谷川嘉浩のレビュー一覧

  • 増補改訂版 スマホ時代の哲学 なぜ不安や退屈をスマホで埋めてしまうのか

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    ベストセラーにありがちですが、ふだん哲学系の本を読まない人向けに作られた、商品性の強い本です。
    著者は、誰々はこう言った、それはこう理解できるみたいなことばかり言ってて、自分なりの考えをろくに展開してないです(とにかく浅い…)。
    要するに、ただの哲学読者で、哲学は全くできてないように見えます
    たいした文章でもないくせに、膨大な注釈をつけてるのも鼻につくし…。
    凄く面白いテーマを扱ってるのに、あまり論を進められてないようにみえるし、何だかなぁという感じでした。
    まあ、いろいろな本を紹介してくれたので、それだけは評価します。

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    2026年06月20日
  • スマホ時代の哲学 深い集中を取り戻し豊かな時間を生きる (新装版) 【増補改訂版】

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    常に何かに接続していないと落ち着かない現代人への警鐘。SNSに於いて特に顕著な、他者評価と同質性強要。自分が正しいと思い込み、結果がすぐ出ないことに耐えられず、インスタントな刺激で日々を塗り潰す。スマホによって失われてしまった、負の感情とされる「モヤモヤ」や「孤独」を、疲弊する人生を自治するための資源として見直してはどうか。我に返らされる。

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    2026年06月17日
  • スマホ時代の哲学 深い集中を取り戻し豊かな時間を生きる (新装版) 【増補改訂版】

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    現代社会は、スマホでいつでもつながれる常時接続の世界である。
    スマホのわかりやすい刺激によって、不安や退屈、寂しさをごまかし、「画面越しのつながり」に頼りすぎている。
    こうしたつながりは反射的であり、深い対話や自己との対話を奪う。
    本来、人が一つのことに集中して没頭する「孤立」や、自分自身と向き合う「孤独」の時間が失われている。
    孤独は大切な時間であり、自分と向き合う時間を取り戻そう!

    ・哲学に惹かれる人は、多かれ少なかれ、生きることの不器用さに心当たりのある人。
    ・哲学は、どんなタイミングでも、誰にとっても必要とされるものではないという性質を持つ。まさかのタイミングにちゃんと思い出せるように、哲学をそばに置いておくこと。
    ・哲学なんて役に立たないと思う人は多いでしょう。けれども、そんな声などものともせず、どんな老舗企業よりも長く、大学が存在するよりも遥か前から、哲学というコンテンツは変わらずヒットを飛ばし続け、ざっと2500年ほど受け継がれてきた。
    ・現代人は自分が迷っていると思っていない。しかし、自分が迷っていると自覚しない迷子ほど厄介な迷子はいない。
    ・教養を身につけろと言っているひとたちのなかには、単にイントロ当てクイズを薦めているひとがいると思います。大事なのは音楽を聴く生活のはずなのに、イントロを聞いたらすぐ局がわかるような知識の鍛え方をしていて、それが教養だと思っている。そうではあくて、音楽のある生活を送るのが、教養があるということ。
    ・私たちがするべきなのは、自分なりに理解することではなく、その人の概念やシステムを使えば、景色がどんな風に見えるのかを把握すること。
    ・想像力の豊かさは『自分の内側に他者を住まわせて行くこと』を指している。ただし注意すべきなのは、多様な人間が自分の中にいるということは、それらの間微妙なすれ違いがあり、従って対話がある。
    ・自分の中に多様な他者がいる状態、つまり多様性に富んだエコシステム(生態系)を作ることが、『豊かな想像力を持つ』という言葉の意味するところ。
    ・精神科医のアンデシュ・ハンセンが紹介する社会調査によると、SNSなどを通じてソーシャルネットワークに時間を使えば使うほど幸福感は減退する。
    ・スマホを捨てればいい、ソーシャルメディアを止めればいいという単純な話はできない。この種の議論は単純すぎる。
    ・人間は気晴らしするだけに留まらない。気晴らしの諸活動を通して、つまらない虚栄心や承認欲求を満足させようとしている。
    ・虚栄心や承認欲求を指摘する論法は、他者を傷つけるために磨かれた議論ではない。『結局人は承認欲求のために動いている』『自慢するためにやったんでしょ』『そう言っているのは認められたいからだ』などと指摘して悦に入るような人間のことを、パスカルは『最も愚かな者』と呼んでいる。こういう人間も結局は気晴らしに終始して、醜い虚栄心をこじらせている。

