青山七恵のレビュー一覧

  • すみれ

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    風変わりな大人と、大人びた女の子の物語、というのは、これまでにもどこかしらで(例がぱっと思いつかない…)紡がれてきたと思うけれど、その中でも本作は、短くも良質な作品という風に感じられた。

    帯の「これほど心を打つエンディングに出会うことはめったにない」という一文に引きずられてしまって、実際に読み終えた時、呆気なく感じられてしまったのが唯一の心残り。

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    2015年05月01日
  • 花嫁

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    …すごいぞ青山さん…!!!!
    不気味で不穏でドロドロなのにまっすぐで衒いも迷いもない黒々と輝く生き生きとした文章の美しさに見惚れるわ…
    父以降、思いもよらない重い話になってしまったはずなのに内容が重くなるほど文章は輝きを増し快活に見える。映える。
    すごい、大好物、とても気持ちの良い読書だった。
    正しい文章でつづられていたからこんなにも正しく見えたのかな、とても正しい内容ではないのに。
    「愛をしている」とか、これしかないという表現の素晴らしさ。
    あああ、この人からしばらく離れられないぞ…

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    2015年04月25日
  • あかりの湖畔

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    よかったな~
    青山さんふたつめだけれども、
    この人はよしもとばななみたいな作家になれるんじゃなかろうか。
    作品に漂う、さみしさややさしさ、人の温度が似ている気がするなあ。
    もっと長編書いてほしいな。今読みたい。
    きっと今、この人と温度が合うタイミング。

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    2015年04月26日
  • ラブソングに飽きたら

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    今旬な女性作家たちが競演したアンソロジー。加藤千恵、山内マリコ、青山七恵、吉川トリコなど大好きな作家さんがたっくさん。お気に入りは山内マリコ。この人の小説はしばらく読み続けていきたい。

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    2015年06月19日
  • 魔法使いクラブ

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    ラッキーカラーは黄色。
    ほんわか系なタイトルに見事にだまされた。(いい意味で…)

    すこしづつ軌道を逸れていって、気が付けば戻ることもできないほど遠い場所にたどり着いてしまったような人工衛星のような…
    とてもほろ苦くて痛々しい、ある女の子の物語です。

    最後のシーンをどう解釈するのか?主人公の未来を想像してみるのもいいのかも…

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    2013年11月30日
  • 窓の灯

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    自分と現実世界との隔たりは、自分次第でどうにでも違って見えるんだなーと。
    実際の距離は変わらないのに、近づいたと思って一喜。変化してないと気づいて一憂。

    変わらないことを自分が勝手に歪めながら、生きているのか、私たち。

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    2012年12月31日
  • 窓の灯

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    短編二編で合計150頁、凄い手軽に読める文庫。
    そんな非日常な話ではないから自分の近くで起きているとも感じられるし、主人公の世界の見方を参考に自分も少し周りの見方を変えてみようかなって思わせてくれる物語。

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    2012年12月10日
  • 魔法使いクラブ

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    「同じ」でないこと、異質なものは傷つきやすい。ひょんなことから世界から弾かれた時、人は魔法に頼りたくなる。

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    2012年12月09日
  • 魔法使いクラブ

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    可愛らしい内容だと思っていたら全然違っていて、なかなか苦しい話でした。
    少し読み続けることをためらってしまいましたが、
    時間を置いてそういう話だと分かった上で読むととても面白い。
    純粋なだけではないけれど、日々を過ごす少年少女の話。

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    2013年05月24日
  • やさしいため息

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    代わり映えのしない毎日。なんの盛り上がりもないけれど少しずつ確実に物事が前進。そんな毎日だけど、寂しかったり、孤独だったり、喜び、驚きだったり。心はおsれなりに動いている。小さな日記の嘘の真意。勇気を出して一歩踏み出すヒロイン。何を考えているのか今ひとつ分からない弟。なんでもない日常の断片に光をあてながら、そこから広がる世界を静かに見つめる。

