あらすじ
コーンウォールの湖畔荘で起きた赤ん坊消失事件。屋敷の現在の持ち主は、消えた赤ん坊の姉でロンドン在住の高名なミステリ作家、アリス・エダヴェインだった。当時、湖畔荘には三人の娘がいて、消えた赤ん坊はまだ乳飲み子で待望の男の子だったのだ。刑事セイディはなんとしてもこの事件の謎を解こうと、作家に連絡を取る。1910年代、30年代、2000年代、それぞれの時代の秘密を炙り出すモートンの見事な手法。複雑に絡み合う愛と悲しみがもたらすものは? そして、最後の最後で読者を驚かすのは、偶然か、必然か? モートン・ミステリの傑作。/解説=大矢博子
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最後は事件の真相が二転三転し、先が気になり読む速度がどんどん速くなった。
最後はすべてがつながり、えーっと思わず声を上げそうになった。
ケイトモートンは初めて読んだが、訳者あとがきに、私が抱いた感想のすべてが書かれていたので抜粋する。
「...つまり過去の悲劇の真相を関係者の証言や当時の記録によってあぶりだすという、ジグソーパズル的謎解きの基本をきっちり抑えた典型的な作品だ。
だがモートンのジグソーパズルはピースの数が半端じゃない。その大半を占めるのが、登場人物たち一人ひとりの胸に去来する記憶の断片だ。それらが巧妙にシャッフルされて作中にばらまかれ、読むものを幻惑する。」
「モートン作品の醍醐味は、登場人物たちの関係性やそこから生じる認識のずれ、それぞれが抱え込む屈託(秘密)が、やがて中心となる謎の真相へと収束するプロセスの追体験にある。」
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良い本に出会った。
面白い本に出会ってしまった。
上巻で読み切れるかなと心配になったけれど
下巻で一気に面白さが加速した。
この本に出てくる謎は一つだけじゃない。
だけれど、きちんと解決する。
パズルが一つ一つもとの場所にハマるように
だけど、そこに行き着くまでに
こうなのかな?といろんな結末を予想するが
それを何度も裏切られ(良い意味で)
そして、最高の終わりを迎える。
本当によくできた本だったし
この本に出会えてよかったと思う。
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玉ねぎの皮をむくように、少しずつ明かされる真実から目を話すことができなかった。
エプロンのポケットに入れ、ほんの少しの時間でも空けば、続きを読む。
読まずにいられない。
そのくらい、次々と現れる新発見、新解釈。
二転三転する赤ん坊誘拐事件の真相。
テンポは速いが、決して浮ついてはいない。
誰もが大切な家族を守りたかっただけなのだ。
父も母も娘たちも。
だからみんなが秘密を抱えることになり、事態は複雑を極めることになる。
ゴシック・ロマンス風に始まった物語だったけど、大河小説並みの家族小説に落ち着きましたな。
それにしても、あれがそう繫がりこうなりますか!の連続で、セイディとピーターの間にさえ、何かかかわりがあるのかと勘ぐってしまったよ。
ほんの小さな違和ですら、あとから思い返せば「そういうことだったのか!」と膝を打つことになる。
丁寧な仕事をする作家さんです。
一つ残念なのは、赤ん坊が誘拐された日、契約期間満了でひとりの使用人が姿を消したが、誰もその後を追跡しないのね。
元々風来坊だから追いようがなかったのかもしれないけれど、普通なら一番の容疑者になるんじゃないのかなあ。
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この巻の1/3ほどから、読み進める手を止めることができなくなりました。
人はみんな自分の経験と感覚を通して物事を見るものですが、その表現がされてるミステリーに出会ったのはこれが初めてでした。後半怒涛の謎解明は少しだけご都合感もありましたが、登場人物がそれぞれの視点で仮説をもち検証しては壁に当たり、を繰り返しながら進んでいく様子が本当にお見事です。
真相が過去視点で明かされたり、現在視点で話し合われたりと、明かされ方にバリエーションがあったのもおもしろかったです。
最後は大団円という感じで、読後の感触も良きでした。
Posted by ブクログ
ミステリ。
上下巻合わせて700ページ超えの大作。
流石に長くて、途中でやや飽きかけたが、この結末は素晴らしい。とても感動。
「偶然」をここまで効果的に扱うミステリも珍しいのでは?
