君嶋彼方のレビュー一覧
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君の顔では泣けない
君嶋彼方
体が入れ替わってしまった男女の話。2人の恋愛や元に戻るための試行錯誤の話ではない。友人家族恋人を、女子の体に入れ替わってしまった"中身は男子の主人公"の目線でリアリティ豊かに描いている。
恋する男子のもどかしさや、女性への久しぶりの連絡のような「実在するリアリティ」だけでなく、いつか戻った時のための葛藤や、本来の家族とのもどかしさのような「中身が入れ替わったという設定のもと生まれたリアリティ」もとても繊細。
作者はこれまで、男としても女としても生きてきたのか!?と疑ってしまう。
丁寧に、一歩一歩人生を歩んでいこうと踏みしめられるような作 -
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ネタバレまるで冬の夜明け前、凍てつくような寒さの中で、どこまでも澄みきった藍色の空を仰ぎ見るような読書体験だった。
物語の軸となるのは、15歳の夏に入れ替わった男女が、元の姿に戻ることなく大人になっていくという、残酷なまでに精緻な思考実験だ。語り手である坂平の視点を通じ、私は十代の頃に抱いた異性への得体の知れない戸惑いを追体験することになった。当時は言語化できなかった「性」による身体的・社会的な差異への反応が、入れ替わりという装置によって色濃く浮き彫りにされていく過程は、あまりに鋭く、そして懐かしい。
特に印象的だったのは、坂平が対峙する「二重の人生」の重責だ。自分の選択が、いつか戻るはずの相手の -
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後半、ぼろぼろ泣きながら読んだ。
男女入れ替わりもの、というといくつか作品が思い浮かぶが、ここまで繊細で複雑な心情をじっくりと描いた作品は初めてだった。
もしかして、私たち…入れ替わってるー?!という台詞からコマ送りでてんやわんやな日々が過ぎていく…というあの映画もとても好きだが、実際は何度も苛立ちと悲しみに打ちひしがれ、性差に戸惑いながら、不安と重責に押しつぶされそうな日々をなんとか生きていく、本作の陸とまなみの姿のほうがリアルだろう。
他人と入れ替わった場合に辛いことを挙げればキリがないが、私は本当の家族に他人のように振る舞われることが特に辛いと感じた。
気の置けない大切な人たちに、よ -
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ネタバレ『もし、特殊能力者になったら…?』
特殊能力×学園×ミステリー
この設定、最高だわ!
能力者だからこそ、悩むこともあり、差別されることが多いそんな世界。
世界には、およそ1万人に1人の割合で、特殊能力者がいる。
特別支援地区 通称:特地区。
ここは、本当に、特殊能力所持者にとってのユートピアなのだろうか。
でも、特殊能力者ということを知っていても、離れない友人がいるのは、恵まれてるなぁと思った。
私が、特殊能力者になったら、我妻のように、周りとの距離を置いてしまうかもしれないと感じた。
途中から、旭が本当にヒーローに見えてきた。
私も、旭のように、周りを救えるヒーローになれるのだろ -
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ネタバレ同性愛者と元異性愛者の恋愛、周囲の人々、現在と未来。
自分の恋心が相手の在りえた未来を奪う密やかな恐れ。自分の性をなんとか受け入れて生きている人たちの人生の岐路が描かれている。
元カノ、連れ、両親、ゲイバーのママ、と様々な周囲の人が「同性と付き合っている」ことをどう感じるのか。昔ほど毛嫌いすることはなくなったけど、じゃあ彼らに対してこれからどう接したらいいの?という周囲の困惑。
生理的嫌悪はあっても困惑はするけれど全否定はしない両親もいる、世界は少しは私、私たち、彼、彼女らに優しくなっていっているのだろう(か?)
「醜いあひるが真夜中に」のアラフォーのゲイのママの話が私の心には一番馴染 -
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正解はないとわかりながら、「この話のテーマは何だったのだろう?」と考えてみる。
p244
「いいか。幸せの形はひとそれぞれだなんて、ふざけたこと言うなよ。周りから幸せに見えることが幸せなんだ。結局普遍的なことが幸せなんだよ。俺が、お前が幸せになるために、どれだけ心血をそそいできてやったと思ってるんだ。恩を仇で返すつもりか?」
ここは、もはや作品のテーマの1つとして考えても良いだろう。家族のような近しい存在でも、同じ人生を歩んできたわけではない。分かり合えない存在・思想がある。大切なのは、他人に注がれる心血ではない。自身の人生観だ。それは誰にも侵すことは許されない。許してはいけない。それが自分 -
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ネタバレこれだけ多様性、多様性と言われる世の中になり、様々な人がいるということは理解しているし、受容、尊重したいと思うけど、当事者になったら果たして自分は本当にそうかを考えさせる作品。
特に極端なのは一番の父親で、古臭いジジイだなって思ってた。でもこの人なりの息子への愛なんだよなって最後には思うようになった。自分が男性らしく振る舞えなくて苦しんだからこそ、息子には同じような思いをしてほしくなかったんだろうね。最後まで全然わかってくれないし、間違ってるけど。
一緒にいたい人と埋められない何かがあるとき、綺麗事を抜けば、譲ったり我慢したりすることになる。私は意地悪なのかなー、そうしようと思ってもそれが -
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料理と恋愛にまつわる短編集。
料理が絡むからか、どれも一定大人の恋愛ストーリー。
一穂ミチのエピは不思議な色気を感じる作品。地味女かと思わせといてなかなかやりおる男女だわ。
古内一絵作品はこの人の根底にあるものが伝わるので嫌いじゃない。
君島彼方の作品は性的マイノリティの葛藤がいい具合に滲み出ていてこれも好き。
奥田亜希子のズルい男とそれをわかってて演じた女の話も結構好き。転がされてるようで転がす女は勝ち組だな、って思う。
ということでどれもなかなか思いを馳せることの出来る味わい深い短編集でした。
カレー食べたくなるよ
2025.11.11
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