【感想・ネタバレ】リトル・グリーンメン 〈MJ-12〉の策謀のレビュー

あらすじ

ジョン・O・バニオン、大統領をも番組に呼べる、超売れっ子のテレビ・パーソナリティ。このプリンストン出の秀才は、首都ワシントンの最高レベルのセレブたちの人気者だ。ネイサン・スクラブスもワシントンの住人だったが、彼は古いビルの奥にあるオフィスにひとり、各地で主婦がUFOに拉致され暴行されたという報が入るのを待つばかり。007を夢見ていたのに、〈MJ=12〉なる怪しい機関に回されたのだ。やけになった彼の、華々しい活躍ぶりが癇に障るバニオンを拉致してやろうという思いつきがすべての始まりだった。抱腹絶倒の大陰謀小説!

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Posted by ブクログ

第二次世界大戦直後の冷戦時代、対ロシア戦略として出発したMJという米政府の秘密組織。1999年現在は、軍事、宇宙科学の予算獲得のため。一般市民にそれとなくUFOの存在を信じさせるため、UFOによる拉致やキャトルミューテーションを演じる組織となっている。今回、ちょっとした気まぐれから、テレビの人気パーソナリティを拉致してしまった。翌年は大統領選挙ということで、大統領も巻き込まれて大騒動。1999年に発表された小説、日本では2021年に翻訳されている。そして、私が読んだのがちょうど四半世紀後の2024年。大統領選挙をめぐるゴタゴタも、UFOに関する情報開示状況もあまり変化がないように思え、古めかしさを感じさせない。一方で、バイアグラ(1998年販売開始)のような時事的な話題もたくさん取り入れられている。バイアグラについては「疲労困憊した女性たちからの講義で、議会はやむなくFDAに販売を禁止させた。現在は闇で高値で取引されている」という、いかにもありそうな注がついていて、25年後の読者を笑わせてくれている。かように、注まで含めた内容が皮肉にあふれていて楽しい。それにしても、なぜ20年以上経って翻訳されたのだろう。

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2024年11月17日

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