青木純子のレビュー一覧

  • ライフ・アフター・ライフ

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    面白い
    重量級のボリュームなので一気に読みきるのはなかなかしんどいが中盤以降特に引き込まれた。

    何回も人生を繰り返してもおそらく正解は無い。
    どの分岐を選んでも全ての人が幸せ自分も幸福な事はなかった。

    歴史的事実を背景にしているので知っていれば面白い。スペイン風だったりロンドン大空襲だったりヒトラーの愛人がエヴァだったり。

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    2021年03月21日
  • 忘れられた花園 下

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    今まで出会った中で一番美しい本だった。

    きらきらとした粒子のように溢れてくる言葉が、
    脳内で麗しい躍動感を湛えた映画のようにうつり、
    また光あふれる絵画のように映り込んでくる。

    そこかしこに張り巡らされた布線を
    一つ一つ丁寧に絡め取っていく心地よさはミステリーとしての読み応え充分。
    それに加え、登場人物の細やかな心理描写は読み手の心に切に訴えかける。読者を物語に引き摺り込み、活字の中で踊る人物たちと共に風を感じさせ、光悦とさせ、悩ませる。

    それとなんと言っても、ただただ文字を追うだけで、作品の映像が脳に入り込み心臓が苦しくなる程の緻密で美しい情景描写。
    目の前にある言葉を目で追うだけで、

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    2021年01月27日
  • ホテル・ネヴァーシンク

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    ある一家が始めたホテルが大きくなり堕ちていくまでの約70年を描いた連作。ミステリー要素は少なめではあるけれど子供が行方不明になる事件が起きてからはそれぞれの語りの中にも不気味な空気が少しずつ入ってくる。ホテルに関わる人たちの生活や人となりがとても味わい深くそれだけでも楽しめる。次第に明かされてくる長年隠されてきたもの。たくさんの人物によって展開される物語はとても贅沢に思える作品になっている。

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    2021年01月22日
  • ライフ・アフター・ライフ

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    引用メモ
    私たちは1度しか生まれない。前の生活から得た経験を携えてもう一つの生活を始める事は決してできないだろう。私たちは若さの何たるかを知ることもなく少年時代を去り、結婚の意味を知らずに結婚し、老境に入る時ですら、自分が何に向かって歩んでいるのかを知らない。
    ミラン・クンデラ「小説の精神」より

    ライフアフターライフは、そうした人間の未熟を踏まえつつ、今生きている人生をいかに実りあるものにできるか、その可能性と限界に超絶技巧で挑んだ転生の物語と言うことができるだろう。
    訳者あとがきより

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    2020年08月14日
  • 秘密 下

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    母親が見知らぬ男を刺殺する場面を目撃した少女が大人になり、余命わずかとなった母親の過去をたどりながら事件の真相を探る。母親の青春期であった第二次世界大戦中のロンドンを舞台とした「秘密」が、少しずつ解き明かされていく。

    過去と現在を往き来しながらゆったりと紡がれる物語には、毎度のことながら魅了された。早く真相を知りたいと急く思いと、古めいたロンドンで繰り広げられる独特な空気にいつまでも浸っていたい気持ちとが交錯する。
    時代の流れに翻弄されながらも、空想癖のある少女たちの弾けるような瑞々しさ、哀しい運命と切ない余韻。秘密の内容は想像できたし、そんなに都合よく進むのかと思う場面もあるものの、古い時

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    2019年11月26日
  • 秘密 下

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    ネタバレ

    いやあー。
    過去と現在が切り替わりながら、スピード感がどんどん増してくる感じが、やっぱりイイわー。

    母ドロシーの謎めいた過去。
    幼き日、娘ローレルは、ドロシーに会いに来た見知らぬ男を、目にするや否やお気に入りのナイフで刺殺してしまうシーンを目撃する。
    なぜ母は男を殺したのか?わだかまりを抱きながら、ローレルは有名女優になるのだけど、年月が経過し、ドロシーの最期が近くなったその時、母の謎を解き明かそうと動きはじめる。

    死を前にしてという、パターン的には『忘れられた花園』を彷彿とさせるけど、やっぱりワクワク。
    上巻では、ミセス・グウェンドリンとドロシーの掛け合いが楽しい。
    このまま、偏屈婆さん

