青木純子のレビュー一覧
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「そもそも我々が現実とみなしているこの世界だけが、
唯一無二の現実なのだろうか」
訳者あとがきにある作者の問い掛け、と云うこの一文に
凝縮されているのではないでしょうか。
12編からなる短編集なのですが、
どれも少しずつ関連したお話になっています。
最初と最後の2つのお話だけが、
ある世界の現実としたらそれは悲劇の様ですが。
そしてシャーリーンとトゥルーディの寝物語とした処から、
千一夜物語の様、という書評に繋がるのでしょう。
それは置いておいて。
少しずつ絡む世界と人物を1つずつ探して楽しむもよし。
世界が何処で繋がっているかに思いを馳せるもよし。
個人的には「テロメア」「予期せぬ旅」
「 -
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Posted by ブクログ
ネタバレある日の老人ホームでの出来事を、そこに入居する8人の老人と1人の寮母の9人の視点で描くお話。
面白いのは各人物の章が全く同じ34ページで構成されていて、それぞれの人物の同じページの同じ行が同じ時間軸になっていて、同じ時にそれぞれが何を考えていたのかが分かるようになっていること。
思考が途切れている部分は空白になっているのだけど、突然1ページ丸々空白かと思ったらうたた寝してるとか、認知症の度合いによって空白が多くなったりしていて、なかなか凝った構成でした。
1回目は登場人物ごとに読むのを基本にして、2回目は同じ時間軸を9人分並行して読む感じで読んで1冊で2度楽しめる感じでした。
ただ、こ -
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難しかった。主人公はアーシュラ。でも私がミドルネームを知ったのは最後の方。ラストネームもいまいちわかってなくて、トッドって誰?と最初の方思ってました。内容はアーシュラが死ぬ度に元にもどって人生をやり直すのですが、死の記憶が強い胸騒ぎや既視感で完全ではないため、主のルートというのが無いんです。なんだか並行世界の話に次々飛んでるような感じ。そして話は急に数年飛んだり戻ったりして、知らない登場人物が突然出てきて、誰コレ?となって、グッと我慢して読み進めると誰か分かるといった感じ。やり直しの人生も同じルートを何回かやったりするので、前回どうだったか分からなくなったり、私の記憶力もひどいので、本当に読み
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先日読んだ『ニードレス通り
果ての家』が面白かったので、その巻末の広告に載ってた本作も手に取ってみました
ってまたホラーやないかいっ!
ってホラー作品の巻末広告なんだからホラーに決まってるやろバカタレ!
ホラー苦手なんだけどなぁと思いつつも、いやいやこれこそあれですよ
浄土瓶宗に伝わる荒行のひとつ「新境地のためあえて外しに行ってるとも思えるほどの苦手分野を読み進めてあーやっぱり苦手だったわーという悟りを開く行」ですよ
結果はというとあーやっぱり苦手だったわーという
でもあんまり恐い!って感じもしなかったかな
静かな狂気と言いましょうか、人の持つ浅ましさをギュッと濃縮したようなお話しで -
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オーストラリア・ブリスベン、1930年、ネルは21才の誕生パーティの時に父親から、実はおまえは実の子じゃないと告げられる。イギリスからの船が着いて、一人残っていたのだ、と。それからネルは幸せだったそれまでの家族が、何の関係も無い別なものに見えてきて、婚約も解消し、家を出て自らのルーツ探しに奔走する。2005年、95歳で孫に看取られながら死んだが、今度は孫のカサンドラが祖母の謎を辿る・・
オーストラリアでの90年、そしてルーツのイギリスでは19世紀末、さらにその家の始祖はコーンウォル地方で、1724年、難破船からの略奪で財を成した、というのまで村人からの聞き込みで分かってくる。デュ・モーリアの -
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20世紀前半、アメリカ。ポーランドから移住してきたユダヤ人一家が営むホテル〈ネヴァーシンク〉には、キャッツキル山地へ保養に来た家族連れが数多く訪れる。だが、創業者アッシャーの跡を継いだジーニーの時代に、宿泊客の息子がホテル内で行方不明になる事件が発生。捜査も虚しく少年は見つからなかったが、十数年後、今度はホテルの地下室で衰弱した少女が救出された。そして同時に、かつて行方不明になった少年の白骨死体も発見されたのだった。三代続く経営者一族、従業員、事件の被害者、それぞれの人生をオムニバス形式で追いながら、リゾートホテルの興亡を見届けるゴシック・ミステリー。
ミステリーの構造的には恩田陸の『ユー