青木純子のレビュー一覧
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難しかった。主人公はアーシュラ。でも私がミドルネームを知ったのは最後の方。ラストネームもいまいちわかってなくて、トッドって誰?と最初の方思ってました。内容はアーシュラが死ぬ度に元にもどって人生をやり直すのですが、死の記憶が強い胸騒ぎや既視感で完全ではないため、主のルートというのが無いんです。なんだか並行世界の話に次々飛んでるような感じ。そして話は急に数年飛んだり戻ったりして、知らない登場人物が突然出てきて、誰コレ?となって、グッと我慢して読み進めると誰か分かるといった感じ。やり直しの人生も同じルートを何回かやったりするので、前回どうだったか分からなくなったり、私の記憶力もひどいので、本当に読みにくかったです。アーシュラは最後の方(何度もやり直して良くなってるハズ)の人生でも、後悔したりしてる。人生やり直せても完全に良くなることは無いんだなと思いました。
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先日読んだ『ニードレス通り
果ての家』が面白かったので、その巻末の広告に載ってた本作も手に取ってみました
ってまたホラーやないかいっ!
ってホラー作品の巻末広告なんだからホラーに決まってるやろバカタレ!
ホラー苦手なんだけどなぁと思いつつも、いやいやこれこそあれですよ
浄土瓶宗に伝わる荒行のひとつ「新境地のためあえて外しに行ってるとも思えるほどの苦手分野を読み進めてあーやっぱり苦手だったわーという悟りを開く行」ですよ
結果はというとあーやっぱり苦手だったわーという
でもあんまり恐い!って感じもしなかったかな
静かな狂気と言いましょうか、人の持つ浅ましさをギュッと濃縮したようなお話しでした
王道の展開は嫌いじゃないんですが、あまりにおどろおどろしい感じを出そうとし過ぎてか、情景描写が多すぎてちょっと疲れちゃいました
悪くなかったんだけど、時間もかかってしまいました
読むのに時間かかってる時って脳が喜んでないときなんだよね
でもホラーはまたごんごん読んで行こうとも思いました
そろそろ行ってみる?スティーブンとか -
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オーストラリア・ブリスベン、1930年、ネルは21才の誕生パーティの時に父親から、実はおまえは実の子じゃないと告げられる。イギリスからの船が着いて、一人残っていたのだ、と。それからネルは幸せだったそれまでの家族が、何の関係も無い別なものに見えてきて、婚約も解消し、家を出て自らのルーツ探しに奔走する。2005年、95歳で孫に看取られながら死んだが、今度は孫のカサンドラが祖母の謎を辿る・・
オーストラリアでの90年、そしてルーツのイギリスでは19世紀末、さらにその家の始祖はコーンウォル地方で、1724年、難破船からの略奪で財を成した、というのまで村人からの聞き込みで分かってくる。デュ・モーリアの「荒野の館」もコーンウォルで難破船から泥棒してたなあ。ルーツを探して出てくる出てくる驚きのエピソード。むむ、これはディケンズの世界だあ。後半になるにつれ、えっ、そんな、そっちに行く~? という怒涛の展開。いやしかし、やはりヘソはネル本人で、まったく翻弄された人生だったよね、ったく。・・しかし現状を受け入れるしかないのかも、開き直るしかないよね、とも感じる。
実は自分は本当の子じゃなかった、これがどれほどの衝撃なのか。それまでの、今の環境、さらには自身の過去すべてが、価値の無いもの、否定したいものに思えてくる。みなしごを育てる以外は、他人の子を自分の子にして育てる、こういうことは子の無い親のエゴだ。身長の高低を変えられないのと同じように、子供の有無を考えられないものなのか、しかし子の無いのを受け入れられないのだろうなあ。
初めて読んだオーストラリア人の小説。
早川海外ミステリハンドブック2015:時代を作る・作った新世代ミステリ
2008発表
2011.2.25初版 -
