青木純子のレビュー一覧
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ネタバレネットで見かけて。
イギリスからオーストラリアへ向かう船の中でひとりきりだった少女。
バッドマンを恐れていた母を亡くし、弟と二人で生き抜く少女。
祖母に預けられたまま、母親が別の家庭を持ってしまった少女。
この三人の少女を中心に話は進むが、
三人の折り重ねられた人生、
いづれも波乱万丈すぎて追いついていくのが大変だった。
著者の作り出した迷宮で彷徨っているようで、
「小公女」よりも「小公子」よりも「秘密の花園」が好きだった
自分としては楽しかった。
冒頭、祖母の家に置いて行かれた少女が、
歯ブラシがない、と言って泣き出す場面には心をつかまれた。
(下巻へ続く) -
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★5 決して沈まない豪華絢爛な〈ホテル・ネバーシンク〉世代を重ねた未来には #ホテル・ネバーシンク
■あらすじ
1930年代から現代まで、三代にわたって家族経営を続ける〈ホテル・ネバーシンク〉。絢爛豪華で巨大なそのホテルは、街のシンボルとなっていた。
しかしある時、ホテルで宿泊していた子どもが行方不明になってしまう。その後も周囲では子どもが消えてしまう事件が発生するようになり、徐々に経営の斜陽化が進み始める。決して沈まないという意味の名前をもつホテルの行方はどうなるのか、そして事件の真相は…
■きっと読みたくなるレビュー
面白い★5
舞台設定、話の構成が超絶素晴らしい!
1930年代から2010年代まで、豪華で煌びやかなホテルを中心に話が展開されていきます。各章、年代ごとに少しずつ物語が進行しますが、語り手が毎回変わっていき、様々な目線と価値観で描かれていく群像劇。
もちろん年代が進んでいくので、登場人物たちも年齢を重ねていく。ある年代の語り手は少年時代でも、次の語り手になったときにはホテルで働いていたりする。
そう、登場人物の一生が描写されると同時に、〈ホテル・ネバーシンク〉の一生も見届けていくことになるのです。
まるで建物であるホテル自体が生き物のように時には笑い、泣き、苦しんでいることが伝わってくる。こんな刺激的なミステリーは他にないよ。
そして様々な立場の登場人物たちが魅力的すぎるんです。
ホテルの経営者、経営者を継ぐ者、離れていく者、嫌う者、バーテンダー、掃除係、ホテル付き探偵などなど。
それぞれの立場、価値観、向き合い方でホテルについて語られていく。まるで短編集を読んでいるかの如く小気味よく綴られ、時には楽しく、時には切なく、どんどん読み進められます。
特にホテルの後継者レンと妻のレイチェルの二人のやり取りは、読み応えたっぷり。熱い出会いから結婚、そして経年による関係性や価値観の変化が半端なくエグい。
そして子どもたちが行方不明になった真相…
最終盤の展開は、これまで読んできた経営者とホテルの嘆きを聞かされたようで、私は涙が止まりませんでした。
■推しポイント
母が他界、父が高齢になったため、施設に入居をすることになりました。
そのため築45年の一戸建ての実家はもう不要となり、経済合理性を鑑みて、処分をすることになったのです。先日、片付け業者に依頼して家財道具をすべて搬出、家の中はすっかり空っぽになりました。
私が幼児の頃から育った、思い出がいっぱいの家。
家財も、日用品も、衣服も、本も、ゴミすらも何もなくなった家。
家が一生を終えていく…
決して沈まない家や、老いを重ねない人間なんて存在しません。残酷だけど時間は平等に経過していくのです。
願わくば、この住まいと家族の魂を解き放って、次に建てられる家、新しい家族に、明るい未来と溢れる希望を与えて欲しい。
いままで楽しい時間と住まいを与えてくれたことに、ありがとうと伝えました。 -
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ネタバレ日本初上陸の作家、アダム・オファロン・プライス。訳がケイト・モートン「湖畔荘」等の青木純子さんということもあって手に取りました。
ニューヨーク近郊の山中に建つホテル・ネヴァーシンク。ホテルの関係者の視点で1950年から2010年代まで、ネヴァーシンク(不沈)の興隆から荒廃までを描いた作品。
1950年台に子供が行方不明となり、どうやらその後もホテル周辺で度々子供が行方不明になる、みたいなのだが、その辺りは深く描かれない。ミステリ色は弱め。
