赤川次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
杉原爽香シリーズの中でも一番ダーク、一番辛い話になります。タイトルの通り暗黒であり、でもそこがスタートラインなんですよね。
読んだ誰もが明男に憤りを覚えると思います。私は中丸教授よりも強くそれを感じました。
母親思いのあまりに、母親が爽香に攻撃していても止めない挙句に中途半端に別れも告げずに、母親の気に入っている女と付き合い、そしてやっぱり別れも告げず、中丸夫人と不倫に陥っていくという。そんな事をしながらも爽香に連絡するとはどういう事だと。
結果から言えば殺人を犯しておいて、あいつなら何とかしてくれるって思って頼っていったんでしょう。殺人まで隠してくれるとでも思ったのか。
もし最初混乱していただけと言っても一人でマンションにいれば冷静にもなるでしょうし、誰に迷惑がかかるのかも自分が何をしでかしたかもわかるだろうに、女遊びまでする始末。
挙句に罪をかぶってくれる人がでればそれに乗じる…ひどい男だなぁ。なのにそんな男がいいんですよね。
あと次に腹が立つのが祐子。
元彼にあたる犯罪者から連絡がきて困るのはわかるが、態度とか言動とか信じられない。しかも中丸にほいほいついていくし…自分のことを悲劇のヒロインとでも思っているのか、自分を守ることに必死であざとさが気に入らない。
そんな中で爽香には今日子っていう友人がいてよかったなと思います。親も理解のある人で、厳しい話ですがここだけは和みました。
一番辛かったのは最後の爽香から明男にあてた手紙。
彼が殺人を犯したと知っていて見逃すなんてできなかった。でも彼が自分を選んでくれるという自信もなかったのだろうなぁと思う。だから手紙という手段を選ぶしかなかったんだと。
爽香がおきるまで待っていた時間、明男は何を思ったんだろう。
でもこれをきっかけに彼は凄く変わることになるので、罪を償う形でよかったです。気が弱いから一生背負うなんて無理でしょう。
最後に、兄充夫と則子はこのまま絶縁でいいんじゃないかなと。
そんな遠い縁でいじめられたりなんてしないよと、困った時だけくるなと、いらだつ夫婦ですね! -
Posted by ブクログ
ネタバレ
三十路爽香から読んだので若くて違和感。笑
由季という女の子と爽香が仲良くしていて、今日子以外とあまり友達と一緒にいる感じがしないので初めは不思議な感じでした。
でも二人ともタイプが違うのに気が合っていて、見ていて気持ちのいい仲。そして二人とも実年齢よりも大人。
由季はクールで優等生タイプでは決してないけれど、根はいい子。勉強もすれば頭もいいのだろうなという印象。だからこんな風に学校に行けなくなるというのは勿体無いなと思います。
でもきっと世渡りも上手そうだから就職しても大丈夫そうだなぁ。付き合いだけ悪いし上司にも物をはっきり言いそう。
それよりも明男の方が問題。
デリカシーがないと言うだけではすまされないし、人を傷つけても平然とした顔で気付かないでいるのだろうな。
中途半端とか無駄な優しさって結局は傷つけるだけだと思うし、中丸婦人の伏線は今後の展開に予想がつきますよね。
悪いと少しでも思っているのなら連絡をとらない、それも優しさだよ。て事をね、爽香がぴしゃりと言ってほしかったけど、そこまで大人にはなれないよね。
しっかり者の彼女の恋愛には奥手・疎さな所は、ほんの少し人間味を感じさせます。言ってつながりが絶たれるのも怖いでしょう。
今まで爽香に頼りきりだった母親も、やっぱり子供だと思い接しているシーンもよかったなと思います。
犯人は、タイトルである象牙色のクローゼットのエピソードなど同情もしますが、やっぱり人を殺してしまうのはいけないことですよね。いかなる理由があろうとも。
でも母の情事を一度にならず何度も見るって言うのは…どうなんでしょう。あるのかなぁ。身内のそんな場面なんて見たくないですよね…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
枯葉色のノートって渋いし女子高生持つかなぁ?笑
でも赤川次郎さんは若い女子を書くのが上手ですね!