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20世紀前半、アメリカ。ポーランドから移住してきたユダヤ人一家が営むホテル〈ネヴァーシンク〉には、キャッツキル山地へ保養に来た家族連れが数多く訪れる。だが、創業者アッシャーの跡を継いだジーニーの時代に、宿泊客の息子がホテル内で行方不明になる事件が発生。捜査も虚しく少年は見つからなかったが、十数年後、今度はホテルの地下室で衰弱した少女が救出された。そして同時に、かつて行方不明になった少年の白骨死体も発見されたのだった。三代続く経営者一族、従業員、事件の被害者、それぞれの人生をオムニバス形式で追いながら、リゾートホテルの興亡を見届けるゴシック・ミステリー。
ミステリーの構造的には恩田陸の『ユージニア』に似ている。が、犯人探しが主軸というわけではなく、殺人事件はあくまでネヴァーシンクに落ちた影の一つであり、ホテルがやがて崩壊するきっかけという感じ。視点人物を移しながら語られる物語には、事件と直接関係ないエピソードも多い。
主役はホテルそのものと、それに執着するシコルスキー一家。少年殺しの真犯人とされる人も、個のキャラクターというより創業者の歪みを象徴する存在として書かれていると思う。だが、意外とこの一家はみんなまともで、期待したほど怪奇方向に流れていかないんだよなぁ……。建築としてのホテルの魅力を訴える描写があまりないのも残念だった。
一番印象に残ったのは、盗癖のある従業員とそれを目撃した女性客のエピソード。縦軸には全く関わらない話だけど、それだけに気持ち悪くも侘しくもある読後感が忘れられない。アリスがラリって竜巻に呑まれそうになる話や、地下鉄でのささやかな出会いが自殺願望をギリギリのところで取り払う話も、くっきりと絵が浮かんで映像的だった。アリスの成長譚部分がしっかりしていることで、全体の印象がグッと現代的になっていると思う。
逆にレナードは最後まで腹を括れず、狂気にも陥らず、惨めに年老いていくので読後はしょんぼりしてしまった。アリスとの対比になっているんだろうけど、この人、話の中心にいるわりに魅力に欠けるし(だから妻レイチェルの嘆きにリアリティがあるとも言える)、でも善良だから酷い目にあってほしくもないんだよね。キャラ造形含め、少し惜しい感じのする作品だった。 -
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BS11で放送された海外ドラマの方を先に見ていたのだが、個人的にはドラマの素晴らしさに軍配をあげたい。
ただ、原作の良さがあってこそ、のドラマなので、ぜひとも両方とも触れてほしい。
17世紀のオランダ。
黄金時代を築き上げた華やかな時代。
18歳の主人公ペトロネラ、通称ネラがアムステルダムにやって来た。
彼女は名家だが没落した家を救うため、大商人たるヨハンネスに嫁いできた。
が、夫は仕事が忙しく家にあまりいない。
幸いなことに夫は妻を大事には思っているようだが、なぜだが夫婦生活が営まれない。
家にはヨハンネスの妹、マーリンと使用人のオットーとコルネリアが一緒に住んでいる。
マーリンは信心深く、融通が効かない。
コルネリアは噂好き。
そして…夫がくれたドールハウスの中身を送って来てくれる謎のミニチュア作家。
人々の思惑が絡まり合い、ネラをどん底に突き落とす。
夫の秘密、マーリンの秘密。
薄衣を剥ぐような物語の展開に目が離せない。
ミニチュア作家は本作では姿をほとんど表さない。
だから、この不思議なミニチュア作家が送る物たちを心待ちに、あるいは恐怖する人々がいる。
だが物語ははっきりという。
自由意志、と。
受け取ったものをどう使うか、それは各人に委ねられている。
本作の主人公のネラは、少女から大人へ変わっていった。
この不思議なミニチュア作家に後押しされ、幸せを待つでもなく、絶望の底に沈むでもなく。
自分の人生に降りかかる苦悩を受け止め、希望へと昇華させる、強い女性に。 -
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タイトルと装画に惹かれ、内容も見ずに購入。こういう選書はワクワク出来るので非常に楽しい。(大外れを引く時もあるが、それもまた一興。)
