青木純子のレビュー一覧

  • ミニチュア作家

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    BS11で放送された海外ドラマの方を先に見ていたのだが、個人的にはドラマの素晴らしさに軍配をあげたい。
    ただ、原作の良さがあってこそ、のドラマなので、ぜひとも両方とも触れてほしい。

    17世紀のオランダ。
    黄金時代を築き上げた華やかな時代。
    18歳の主人公ペトロネラ、通称ネラがアムステルダムにやって来た。
    彼女は名家だが没落した家を救うため、大商人たるヨハンネスに嫁いできた。
    が、夫は仕事が忙しく家にあまりいない。
    幸いなことに夫は妻を大事には思っているようだが、なぜだが夫婦生活が営まれない。

    家にはヨハンネスの妹、マーリンと使用人のオットーとコルネリアが一緒に住んでいる。
    マーリンは信心深

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    2022年07月03日
  • メキシカン・ゴシック

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    タイトルと装画に惹かれ、内容も見ずに購入。こういう選書はワクワク出来るので非常に楽しい。(大外れを引く時もあるが、それもまた一興。)

    舞台は、1950年のメキシコ。主人公のノエミ・タボアダは、メキシコシティに住まう美しい女子大生。裕福な家庭で育った彼女は、"女性"としての自分に強い自信を持っており、魅力的な話術と仕草で男性を魅了し、彼女自身もその駆け引きを楽しみとしていた。
    ある日、イギリス人男性であるヴァージル・ドイルと結婚し、田舎町の屋敷に嫁いだ従姉のカタリーナから、一通の手紙が届く。そこには「夫が毒を呑ませようとする。邪悪な何かが自分を捕えて離さない。」といった不穏

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    2022年06月06日
  • 忘れられた花園 上

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    3つの年代でそれぞれ話が進む。
    少しずつ全貌がみえてきた気がする。
    いったいどんな結末になるのか楽しみ。

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    2022年03月24日
  • ホテル・ネヴァーシンク

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    子供たちの失踪とホテルの50年。
    犯人探し、ではなく、ホテルを経営する一族や関係者たちの光と闇が描かれている。

    登場人物が多いので、一覧表の確認は必須。
    かなり早い段階で真相に気がつくので、ちょっと拍子抜けしてしまう…。どこかで似たような話を読んだ(見た?)ような…気がするのです。

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    2022年02月28日
  • ホテル・ネヴァーシンク

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    ニューヨーク郊外のリゾートホテルが舞台。その地で民宿から丘の上の大邸宅をホテルに変え、成功したユダヤ人一族。創業者と子どもたち、孫、古くからの従業員たちのそれぞれのストーリーを繋いでいく。ホテル開業後のある時、宿泊していた男の子が行方不明になった。同じ頃、ホテルの周辺でも子どもが行方不明になったが、犯人も子どもも見つからなかった。やがて、一族の子どもも行方不明になるが、ホテルの地下室で見つかり保護されたが、一緒に最初に行方不明になった男の子の遺体も見つかる。そこからホテルは少しづつ客が離れていく。
    3代に渡る一族の物語の中から、ホテルの凋落とともに犯人が明かされる。

    なかなかうまく出来たスト

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    2021年10月08日
  • ホテル・ネヴァーシンク

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     2020年アメリカ探偵作家クラブ(通称、エドガー賞)ペーパーバック部門賞受賞作品です。

     ニューヨーク近郊の田舎町で、ホテル創業から四世代に亘る一族の登場人物がそれぞれのホテルの思い出や、自身の人生を語る構成です。事件は、少年が行方不明になり一族の少女の一人が監禁される。また、近くの町でも少年が行方不明になる。
    ストーリーの大半は、一族や使用人の回想が続いてホテルを取り巻く歴史です。それなりに面白いですが、本来の少年行方不明事件の確信は、最後の二、三章辺りで、ミステリーの味わいは大変少ないです。

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    2021年04月10日
  • ホテル・ネヴァーシンク

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    70年近くに及ぶ一族の物語。ミステリー要素は少なく、ひたすら一族の様々な人が一人称の語り手になりリレーの様に時を戻して行く。文章ものめり込む様だが、私の好きなミステリーとは違った。

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    2021年02月28日
  • 忘れられた花園 上

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    ちょっとヤングアダルト風味が疲れる所もあるけど、久々になんというのかね、10代の若かりし頃に感じていた、文章への強い陶酔、メルヘンの力量(ファンタジーでもSFでもなくて)を思い出した。自分が知らないだけなのか、出会わないだけなのか、メルヘンを久々に感じた。女子は皆アリスの世界のようなメルヘンが好きなはずだが、何十年も忘れてた。別に年とっても、「少女」はいなくなるわけでなくて、変わらず自分の中にいるんだ、それをいつも忘れている。

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    2021年02月01日
  • 世界が終わるわけではなく

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    時系列は異なるが、緩やかに繋がりのある世界を舞台にした十二の短篇集です。

    内容は、言葉遊びから、家族ドラマ、バディもの、ホラー、SF等々、多種多様となっており、更には、それぞれの物語がひと癖ある展開で楽しめましたが、個人的にはやや引き気味の視点が多かったのが気になり、物語の好き嫌いもありました。

    それでもタイトルについては、どんな事象が起ころうとも世の中は続いていくし、輪廻転生や、夢についてのポウの言葉を引用していることから、魂の普遍性や現実世界の儚さを感じ取ることにより、ちっぽけなひとりの人間の存在を感じ取れた事で、ある意味、気楽になれた自分もいました。

