【感想・ネタバレ】ピストルズ 下のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2020年09月18日

本作は神町トリロジー三部作の二部作目に当たる。前作の『シンセミア』とは少々違った書かれた方がされており、一貫して回想形式のような語りになっているが、その理由は記憶を操作する術を代々受け継ぐ菖蒲家が舞台であるからであろう。
その菖蒲家が記憶を操作する以上、何を語られても信用していいものなのか疑...続きを読む惑が残るはずだが、それが最小限に抑えられてるように感じるのは、語り手が重層的に変わるからである。主に語り手は菖蒲家の二女の菖蒲あおばと書店の経営者の石川の2人であるが、最後は、また別の怪しい組織が調べた菖蒲家についての報告書のような形式の文章で終わる。
第三者からの視点が複数あるために、記憶を操作する菖蒲家の内実についての語りがある程度の信用を担保され、『シンセミア』ほどの急展開はないにしても、ダレずに読めるのであろう。

『シンセミア』と『ピストルズ』の関係でいえば、前作は謎や空白をあえてそのままにしたアイロニカルな語りであったが、本作はその謎や空白に対して謎解きのようなある種の解答を与えた部分があった。
それゆえにストーリーの展開が相対的にゆっくりめであり、書かれた言葉もそれに合わせるように静的でいて幻想的なものが多かったように感ぜられた。
ゆっくりな展開をどう評価するかは、本作を一つの作品としてみるか、三部作の他の作品との関係や位置づけを加味するかでかなり変わってくるのかもしれない。
それゆえにますます三部作最後の『オーガ(ニ)ズム』が楽しみである。

0

Posted by ブクログ 2018年11月17日

「シンセミア」の続編や言うから読んだんやけど、シンセミアがおもしろすぎるからなぁ、なかなかあのレベルを想定しちゃうとキツいわね。いや、コレはコレでおもしろくないかと言われれば十分おもしろいねんけども。やはりスケールの違いか。

0

「小説」ランキング