舞台は、1950年のメキシコ。主人公のノエミ・タボアダは、メキシコシティに住まう美しい女子大生。裕福な家庭で育った彼女は、"女性"としての自分に強い自信を持っており、魅力的な話術と仕草で男性を魅了し、彼女自身もその駆け引きを楽しみとしていた。
ある日、イギリス人男性であるヴァージル・ドイルと結婚し、田舎町の屋敷に嫁いだ従姉のカタリーナから、一通の手紙が届く。そこには「夫が毒を呑ませようとする。邪悪な何かが自分を捕えて離さない。」といった不穏な一文とともに、ノエミに助けを求める内容が書かれていた。元々カタリーナの結婚に反対していたノエミの父は、すぐにもカタリーナの様子を見てくるようノエミに話す。大学の講義等の予定が入っていたノエミは父の頼みを渋るが、両親に難色を示されていたメキシコ国立自治大学への進学を認めることを条件に出され、カタリーナのもとへ行くことを決めたのだった―――。
「不穏な空気に包まれた屋敷に囚われた従姉を救い出すため、"旧時代の化物"と対決する新進気鋭の美女を描くゴシック・ホラー。」
混血を示す浅黒い肌、男性に追従しない(むしろ手玉に取る)、学問することを望む―――"新時代の女性"として描かれるノエミ。その彼女が対峙するは、白人至上主義(血統主義)と家父長制を貴ぶ、"旧時代"のドイル家。"息"も"謎"も詰まるドイル家の屋敷からカタリーナを救い出すため、アウェーゲームで奮闘するノエミの前に、文字どおりの"化物"が立ちはだかる―――。
「不気味にして優美なゴシック・ホラー」―――まさに帯コメントのとおりの作品。(「ブロンテ姉妹、ダフネ・デュ・モーリア、シャーリィ・ジャクスンらの愛読者は必読だ」―――これも間違いない。) -
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ニューヨーク郊外のリゾートホテルが舞台。その地で民宿から丘の上の大邸宅をホテルに変え、成功したユダヤ人一族。創業者と子どもたち、孫、古くからの従業員たちのそれぞれのストーリーを繋いでいく。ホテル開業後のある時、宿泊していた男の子が行方不明になった。同じ頃、ホテルの周辺でも子どもが行方不明になったが、犯人も子どもも見つからなかった。やがて、一族の子どもも行方不明になるが、ホテルの地下室で見つかり保護されたが、一緒に最初に行方不明になった男の子の遺体も見つかる。そこからホテルは少しづつ客が離れていく。
3代に渡る一族の物語の中から、ホテルの凋落とともに犯人が明かされる。
なかなかうまく出来たストーリーだった。閑話休題的な章もあり、飽きずに読ませてくれた。 -
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ネタバレイギリスの作家ジェシー・バートン、2014年発表の小説。1686年、繁栄するオランダ、アムステルダムの裕福な商家を舞台に、18歳の新妻の成長と自立を描いた作品。面白いです。
オランダの田舎町の零落した名家の娘ネラはアムステルダムの裕福な商人、20歳年上のヨハンネスと結婚します。しかし、期待と希望を胸に訪れた新居では、優しいけれど留守がちで寝所を訪れることも無い夫、冷たく居丈高な義姉、図々しい使用人、等々に戸惑うばかり・・・。
ドロドロの昼メロのような舞台設定ですが、そうはならず、一家の危機を前に家族の絆を強めて行く、という物語。ミニチュアハウスやミニチュア作家がミステリアスでオカルティックな小道具として登場するけれど、本筋にミステリー的な仕掛けはありません。ミニチュアはネラを自立へと導く鍵であり、登場人物の心を映す鏡のような存在でもあるのですが、そのオカルト趣味は基本リアリズムの物語の中でちょっと浮いていると思います。
繁栄と自由を謳歌しているようなアムステルダムで、しかし宗教的社会的くびきはまだ人々をしっかりと捉えており、そんな中でネラの一家は崩壊して行く・・・ネラは今後強くたくましく生きて行くのだろうと思えるエンディングではありますが、結局の所誰も救えず、誰も罰せられることもない物語。面白いけれど、虚しさを感じる物語でもあります。それが歴史のリアル、なのかもしれませんが。