青山七恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「別れ」と聞いて真っ先に思い浮かぶような親しい人との悲しい別れではなく、人柄や名前すらも知らないような人との出会いとも言えないような出会いや別れを通して芽生えた心の引っ掛かりのようなものに光を当てた作品集。よく知らない人だからこそ、その人の性格や思い出などと結びつくことができずになまの感情が宙に浮いたままになり、時として後まで強く残ったりするのだろう。すぐ納得して消化できてしまうことほど印象にも残らないものだ。こういうちょっとした引っ掛かりのある出来事だって立派に人生を豊かにすることに繋がっているんだなと思った。2つ目の『お上手』が特によかった。
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Posted by ブクログ
何か不思議な味わいのある短編集だった。
読み終えたあと、「お別れの音」というこの小説全体のタイトルについて考えた。
別れと一口に言っても、関係性も長さも別れ方も理由もそれぞれで、本当に浅いところまで視野を広げてしまうと、知り合って親しくならないうちに別れてしまう(二度と会わなくなってしまう)関係もたくさんある。
何となく静かに別れの匂いが漂ってくることもあれば、自分の意思で別れを決めることもある。
この小説は劇的に愛し合った二人が劇的に別れた、みたいなお話はひとつもなくて、どちらかと言えば意識しなければただ通りすぎて終わってしまうような関係性のその別れがほとんどで、だからこそ味わい深いのだと -
Posted by ブクログ
主人公の女の子は、魔女になりたいと願う、ちょっと変わった小学4年生。幼なじみの女の子と男の子を誘い、放課後には家の庭の片隅にあるプレハブの物置小屋で、毎日3人揃って魔法の練習を続けます。
最初はほのぼのとした少年少女の成長記かと思いましたが、物語の中盤以降、登場人物の成長にともなって、徐々にお話の様子が変わってきます。もちろん、魔法など使えるようになるはずがありません。それどころか、主人公は突然世界に裏切られ、はじき出されてしまうのです。
ここに描かれているのは、主人公が10才から17才までの8年間。当然のことながらこの8年の間に、主人公も家族も友人たちも、少しずつ、あるいははっきりと目に見え