青木純子のレビュー一覧

  • 世界が終わるわけではなく

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    「そもそも我々が現実とみなしているこの世界だけが、
    唯一無二の現実なのだろうか」
    訳者あとがきにある作者の問い掛け、と云うこの一文に
    凝縮されているのではないでしょうか。
    12編からなる短編集なのですが、
    どれも少しずつ関連したお話になっています。
    最初と最後の2つのお話だけが、
    ある世界の現実としたらそれは悲劇の様ですが。
    そしてシャーリーンとトゥルーディの寝物語とした処から、
    千一夜物語の様、という書評に繋がるのでしょう。

    それは置いておいて。
    少しずつ絡む世界と人物を1つずつ探して楽しむもよし。
    世界が何処で繋がっているかに思いを馳せるもよし。
    個人的には「テロメア」「予期せぬ旅」

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    2014年09月17日
  • 世界が終わるわけではなく

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    なんだろう、なんか好き。アイルランドの空気と、滅びの気配と、やりきれなさ、諦め、ほのかな明るさ。いつもの世界が少しずれてしまって、それもありかと笑ってしまうような感覚。

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    2013年03月22日
  • 世界が終わるわけではなく

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    それぞれの話が関わりを持ちながら展開する短編集。
    この主人公は前の作品に端役で出ていたはず、と振り返りながら読んだり、楽しめます。

    でも最初の作品だけはどこか違和感を感じながら読み進めていくと、、、
    ああ、こういう話だったのかと最後の話を読んでタメ息。
    ケイト・アトキンソン、上手いなあ。

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    2013年03月01日
  • 世界が終わるわけではなく

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    ネタバレ

    ぽつぽつと緩やかに繋がった、ほんのり群像劇テイストな短編集でしたが、
    辛口ながらもバッサバッサと軽妙なリズムで突き進み、
    時折ブラックな笑いに誘われる、奇想と現実のスクランブル。
    しっかりと長編を読み終えたかのような満足感が残りました。
    装丁も素敵。

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    2013年03月10日
  • 世界が終わるわけではなく

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    ――世界が終わるわけではなく
    タイトルに惹かれて購入。すばらしい世界観。

    毎日をひたすら生きてみたりちょっと息抜きしてみたりときに逃げたくなったりこもりたくなったりそんな日常を私たちがもし、ありのまま受け入れたなら。

    舌にのせるとさながら美しく光り輝くドロップはたまた宝石のような美しい言葉たちに魅了される、ありそうでなく、なさそうである、現実それとも夢なのか、そんな細長い境界線の上を驚くほど華麗にバランスをとりながら読者を惹きこみ魅了する、ナンセンスコメディもしくはナンセンスメルヘン。くせになるちょっとたまらない本でした。

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    2013年01月19日
  • 世界が終わるわけではなく

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    12 の作品からなる短編集。
    各編のゆるいリンク、不安定感?、不確実性?が、
    ちょっとタマラナイです。

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    2013年01月13日
  • 秘密 上

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    やあ、久しぶりとあいさつした男をナイフで刺す母

    ものすごく魅力的な導入で座り直して上下巻一気読み。
    面白かった、のだけど。
    読み終えて本棚に配置しようとした所で
    あれ?なんでこれハッピーエンドなんだ
    なんでラブロマンスなんだ?と読み始めた時のワクワクした動機とはまったく関係ない終わり方だったことに気付き、こういうの読みたかったんだっけ?とすらなってしもうた
    いや、面白かったですけどね

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    2025年09月20日
  • 秘密 上

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    主人公ローレルは子供の頃に自宅で母ドロシーが男性来客を刺殺するのを目撃し、その男性は近隣で「不審者がうろついている」という通報が入っていたので母ドロシーは正当防衛が認められて無罪にはなったものの、どうも男性と母は知り合いだったようなので、やがて大女優になったローレルが「あれはどういう事情だったのか?」と探っていく…というミステリ。
    現代と過去が交互に語られていくが、母ローレルの若い頃はあまり良い印象ではないなあ…というところで下巻に続く。

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    2025年05月25日
  • 老人ホーム 一夜の出来事

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    ネタバレ

    ある日の老人ホームでの出来事を、そこに入居する8人の老人と1人の寮母の9人の視点で描くお話。

    面白いのは各人物の章が全く同じ34ページで構成されていて、それぞれの人物の同じページの同じ行が同じ時間軸になっていて、同じ時にそれぞれが何を考えていたのかが分かるようになっていること。

    思考が途切れている部分は空白になっているのだけど、突然1ページ丸々空白かと思ったらうたた寝してるとか、認知症の度合いによって空白が多くなったりしていて、なかなか凝った構成でした。

    1回目は登場人物ごとに読むのを基本にして、2回目は同じ時間軸を9人分並行して読む感じで読んで1冊で2度楽しめる感じでした。

    ただ、こ

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    2024年12月19日
  • 湖畔荘 下

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    上巻を読んだ後はここからもう一冊分話しがどう続くのかと心配になりましたが、まさかの展開で地道に読んで良かったと思いました。
    証拠がほとんど残っていない70年前の事件でそれぞれがずっと引きずってきたことがどう解決されていくかすっきりします。

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    2024年10月25日
  • 湖畔荘 上

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    だれにも過去があって、目を背けてもいつかそれは追ってくるということがどの人物からも感じる。読み始めの時は時系列と中心人物が行ったり来たりするので覚えるのに苦労しました。メモを取りながら話を頭にいれたのでミステリー初心者さんは大変かもしれません。
    70年前の事件を調べ直す難しさや、当時の人の生活感がよく書かれていて面白かったです。

