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繊細で美男な大学生、鮎太朗。女はみんな彼に片想い。でも、結局はなぜか彼がふられてしまう。包丁で刺されたり貢がされたり、その一方で自分を慕い続ける可愛い同級生には心惹かれない。理不尽で不条理だけど、恋する男女はいつも真剣なのだ。芥川賞作家が恋愛の不思議を温かな眼差しで綴る傑作長編。
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Posted by ブクログ
大学生の鮎太郎のお話 4人姉弟で上に3人の姉がいる 姉たちもおもしろいし、出てくる女性たちもまた物語を盛り上げていました そしてところどころに笑いどころもあり楽しめました 鮎太郎の姉弟たちに会ってみたいなぁ
年を重ねれば重ねるほど、恋愛にばかり時間を割いてはいられない。いい年して色恋に打ち込んでいれば、周囲からは白い目で見られること必須である。 それでも恋愛って、楽しい。(つらいし、むかつきもする。) 潜在的には恋愛にのめりこみたい。それは思春期であろうと大人であろうと変わらないのかもしれない。 ...続きを読むドラマや漫画や勿論小説でも、恋愛が主軸の物語はいつだって愛されている。主人公を自分に重ねて疑似体験できるからだろう。 「いい年」になり、愛だの恋だの言っていられなくなってしまった人には、青春小説を読んで取り急ぎ満足するしかない。 そこで、青山七恵さんの『わたしの彼氏』。 主人公である鮎太朗は非常にモテる、モテすぎて不運な大学生。モテるからひっきりなしに彼女ができる。 鮎太朗も誠実にそれに応えるし、本人も一生懸命愛しているつもりだ。 それだけならつまらない話だけれど、彼はなぜか毎回女性から捨てられる。しかも熱狂的に、病的に愛された後に。その闇を探るのがなかなかに面白い作品。 ヒロインは、暴力で愛を確認するコドリさんや、死ぬ死ぬ詐欺のサッちゃん、一途すぎて怖いテンテンなど。 作中に登場する鮎太朗の三人の姉たちも、鮎太朗を虐めて、愛している。 一方鮎太朗は、優しくて、女性たちには何でもしてあげたくなってしまう。与える人。 そんな恋愛のスタンスを見ていると、鮎太朗のアイデンティティがあまりにぐらぐらしているように感じる。 鮎太朗の希薄性が彼をモテさせると同時に、女性たちの狂気を引き出しているのではないか。そして結果、捨てられてしまうのである。 鮎太朗のポジションは常に「わたしの弟」であり「わたしの彼氏」。「ぼくの姉」「ぼくの彼女」と表現できるような存在の確かさが、彼にはない。 ぐらついたアイデンティティだからこそできる軽く狂った鮎太朗の恋愛は、もしかしたら「いい年」した大人に、自身の思春期の恋愛を思い起こさせるかもしれない。
公民館の人も、サッちゃんも、なんだかなと、ゆりこねえさんも、最後にきてなんだかなだけど、面白く読みました。鮎太郎よりも、慎平と益夫の方が男としては良いよね。でも、そういうことじゃないんですよね。モテるって。
どうしようもない場合を除き、誰も鮎太郎を悪いようにはできない。女達は来る、うるさくなる、去る。寄せては返す波のように、鮎太郎は女性に翻弄される。あるいは意図せずに鮎太郎が女性を翻弄する。大学生の時点で、全ては反復だと気付いた鮎太郎。彼の人生はずっと女性の波が寄せては返す、退屈しない刺激的なものなのだ...続きを読むろう。そんな男性として生きるのは楽しそうに思えるけれど。鮎太郎にとっては自分を生きられないという息苦しさがあるのかな。その悩ましさがまた人を惹きつけると。モテ男めー!
とにかく、吸引力がすごい。 一癖も二癖もある女ばかりを次々と惹きつける、ダイソンなみの吸引力を持つ美青年が、「振る」のではなく「振られまくる」恋愛小説です。 それにしても、石田衣良の【娼年】の主人公しかり、伊坂幸太郎の【バイバイ、ブラックバード】の主人公しかり、そして本作の主人公しかり。 こんなに...続きを読むも女性達を魅了してやまない男達が、そろいもそろってキャラが立ってないのは何か理由があるのでしょうか? 主人公は【ぼく】なのに、タイトルが【ぼくの彼女】じゃなく【わたしの彼氏】なのも納得の存在感の薄さです。不思議。 読んでる間そればっかり気になってしまって、肝心の主人公の【ヤヴァイ女達に翻弄されまくる恋愛事情】があんまり刺さって来てくれなかった。残念。
16/08/24 鮎太朗にいらついてしまう。なんなんこいつと思ってしまう。でもこういうやつがモテるんだよな世の中。 テンテンが不憫。だってきっと同じことの繰り返しなんだよ。鮎太朗は変わらない。この先も繰り返し。 ・鮎太朗のポケットで携帯電話が鳴った。彼女はこの弁当屋ごと爆破したくなった。(P208...続きを読む 彼女、とはもちろんテンテンのことですよう)
青山さんの無茶苦茶言いつつ正しすぎる美しい文章に惚れこんでいることを再認識。すきだ~ 人を甘やかしすぎるやさしすぎる鮎太朗と、そんな鮎太郎に群がる甘やかされたい女たち。アンドちょっとおかしな姉たち。 鮎太朗と女たちの駄目さにもやもやはらはらしながら、その隙間に挟まるふとした文章にやられてしまう。無...続きを読む茶苦茶なのにいとおしい。鮎太朗のこと、憎めない。がんばれって思う。テンテンのこと好きだな。ああいう、現実の世界に自分をつなぎとめてくれる存在が誰にでも必要だ。 つまるところ、反復なのだ、誰かに救われたのならば、その瞬間から次の救い手を探さなくてはいけないのだ。こうして呪いは繰り返される。
美男子大学生が主人公の小説ってどんなのか気になって衝動買いした小説。 なにこの小説! 展開が読めなくて、登場人物に共感が出来なくて…女がメンヘラばっかで主人公は美男子なのに情け無さすぎて…。最初は展開が凄すぎて怠かったけど、徐々にこの無茶苦茶感の良さがわかってくる。 凡人には表現しようのないチャ...続きを読むーミングな言い回しが素敵だった。とりあえず自分にとって新境地な本だった。あと実写化できそう!主人公は岡田将生なイメージ。
タイトルから想像した感じと全く違った。とんでもないプレイボーイが登場するのかと思いきや、優しい美青年がフラれまくるという話だった。ノリというか文章が自分に合わなくて読みにくく感じたが、面白かったと思う。鮎太郎が不憫すぎる…そして3人の姉たちのキャラも中々濃い。
以前読んで、漠然ととても好きだったという記憶があったので再読。やっぱり好き。なんだか爽やかな気持ちになる背景描写と、美男子のきれいで優しくて悩ましい恋模様。 美男子であるがゆえに周りが積極的に人生に介入してくるからか、なんだか受け身で、相手のことを受け止めすぎて、最終的にいつも捨てられてしまう主人公...続きを読む。人生とは人との関わり合いで、人との関係無しには自分は語れないけど、やっぱり自分で自分の幸せを見出さない限り、他人に振り回され続けるんじゃないかな。それがいいか悪いかは別として。そんなことを最後に主人公も少し感じたのかな?
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青山七恵
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