ある章の中心だったホテル関係者のことが、別の人物の視点の章でも描かれており、あの後、こういう人生を歩んだんだなぁとわかる仕掛け。何人か繰り返し中心となるため総勢10名ほどの視点か。
最後に犯人はわかるのだが、おまけというか、メインはそこではなく。ホテルの凋落、お祭りの後やパーティーの後のような侘しさが描かれた作品。
良かった。
ちょっと久しぶりにポケミスに手を出してしまいました笑(待ってても文庫落ちしない作品も多いので。。。) -
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呪われたイギリス人の古い屋敷が舞台で住人の名前がドイルなのでバスカヴィル家の犬が連想されます。途中まではドイル家の謎がどんどん深まっていくミステリー小説なのですが、謎がとけていくと徐々にきのこに取り憑かれたアウトサイダーVSノエミのホラーアクション小説になっていきます。その緩急の差もあるのですがさいごの脱出劇は最高におもしろく、最後まで読むと爽快感さえ感じさせてくれます。
作者が化学を学んでいたのもあると思うのですが、薬品に関することも妙に説得力があります。あと、ゾンビにきのこが生えている描写もそんなにグロテスクに感じられません。
フランシスがもっと活躍すると思っていたのですがいまいちでした。そこは白人に対するするメキシコ人、男に対する女性というテーマもあったとおもうのでしかたないのかもしれません。メキシコシティで頑張ってもらいたいです。
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ネタバレ二作目のケイト・モートン。
前作「忘れられた花園」と同様、現在と過去が交互に描写されながら真相に迫る物語。
現代パートの主人公ローレンが語る母ドロシー(ドリー)の優しさと、過去パートのドリーの人間としての醜さのギャップが凄くて。正直途中から、キーとなるヴィヴィアンに幸せになってほしいと思いながら読み進めた。
徐々に変わっていくドリーの描写も見事。ホント、途中から嫌な女性になりました笑。その分、全てを失うことになるのだけど。
最後の仕掛けは、もしかしたらと思いつつも、最後まで気が抜けず。結ばれなかった二人の切なさと、旅時の果てに幸せに逝った静かな余韻があり。良かった。
相変わらず、若干ハーレクインかなと思うけど、「過去を探る」ストーリーは随一。次作、湖畔荘も楽しみ。
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ネタバレまず一言、面白かった!
大学へ進みたいと願うノエミの元へ、寂びれた屋敷に住むイギリス人と結婚した従姉のカテリーナから『夫に毒を盛られている。そして住んでいる屋敷の亡霊に苛まれている』という手紙が届く。父にカテリーナを連れて帰ったら、大学の進学を認めてもいいと言われたノエミはカテリーナの元へ。
そこはかつて銀鉱があり、財もあった家柄のなのだが、今ではもうその面影はなく、屋敷はボロボロ、湿気とカビの巣窟だった。
早速、カテリーナを連れて帰ろうとするノエミだったが、彼女と会うことはできず、彼女の結婚した相手も父親も使用人も陰鬱な人物ばかり。
そして、初めてその屋敷に泊まった晩にノミエは金色に輝く不思議な女性を目にするのだった。
『レベッカ』をイメージしていたのですが、全く違った物語で、特に主人公のノミエが魅力的です。
謎を解き明かそうとする勇敢な心や挫けないところは好きですね。
謎についてはネタバレいくないということで読んでいただきたいですが、そこへたどり着くまでの彼女の奮闘を楽しんでいただきたいと思います。
久しぶりだわ、この暑さの本を一気読みとは、本当に面白かった(*^^*) -
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ネタバレロンドンで刑事をしていたセイディはある事件で失策を犯し、祖父の住むコンウェールで謹慎することに。
そこには打ち捨てられた屋敷があり、ここでかつて男児の行方不明事件が起こり、未解決のままになっていた。
この事件に興味を引かれたセイディは現在の屋敷の持ち主であるアリス・ウェダインへ手紙を書き、連絡を待つ。その一方で自ら事件捜査を始めていた。
一方、ミステリ作家となっていたアリスにとって弟の行方不明の事件はすでに終わったことであり、彼女の手紙を無視していたのだが……。
70年前、果たして湖畔荘で何が起きたのか?