17才で就職し、弟の世話をしながら頑張っている里美の恋が始めてかかれました。やっぱりしっかりしている反面父親像を求めている所為か情けないおじさんに惹かれちゃうんですね…。爽香もそうですが、しっかりしている女性は守ってあげなきゃ!な男へといってしまうようです。
でもこんな男に里美は勿体無いよと何度も思います。やっぱり彼女も年相応になりたい時間もあるでしょうし、若い時から母親代わりでいい子ちゃんだったので今回の、恋に暴走する彼女にはらはらさせられリアルに感じました。
これだけではなく、枯葉色のノートブックの持ち主の女子高生。はじめはこんな女子高生いるか?と思いますが、最後に家族の話、看護婦を見て「自分は世の中のことを知っているとうぬぼれていたけれど、本当は何も知らなかった」と気づく所が本当にリアル。
中途半端に親を見て育ったせいで、そのように勘違いしてしまうこと、若いが故に大人ぶり方を間違ってしまうこと、ありがちだと思います。
学校という場所なんてほんの一部、家庭だって自分で作れる、居場所はそこにあるのじゃなく自分で作る場所なんですよね。
そして寺山については…どうしようもない男としか;
全部失うまでどうして気付かないのか、自分が悪いとひとつでも思わないのが不思議でなりません。
そんな男だから守りたくなるのかな、ほんとなぞですね、
最後に爽香は相変わらずですが、寺山の奥さんに明男の事を言われた後にひっそりと落ち着いていること。けれどそんなときに明男がそばにいてくれる事に、彼が殺人を犯してから待っていて、何を言われても一人で耐えてきた姿を見てきた一読者としてよかったなぁと思わずにいられません。
同時に明男もどうしようもない男だったけど立ち直っていい男になってよかったなと!笑 -
Posted by ブクログ
<あらすじ>
女性が苦手・血が恐いの片山刑事は上司の頼みでとある女子大へ。
そこの女子寮で起きた殺人事件に関係している「売春」のことについて気になることがあるという、教授・森崎の話を聞きに行くことが目的である。
猫のホームズを従えている森崎と話した後、彼は女子寮の張り込みをすることになるのだが・・・。
とにかく。
ホームズが可愛い!!!
この小説は少しファンタジーの要素が入っていて・・・という勘違いをしていたのですが、ホームズって・・・猫なんですねぇ…喋りだしたりするものかとばかり。
最近猫を飼いたい!いっしょに暮らしたい!と憧れている私にはかなり胸キュンでした。
肩に乗ってくれる猫が欲しいです。
この小説、確かに『三毛猫ホームズの~』で間違いナシです。
一体どうやって育てられて、この子はこんなに賢くなったのでしょう??
面白かったです。
でも、正直最後の章でちょっと拍子抜け?してしまったところが。
すごく面白くなってきていたのに、「え~??」という気分になってしまったんです。
以前、赤川次郎さんの本を一度読み、他のミステリー小説にはないコミカルな作風にびっくりしたのですが、このひとの本って頭があんまり疲れないので、ちょっとお気に入り。
勿論トリックや内容がくだらない、ということでは全くなくって。
警察のひとたちの少し抜けた一面だとかが出てくるのって、他の作品には(私が今まで好んで読んだものの中には少なくとも)なかったんです。
気持ちが少しだるいなぁ、でも、ミステリー読みたい・・・な時にはまさしくうってつけ。
読みやすくって、楽しめました。 -
Posted by ブクログ
線引なし、多読のうちの1冊。
幽霊シリーズも出た順に最初から読みたかったのだが、まぁ、毎回違う話だしいっか というのと、初期のころの作品を本屋で探すのは難しいこともあって、見つけたものから読んでいくことにしたのである。
三毛猫ホームズもそうだが、やはり赤川次郎は読みやすい! 凄惨な殺人事件も暗くなりすぎず、毎回それなりに笑えるオチが付くので、中高生にもお勧めできる。東野圭吾や綾辻行人ばかり読んでいても、たまにはこういうサラッと読めてしまうものもいいな。
雰囲気的には、東野圭吾の「名探偵の掟」・・・? というか、東野圭吾が、赤川次郎テイストのライトなミステリーを書いてできたのが「名探偵の掟」ではないだろうか。
5話目の、容疑者たちに言い放つヒトコトは秀逸w 毎回オチが素晴らしい。