    全体的にスマホを悪としてない姿勢はあるものの、私たちがスマホで埋めているのは情報不足ではなく「孤独」だと明言していることだけは肚落ちできなかった。ただの中毒症状でしかないのに。

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    2026年06月02日
  • スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 【購入者限定】スマホ時代を考えるための「読書案内」付き

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    自己完結と自己責任。あらゆるものが外側に向いているようで、実際は自己中心になっている。外側をノイズととらえずにモヤモヤとともにゆっくり生きていきたいと思える本であり。

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    2026年05月31日
  • スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 【購入者限定】スマホ時代を考えるための「読書案内」付き

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    全体的には平易な表現で書かれており、良書だと思うが、私には少し難しいかな。
    "人は完全には知り得ないからこそ知りたいと思う"、ということが分からなかった。
    私は知りたいと思うときは大した理由はない。面白そうだから知りたい、気になるから知りたい、その程度の理由だ。
    知りたいと思う感情に理由をつけられると、少し難しいなと感じる。
    やはり哲学は難しい。

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    2026年05月20日
  • 人生のレールを外れる衝動のみつけかた

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    ・自分の内から起こる、わからないけど、説明しようがないけどなぜかやりたいという気持ちが湧いてきてしまう、非合理的な力。それが衝動。
    ・偏愛は具体性を持って現れた衝動の一形態。
    ・知性を持って衝動を理解する。衝動は目的を示す。知性はそこへ向かう方法を計画する。
    ・自分を多孔質にすることにより、内部・外部と融和し衝動を見つけていくこと。
    このあたりの言っていることは、納得感もあったし、実感もあって理解できた。自分も偏愛を丁寧に探していこうと思った。

    が、読後感としては、うーんなんか、あまり内容があるように感じなかった。
    言っていることは自分の生き方・感覚と近い気はしたのだが、その感覚がうまく言語化できている、という印象を持てなかった。
    特に作者が力を入れていた幽霊のメタファーがあまりピンとこなかった。人に取り憑くものとしてのメタファーなのだが、幽霊には理解不能さはたしかにあるが、それが自分の中から湧き上がる情熱であることや、それが大きな力を持って前向きに自分を動かすものである、みたいなニュアンスがないので。

    あと、論理の飛躍が多い。そこでそう論を進める必然性なくない?という箇所が多かった。
    まず引きたい本がたくさんあって、その本の言っていることをなんとか筋が通るように並べたらこう書けるかな、みたいな書き方に感じた。もちろん作者のオリジナリティの概念や言葉もあるが、既存の本ありきで強引につなげにいっている感をすごい感じた。無理に引用しなくてもいいのに、とか思った。

    あと、ここまで長い文章で書く必要のあることだろうか?と思ってしまった。
    あえて例を多くしたり回りくどく書いている、と著者自身が書いていた。抽象的な表現を、身に沁みて、しみじみと読者に「ジャックイン」させるためにあえてそうしたとのこと。が、この例これはつまりどのような上位概念を理解するためのインスタンスなんだろう?というのがちょっとわからないことが多かったかな…

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    2026年04月23日
  • スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 【購入者限定】スマホ時代を考えるための「読書案内」付き

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    難しい、理解し難い人や場面に直面した時にすぐに白黒つけたがる節が自分にはある。

    モヤモヤした感情を抱えているのはむず痒いし、決断を先延ばしにして時間を無駄にすることもしたくないからだ。

    だが、分からないことを深く咀嚼し、モヤモヤを抱えた状態のまま過ごすことで、また新たな(これまでの自分の価値観では到達し得ないような)次元に到達することがある。と言うか、このプロセスを怠ってしまうと、一生自分のステレオタイプに固定され、その反響の中だけで生きて行くことになる。

