あらすじ
1910年の大雪の晩、アーシュラ・ベレスフォード・トッドは生まれた。が、臍の緒が巻きついて息がなかった。医師は大雪のため到着が遅れ、間に合わなかった。しかし、アーシュラは、同じ晩に再び生まれなおす。今度は医師が間に合い、無事生を受ける。同様に、アーシュラは以後も、スペイン風邪で、海で溺れて、フューラーと呼ばれる男の暗殺を企てて、ロンドン大空襲で……、何度も何度も生まれては死亡する、やりなおしの繰り返し。かすかなデジャヴュをどこかで感じながら、幾度もの人生を生きるひとりの女性の物語。ウィットと慈しみに満ち、圧倒的な独創性に驚かされる比類なき傑作。コスタ賞受賞作。
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Posted by ブクログ
第六感は前世で体験したことという解釈が面白い。
輪廻転生。
生まれて来た目的、今、生きている意味、成し遂げるべきものの為に、人生でいろんなことを体験している。
点が線になる。
虫の知らせは無視しない。
今、生きてるっていうことが、奇跡に近い。
精神科医も輪廻転生していた。という事は、全ての人が輪廻転生しているのか?
見事な作品だと思う。
Posted by ブクログ
命は儚い。
生と死を分ける分岐点。それは、事故や病気かもしれないし、結婚や戦争かもしれない。
「人生とはいまこの瞬間の経験を生きることなのだ。」
読み終わっても、パリンプセストのような主人公アーシュラの人生が、まだまだループして終わらない気がする。
とても面白かった。
Posted by ブクログ
面白い
重量級のボリュームなので一気に読みきるのはなかなかしんどいが中盤以降特に引き込まれた。
何回も人生を繰り返してもおそらく正解は無い。
どの分岐を選んでも全ての人が幸せ自分も幸福な事はなかった。
歴史的事実を背景にしているので知っていれば面白い。スペイン風だったりロンドン大空襲だったりヒトラーの愛人がエヴァだったり。
Posted by ブクログ
引用メモ
私たちは1度しか生まれない。前の生活から得た経験を携えてもう一つの生活を始める事は決してできないだろう。私たちは若さの何たるかを知ることもなく少年時代を去り、結婚の意味を知らずに結婚し、老境に入る時ですら、自分が何に向かって歩んでいるのかを知らない。
ミラン・クンデラ「小説の精神」より
ライフアフターライフは、そうした人間の未熟を踏まえつつ、今生きている人生をいかに実りあるものにできるか、その可能性と限界に超絶技巧で挑んだ転生の物語と言うことができるだろう。
訳者あとがきより
Posted by ブクログ
主人公は物語の初段で二度死亡する。
以降.夫からのDV他の理由により何回も亡くなってしまう。過去の微かな記憶を持ちながら死んでしまう。面白い物語ではないが感動はある。
もう一度読み返したいかと言われたら拒否するが駄作でないことは間違いない。
Posted by ブクログ
難しかった。主人公はアーシュラ。でも私がミドルネームを知ったのは最後の方。ラストネームもいまいちわかってなくて、トッドって誰?と最初の方思ってました。内容はアーシュラが死ぬ度に元にもどって人生をやり直すのですが、死の記憶が強い胸騒ぎや既視感で完全ではないため、主のルートというのが無いんです。なんだか並行世界の話に次々飛んでるような感じ。そして話は急に数年飛んだり戻ったりして、知らない登場人物が突然出てきて、誰コレ?となって、グッと我慢して読み進めると誰か分かるといった感じ。やり直しの人生も同じルートを何回かやったりするので、前回どうだったか分からなくなったり、私の記憶力もひどいので、本当に読みにくかったです。アーシュラは最後の方(何度もやり直して良くなってるハズ)の人生でも、後悔したりしてる。人生やり直せても完全に良くなることは無いんだなと思いました。