君嶋彼方のレビュー一覧
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同性愛者である27歳の柏木文也と、元々は異性愛者だったけれど彼と付き合うことになった33歳の西澤祥太。二人の馴れ初めから現在まで、そしてその周りの人々の反応や葛藤をも描いた連作短編集。
ここ数年ゲイを題材にした作品はものすごく増えて、映画や小説をはじめ恋愛リアリティショーまで、私自身もたくさん触れてきた。
ヘテロがエンタメとして消費するために綺麗にラッピングされているように感じたこともあったけれど、本作は心情描写に注力されていて違和感なく読むことができたように思う。
当事者にならないとわからない感情というのは絶対たくさんあって、そういうのを「理解してます」というポーズではなくちゃんと汲み取れる -
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君嶋彼方作品は「君の顔では泣けない」に次いで2作目。男性カップル、そして彼らを取り巻く周りの友人や親、バーのママ、それぞれの立場での思いや悩み。「君の顔では泣けない」でも思ったが、取り立てて何も起きない日常が、普通に丁寧に描かれる。悪意というほどの強い感情はなく、とんでもないこともやらかす人物も登場しない。
ゲイであってもなくてもみんな思うところはある。祥太が大らかで素直すぎるのではとか、文也がまあまあ屈折してるなとか、思ったりもするが、身体の関係が人間関係の最善の手段であると考える宮川が一番生きにくいのではと、私は思っている(彼もLGBTQの括りに入るのだろうか)。バーのママはこの先自らの呪 -
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誰にも恋愛感情を抱かず、性的欲求も抱かない〈アロマンティック・アセクシャル〉の千凪と、幼い頃から強い男であることを過剰に押し付けられて育って来た一番。「普通」の幸せに絡め取られながら、二人の幸せを選んでいく物語。
一番の親がひたすら気持ち悪かった。
そして、そんな親の期待に応えようとして自分を押し殺す一番が歯痒くてたまらなかった。
綺麗な月を見た時にそれを分かち合いたい、そばにいたい、その感情があれば、そこに恋愛感情は必要?相手を尊重し、時間を共有することに喜びを感じるならそれで十分だと思う。
惚れた腫れたという思いだって、いつまでも続くわけじゃないし、恋愛、特に性愛が結婚の絶対条件でもない -
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恋と食のある10の風景
個性豊かな短編とエッセイがぎゅっと詰まった一冊
収録作品は以下のとおり
一穂ミチ 「わたしたちは平穏」
古内一絵 「ワタシノミカタ 」
君嶋彼方 「ヴァンパイアの朝食 」
錦見映理子 「くちうつし 」
奥田亜希子 「白と悪党」
尾形真理子 「SUMMER STREAMER 」
原田ひ香 「夏のカレー」
《エッセイ・掌編》
田辺智加 「初恋と食事」
山本ゆり 「ゆかりとバターのパスタ」
山田詠美 「恩響の彼方のトマトサラダ」
私は特に、錦見映理子さん、尾形真理子さん、原田ひ香さんの作品が好みだった。
ある作品では、涙がじんわり浮かんでくる。
また -
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ネタバレ毎年同じ日に弁天島駅の入場券を購入している恋人が突然いなくなり、その日に弁天島駅へ向かう一話目。
私は自分を高く見せるような嘘を吐く人はものすごい勢いで冷めてしまうだろうな。
東京駅が戦闘ロボットになる突然のSFには危うく振り落とされそうになったけど、段々二人を応援する気持ちがうまれた。私は結構好き。
北海道にある夫の実家へ、義姉妹で乗り込む話も良かった。一緒に過ごすのに心地よい自分になれたらいいなあ。
額賀さんの明洞の話も良かった。おさまるべきところへおさまった。
最後の話でポルトガル行きたくなった。なんだろう、読んでいてイメージするポルトガルの雰囲気がすごく良かったな。