    このモヤモヤを留め、深く咀嚼する能力を著者はnegative capabilityと定義する。

    ネガティブ•ケイパビリティを可能にするためには、「余白(孤独)」が重要だ。絶え間なくファストな刺激を提供するスマホから離れ、この余白を手に入れる方法を本書では説いている(=趣味•自分の中の他人と向き合う事)。

    抽象的な議論でややわかりにくかったが、所々共感できる部分もあった。もう少し「依存性」について知りたかったが、「哲学」を解く本なので、そのギャップもまた発見かなと。
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    •自力思考が平凡なアウトプットに陥るのは、自分がすでに持っている考えを再提出しているにすぎないから。

    •今の自分を維持できないほどの大きな衝撃を受けた人は、そこから何らかの問いや謎を汲み上げて、生活を新しく意味づける事で目を背けたい出来事と折り合いをつけ、和解する必要がある。この断ち切れない思いを無かったことにせず、安易に説明をつけずに向き合った経験が優しさである。

    •誰かの経験をその人の視点から理解したいと望む時、安易な説明付けや意味づけに回収してはならない。

    •寂しさから他者といようとする時、実際に働いているのは「自分への過剰な配慮」であり、「他者への配慮」ではない。

    •何かを手に入れたと思っても、そこからこぼれ落ちるものがあることを知っている。「コレだ」と思ったものがもっと深さを持っていて、どこまでも知性を超えて行くと言う洞察が人間の知的探究心を刺激する。

    •敵意や強い攻撃性もまた、その他者に対する強い依存の表現に他ならない。

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    2026年04月16日
  • 人生のレールを外れる衝動のみつけかた

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    タイトルの掴みはOK!何を言っとるん?からはじまる。 
    私はたまたま、フリーレン、チ。を知っていたが、知らない人にはなんのこっちゃかと思う。
    己の「衝動」を知ることで生きる意味を見つけるのかもしれないなぁなどと。
    衝動は知性と協力し合って真価を発揮するとな。そうよね、衝動のみだったらあかんやつ。怖い怖い。

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    2026年04月15日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    ナラティブの話はいまいちわからない
    陰謀論を信じている人たちは、すぐ結論を急ぐような特性で、それによって、考えればすぐに矛盾に気付けるような言説を信じてしまう、という一方で、陰謀論に至るまでに考えに考えるがゆえに、他の人に比べると誰よりも頭で考えているのかもしれない

    話の内容が見えてこなくて、イライラし始めちゃって疲れちゃってもうやめようかなって思ってしまう私はまさに、ネガティブケイパビリティーが欠落してるんだと思う。

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    2026年04月08日
  • 人生のレールを外れる衝動のみつけかた

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    スマホ時代の哲学と同様に読解が難しい!
    ただ時折フリーレンやチ。といった漫画アニメ作品の例えが入るのが助けになる。
    衝動の見つけかたまでは自分は分からなかったが、探す気持ちは持ち続けたいと思った。

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    2026年03月25日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    トリビュートの中には哲学的で難しい話もありましたが、宇宙飛行士の野口聡一さんとの対談が、実際に宇宙空間を経験した人にしかわからない孤独や常に死と隣り合わせだったということが感じられてとても興味深かったです。

    朝井リョウさんの小説は読み始め、なんのことを言ってるのか頭の中が「?」でしたが読み進めていくうちに『チ。』の世界観の現代・未来版のようで着眼点が素晴らしいと思いました

