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終戦の年に生まれた“わたし”は九段の花街で育った。家は置屋から芸者を呼ぶ料亭「八重」。母も評判の芸者で、客として訪れた父は母と知り合い、わたしが生まれた。踊りや唄の練習に励み、幼くして芸者になることを夢見たわたしは、小学二年生のときに置屋「鶴ノ家」の子、哲治と出会う。それは不可思議な運命の糸が織り成す長い物語のはじまりだった。数奇な人生と燃え上がる情熱を描く長編。
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Posted by ブクログ
360ページあたりまでは読むのに苦労したがそこからは一気に読めました。2回登場する鳥取(砂丘)の舞台が効果的。容易く共感することを許さない主人公の激しい愛の物語。「身勝手」だと決めてしまえばそれまで。 同じように上を向くと、梢の隙間に空が見えました。木々の緑と空の青がそれぞれの色を極限まで尖らせて...続きを読むわたしの幼い未完成の視覚を攻撃し、どちらがより地面に近いところにあるのかまったくわからなくなってーーー眩(くら)んだ両目の裏側を弾くように、どこからか可愛らしいとりのさえずりが聞こえてきました。(p24) こういう表現はどうやったら思いついて書けるのだろうか…凄い
これだけの分厚さをかけて、描きたかった女の人生とは……。 私には良い思いを抱くことは出来なかったが、一気に読み切ってしまうだけの力もあった。 誰にも触れられない部分に在る糸で結ばれた二人は、決して幸せにはなれないのに、離れることも出来なくなってしまう。 「私」には、そこから脱却する機会が幾らでも...続きを読むあったはずなのに。 逃げていく者を追いかけることにのみ執着し、そこにじっとしている時間を不安に思ってしまう。 最後に対峙した雪子の言葉が、「私」を端的に言い表していたと思う。
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