「なぜ子供が消えたのか」が作品の中心となる謎だが、「なぜ優秀な乳母が解雇されたか」「なぜ使用人が死んだか」といった細かい謎も、見事に繋がる解決シーンは寒気を感じるほど面白かった。
更には「なぜセイディが主人公なのか」という謎すらあるらしい。確かにこの物語は、セイディが主人公でないと成り立たない。
とにかく傑作。この著者は他の作品も読もう。
Posted by ブクログ
ロンドンで刑事をしていたセイディはある事件で失策を犯し、祖父の住むコンウェールで謹慎することに。
そこには打ち捨てられた屋敷があり、ここでかつて男児の行方不明事件が起こり、未解決のままになっていた。
この事件に興味を引かれたセイディは現在の屋敷の持ち主であるアリス・ウェダインへ手紙を書き、連絡を待つ。その一方で自ら事件捜査を始めていた。
一方、ミステリ作家となっていたアリスにとって弟の行方不明の事件はすでに終わったことであり、彼女の手紙を無視していたのだが……。
70年前、果たして湖畔荘で何が起きたのか?
長い時を経て真実が明らかになるときがやってくる。
今年、最初に読んだのがこの作品で本当によかったと思います。
消えた赤ん坊の謎。そして、その事件に関与したものは誰なのか、そして彼の生死は?
読みながら、いろいろと考えながら、こうではないか、あーではないかと考えるのはとても楽しかったです。
セイディのような女性もアリスのような女性も大好きですが、私がこの物語でもっとも惹かれたのはアリス、デボラ、ケイトリン、そしてセオの4人の母であるエリナが好きです。
第一次世界大戦で心に傷を負った夫アンソニーと折り合いの悪い母親を抱えながらも、必死で家族が幸せに至る道を探す彼女は勇敢でありながらも辛い日々を送っている。
そこへ差し出された手を取りたくなるのも人間らしくてとてもいいなぁと思いながら読んでいました。
以前読ませていただいたブロ友さんの感想に家族の物語とありました。
確かにこれは家族の物語で、過去へ向かうのではなく未来へ向かうために必要な物語なのだろうと私は思っています。
そしてエリナのような女性にあこがれます。強くて、でも弱い。けれども、その弱さに立ち向かうことが出来る女性。
彼女がいればこそのこの物語は翻訳された青木純子さんや解説を書かれている大矢博子さんが書かれているように尊いのだと思うのです。
昨年は重たい一冊から始まりましたが、今回は素敵な物語から始まりました。(大事なことなので繰り返しましたww)
今年もたくさん素敵な本に出合えますように♪
はぁ、楽しい時間だった(*^^*)
Posted by ブクログ
この作品を。
ネタバレなしで、面白さを伝えるって、めちゃくちゃ難しいと思うのですが。(でもレビュー読んでたら、ミステリーの手法として、ホントに上手く伝えている方がいて、そちらを読んで欲しい、笑)
そんなわけで、結末に関する言いたいことは、自分の読書メモにごそっと残しておいて、所感だけを。
マジで、私的には傑作でした。
とりあえず上巻終わりまで、もうこれ以上、セイディに何も暴いて欲しくなかったんですよね。
アンタ、やらかして謹慎中なんだから、時効になった失踪事件に首突っ込んでんなよ、と。
それくらい、コーンウォールの物語は、不思議の国のアリスの見る夢のような美しさと愛らしさがたっぷり込められていて。
そこに、ズカズカ踏み込んで欲しくなかった。
本当は、家族一人一人に相応の苦しみがあったとしても。
なのに、下巻でね、ふと思うんですよ。
これ、ケイト•モートンが書いたんだよな?って。
その瞬間、自分とセイディが重なって「ピカーン」と閃くわけです。そうか、真実はそこにあるのか!