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    2019年02月02日
  • 忘れられた花園 下

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    「『秘密の花園』、『嵐が丘』そして『レベッカ』に胸を躍らせたあなたに謎に満ちたもうひとつの極上の物語を。」

    「ダフネ・デュ・モーリアの完璧なまでの後継者。」

    とまあ、なんて扇情的な文句なのでしょう。

    勢いで購入したは良いものの、時間に余裕が出来るまでは、と思って取っておいた上下巻。
    読み始めたら、三人の女性たち、イライザ、ネル、カサンドラに魅了されっぱなしだった。
    以下、核心ネタバレは避けていますが、割と詳しくあらすじと感想を載せているので、お気をつけて。



    発端は、前途洋々だったネルの出生の秘密を、実の父だと信じ込んでいたヒューによって打ち明けられる所から始まる。
    実はヒューの子で

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    2018年12月30日
  • ミニチュア作家

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    ネタバレ

    ネラ・オールトマンはアッセンドルフトの古い屋敷からアムステルダムに出てきた。裕福な商人の妻となるために。しかし迎え入れられたのは冷たい屋敷。義姉であるマーリンは冷たく、夫たるブラントは家に帰ってこない。ようやく帰ってきた夫は彼女と夜を共にしようとしない。そんな花嫁にと夫は豪華なドール・ハウスを贈り物とした。そしてそこには精巧な家具だけでなく自分たちと同じような小さな人形が送られてくる。それも細分もたがわずに似せられた人形が。このドール・ハウスの作者は自分たちの生活を覗き見しているのかとも疑われるほどに。そして作者の作ったものが自分たちの運命を暗示しだしたとき、ネラは若い何も知らない花嫁から、一

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    2018年10月20日
  • 忘れられた花園 下

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    いやあ、楽しい読書でした。
    子どものころ読んだイギリスのお話みたいな部分と、ハーレクインみたいな部分。
    「秘密の花園」の作者、バーネット夫人もちゃんと出てきます。

    推理小説として考えると物足りない。
    ネルの正体は、割と簡単に想像がつきます。

    けれどイライザの悲しいまでに切ないローズへの友情。或いは愛情。
    本当の自分を知りたいというネルの強い欲求。
    過去の後悔から自分を解き放つことのできないカサンドラ。

    この3人の人生が年代を超えて複雑に織りなしていく物語なのですが、この巻ではもっぱらイライザの人生について。
    自分の力で生きてきた少女時代のイライザが、母の実家であるマウントラチェット家に引

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    2017年10月28日
  • 忘れられた花園 上

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    ネタバレ

    たった一人、イギリスからオーストラリアについた船に残された4歳の少女ネル。
    大人になったネルが過去をたどるための唯一の手がかり『お話のおばさま』ことイライザ。
    ネルの過去をたどる孫娘の(といってもちゃんとした大人)カサンドラ。

    時代を越えて3人の女性の人生が交差する時に見えてくる真実。

    という話なんだと思うんだけど、まだ上巻なので真実はまだ見えてこない。

    だけど、私の好きなイギリス文学の匂いが濃厚なこの作品。
    読みながらどんどん世界に溺れていく。

    ああ、下巻を読むのがものすごく楽しみ。
    こんなトキメキ、学生時代みたい。

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    2017年10月12日
  • 忘れられた花園 下

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    ネタバレ

    後半に入ってからの「花園」の象徴的存在感、イライザとローズの歪んだ友情、過去を辿る者と真実との微妙なずれ、謎の解きほぐされ方の物語としてのバランスが絶妙すぎる。

    正直、結末は予想できたが、そこに至るまでの語りにのめり込んでしまい一気読み。

    個人的には「半身」のキーワードが懐かしさと切なさを生み印象的だった。解説にも触れられていなかったと思うのだが、オマージュ的要素はあるような気がするのだが。

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    2017年08月15日
  • 世界が終わるわけではなく

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    皮肉の混じった現実の世界に、神話的な、あるいはSF的な非日常が入り込む。
    関係のないようなそれぞれの短編は少しずつクロスしている。
    一冊の本として巧みな構成となっていて、面白かった。

