君嶋彼方のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
R8.1.1
読み終わった。お互い入れ替わったまま、最後まで戻るか分からない所が新鮮だった。
入れ替わったまま、死んだ時に誰にも死んだ事を気付かれない、家族とも会えないまま、友達にも秘密にしたままとか悲しいなと思った。
Another storyでまなみ側の気持ちが少し描かれていたが、陸を憎んでいる(正確には入れ替わった陸の姿だけど)とは思わなかった。けど、私も女性だから分かるけど、何となく結婚して子どもを作って平凡に生きて行く事が突然出来なくなったら、入れ替わった姿が憎くなるかもしれない。
けど、最後に陸もまなみも今のままでも人生を楽しもう、お互いに恥じないよう生きて行こうとしてた所、自分は -
Posted by ブクログ
ネタバレ『君の顔では泣けない』は、感情表現と主人公の生き方という点において、非常に静かで、しかし確かな重みをもった作品だと多くの読者に受け止められている。
本作の感情表現は、声高に叫ばれることがない。主人公・陸が抱える苦悩や迷いは、涙や激情として噴き出すのではなく、日常の選択や沈黙、諦念に似た受容の中に沈殿していく。その抑制された描写が、かえって感情の深さを際立たせている。
「泣けない」というタイトルが象徴するように、感情は常にそこにあるのに、それを素直に表出できない。その不自由さが、読む側の胸に静かに迫ってくる。
主人公の生き方もまた、この作品を重厚なものにしている要素だ。
陸は「元に戻るために -
Posted by ブクログ
ネタバレ同性愛者と元異性愛者の恋愛、周囲の人々、現在と未来。
自分の恋心が相手の在りえた未来を奪う密やかな恐れ。自分の性をなんとか受け入れて生きている人たちの人生の岐路が描かれている。
元カノ、連れ、両親、ゲイバーのママ、と様々な周囲の人が「同性と付き合っている」ことをどう感じるのか。昔ほど毛嫌いすることはなくなったけど、じゃあ彼らに対してこれからどう接したらいいの?という周囲の困惑。
生理的嫌悪はあっても困惑はするけれど全否定はしない両親もいる、世界は少しは私、私たち、彼、彼女らに優しくなっていっているのだろう(か?)
「醜いあひるが真夜中に」のアラフォーのゲイのママの話が私の心には一番馴染 -
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男女入れ替わりという設定は、「君の名は。」やドラマ「天国と地獄」など数多くのヒット作が示す通り、決して珍しいものではない。多くの場合、入れ替わりによって生じる秘密や齟齬を娯楽的に消費し、物語はコメディやロマンスへと収斂していく。しかし『君の顔では泣けない』は、「元に戻れない」という一点において、それらの作品と決定的に異なる。入れ替わりは一時的な出来事ではなく、十五年という長い時間として引き受けられ、妊娠や出産、親の死といった人生の重みが回避されることなく描かれる。
本作の中心に据えられているのは、他人の人生を生きることに伴う責任である。今の身体と人生は借り物であるという自覚のもと、いつ元に -
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とっても良かったです。入れ替わる系かぁと、現実では多分実際起こらないことを題材にしている話は若干苦手意識がありました。けれど、こちらの話は戻ることなく、15年間入れ替わったまま。お話もどんどんページがすすんでいきました。改めて、女を生きることは大変だと改めて感じました。きっと男の人も大変だと思うけど、陸はよく耐えたと思います。そうそう、女って生理前はイライラするし、妊娠前はマタニティブルーもある。自分の感情ではなく、勝手にホルモンに支配されて人に当たったり、面倒臭い態度をしてしまうもの。何十年も女として生きていくとそれがわかるが、男の子がこれを一から経験するとホントに女の体は分からないことだら
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Posted by ブクログ
正解はないとわかりながら、「この話のテーマは何だったのだろう?」と考えてみる。
p244
「いいか。幸せの形はひとそれぞれだなんて、ふざけたこと言うなよ。周りから幸せに見えることが幸せなんだ。結局普遍的なことが幸せなんだよ。俺が、お前が幸せになるために、どれだけ心血をそそいできてやったと思ってるんだ。恩を仇で返すつもりか?」
ここは、もはや作品のテーマの1つとして考えても良いだろう。家族のような近しい存在でも、同じ人生を歩んできたわけではない。分かり合えない存在・思想がある。大切なのは、他人に注がれる心血ではない。自身の人生観だ。それは誰にも侵すことは許されない。許してはいけない。それが自分 -
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ネタバレこれだけ多様性、多様性と言われる世の中になり、様々な人がいるということは理解しているし、受容、尊重したいと思うけど、当事者になったら果たして自分は本当にそうかを考えさせる作品。
特に極端なのは一番の父親で、古臭いジジイだなって思ってた。でもこの人なりの息子への愛なんだよなって最後には思うようになった。自分が男性らしく振る舞えなくて苦しんだからこそ、息子には同じような思いをしてほしくなかったんだろうね。最後まで全然わかってくれないし、間違ってるけど。
一緒にいたい人と埋められない何かがあるとき、綺麗事を抜けば、譲ったり我慢したりすることになる。私は意地悪なのかなー、そうしようと思ってもそれが -
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ネタバレ自分が性別が違う人と入れ替わったらどうだろうと想像して怖くなった。
家族や友人、職場、慣れ親しんだ場所が他人のものになり、自分には新しい場所が与えられて、でも他人を演じないといけないから上手くやれなくて、、二人の立場を想像すると本当に辛く、苦しい
自分にはとても上手く生きていく自信が無いと思った。
苦しみながら、それでも二人は諦めずに自分の人生を生きていて逞しい。
入れ替わってから15年間、相手のことを大切にする気持ちと共に、自分の人生も諦めなかったから、元に戻るのが怖いと感じるんだなと思った。
ラスト二人がどうなったのかは明かされないけれど、そのまま戻れなくても、元に戻ったとしても、二人は