青木純子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ゴシックホラー
幻想的な 閉ざされた世界でのお話
主人公の気の強さが
良い意味で目立った
彼女の雰囲気は
森博嗣作品、S&Mシリーズの
萌絵を思い出させた
とても頭が良く 行動的。で 勝気。
ただ 萌絵は正直、好きではない 笑
メキシカン ゴシックの主人公
ノエミの方が 颯爽としていて 頼もしい
物語がどうなっていくのか
どう決着がつき、どんなカラクリなのか
夢中で読んだ。
現実離れした世界に
おぞましい描写
古めかしい屋敷と室内
暗く かび臭い
どこまでもダークな世界観
読み終えると
1本の映画を観終わったような心地がした
ダークファンタジーとして読むのに
最高に面白くて かなり楽 -
Posted by ブクログ
※上下巻の感想です。
オーストラリアの港に、英国からの船が到着した。ヒューとリルという優しい二人の元ですくすくと育ったネルは、二十一歳の誕生日に、自分が船に取り残された少女であることを告げられる。自身の死の間際、孫のカサンドラにとある遺産を残す。「その意図を理解することを願って」と綴られたメモ。カサンドラは、ネルの正体を求めて彼女が持っていたコーンウォールのコテージに向かう。イライザ・メイクピース、彼女の本を片手に。
「言いよどむナサニエルの口に、人差し指を押しあてた。言葉は封印された。」
「”知らない場所でひとりぼっちで過ごす夜がどんなに恐ろしいものか、ちゃんとわかっっているからね”」
-
Posted by ブクログ
最後は事件の真相が二転三転し、先が気になり読む速度がどんどん速くなった。
最後はすべてがつながり、えーっと思わず声を上げそうになった。
ケイトモートンは初めて読んだが、訳者あとがきに、私が抱いた感想のすべてが書かれていたので抜粋する。
「...つまり過去の悲劇の真相を関係者の証言や当時の記録によってあぶりだすという、ジグソーパズル的謎解きの基本をきっちり抑えた典型的な作品だ。
だがモートンのジグソーパズルはピースの数が半端じゃない。その大半を占めるのが、登場人物たち一人ひとりの胸に去来する記憶の断片だ。それらが巧妙にシャッフルされて作中にばらまかれ、読むものを幻惑する。」
「モートン作品の -
Posted by ブクログ
第二次世界大戦直後の冷戦時代、対ロシア戦略として出発したMJという米政府の秘密組織。1999年現在は、軍事、宇宙科学の予算獲得のため。一般市民にそれとなくUFOの存在を信じさせるため、UFOによる拉致やキャトルミューテーションを演じる組織となっている。今回、ちょっとした気まぐれから、テレビの人気パーソナリティを拉致してしまった。翌年は大統領選挙ということで、大統領も巻き込まれて大騒動。1999年に発表された小説、日本では2021年に翻訳されている。そして、私が読んだのがちょうど四半世紀後の2024年。大統領選挙をめぐるゴタゴタも、UFOに関する情報開示状況もあまり変化がないように思え、古めかし
-
Posted by ブクログ
上巻の後半からあった小さな違和が、読み始めた徐々に大きくなってくる。
国民的女優であるローレルの母の若かりし頃。
都会に憧れ、自分が設定した人物になりきって物事を進めていくその姿は、娘が大女優になる種を内包しているかのように見える。
けれど。
都会の生活に憧れ、もっと良い暮らしができるはずという野心あふれる若い娘であるだけにしては、ドロシーは身勝手なエゴイストでありすぎる気がする。
それがローレルの知っている母の姿とは、どうしても重ならない。
鼻っ柱を根底からへし折られるような、何を彼女はやらかしたのだろう。
いや、それよりも…。
母の過去を追うローレルが知りえた情報を読みながら、違う事実 -
Posted by ブクログ
ネタバレ玉ねぎの皮をむくように、少しずつ明かされる真実から目を話すことができなかった。
エプロンのポケットに入れ、ほんの少しの時間でも空けば、続きを読む。
読まずにいられない。
そのくらい、次々と現れる新発見、新解釈。
二転三転する赤ん坊誘拐事件の真相。
テンポは速いが、決して浮ついてはいない。
誰もが大切な家族を守りたかっただけなのだ。
父も母も娘たちも。
だからみんなが秘密を抱えることになり、事態は複雑を極めることになる。
ゴシック・ロマンス風に始まった物語だったけど、大河小説並みの家族小説に落ち着きましたな。
それにしても、あれがそう繫がりこうなりますか!の連続で、セイディとピーターの間に -
Posted by ブクログ
読み終えて、あー良かった!幸せとちょっとの切なさが混じった心地よい読後感。戦争真っ只中の1941年ロンドンで生きる若者たち、そして母の殺人を子供の頃に目撃してしまった女優ローレルが真相を探り出す2011年が、交互に語られる。下巻の途中で、もしや?と思ったので(それが殺人の動機に十分成り得るので)、真相は割とあっさり分かったけど、逆にそれが良かったなと思うくらい。
ドロシーたちが作り上げた、温かな家族の描写も魅力的だったし、当事者が真相を知りながらも「秘密」を守り続けたんだなあと、綺麗にタイトルの回収もされた、ラストシーンもすごく良かった。ケイト・モートンの中では一番かも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレネットで見かけて。
イギリスからオーストラリアへ向かう船の中でひとりきりだった少女。
バッドマンを恐れていた母を亡くし、弟と二人で生き抜く少女。
祖母に預けられたまま、母親が別の家庭を持ってしまった少女。
この三人の少女を中心に話は進むが、
三人の折り重ねられた人生、
いづれも波乱万丈すぎて追いついていくのが大変だった。
著者の作り出した迷宮で彷徨っているようで、
「小公女」よりも「小公子」よりも「秘密の花園」が好きだった
自分としては楽しかった。
冒頭、祖母の家に置いて行かれた少女が、
歯ブラシがない、と言って泣き出す場面には心をつかまれた。
(下巻へ続く)