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    2012年08月05日
  • 魔法使いクラブ

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    主人公の女の子は、魔女になりたいと願う、ちょっと変わった小学4年生。幼なじみの女の子と男の子を誘い、放課後には家の庭の片隅にあるプレハブの物置小屋で、毎日3人揃って魔法の練習を続けます。
    最初はほのぼのとした少年少女の成長記かと思いましたが、物語の中盤以降、登場人物の成長にともなって、徐々にお話の様子が変わってきます。もちろん、魔法など使えるようになるはずがありません。それどころか、主人公は突然世界に裏切られ、はじき出されてしまうのです。
    ここに描かれているのは、主人公が10才から17才までの8年間。当然のことながらこの8年の間に、主人公も家族も友人たちも、少しずつ、あるいははっきりと目に見え

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    2012年08月04日
  • 魔法使いクラブ

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    大人になるにつれて魔法なんて存在しないんだということはおろか、思い描く当たり前の幸せさえも簡単には作れないことを知る。それを思うと、恋する気持ちの不変さは凄い。

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    2012年06月15日
  • やさしいため息

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    人との距離感。
    とか、空気。
    とか、意味の分かんない気遣いと気づかれ。
    とか、誰かと一緒にいる時間を持て余す感じ。
    とか。

    すごくリアルに、じんわり伝わってくる。

    無関心で執着心のない風に装っているけど、ほんとはすごく気になるのだ。
    こんな風に思ってるのって、私だけじゃないかも。。
    じゃあどうして、私はみんなと同じように、恋愛したり、結婚したり、子育てしたり、できないんだろう。

    無言の何とも言えない空気の間に流れてくる生活音に存在意義があってすごく良い描写だなって思った。

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    2012年05月24日
  • 窓の灯

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    どこにも居場所がない、気がする辛さ。
    漂うように生きる姉さんの不思議さ。だからこその魅力。
    人を傷つけるような言葉をぶつけたのに、傷ついてるのは自分で。
    だけど、窓の外から見たら、「なーんだ」って小さく笑える。
    人はまた笑えるようになるんだなぁ。

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    2010年11月22日
  • 窓の灯

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    ミカド姉さんの営む喫茶店で働く『まりも』ある日隣に越してきた若い男の窓を偶然に覗いたことをきっかけに覗き見が楽しみになっている。憧れの姉さんとその男達の中で、それとは一線を画した男性の出現をきっかけに微妙に変化する姉さんとの関係に戸惑い動揺する感情。他人の窓から覗き見たそれぞれの人生のかけら達がしんみりとそして爽やかに吹き抜ける風のように伝わる。第42回文藝賞受賞作。

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    2009年10月04日
  • わたし、お月さま

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    10歳6ヶ月の娘
    7歳6ヶ月の息子に読み聞かせ

    刀根さんの絵が
    幻想的で美しく
    おはなしにぴったり。

    娘の名前に 月 がついているので

    お月さまの絵本には
    ついつい反応しちゃう。
    お月さまっていいよねえ。
    きれいだよねえ。

    そしてお月さまがずっと一人で
    眺めていてくれた地球も美しい。

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    2025年11月25日
  • 記念日

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    肉体の実感を持ちたい?生きる実感を得たい?そんな女性たちの話?

    という感じで、いまひとつテーマを絞りきれませんでした。ミナイに全く共感できないこともあり正直前半きつかった。

    後半からふわっと面白くはなりましたが、結局何がテーマだったのか…不明な読後感

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    2025年11月18日
  • 記念日

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    ソメヤさんの、自分がなく流されまくって結果的に卑屈になってる様子にイライラしたり、ミナイの脈絡のない言動に唖然としたり、乙部さんのまあまあな身勝手ぶりにへきえきとしながらも、絶対に交わらなそうな人たちがなぜかつながっていく様子が、ありえないようで、もしかしたら現実はこうかもと思ったりもした。
    現実の他人とのつながりって、決して共感と理解の上になりたってるわけじゃない。
    社会のなかで生きていれば、絶対に分かり合えないと思う人とつながることもあるし、他人にはきっと解ってもらえないだろうと思う自分だけの感覚や気持ちを抱えながら人と付き合ってる。
    共感できなかったり分かり合えないことを理由に人とつなが

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    2025年11月13日
  • 記念日

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    何の記念日だったんだろう。他人との繋がりってどこでできるかわからないもんだ。乙部さんと知り合ったのも偶然で、1回きりの付き合いっぽかったのにね。

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    2025年10月08日
  • 記念日

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    タイトルと装丁から想像した内容とだいぶ違った。ある種の生きづらさを描いた物語。
    暗い話ではあるけど語り口が柔らかく、不思議な魅力がある。

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    2025年09月25日