【感想・ネタバレ】無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2のレビュー

あらすじ


暴力、ネット、閉塞
阿部和重は時代を看取していた
「J文学」ブームを牽引した先進的傑作

まさに「初期」であるがゆえの
荒々しさとナイーヴさを併せ持った傑作揃い
――解説(佐々木敦)より

野間文芸新人賞受賞作、芥川賞候補作を収めた阿部和重の神髄がつまった新編!

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Posted by ブクログ

阿部和重の作品集『無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2』を読みました。
阿部和重の作品は、1年前に読んだ伊坂幸太郎との合作『キャプテンサンダーボルト』以来ですね。

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暴力、ネット、閉塞
阿部和重は時代を看取していた
「J文学」ブームを牽引した先進的傑作

まさに「初期」であるがゆえの
荒々しさとナイーヴさを併せ持った傑作揃い
  ――解説(佐々木敦)より

野間文芸新人賞受賞作、芥川賞候補作を収めた阿部和重の神髄がつまった新編!

現代日本文学の稀有な才能・阿部和重が不穏な語りで暗示する、危険で予知的な小説世界。
90年代末からゼロ年代初頭に発表された、野間文芸新人賞受賞作『無情の世界』(「トライアングルズ」「無情の世界」「鏖(みなごろし)」所収)、芥川賞候補作『ニッポニアニッポン』を収めた阿部和重の神髄がつまった新編。
〈解説=佐々木敦〉
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2011年(平成23年)に講談社文庫より刊行された『IP/NN 阿部和重傑作集』収録の『ニッポニアニッポン』と、2009年(平成21年)に講談社文庫より刊行された『ABC<阿部和重初期作品集>』収録の『トライアングルズ』、『無情の世界』、『鏖(みなごろし)』を再編集して、2023年(令和5年)に刊行された作品です。

 ■トライアングルズ
 ■無情の世界
 ■鏖(みなごろし)
 ■ニッポニアニッポン
 ■解説 佐々木敦

4作品とも、人間の内面に潜んでいる狂気を描いた作品……エゴイズム、暴力、不倫、ストーカー等、正常な精神状態であれば忌避すべき行動に導く狂気が、自分の中にも宿っているような気持ちになってきて、ヒリヒリするような印象を受けながら読み進めました、、、

特別な物語ではなく、実は身近にあるリアルなことなんじゃないのか……と、そんな錯覚を起こしそうに気持ちになって、ページを捲る手が止まりませんでした。

不快な展開なのに、なぜか読んでいて心地良い……不思議な印象の作品たちでした、、、

芥川賞候補作の『ニッポニアニッポン』に描かれるネットへの依存は、現代の日本において、さらに進んでいると感じるし、孤立化することによる自意識過剰、自分を特別視する傾向って、益々強まるんじゃないかという思いが強まりましたね……エンディングはクイーンの"ボヘミアン・ラプソディー"がピッタリ合っていまたねー 阿部和重の他の作品も読んでみたくなりました。

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2024年10月20日

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