すっかり転がされ続けるのも、楽しい経験。
ふわーっとした感想で申し訳ないですが、そうまでして隠したくなる面白さなので、オススメです。
Posted by ブクログ
推理小説風の文学、という印象でした。
文学は読まないので実際はわかりませんが。
推理小説にしてはアッパーな感じ。
人生と時間に想いを馳せたくなりました。
人間っていいよね
Posted by ブクログ
1933年 夏至祭の最中、屋敷から忽然と消えた男児失踪事件。
事件は未解決のままであり、その男児の姉であるアリスは現在(2003年)大御所ミステリー作家となっていた。
諸事情により謹慎、休暇中となった故郷でこの事件に自らの境遇を重ねて、調べることにした刑事セイディ
「事件」についての秘密を抱え、守り通そうとするアリス
そして「真相」の中で駆け抜けたアリスの母エリナ
アリス・エダウェイン 1933年
セイディ 2003年
アリス・エダウェイン 2003年
エリナ・ドシール 1911年
と、各年代を行き来しつつ謎が明かされていくのは圧巻…そして、ものすごく心にじんわり来る…良い話を読んだ。
「こういう真相だろう」という考えも少しずつ覆されていき、謎が溶けていく快感もあるのですがほっこりしすぎて読み終わるのが惜しく感じました。
Posted by ブクログ
上下巻でかなりボリュームのある本です。現在と過去が行ったり来たりする中で、最後はこういう風になるんだなと感じました。仕掛けが多く面白い本です。ただ登場人物が多く、人物紹介みたいなのがないので、途中この人誰だったかなぁと苦労しました。でもネットに人物相関図がありますので、それを利用するのもいいと思います。
Posted by ブクログ
70年前に古い屋敷で起きた赤ん坊消失事件。
屋敷の持ち主はロンドン在住のミステリー作家アリス・エダヴェインだった。
当時、屋敷にはアリス等三人の娘がいて、消えた赤ん坊は待望の男の子だった。
刑事セイディは謎を解くべくアリスに連絡を取る。
複雑に絡み合う過去と現在、愛と悲しみ。
華麗かつ精微な筆致に翻弄された読者が最後の最後に辿り着く真実とは?
さて、下巻。
上巻は人物整理と時間軸の整理に追われ、なかなか苦労したが、
下巻はもうスムーズ。一気に読み上げてしまった。
話の主軸となっている消えた赤ん坊セオの行方も
段々とパズルのピースがハマっていく。
まぁ結論だけ切り取れば、まさに奇跡。んなバカなという展開。
だが、それもなかなか味わい深い内容ではあった。
全体的に登場人物たちに感じるものが、
進むにつれ見事にひっくり返っていく構成は面白かった。
例えば、上巻途中までは聡明で博識なアリスという印象なのだが、
進んでいくとそのボロが露呈されていく。
何だ、自分たちが思春期に体験したある種の恥を
この人も体現していたんだとわかり、一気に親近感が湧いたり、
ただのイタい人という印象のセイディも、
進むにつれ、その頭の回転の速さに驚かされ納得していく。
そんな登場人物たちの印象を上手くコントロールしていて楽しめた。
ただ何と言ってもアリスの母・エリナの覚悟と行動には頭が下がる思い。
母は強しとよく言われるが、これほどの強さはもう感服である。
かなり綺麗な締めくくり方で物語は幕を閉じるが、
これだけ時を隔てた構成の中で、上手くまとめ上げていたのは流石。
終わり良ければ全て良し、そんな風に思える作品だった。
Posted by ブクログ
派手さはないし、トリックという類のものが出てくる作品ではなかったが、それぞれの秘密が徐々に明らかになっていった結果上からの謎が綺麗な形で終わったので満足感はあった。
Posted by ブクログ
「湖畔荘〈下〉」(ケイト・モートン : 青木純子 訳)を読んだ。
〈下〉に入った途端に一気に加速した。
《おお!そこまでいくか!》という感じ。
こうであったらなという妄想が答えになっていくのを見るにつけ、ケイト・モートンが人気作家であるのも宜なるかな。
『あまりにも多すぎるパズルのピース、しかも各人がまちまちのピースを握りしめていた。』(本文より)
まさにこの物語を端的にあらわした一文だな。
Posted by ブクログ
上巻から下巻のあたま位まで、なかなか話にのめり込む事が出来ず、また、人間関係の把握が難しく、途中から相関図をメモしながら読み進めました。下巻からはスルスル読めました。
アリスの気の強さやコンスタンスの意地の悪さには読んでいて嫌気がさしました。それでも最後は気持ち良くまとめられていたので、読み終えて良かったと思いました。
テンポの早い作品が好きなので、なかなか前に進まないまどろっこしさを感じました。
Posted by ブクログ
上巻を読んだ後はここからもう一冊分話しがどう続くのかと心配になりましたが、まさかの展開で地道に読んで良かったと思いました。
証拠がほとんど残っていない70年前の事件でそれぞれがずっと引きずってきたことがどう解決されていくかすっきりします。