あらすじ
結婚して、子供を儲けて、ささやかながら幸福な家庭を築く。おそらくそんな将来が待っていたはずの男、西澤祥太。僕の恋心は、祥太から“普通”の幸せを奪ってしまった。報われた恋も、消えかかった愛も、届かなかった想いも、みな切なく胸を焦がす。映画化で話題『君の顔では泣けない』著者が贈る、心震える恋愛群像劇。
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Posted by ブクログ
読む前に想像してたよりも複雑で切なくて人が愛おしくなる物語だった
ゲイの青年がノンケのイケメン青年と出会って、周りの友達や親や元恋人との関係性が変わっていく
それはもちろん傷つけ合うことも多いが、彼らの本当の想いが曝け出されるきっかけとなった
私には直接の知り合いにゲイはいないが、この作品では感情がすごく伝わってきて感動した
結局恋愛に変わりはないのだから
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ただのジェンダーの視点での話ではなく、いろいろな立場からの視点で書かれていて、すごく共感できる部分もあった。
どういう立場の人も、みんな幸せになってほしい。
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良かった
自分から見えている周りの人は、
その人のほんの一部しか見えてなくて、
自分に自信がないから、
自分が傷つかない様に解釈してる。
以下、心に残った言葉
それでも私たちは理解しなくてはならない。理解していなかったとしても、理解しているふりをしなければならない
好きものを共有できないのは寂しい。けど、同じ趣味や嗜好は人と人を結びつけるきっかけの一つで、それ以外の大事な部分で惹かれ合っている。
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読んでよかったなと、心の底から思う。
色々な立場の心情。どの意見が正しい、とかないだろう。親世代だから理解できないことも、当事者の想いも、当事者でないからこそ持つ意見も、様々である。でも、それが普通なのだと思う。色々な意見があって当然で、だから人を傷つけていいとは全く思わないけれど、何に対しても誰もが同じ意見を持って、完全に理解することなんて、むしろおかしい。当事者の想いを決めつけたり、同情したり、特別扱いしたり。理解しようとする気持ちはあるべきなのかもしれないが、勝手な想像は危ないものを生んでしまう。
私の考えもただ一人の考えでしかない。一人ひとりそれぞれの生きづらさがあって、それぞれの幸せがある。自分の幸せを幸せだと胸を張って言える世の中であってほしいし、そう言える自分の人生を歩みたい。
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翔太くんと文也くんのゲイカップルを中心とした、連作短編集ですね。
いろんな愛の形が描かれていて、どんな人間関係だって、悩みはあるよね、って思わせてくる。しんどいなぁ、と思いながら、でも、読むのをやめられませんでした。一気読み。
「醜いあひるが真夜中に」が、一番好き。
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自分にも息子がいるので、祥太の父親の章は親として共感する部分が多くグッときた。
息子の恋人が男だったら、きっとこんな気持ちになるだろうな。
バーのママの章も苦い痛みが感じられて好み。
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祥太がとにかく陽。
陽キャとかじゃない。太陽みたいな人ってこういう人を言うんだって思いました。
でもこの能天気さというか鈍さに苛立つ人もいるだろうから、パートナーっていい人といい人じゃなくて凸と凹がはまって居心地が良い関係が1番なんだね。
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祥太君のお父さんとても素敵だなと思った。宮川くん、美里、バーのママも好きだなと思って読んでたけど文也はずっと苦手だった。もっと明るかったら星5にしたかな。
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同性愛者を繊細に描いている内容はこの作者らしくて素晴らしいのですが、踏み絵のように自問することが多く、どんな感想も表面的過ぎて書けない。それほどよく描かれている作品です。
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同性愛者と元異性愛者の恋愛、周囲の人々、現在と未来。
自分の恋心が相手の在りえた未来を奪う密やかな恐れ。自分の性をなんとか受け入れて生きている人たちの人生の岐路が描かれている。
元カノ、連れ、両親、ゲイバーのママ、と様々な周囲の人が「同性と付き合っている」ことをどう感じるのか。昔ほど毛嫌いすることはなくなったけど、じゃあ彼らに対してこれからどう接したらいいの?という周囲の困惑。
生理的嫌悪はあっても困惑はするけれど全否定はしない両親もいる、世界は少しは私、私たち、彼、彼女らに優しくなっていっているのだろう(か?)