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    2026年01月15日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    色気ってのは腹が据わった覚悟の有る人間が醸し出すもんだ 知る事の、大切さも無意味さも素晴らしさも恐ろしさも全てこの作品が描いています。 娘ヨレンタがノヴァクの感情の部分に触れる唯一の存在であるのにも関わらず 以降は信念というよりは最早執着 それこそ「アポリア」(相反する二つの見解が等しく成立する場合、解決の糸口を見出せない難問)だと思うんですけど。 ある意味、完全オリジナルを作るという欲望は幻想だったり。もう流石にこの世界には蓄積が有り過ぎるから、どういう組み合わせで更に新しい事があるかなって事を皆探求していると思います。 文化は大きな川の流れであるという事を良く言っているんですけど、文章、文節ってその流れの一部でしかないですよね。 何かにグッと偏ってる 僕には山口さんの世代が、個人と世界を接続する「社会」という中間項を成立させていたように見えるんですよ。 社会性を持つには自分自身のオリジナルな状態を維持しないといけないっていう 人間は結局、回顧主義だから未来のものを懐かしく感じて、過去のものを新しく感じるようなサイクルがずっと続いていく気がする。 地動説への強い憎悪を露わにするノヴァク 自分が『チ。』の物語の悪役だったと気付くところもメタフィクション(フィクションの中のフィクション)的で面白いですよね 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』という曲を作った時は、サブカルチャーとハイカルチャーを融合させて、日本の詩吟とダンスミュージックとクラシックの三角関係を曲にしようと考えたんだけど、純粋にメロディを作ったり歌詞を書いてる時は、ほぼ「無」でやっていたかも。 尖っている個性の手前にある普遍性をどれだけ腑に落とせているかで その行為を「考古学のようで楽しい」と表現していました 僕の二十代の屈辱が疼くのを感じた 感動させる作品には個々の挫折や劣等感と繋がる瞬間がある気がする 今後の僕等には『チ。』が有る。彼等は僕等が前進する意志と共に戦ってくれる。 今でも多くの国が、天体を国旗のシンボルとして採用し続けているのは、その名残だ。 宗教が信徒に求めるのは教義への「信」だが、科学に必要なのは「信」では無い。寧ろ逆である。科学が求めるのは「疑い」だ。だから『チ。』は「信念」の物語であると同時に、いや、寧ろそれ以上に、「疑念」の大切さについての物語でもある。 叶う方法を探せば道筋は立てられる 昨日礼賛されていた言葉が今日は禁句になっているような毎日なのに 私が変化したという事実からあなたは今何かを受け取ったんです γはその紙資料を所定の位置に戻すと 教会が説く善に従う事は、私達自身の生を断念し、道徳的命令に従う「畜群」として生きる事を暗に意味するからである。 重罰になる可能性をも考慮にいれて 「何故人を殺してはいけないのか」という問いに対して、それを予め封印するような動きを見せる「僧侶」達が私達の周りには今も尚存在しているからである。『チ。』は、フィクションの形をとりながら、現代人がどのような〈嘘〉に隷従を強いられているかを私達に改めて問いただすのだ。 時には手厳しい論駁等も珍しく無かった 〈真理〉は、誤りを無慈悲に宣告する。〈真理〉の正しさは、思いや努力等の人間的な事情とは関係ないところにあるからだ。 朽ちる事の無い静かな衝動を指す事を暗示している 迷いは、変化の兆しがそこにある事を意味している。

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    2026年01月03日
  • スマホ時代の哲学 深い集中を取り戻し豊かな時間を生きる (新装版) 【増補改訂版】

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    この本の結論は「自己完結型の趣味を持て」であっているのだろうか? いや、ネガティブ・ケイパビリティを鍛えるためにもう少し考えるべきだろう。
    エヴァなどの馴染みが深い例えを用いて、スマホ時代の自己と向き合う孤独な時間が奪われている問題点について説明していた……ように思う。久しぶりに本を読み終わって、いまいち理解できていないなという感覚になった。

    本筋に関係ないが、鬱病の認知拡大が製薬会社のマーケティング、碇シンジは明らかに適応障害という2つの説は、私の発想にはなく面白かった。

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    2025年12月20日
  • スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 【購入者限定】スマホ時代を考えるための「読書案内」付き

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    ・文章量が多めで、「読む」ことが必要な本。
    ・スマホの話が中心だと思ってたいたので、思っていたのとは少し違った。かと言って、がっつり哲学の本かと言われると、そうでもなく。
    ・エヴァやその他のアニメ・映画を絡めた説明が興味深い。『「エヴァ」は、ポストフォーディズムの経済文化とメンタルヘルスの結びつきを論じた、フィッシャーの議論そのもの』

