青山七恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ⚫︎感想
20歳の知寿。生活、恋愛、母との関係、老人世代に思う事…それら全てが未熟でなんとなく不安がつきまとう、そんな若かった頃のことを思い出させてくれる一冊。人との別れと出会いを象徴として描かれる駅が、部屋から見える。その駅へも遠回りしないと行けない。キオスクで働き出した知寿は、仕事場の駅に留まったまま…だったが、キオスクを辞め、新たな生活を始める。知寿の日常の中にメタファーがうまく取り入れられていて、よく考えられた作品だと感じた。諸行無常。どんなに曇っていても、状況は自分の意思、それ以外でも否応なく変化する。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)20歳の知寿が居候することになったのは、71歳の -
Posted by ブクログ
読み始めて面白くなるまでが早いです。作家が20代前半で書いた芥川賞受賞作ですが、技術が巧みです。
高校を卒業しても進学を拒み、就職するわけでもない主人公。
親に依存して生きてきた子ども時代からいきなり社会に放り出されるように自立するのではなく、親戚のおばあさんの家に居候しながら自然と自立へと、誰に促されることもなく自分自身でその道をたどっていく。そういう物語です。はっきりと端的に明文化できるような成長ではない部分を描いた、自立の入り口までの成長物語。
以下、ネタバレありますので、ご注意を。
こういう物語を読むと、自立にはある種の慎重さや段階を踏んでいく過程がほんとうならば必要なんだろうな