阿部和重のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説ではなく、まるでアクション映画を観たよう。
それくらいにぶっ飛んだ設定。
未知のウイルスにB29墜落に日本政府に戦隊ヒーロー。
そこに昔、小学生の時にバッテリーを組んでいた二人組が加わり、様々な要素が絡み合う。
この二人のコンビが本当に最高で、重たい状況の中、物語にユーモアを添える。
純粋に面白い。楽しめる。先が気になってページをめくる手は止まらない。
阿部和重さんの作品は初めてなのだが、極上のエンタメ小説でした。
特に元バッテリーコンビの二人組はまさに、合作で手を組んだ阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの息の良さを感じさせる。
書き下ろし短編もボーナストラックも良かった。 -
Posted by ブクログ
胸が悪くなるような、暴虐なシーンの連続。
戦後の混乱期、町の顔役となった田宮家。
一家への血の粛清がはじまっていく。
町の均衡を破ったのは、しかし田宮家だけではなかった。
戦後の混乱で凄惨なリンチの末命を絶った女性の孫である隈本光博が町にやってきたことによって、大崩壊が齎される。
「阿部和重」を騙って彩香に近づこうとする、盗撮グループ唯一の生き残り、金森が描かれて小説は終わる。
非常に不穏な感じが残る。
上巻で動き始めた数々の事件、事故、犯罪が、次々と関係者の死や、大事故などによって「回収」されていく。
内容のおぞましさを超えて、小説の構想力に圧倒されてしまう。
結末を知らずにいられないよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ芥川賞を受賞した「グランドフィナーレ」はその評価に悩んだものだけど、一方でシンセミアは紛れもなく力作だと思った。
神町の共同体としての描写はとても濃密。創作だとはとても信じられないような気持ちになった。
この本を読んでいる間だけは、自分もこの町の中にいて、人々の有り様を近い目線で観察しているような没入感があった。
登場人物は悪い意味で癖の強い人々ばかり。
インモラルな性癖や暴力性が包み隠さず描かれるので、苦手な人は苦手かも。
人間の剥き出しで汗臭い欲望を書くのに長けた作家だとは認めつつ、それに少し食傷気味になってしまった。果たして下巻はどうなっていくのか。
あと、登場人物が多すぎて、間 -
Posted by ブクログ
ネタバレ阿部さんの作品を読んだことがないので、どの辺りが阿部さんっぽいかとかは全く分からず。伊坂作品しか読んだことがない私からしたら、全体的に伊坂さんぽさ溢れてました。伊坂さんの文章の軽快さが好きなので、読み心地に違和感を感じたとこが、阿部さん担当だったのかなとも思ったり。
他の方のレビューにもありますが、国家権力と戦う男2人の友情、セクシーなヒロイン、アクションと、映画化したら画になるのだろうなという作品です。ポンセまで再現するのは難しいかなぁ。笑
これの後にフーガはユーガ読みましたが、ちょっと無鉄砲で元気なキャラと、温厚ながらも芯に熱いものを持ってるキャラの組み合わせが重なりました。
ボーナ -
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「キャプテンサンダーボルト」(阿部和重 伊坂幸太郎)を読んだ。
二回目。
前回読んだ時は何やら文句垂れましたが、今回は楽しく読みました。
考えてみたら、阿部和重さんの本はこれ以外は2冊しか読んでなくて、しかもちゃんと読んだ気がしていない。
ここにも私にとっての未知の領域があるのだな。
「キャプテンサンダーボルト」(阿部和重 伊坂幸太郎)[電子書籍版]を読んだ。何がどうなってお二人がこれを書くことになったのかという事は存じあげないし、どういう形で創作して行ったのかも知らないのだけれど、なんだか相乗効果みたいなものが感じられなかったというのが正直な感想です。 -
Posted by ブクログ
単行本出版当時、話題になった共作の作品。
でも、僕は阿部和重氏の作品を読んだことがないからいまいちピンと来なかった。
それでも期待していた文庫化。
なのにどういう訳かなかなか読み進められない。
伊坂作品はそれこそ読むのを止められなくて数日で読み終わってしまうのに、まさか上下巻で丸二ヶ月かかるとは。
凄く面白いのに、何でだろう?
ワクワクするし読み進めるほど奥深くてはまっていくのに、なかなか進まない。
その解答は #佐々木敦 さんの解説にあった。
これまで何作か共作の小説を読んだけれど、今回は全然感覚が違う。
『いわばこれは「阿部和重」でも「伊坂幸太郎」でもない、第三の、名前を持たない新人 -
Posted by ブクログ
ネタバレびっくりしたのが、劇場版が公開中止になった設定年が1990年代だっていうこと…! 「昔のこと」を掘り出しすと言えば、もっと「昔の」ことをイメージする。私には1996年はそんなに昔ではない、と思ったところで計算してみると既に20年も前…?
あぁそれは「昔」だわ。。
馴染みのメンバー。今は連絡もとっていない。地元だから風の噂は聞こえてくるけど。
ゴールデンスランバー。大学と高校じゃちょっと違うと思うけど。私は地元を離れてしまって久しいし、全くそんな噂は聞こえてこない。
この、流れているニュースがおかしなこと言ってる感、警察までもが信用できないかもしれない怖さ。大人になったから、皆で1人の人間を -
Posted by ブクログ
(上下巻合わせての感想です)
私もかつて野球と戦隊モノが好きな男の子だったので、これぞど真ん中のエンタメ!っていう感じで、読んでいて楽しかったです。ハリウッド映画を観ているような感覚で読めるので、何だか伊坂さんの代表作『ゴールデンスランバー』を別口から切り抜いた作品のようにも思えました。ただあの作品ほど重たくはないですね。死人も結構出るのですが、乾いた筆致であまり後に引きずらない。このあたりは阿部さんの処理の上手さでしょうか。
マイナス点は犬があまりにも活躍しすぎることと、村上病のあの設定にはさすがにリアリティがないと感じたのが理由です。ただまあ、こういうスケールの大きなタイプの作品にはちょ