    メモ
    ・日々の高いストレスに対処する上で、ペン回しや髪いじり、プチプチつぶしのような単純なリズムの繰り返しは意外に心地いいもので、心のバランスをとるのに役立つところがある。私たちは、一定のリズムで繰り返されるインスタントで、わかりやすい感覚やコミュニケーションで自分を取り巻きたがっており、現代の消費環境はそのニーズを支援してくれている。
    ・即時的な満足を与えてくれる感覚刺激やコミュニケーションにいつでもアクセスできる状況にあって、「消化しきれなさ」「難しさ」「モヤモヤ」といった時間もコストもかかるものは人気がなくなっている。
    ・常時接続の世界では、〈孤立〉だけでなく〈孤独〉も失われつつある。〈孤独〉は、注意を分散させず、一つのことに集中する力に関係するのに対して、〈孤独〉は自分自身と対話する力に関わる。〈孤独〉が失われると、退屈を耐えきれず、何か刺激やコミュニケーションを求めてしまう。自分自身と過ごすことができない。
    ・〈寂しさ〉は、いろいろな人に囲まれているはずなのに、自分はたった一人だと感じていて、そんな自分を抱えきれずに他者を依存的に求めてしまう状態。スマホという新しいメディアは、〈寂しさ〉からくる「つながりたい」「退屈を埋めたい」などというニーズにうまく応答してくれる。しかし、〈寂しさ〉からくるマルチタスキングは、いろいろな刺激の断片を矢継ぎ早に与えるものなので、一つ一つのタスクへの没頭がない。そうすると、ふとした瞬間に立ち止まったちき、「あれは何だったんだ」と虚しくなったり、繋がりの希薄さ(つながっていても一人ぼっち)を実感したりすることになる。常時接続が可能になったスマホ時代において、〈孤立〉は腐食し、それゆえに〈孤独〉も奪われる一方で、〈寂しさ〉が加速してしまう。
    ・現代人は自分を激務で取り巻いて、自分自身と向き合うことを避けているとニーチェは指摘し、オルテガは、いろいろな人の集まる都市空間に生きているはずなのに、誰も互いの話を聞かずに自分こそが意見を言い、判断する資格があると思って軽薄に話していると考えた。同じことを、アーレントは「寂しさ」という言葉で取り上げた。スマホという注意を細切れに分散することをサポートする装置を誰もが持ち歩いている時代にあっては、三者の指摘が印象深く感じられる。人の注目を集めることに気を揉んだり、いいねや既読がつくかを気にしたり、注目を集めているインフルエンサーの様子を必死に追いかけたり、みんなが話題にする流行りをとにかくなぞったりしている。こういう行動の積み重ねは、自分や他人の感情や感覚を理解する能力を減退させる。
    ・パスカルによると、人間はそもそも虚しくつまらない存在。死すべき定めを持っており、そのことを意識させる退屈や不安に耐えられず、つかのま、それから目を逸らすために様々な活動や交流に手を出してしまう。
    ・フィッシャー。抑鬱的快楽とは、〈娯楽や刺激、おしゃべりで細かく時間を埋め合わせることで「快楽的なダルさ」に浸り、「やわらかい昏睡状態」となり、一抹の安楽を得る〉というメンタリティを指す。
    ・諸々の刺激から切り離されると、私たちは「退屈」を感じる。しかし、刺激で自分を取り巻いているとしても、心のどこかで何か足りないという感覚が響いてもいる。出口がない、底の見えない不安がぐつぐつど足元で煮えたぎっている。
    ・まずは退屈になってみる。スマホを通じてもたらされるファストでインスタントな刺激から距離を置き、快楽的なダルさから身を引き剥がす。その代わりに生じてくる退屈や不安に、足元をそっとつけてみる。
    ・「孤独のつくりかた」は、趣味をもつこと。ただし、「何かを作ったり育てたりする活動」に限定される。社会生活などとは切り離された自治の領域において、人に見られたり見せたりするためではなく、自分なりに試行錯誤しながら何かを作り上げることでなければならない。趣味の試行錯誤は問題解決のようなものではない。そこには「反復」がある。趣味は遊びなのだから、特定の目標が達成されたくらいで手放されるものではない。「反復練習さ。同じことを何度も繰り返す。自分がいいなって感じられるまでね。それしかない」というカヲルの言葉は、趣味の終わらない楽しさを適切に表現している。

