青木純子のレビュー一覧

  • 世界が終わるわけではなく
    時系列は異なるが、緩やかに繋がりのある世界を舞台にした十二の短篇集です。

    内容は、言葉遊びから、家族ドラマ、バディもの、ホラー、SF等々、多種多様となっており、更には、それぞれの物語がひと癖ある展開で楽しめましたが、個人的にはやや引き気味の視点が多かったのが気になり、物語の好き嫌いもありました。
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  • 忘れられた花園 上
    ちょっとヤングアダルト風味が疲れる所もあるけど、久々になんというのかね、10代の若かりし頃に感じていた、文章への強い陶酔、メルヘンの力量(ファンタジーでもSFでもなくて)を思い出した。自分が知らないだけなのか、出会わないだけなのか、メルヘンを久々に感じた。女子は皆アリスの世界のようなメルヘンが好きな...続きを読む
  • 秘密 下
    なかなかの読み応え。展開(流れ)や状況設定はとても良かった。ただ結構早い段階で「おち」が見えてきてしまう それでも最後まで読ませるだけの魅力はある
  • 世界が終わるわけではなく
    懲りにこった謎解きや何重にも絡む人間関係の複雑さを売りにし、結局読書を終えた後には疲労感と確かに読んだという記憶しか残らない本が多い中、風のようにさっとやってきて印象に残る本書は良かった。もったいつけずに言いたいことだけ書きました、って感じで清々しい。話の内容は単純で理解しやすく、故に文筆力が試され...続きを読む
  • 忘れられた花園 上
    中学生の時に読んだ「レベッカ」を
    何度も思い出しながら読みました。
    上巻は、先が気になって一気に読み
    下巻は、早くから真相が見えてしまい
    長々と退屈に感じてしまいました。
    「レベッカ」や「ジェーン・エア」を
    この年齢で読むと、どのように感じるのか
    読み返したくなりました。
  • ミニチュア作家
    VOCとかキャビネット型のドールハウスとか17世紀のアムステルダムとか、なかなかにときめく要素が多かったです。
    ミニチュアに夢中になってしまう気持ち、わかるわー…。
    読み終わって、また冒頭を読み返してしまいますね。
    解けない謎や気になるその後が多すぎるけど、これはこれで良かったかも。

    訳者あとがき...続きを読む
  • ミニチュア作家
    絶望の中からも、最後はほのかな希望と人々の強さ。個人的には美味しそうなお菓子やミニチュアがいっぱい出てくるところで楽しい。
  • ミニチュア作家
    夫は留守がちで、義妹は尊大、ただでさえ鬱屈をおぼえる不可解な結婚生活の中、主人公を更に不安にさせる、ドールハウスとミニチュアール。頭の中で勝手にフェルメールの光と影、その影を多めに盛った情景を思い浮かべて読む。
    さまざまが破綻していくなか、人の悪意がおぞましい。
    ミニチュア作家が謎のまま。その謎を隠...続きを読む
  • ミニチュア作家
    イギリスの作家ジェシー・バートン、2014年発表の小説。1686年、繁栄するオランダ、アムステルダムの裕福な商家を舞台に、18歳の新妻の成長と自立を描いた作品。面白いです。

    オランダの田舎町の零落した名家の娘ネラはアムステルダムの裕福な商人、20歳年上のヨハンネスと結婚します。しかし、期待と希望を...続きを読む
  • 世界が終わるわけではなく
    短編12作。ジャケ&タイトル買い。
    その物語は、確かに着地したけれど、どこへ弾んで飛んでいくのかわからない楕円のボールのよう。いわゆる方向性はこの多面的(ひょっとしたら円形)な世界には通用しない。段々その不確実さに慣れ、安定を伴い面白さが沸々とわいてくる。
    どこがどう面白いかはわからないけれど、気が...続きを読む
  • 世界が終わるわけではなく
    シュールという表現がピッタリなゆるく繋がった連作短編集。
    神話や古典ネタがたくさん出てくるけど、西洋の方は普通にこういう知識を持っていて、この手のネタを楽しんでいるのだろうか。
    これが日本verだったら、私はちんぷんかんぷんな気がするのです。
    (ラッキーなことに、ギリシャ神話やヒンズー神話、エジプト...続きを読む
  • 世界が終わるわけではなく
    ゆる~く繋がった連作短編集。

    この人にはこんな過去があったのねとか、それはこの人のせいだったのね!とかそんなニヤニヤが止まらない。
    幻想的というのではなくて、なんか不思議な世界が舞台になっていて、絶対にあり得ないんだけどどこかでこっそりあり得ていそうなそんな世界。
    何よりもこのタイトルの付け方と、...続きを読む
  • 世界が終わるわけではなく
    「奇想小説」の部類に入るんだろうが、読み心地は悪くなく、短いお話同士のゆるやかなつながりを楽しんだ。エキゾチックで、少し残酷で、これもまた「千夜一夜物語」に連なる語りといえる。
  • 世界が終わるわけではなく
    現実と非現実が交錯する短篇集。
    それぞれの短篇のひそやかなつながりも心地いい。
    ファンタスティックなのに、妙にリアルで身近な感情が描かれているように思う。各短篇の冒頭に捧げられた、オウィディウスや聖書などからの引用もいいし、全体にヨーロッパ的な香りがあるように思う。
    「テロメア」、「大いなる無駄」、...続きを読む
  • 世界が終わるわけではなく
    ゆるくつながる12の短編。
    洋酒の利いた高級チョコレートの詰め合わせを一箱食べたような読後感。
    ごちそうさまでした。