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    2021年02月01日
  • 秘密 下

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    なかなかの読み応え。展開(流れ)や状況設定はとても良かった。ただ結構早い段階で「おち」が見えてきてしまう それでも最後まで読ませるだけの魅力はある

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    2020年12月22日
  • 世界が終わるわけではなく

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    懲りにこった謎解きや何重にも絡む人間関係の複雑さを売りにし、結局読書を終えた後には疲労感と確かに読んだという記憶しか残らない本が多い中、風のようにさっとやってきて印象に残る本書は良かった。もったいつけずに言いたいことだけ書きました、って感じで清々しい。話の内容は単純で理解しやすく、故に文筆力が試されるような内容。探偵のやつはいまいち未消化だったが、こういう短編集なら何冊でも読みたい。ちょっと男性描写が辛辣な感じがする。

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    2019年01月27日
  • 忘れられた花園 上

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    中学生の時に読んだ「レベッカ」を
    何度も思い出しながら読みました。
    上巻は、先が気になって一気に読み
    下巻は、早くから真相が見えてしまい
    長々と退屈に感じてしまいました。
    「レベッカ」や「ジェーン・エア」を
    この年齢で読むと、どのように感じるのか
    読み返したくなりました。

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    2017年05月26日
  • ミニチュア作家

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    ネタバレ

    VOCとかキャビネット型のドールハウスとか17世紀のアムステルダムとか、なかなかにときめく要素が多かったです。
    ミニチュアに夢中になってしまう気持ち、わかるわー…。
    読み終わって、また冒頭を読み返してしまいますね。
    解けない謎や気になるその後が多すぎるけど、これはこれで良かったかも。

    訳者あとがきで紹介されてたこれも読んでみたいなぁ。やっぱり17世紀オランダが舞台。
    ・チューリップ熱 デボラ・モガー

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    2017年05月22日
  • ミニチュア作家

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    絶望の中からも、最後はほのかな希望と人々の強さ。個人的には美味しそうなお菓子やミニチュアがいっぱい出てくるところで楽しい。

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    2015年10月04日
  • ミニチュア作家

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    夫は留守がちで、義妹は尊大、ただでさえ鬱屈をおぼえる不可解な結婚生活の中、主人公を更に不安にさせる、ドールハウスとミニチュアール。頭の中で勝手にフェルメールの光と影、その影を多めに盛った情景を思い浮かべて読む。
    さまざまが破綻していくなか、人の悪意がおぞましい。
    ミニチュア作家が謎のまま。その謎を隠れた軸に、別の人生も読ませて欲しいし、謎にももう少し近寄らせて欲しい。

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    2015年09月30日
  • ミニチュア作家

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    ネタバレ

    イギリスの作家ジェシー・バートン、2014年発表の小説。1686年、繁栄するオランダ、アムステルダムの裕福な商家を舞台に、18歳の新妻の成長と自立を描いた作品。面白いです。

    オランダの田舎町の零落した名家の娘ネラはアムステルダムの裕福な商人、20歳年上のヨハンネスと結婚します。しかし、期待と希望を胸に訪れた新居では、優しいけれど留守がちで寝所を訪れることも無い夫、冷たく居丈高な義姉、図々しい使用人、等々に戸惑うばかり・・・。
    ドロドロの昼メロのような舞台設定ですが、そうはならず、一家の危機を前に家族の絆を強めて行く、という物語。ミニチュアハウスやミニチュア作家がミステリアスでオカルティックな

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    2015年07月14日
  • 世界が終わるわけではなく

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    短編12作。ジャケ&タイトル買い。
    その物語は、確かに着地したけれど、どこへ弾んで飛んでいくのかわからない楕円のボールのよう。いわゆる方向性はこの多面的(ひょっとしたら円形)な世界には通用しない。段々その不確実さに慣れ、安定を伴い面白さが沸々とわいてくる。
    どこがどう面白いかはわからないけれど、気が付いたら読み終えている。

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    2014年01月28日
  • 世界が終わるわけではなく

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    シュールという表現がピッタリなゆるく繋がった連作短編集。
    神話や古典ネタがたくさん出てくるけど、西洋の方は普通にこういう知識を持っていて、この手のネタを楽しんでいるのだろうか。
    これが日本verだったら、私はちんぷんかんぷんな気がするのです。
    (ラッキーなことに、ギリシャ神話やヒンズー神話、エジプト神話や千夜一夜物語にもひととおり目を通したことがあるので、おぼろげにわかったつもりになれたけど)

    まぁ、でも、あまり好きな感じの作品ではないかも。
    表紙の猫様に釣られました。

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    2013年05月18日
  • 世界が終わるわけではなく

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    「奇想小説」の部類に入るんだろうが、読み心地は悪くなく、短いお話同士のゆるやかなつながりを楽しんだ。エキゾチックで、少し残酷で、これもまた「千夜一夜物語」に連なる語りといえる。

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    2013年03月18日
  • 世界が終わるわけではなく

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    現実と非現実が交錯する短篇集。
    それぞれの短篇のひそやかなつながりも心地いい。
    ファンタスティックなのに、妙にリアルで身近な感情が描かれているように思う。各短篇の冒頭に捧げられた、オウィディウスや聖書などからの引用もいいし、全体にヨーロッパ的な香りがあるように思う。
    「テロメア」、「大いなる無駄」、「忘れ形見」が心に残った。

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    2013年02月04日