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    2025年11月29日
  • スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 【購入者限定】スマホ時代を考えるための「読書案内」付き

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    エヴァや燃えよドラゴンの話を挟みつつ、下々のものにもわかりやすく解説してくれていたけど、いまいちよく分からずモヤモヤ。これが著者が熱く語っていたネガティブケイパビリティなのかなと自分の素養のなさを棚上げすることに。自己啓発本とは一線を画したいみたいなのでサラッと読みたい人には不向き。エヴァの考察は面白かった。

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    2025年11月25日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    チ。の世界観、込められた思いなどを魚豊さんの対談や数々の執筆陣を通してさらに知ることが出来た。そんな風に言語化するのか…と驚き物語への解像度がさらに上がった。これを読んだ後に原作を読むとまた違った味わいがあると思う。

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    2025年11月12日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    チ。のファンとして読んでおかなくては、と読み始めた。魚豊さんと色んな方との対談がいい。こんなすごいマンガをどんな思考で描いているのだろうと興味深かった。対談の中からそんな魚豊さんの思考が覗けてさらに感服。アニメの主題歌もとてもいいので、サカナクション山口さんとの対談、又吉さんとの対談も読み応えがあった。

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    2025年09月27日
  • クリティカル・ワード ゲームスタディーズ

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    「ゲームはゲームでしょ?」としか思ってない人の目をひとまず覚まさせてはくれる一冊。聞き馴染みのあるゲームタイトルやゲーム用語がまじめな文脈の中にぽんと飛び出してくるおかしみもあり読みやすい。ゲーム学が今後もっと栄え、一冊丸ごと著者一人のこういう本が出ればいいなと思う。第三部で取り上げられている前提書もなかなかおもしろそうだった。

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    2025年09月07日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    ネガティヴ・ケイパビリティの魅力と実践可能性についての対談(3人だから鼎談?)を書き起こした本。

    正直、このレベルの会話ができることが尊敬。文字で追っていてもかみ合っているのか何なのか、分からないところもあったり。

    ネガティヴ・ケイパビリティを扱うだけあって、これだ、という結論はなく語りは続く、という終わり方だった。


    以下メモ
    ・ナラティブの危険性
    「物語的誤謬」何かもっともらしい物語に落とし込むことで、過去にあったはずの多様な出来事、ありえたはずの無数の姿を見落とし忘れてしまう。

    ・陰謀論が力を持つ背景
    世界を少しでも良くしたい
    わからないことを知りたい

    ・コミュニケーションのモードが社会の秩序性(意味内容の秩序だったやり取り)から、つながりの社会性(場の空気を維持しつつ、つながりあうこと自体を目的とするもの)に変化している。

    ・マスターアーギュメント
    これだけで何でも説明できます、とうたう理論や基準のこと。

    ・ネガティブ・ケイパビリティは、事実や理由に拙速に手を伸ばさず不果実さ、謎、疑いの中にいることができる力。

    ・若者のキャラ化 自分をデフォルメする
    表情や声色、目線などの情報が見えずらいインターネットを介したコミュニケーションが支配的になった結果、予測可能なキャラに落とし込むようになった。

    ・「従順さのどこがいけないのか」という本を読み、従順ではいけないと思う。それは、この作者に自分が従順になっている?自立を促すメッセージの持つ矛盾。

    ・SNSで何かをカミングアウトすることはその弱さに寄り添うではなく、アテンションを集め瞬く間に周囲を敵と味方に分断する機能を持ってしまっている。

    ・個人の自己決定が大事とされる一方で、どんな帰結も各人の自業自得になる。今はどんな選択にも究極的に保障してくれるものがない。根拠が不安で多様な権威に確認を取り続ける。

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    2025年08月01日
  • ネガティヴ・ケイパビリティで生きる

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    ひろゆきさん、DAIGOさんは複雑な問題ではなく一つの質問に対する回答とのこと。
    複雑なものを紐解くのも大事。切り取るのは良くないので全体を見るのも大事。

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    2024年09月17日