君嶋彼方のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
料理と恋愛にまつわる短編集。
料理が絡むからか、どれも一定大人の恋愛ストーリー。
一穂ミチのエピは不思議な色気を感じる作品。地味女かと思わせといてなかなかやりおる男女だわ。
古内一絵作品はこの人の根底にあるものが伝わるので嫌いじゃない。
君島彼方の作品は性的マイノリティの葛藤がいい具合に滲み出ていてこれも好き。
奥田亜希子のズルい男とそれをわかってて演じた女の話も結構好き。転がされてるようで転がす女は勝ち組だな、って思う。
ということでどれもなかなか思いを馳せることの出来る味わい深い短編集でした。
カレー食べたくなるよ
2025.11.11
204 -
Posted by ブクログ
ネタバレ15歳で人生と性別が入れ替わってしまう。
自分は男性で中年だけど、15歳から30歳というのは人生でいろいろなことが大きく変わっていく歳。
もちろん30歳からもさらに成熟していくのだが、この15年という歳月で自分という人格がある程度形成されていく時期に、自分なら陸のようにまなみを守っていくのか、またはまなみのように陸を謳歌していくののだろうか。
冒頭での身体が入れ替わってしまうこと自体はファンタジーなのだが、15歳からの陸目線での思想の描写で、少しずつまなみの人生を受け入れていくのがリアルだった。なんだか自分のなかでも女性になった気持ちになってしまうくらい。
結局は戻れなかったのだと思うけ -
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Posted by ブクログ
一穂ミチ目当てで手にとる。あと巻末の山田詠美のエッセイ 「恩讐の彼方のトマトサラダ」も。
さすが山田詠美!この短い短いエッセイの中にユーモアの中にちゃんと彼女らしい美学が語られている。
今まで振られたことはないって、「男と別れるのは、相手が逮捕されるか、強制送還されるか、死ぬか、のどれかなんで」ってすごい。
原田ひ香の小説、(夏のカレー)初めて読んだけどこの60歳過ぎたしーちゃんと冴子の好き同士だったのに結婚には至らず40年にも渡る出会いから邂逅を経て別れまで(冴子の死)せつないラブストーリーだった。
恋、片思い、両思い、愛、婚約、浮気、裏切り、不倫、
恋愛に関することは”結婚”以外全部(冴子 -
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Posted by ブクログ
高校の同級生の坂平陸と水村まなみが体が入れ替わってしまう物語。
坂平陸視点で物語は進められていくけれど、入れ替わった後の坂平の女性の体になったことでの戸惑いが丁寧に描かれていてそこが良かったです。
坂平陸が「いつ水村が水村の人生を取り戻してもいいように。」「いつこの人生を水村に返却してもいいように」と何度も思っている描写が描かれていて、それでこの本のタイトルなのかなぁと思いました。
15年も入れ替わった人生を歩んできてしまって、今更元に戻ってもそれはそれでこわいだろうなと想像してしまいます。
それは最後まで描かれなかったけど、どうなっていたんだろうなぁと考えてしまいます。