青山七恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
360ページあたりまでは読むのに苦労したがそこからは一気に読めました。2回登場する鳥取(砂丘)の舞台が効果的。容易く共感することを許さない主人公の激しい愛の物語。「身勝手」だと決めてしまえばそれまで。
同じように上を向くと、梢の隙間に空が見えました。木々の緑と空の青がそれぞれの色を極限まで尖らせてわたしの幼い未完成の視覚を攻撃し、どちらがより地面に近いところにあるのかまったくわからなくなってーーー眩(くら)んだ両目の裏側を弾くように、どこからか可愛らしいとりのさえずりが聞こえてきました。(p24)
こういう表現はどうやったら思いついて書けるのだろうか…凄い -
ネタバレ 購入済み
二人の純真な会話に心が洗われる
2018年慶応普通部、日大豊山女子などで出題。
突然、ママに一切の家事を託された双子の姉妹。
と言っても決して重たい話ではなく。
小6なのに前向きで健気で心優しい仲良しの二人。
ハッチという愛称はみなしごハッチ、スタスキー&ハッチ(どっちも昔観てた!)が語源と聞いただけで親しみが湧く。
ついでに本名は嫁と同じ!
東京から転校してきたエリーは町屋から来た!(俺の勤務先!)
「母なる大地を、あー!」っていう歌詞も懐かしい!(中学生の時歌った!)
なんか共通点が多い。
二人の純真な心と会話が素敵。
中学生なった二人も見てみたい。 -
Posted by ブクログ
書店で目についたタイトルと可愛らしい表紙に惹かれて購読しました。
「幼なじみの友人たちの中では一番元気なのに、なぜかクラスでは大人しくなってしまう」という主人公・結仁(ゆに)に自分との共通点を見つけたのも心惹かれた理由の一つです。
小4→中2→高3と成長するにつれて、歳相応さをもって周りに順応していく魔法使いクラブの仲間たちと分かり合えなくなり、孤独感を強めていく結仁の寂しさに共感しました。
ある男の子への想いが「みんなの言う『好き』とは違う気がする」と描写されているところには、10代の頃の甘酸っぱい想い出が少し甦りました。
結仁に共感できない、彼女の考え方を理解できないという人はきっと幸福な -
Posted by ブクログ
芥川賞受賞作とは知らずに読みました。
20歳のフリーター千寿が71歳の吟子さんの家に居候しながらアルバイトや恋愛をして少しずつ成長していくストーリー。
主人公の千寿は最初の方は読んでいてイラッとする所もありましたが、吟子さんは干渉するでもなく、程よい距離感を保ちながら見守っている感じが良かったです。
71歳でもダンス教室に通い、仲良しの男性も出来て恋人というより茶飲み友達のような関係性も良かったです。お正月はどう過ごしていたのかは気になりましたが…。
淡々と過ぎる日常の中に出会いや別れがあるのは誰でも同じ。そんな当たり前の風景に余韻を持たせる描き方は作家さんならではなのかな。
駅のホ
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