君嶋彼方のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
男女入れ替わりもので、基本的には現実ではありえないことなのだが、入れ替わったこと自体(原因や解決法)に主眼が置かれていないので、不思議なほどリアルな物語として読み進めることができた。自分ではない人(性別や環境)になってはじめてわかる差違は、社会問題といってもいいほどで、その諸問題は主人公たちの戸惑いや怒りとして見事、落とし込まれている。入れ替わりものではないが、思い出したのは、娘の体の中に亡くなった妻の魂が入り込んで、妻の部分を持ったまま娘が嫁いでいく東野圭吾の「秘密」。どちらも、戻ることよりも、現実を受け入れ生きていこうとする主人公たちの決意に切なさが合わさって胸に迫る作品だった。
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Posted by ブクログ
高校1年生の夏、ひょんなことから身体が入れ替わってしまった同級生、坂平陸と水村まなみ。
15歳から3年ずつ時間が経過しながら、異性の身体に入れ替わってしまった2人の直面する苦悩が描かれていく作品。
入れ替わりといれば、真っ先に『君の名は。』を思い浮かべるくらいあの作品の印象は強いですが。
この作品が出色なのは、「1度も戻ることのないままの15年の月日を追っている」こと。その中で描かれる、異性の身体で直面する恋人、結婚、出産などにかかる葛藤のリアリティ。
突然異性の身体を与えられ、右も左もわからない人間関係の中に放り込まれた時の無力感。
戻れるかもしれないという希望にすがりながら、ことご -
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Posted by ブクログ
ネタバレ坂平が女として生きていくことになったとき、もともと自分が属していた性別への嫌悪感を表すのが上手いな〜と思った。男らしさたるものを“男だったら自分が”否定する感覚は著者が男性であるからなのかな〜。
男性なのに女の生きづらさみたいなものを描くのが上手いなとふんわり思いつつ、こういうときにしっかりしてる(風に装っている)のはいつも女なんだ…みたいな気持ちにもなってしまった。あと男として生きていくことになった水村が性欲を抑えきれない?みたいな表現があって本当かよ?と思ってしまった。私は男ではないしこれから男になることもきっとないので確かなことはわからないけど性欲が抑えきれないなんて男の勝手な都合だろと -
Posted by ブクログ
BL的な作品かなと思い読み進めたが
しっかり現実的なところもあり
だからこそなおさら
2人は幸せになってほしいし
幸せになるための権利や制度がちゃんと認められないといけない
急に思ってたのと違う現実を目の当たりにして
常識だと思って生きてきたことを
アップデートするのは容易くない
だから否定したくなってしまう
息子が可愛いお嫁さん連れてきて
可愛い孫が生まれて
という未来を描いていた親は
それが「普通」の「幸せ」と思って長いこと生きてきたのだから
息子が彼を連れて来なくても
結婚しない場合もあれば
子を持たないこともある
または結婚しても幸せにならない場合も
多少の差はあれ
「普通」 -
Posted by ブクログ
人を好きになれない、性欲を持たない女の子(千凪)とイケメンの男の子(一番)の愛の物語。
半同棲している中で、一番から見えている光景と千凪から見えている光景のズレは、アセクシャル、アロマセクシャル関係なく日常を過ごしている自分にも簡単に起こることだと気付いて衝撃を受けた。その後の展開も面白く読みやすい。
個人的には後半の「今まで格好つけていたことが全て見透かされているような気分になった-その彼女の笑顔を見ているうちに、なんだか全部どうでも良くなった。どうしてかは分からないけれど、この人なら僕のどんな情けない姿でも、笑って許してくれるような気がしたのだ。そして僕は、神崎千凪に恋をした。」という -
Posted by ブクログ
力のある女性作家の皆さんが恋と食に関する小説とは、贅沢な本だった!
特に「ワタシノミカタ」と「SUMMER STREAMER」が良かった。「SUMMER STREAMER」では、70近い婦人が大ファンの大谷翔平さんのプレイを観たくて単身でアメリカに行く話。その中で、大谷選手はどんな人と結婚するのだろうかと。あれこれあげて、最後に一番悔しくない人は「彼の母親に似ている女性」とあり、まさしくその通りの女性と結婚していた。結婚発表より前に書かれた小説で見事言い当てていたので驚いた。大谷夫妻は素敵!嫌いと言う人はまずいないだろうな!
この本を通して、いろんな作家さんを知ったので、読書が広がりそうで