑誌を探し出すはめになった横口健二、そんなお話

    スラスラと読めるし、内容も面白い
    でも改めてストーリーを思い返してみるとお話の進展はほぼないような気もします

    でも読んでいると面白いんですよ、すごい、なにこれ
    上巻の最後の最後になって急に物語がアクセル全開になって、なんだかんだで下巻が読みたくてしょうがないです

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    2025年02月25日
  • たけくらべ 現代語訳・樋口一葉

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    面白いとは、思った。そんで、この書き方が樋口さんなのかあ、とも思った。訳されていても、こんな堅いんだなあ。って。でも…まだ、私には早かったらしい。「面白いなあ」から→「眠たいなあ」にいつの間にか変わってしまっていて…笑。リベンジしたいです。

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    2024年11月14日
  • 無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2

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    阿部和重の作品集『無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2』を読みました。
    阿部和重の作品は、1年前に読んだ伊坂幸太郎との合作『キャプテンサンダーボルト』以来ですね。

    -----story-------------
    暴力、ネット、閉塞
    阿部和重は時代を看取していた
    「J文学」ブームを牽引した先進的傑作

    まさに「初期」であるがゆえの
    荒々しさとナイーヴさを併せ持った傑作揃い
      ――解説(佐々木敦)より

    野間文芸新人賞受賞作、芥川賞候補作を収めた阿部和重の神髄がつまった新編!

    現代日本文学の稀有な才能・阿部和重が不穏な語りで暗示する、危険で予知的な小説世界。
    90年代末からゼ

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    2024年10月20日
  • キャプテンサンダーボルト 新装版(新潮文庫nex)

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    文庫版は、おまけ含めて700ページ弱の長編。手探りの序盤を乗り越えるとグッと入り込めた。井ノ原と相葉コンビ(+ポンセ)、掛け合いが最高だった!

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    2024年05月14日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    子供の頃に野球を通して学んだことは全て役に立たというセリフが良かった。
    最近のコスパやタイバを重視して、 何でも安易な成果を求める風潮より、意味も分からずに一生懸命何かに打ち込んだ時代の方が好きだな。

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    2024年03月02日
  • キャプテンサンダーボルト 上

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    協働執筆とは思えない伊坂ワールド全開の上巻でした。
    お得意の伏線だらけの展開なので下巻が楽しみです。

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    2024年02月28日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    スリル感、スピード感抜群の映像的なストーリー

    小学生以来の悪ガキコンビ
    高校時代の過去の出来事をキッカケに、決定的に関係が疎遠になっていた
    ひょんな事から再び出会った二人が、世界を巻き込むような壮大な事件に巻き込まれる

    お互いに色々な事情で抱えた借金
    公開中止になった特撮映画
    ゴシキヌマの水を求める謎の組織と銀髪の男
    村上病の謎
    戦時中のB29の不可解な墜落
    テロ組織


    相葉時之と井ノ原悠という名前は、解説でも語られているけど、明らかにアイドルグループを意識してるよな

    二人の性格も真面目と不真面目、熱血とクール、猪突猛進と冷静沈着と対象的だけど
    特撮ヒーローものの「鳴神戦隊サンダーボル

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    2024年01月25日
  • キャプテンサンダーボルト 上

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    二人の作家が織りなすノンストップエンタメ

    小学生以来の悪ガキコンビ
    蔵王の御釜の水を求める謎の組織と異様に強い銀髪の男
    戦後に発生した「村上病」の謎
    東京大空襲の日に東北方面で墜落した三機のB29

    詳細な感想は下巻を読み終わってから


    阿部和重と伊坂幸太郎の合作らしい

    阿部和重さんの著作は未読なので何とも言えないけど、伊坂さんのは何作か読んだ事があるので、所々に漂うそれっぽさは感じる

    どうやって書いたんでしょうね?
    江國香織さんと辻仁成さんのように、それぞれ別の人物のパートを書いているわけでもない
    木皿泉のように、二人でプロットを相談し、どちらかが主導して書いて、もう片方がバトンタッ

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    2024年01月24日
  • キャプテンサンダーボルト 新装版(新潮文庫nex)

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    ドキドキワクワク読み進めながら、読み終わった時の爽快感がある。ページ数は非常に長いが後半駆け抜けて一気に読める。さすがの伊坂幸太郎。作者2人でどうやって書いたんだろう。合作すごい。
    世界を救いたくなる。

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    2024年01月18日
  • キャプテンサンダーボルト 上

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    面白かった。読み終わるまで共作だと気づかなかった。2017年発刊だがウィルスや予防接種などテーマがタイムリーでコロナ禍に読めて良かった。
    阿部和重さんの作品も読んでみたい。

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    2023年06月13日
  • キャプテンサンダーボルト 上

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    主人公2人とも感情移入しやすいキャラクターですぐに引き込まれた。展開がかなり気になる熱量のまま下巻へ!