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    2024年10月25日
  • メキシカン・ゴシック

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    ホラー。
    メキシコが舞台の館ものホラー作品。
    カナダのSF賞も受賞している作品とのことで、若干のSF要素もあり。
    怖さよりも不気味さ、気持ち悪さが強め。
    意外と読みやすいのは良い。

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    2024年08月20日
  • ミニチュア作家

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    AXNミステリーでドラマ化してたのを見て原作があると知って読んだ
    ほぼドラマ化通り
    とても面白いんだけど、見たドラマ以上があるかと期待して読んでしまったのでちょっと残念

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    2024年05月10日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    難しかった。主人公はアーシュラ。でも私がミドルネームを知ったのは最後の方。ラストネームもいまいちわかってなくて、トッドって誰?と最初の方思ってました。内容はアーシュラが死ぬ度に元にもどって人生をやり直すのですが、死の記憶が強い胸騒ぎや既視感で完全ではないため、主のルートというのが無いんです。なんだか並行世界の話に次々飛んでるような感じ。そして話は急に数年飛んだり戻ったりして、知らない登場人物が突然出てきて、誰コレ?となって、グッと我慢して読み進めると誰か分かるといった感じ。やり直しの人生も同じルートを何回かやったりするので、前回どうだったか分からなくなったり、私の記憶力もひどいので、本当に読み

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    2024年05月05日
  • 湖畔荘 上

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    下巻をまだ読んでいない状態での感想です。

    洋書の日本語版ですが、特有の無理やりな和訳がほとんど感じられず、読み進めやすいです。

    章ごとに年代と主人公が入れ替わる構造で、世界観を把握するのにけっこう時間が変わります。
    どうやらみんなそれぞれ隠し事や疑問を持っていそうですが、ほとんどその正体はわからないままです。
    下巻で全部回収されることを期待して。

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    2024年01月21日
  • メキシカン・ゴシック

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    先日読んだ『ニードレス通り
    果ての家』が面白かったので、その巻末の広告に載ってた本作も手に取ってみました

    ってまたホラーやないかいっ!

    ってホラー作品の巻末広告なんだからホラーに決まってるやろバカタレ!

    ホラー苦手なんだけどなぁと思いつつも、いやいやこれこそあれですよ
    浄土瓶宗に伝わる荒行のひとつ「新境地のためあえて外しに行ってるとも思えるほどの苦手分野を読み進めてあーやっぱり苦手だったわーという悟りを開く行」ですよ

    結果はというとあーやっぱり苦手だったわーという

    でもあんまり恐い!って感じもしなかったかな
    静かな狂気と言いましょうか、人の持つ浅ましさをギュッと濃縮したようなお話しで

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    2023年03月20日
  • 忘れられた花園 上

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    オーストラリア・ブリスベン、1930年、ネルは21才の誕生パーティの時に父親から、実はおまえは実の子じゃないと告げられる。イギリスからの船が着いて、一人残っていたのだ、と。それからネルは幸せだったそれまでの家族が、何の関係も無い別なものに見えてきて、婚約も解消し、家を出て自らのルーツ探しに奔走する。2005年、95歳で孫に看取られながら死んだが、今度は孫のカサンドラが祖母の謎を辿る・・

    オーストラリアでの90年、そしてルーツのイギリスでは19世紀末、さらにその家の始祖はコーンウォル地方で、1724年、難破船からの略奪で財を成した、というのまで村人からの聞き込みで分かってくる。デュ・モーリアの

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    2022年10月29日
  • 湖畔荘 下

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    1933年と2003年のエピソードが交互に少しずつ語られるに従い事件の真相が徐々に明らかになり繋がっていく見事な構成となっている。あっと驚くようなトリックやどんでん返しは無いものの一気に読ませて充分楽しめる。しかし、ミステリー小説全般に言える事だが読んでいる最中はワクワクドキドキするものの読み終わった後にほとんど何も残らないのが少し淋しい。英国コーンウォール地方を訪ねて見たいとは思ったのだが…。

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    2022年09月03日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    一人の人間(1910年生まれ女)が何度も死んで何度も生き返って人生をやり直すパターンの連続。よくあるドラマとかの展開では「前回までの失敗した記憶はそのままに時間だけリセット」という、いわゆるゲームのリセットボタン形式ではなく、ただただ淡々と産まれ、いろんな理由で死んで、また初めから生まれて生きるというパラレルワールド形式でした。これを他の作家がやったら、とんでもなく緞帳に退屈で脳味噌沸騰しそうだが、この作家の場合、独特に洗練されていて、全然イライラしなかった。

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    2022年07月25日
  • ホテル・ネヴァーシンク

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    20世紀前半、アメリカ。ポーランドから移住してきたユダヤ人一家が営むホテル〈ネヴァーシンク〉には、キャッツキル山地へ保養に来た家族連れが数多く訪れる。だが、創業者アッシャーの跡を継いだジーニーの時代に、宿泊客の息子がホテル内で行方不明になる事件が発生。捜査も虚しく少年は見つからなかったが、十数年後、今度はホテルの地下室で衰弱した少女が救出された。そして同時に、かつて行方不明になった少年の白骨死体も発見されたのだった。三代続く経営者一族、従業員、事件の被害者、それぞれの人生をオムニバス形式で追いながら、リゾートホテルの興亡を見届けるゴシック・ミステリー。


    ミステリーの構造的には恩田陸の『ユー

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    2022年07月22日