長い時を経て真実が明らかになるときがやってくる。
今年、最初に読んだのがこの作品で本当によかったと思います。
消えた赤ん坊の謎。そして、その事件に関与したものは誰なのか、そして彼の生死は?
読みながら、いろいろと考えながら、こうではないか、あーではないかと考えるのはとても楽しかったです。
セイディのような女性もアリスのような女性も大好きですが、私がこの物語でもっとも惹かれたのはアリス、デボラ、ケイトリン、そしてセオの4人の母であるエリナが好きです。
第一次世界大戦で心に傷を負った夫アンソニーと折り合いの悪い母親を抱えながらも、必死で家族が幸せに至る道を探す彼女は勇敢でありながらも辛い日々を送っている。
そこへ差し出された手を取りたくなるのも人間らしくてとてもいいなぁと思いながら読んでいました。
以前読ませていただいたブロ友さんの感想に家族の物語とありました。
確かにこれは家族の物語で、過去へ向かうのではなく未来へ向かうために必要な物語なのだろうと私は思っています。
そしてエリナのような女性にあこがれます。強くて、でも弱い。けれども、その弱さに立ち向かうことが出来る女性。
彼女がいればこそのこの物語は翻訳された青木純子さんや解説を書かれている大矢博子さんが書かれているように尊いのだと思うのです。
昨年は重たい一冊から始まりましたが、今回は素敵な物語から始まりました。(大事なことなので繰り返しましたww)
今年もたくさん素敵な本に出合えますように♪
はぁ、楽しい時間だった(*^^*) -
Posted by ブクログ
ネタバレあるネグレクト事件関連の失策で謹慎処分を受けた女性刑事のセイディ。
彼女は祖父の住むコンウォールで謹慎処分期間を過ごすことに……。 だが、ランニングコースに打ち捨てれた状態の屋敷を発見する。
そこでは70年前に男児が行方不明になった事件現場出会った。
未解決のこの事件に興味を持ち、調べ始まるセイディであるのだが……。
下巻はすでに読み始めています。
私の好みの物語です♪
物語は過去と現在を交差させることで続いていくのですが、詳しい感想は下巻を読み終えてからUPしたいと思っています。
今はとにかく読んでいて楽しいです。謎ときもそうですが、この湖畔荘の歴史がとても興味深く、そして、第一次世界大戦や第二次世界大戦の傷をもつ人々の記憶が痛いです。
人々がどう生きていこうとしているのか、そして湖畔荘の持ち主であるエダウィン一族の人々の抱えているものが気になります。
ミステリとしても、ゴシックものとしても楽しめるのがとてもうれしいです。(どちらも好きなんです) -
Posted by ブクログ
この作品を。
ネタバレなしで、面白さを伝えるって、めちゃくちゃ難しいと思うのですが。(でもレビュー読んでたら、ミステリーの手法として、ホントに上手く伝えている方がいて、そちらを読んで欲しい、笑)
そんなわけで、結末に関する言いたいことは、自分の読書メモにごそっと残しておいて、所感だけを。
マジで、私的には傑作でした。
とりあえず上巻終わりまで、もうこれ以上、セイディに何も暴いて欲しくなかったんですよね。
アンタ、やらかして謹慎中なんだから、時効になった失踪事件に首突っ込んでんなよ、と。
それくらい、コーンウォールの物語は、不思議の国のアリスの見る夢のような美しさと愛らしさがたっぷり込められていて。
そこに、ズカズカ踏み込んで欲しくなかった。
本当は、家族一人一人に相応の苦しみがあったとしても。
なのに、下巻でね、ふと思うんですよ。
これ、ケイト•モートンが書いたんだよな?って。
その瞬間、自分とセイディが重なって「ピカーン」と閃くわけです。そうか、真実はそこにあるのか!
すっかり転がされ続けるのも、楽しい経験。
ふわーっとした感想で申し訳ないですが、そうまでして隠したくなる面白さなので、オススメです。