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    2023年05月26日
  • キャプテンサンダーボルト 下

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    蔵王に墜落したB29、公開中止になった幻の映画、迫りくる冷酷非情な破壊者…。世界を救うために、2人は走る。

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    2023年04月20日
  • グランド・フィナーレ

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    もうすぐクリスマスですね。

    ー 二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ…
    芥川賞受賞の表題作は、ロリコン趣味が露呈して、妻と最愛の娘に去られた男の再生の物語。
    とは言え、反省はしてるんだろうけど、主人公はきっと変態なままだ。
    気持ち悪いまま読み終えた。

    阿部和重さんは、そんな病んでいる男を一人称でドライに描き上げる。
    村上龍さんは芥川賞の選評の中で「少女に対する偏愛という、いろいろな意味で危険なモチーフについて、作者が踏み込んで書いていないのが最大の不満だった」と言っているが、そこがこの小説をかえって不気味にしている、と思った。
    主人公の内面については薄っぺらく描かれてるので、引

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    2022年12月12日
  • クエーサーと13番目の柱

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    「クエーサーと13番目の柱」(阿部和重)を読んだ。
    ポール・オースターの「幽霊たち」を連想してしまったよ。(全然違うんだけど)
    私の中では阿部和重さんの文章は苦手なイメージが張り付いてしまっているのだが、この作品に関してはグイグイ引っ張られていく感じが楽しかったな。
    で、ラストが⁉︎

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    2022年07月01日
  • アメリカの夜

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    第37回群像新人文学賞受賞作,第111回芥川賞候補作および第8回三島由紀夫賞候補作。デビュー作としてはかなり注目度の高い作品。

    ディック『ヴァリス』やセルバンテス『ドン・キホーテ』など数多くの文学作品からの借り物が,モチーフとして登場。ある種のメルヘンくさい私小説といえる。

    ポストモダンの残骸から,映画やカメラの特性を拾い上げて再生しようという意欲が湧いてくる。

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    2022年05月16日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック

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    長編エンタテイメント作品として躍動感があり、一気に読ませてくれる作品。好みの問題は勿論あるものの現実的でない部分も含めてストーリー展開は巧み。顛末に今一つの工夫があると尚良かった。

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    2022年05月15日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック

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    「この人の本を「面白い」て言えるのなんかかっこいい」と思う作家さん。
    朝鮮半島とアメリカの動きを背景に、映画の評論をめぐってたくさんの人が巻き込まれていく。
    「おおばんぶるまい」って「大盤」だと思ってたけど、「椀飯(おうばん)振る舞い」だったことを初めて知った。

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    2021年11月06日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック

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    わけがわからなかったけど、面白かった。ついつい最後まで、読んでしまった。主人公のキャラがいいんだろう。それと周りの脇役たちも。これぞ小説。

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    2021年10月09日
  • ブラック・チェンバー・ミュージック

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    伊坂幸太郎とのコラボ作品「キャプテン・サンダーボルト」は読んだことはあるけれど、阿部和重作品はこれが初読み。なんだか長くて難しそうな作品を書くという勝手な思い込みで近づけずにいた。
    500ページ弱、2段組というボリュームやや怯むも、「北朝鮮からの密使である名前のない女と、落ちぶれた映画監督の純愛」という設定に惹かれ読んでみた。

    なかなかハードボイルドな設定なんだけど、独特の世界観で深刻になりすぎず、グイグイというわけでもないけどついついやめられなくて読み続けてしまう感じ。
    ユーモアのセンス、押し付けがましくないメッセージ性、主人公のキャラクター、とどれをとっても「過ぎない」感じが実にい。

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    2021年10月02日