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    2015年02月08日
  • 世界が終わるわけではなく

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    可愛がっていた飼い猫が大きくなっていき、気がつくと、ソファの隣で背もたれに寄りかかって足を組んでテレビを見ている!そして…という「猫の愛人」、真面目な青年と、悪さをしながら面白おかしく暮らす彼のドッペルゲンガーの物語「ドッペルゲンガー」、事故で死んだ女性が、死後もこの世にとどまって残された家族たちを見守ることになる「時空の亀裂」等々、十二篇のゆるやかに連関した物語。千夜一夜物語のような、それでいて現実世界の不確実性を垣間見せてくれる、ウィットブレッド賞受賞作家によるきわめて現代的で味わい深い短篇集。

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    2013年06月01日
  • 世界が終わるわけではなく

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    かなり好きな世界。

    千夜一夜物語のような現実と幻想がまじりあった世界は、そのブレンド加減の好みが人によって違うと思うのだけれど、ワタシにはこの小説の世界は絶妙。

    最初の「シャーリーンとトゥルーディのお買い物」がシュールで笑える。

    かといって、この作者の長編は読めないだろうなとも思う。ぷっつりと結末が切れることの面白さを感じるから。

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    2013年03月15日
  • 世界が終わるわけではなく

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    短編集といっても、ただ短編を集めたのではなく、かなり巧みに構成されている。どれもシニカルでブラックだけれど、胸をうつところもあり、素晴らしかった!幼い子どものいじらしさから思春期の子の手に負えない様子、独り立ちした子の勝手さなど、すごくよく書けていて、母親の気持も子供の気持ちも痛いほど伝わってきた。好き嫌いが分かれそうで誰にでもお勧めってわけにはいかないが、ジュディ・バドニッツなんかが好きな人には合っていると思う。
    表紙の絵にもなっている「猫の愛人」、「魚のトンネル」「大いなる無駄」など、繰り返し読みたくなる。

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    2013年02月03日
  • メキシカン・ゴシック

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    アメリカ人が選んだ21世紀のベストミステリ100
    の中でかなり上位に入っていたので読んでみました。

    1950年代のメキシコが舞台のさびれた街の屋敷に嫁いだ従姉妹から助けを求める手紙ご届いて訪問してという話です。

    世界で賞を取ったり、激賞されたゴシックホラーです。

    正直怖さは無かったですが、主人公の勝ち気なキャラクターが良かった。

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    2025年12月15日
  • 湖畔荘 下

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    派手さはないし、トリックという類のものが出てくる作品ではなかったが、それぞれの秘密が徐々に明らかになっていった結果上からの謎が綺麗な形で終わったので満足感はあった。

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    2025年09月12日
  • 湖畔荘 上

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    読み始めてすぐらへんは、「え、また戻るの?!」と混乱もあったが、上巻全体を通して謎は「セオ・エダヴェインはどこにいったのか?」と一貫しているので一見複雑な構成自体には普段から読書をしている人にはすぐ慣れるだろう。とはいえ、この時点でこの作品の魅力はまだ発揮されていないと思うので、下巻が楽しみである。

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    2025年09月09日
  • 長く続けられる美しい庭づくり

    sun

    購入済み

    長く楽しめる庭づくりの実用書

    少ない手間で美しい庭を維持したい人に最適な一冊。京都の園芸家が30年の経験から編み出したローメンテナンスガーデニングのコツを季節ごとに紹介。セルフリフォーム術や手のかからない植物カタログも実用的。写真が豊富で初心者にも分かりやすく、シニアにもおすすめ。ただし、デザイン重視の庭を目指す人には物足りないかも。

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    2025年06月30日
  • 秘密 下

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    上巻のあらすじには
    「少女ローレルは庭のツリーハウスから、見知らぬ男が現われ母ドロシーに「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と話しかけるのを見た。そして母はナイフで男を刺したのだ」
    と書かれているけれど、真相がアレなら「やあ、ドロシー」とは話しかけないんじゃないかなあ…と、いまいち納得できないので五つ星評価にはしかねるが、心温まるハッピーエンドで読後感は良いです。

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    2025年05月31日