「醜いあひるが真夜中に」のアラフォーのゲイのママの話が私の心には一番馴染みやすかった。彼はどうしようもない袋小路を抜け出せたかな。
個人的に祥太が年齢の割にピュアピュアしててちょっとどうかとは思いました(汗)20代前半ならアリなんですが。
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同性愛の話だけど、それだけじゃない。彼らの周りの人の描写が細かく書かれていて良かった。カミングアウトされた側の気持ち、元カノの気持ち、人とセックスをする感覚が違う人の気持ち…色んな人視点の物語が交差していて読んでいて面白かった。
同性愛だけが注目されてきているけど、みんなそれぞれに戦っていることがあるんだなと。
この人の別の作品も読んでみたいな。
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んー。なんというか。あまりうまく言葉にまとめられる気がしないんだけど。「もう幸せって個人で違うから、他人がおいそれと語ることじゃないよね!」ってことなんだろうけど。じゃあ物事に対して無関心でいることが正しいのかって考えると、そういう事でもないだろうし、差別は良くないとかわかり合えるとかって言葉もどうかと思うし……。ぐるぐると考えがまとまらず、結果的に「まあ、距離をとって気にしないのが一番なのかな」となるような気がした。私の場合は。
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男性の同性愛の話らしいと聞いたので、読んでみた。
普段は女性が描くBL小説を読み、そのテンプレに則って、相手とどう結ばれていくかという話を読んできたので、今作は付き合った後の葛藤が描かれていて面白い。みんな悩んでるのが良い。
メインカプの二人の雰囲気は、年の差モノだが『としのさ夫夫 』を思い出した。引け目を感じているところとか。
祥太視点が無いのは、元ノンケが男を好きになる葛藤をあえて省いて読者に想像させるためかな、と思った。
「ヴァンパイアの朝食」
ゲイの柏木文也と元ノンケの西澤祥太。
日陰者であることをヴァンパイアに例えていて面白い。吸血して同属にしてしまった引け目。面白いな。
祥太は、元カノに「文也と手を繋ぎたい」と言っていたが、この話の最後に文也は祥太と手を繋いでいる。そして最後の日出シーンでも繋ぐ。良い終わりだ。
「自殺者の午睡」
祥太の元カノの美里と結婚相手の譲の話。
美里はこうあるべしという固定観念があり、目標があり、邁進してきて、順調だからこそ不安になる、というのが良い。マリッジブルーだ。
怠けたいという午睡。
「夕立に悪魔」
祥太と美里の後輩であり友人である宮川の話。
セックスで繋がろうとするのが面白い。
それ以外でも幸せを感じられる終わりで良かった。
同性愛を過剰に持ち上げたり同情を示すのはどうかなと思ってたけど、それを真っ向から指摘するのもどうかなと思った。その未熟さが人間らしさか。
不動産屋の彼女はリップサービスでしか言ってないわけだし。その接客良くないですよぐらいは有りかなあ。
「聖人たちの晩酌」
祥太の両親の話。
理想が叶わないとわかってしまったら、誰だって絶望するだろう。
受け入れようと、排他的にならないようにするだけ充分マシだなと思った。
モラルある善人を演じようとするだけマシ。
「醜いあひるが真夜中に」
文也と祥太が出会ったゲイバーのママの話。
浮気三昧だけど一緒に暮らしているのは孤独が嫌だからという相手を切れない幸継。
祥太に手を出すのは踏んだり蹴ったりだろうがダメだろと思うが、作中で散々そんなもんだと描写されてるから仕方ないのかな。でもやっぱダメだろの気持ち。
名前が幸継。幸福を繋ぐ者。良い名前だ。
「ヴァンパイアの夜明け」
また文也と祥太の話。
この先の見えない感じで喧嘩するのは、『窮鼠はチーズの夢を見る』シリーズでも見たなと思った。窮鼠でも、喧嘩しつつ一緒にいようエンド。
結局なんだかんだそうするか無いと思う。家族というのはそういうものでは。キレたりなあなあにしたり。無理になったら切っても良いし、やっぱり切れなくてズルズルになったり。
そんなもんだよ、と思いながら読んでた。
全編、希望とは幸せとは、というのにもがく人の話で、まあ良いじゃん程度の感想。
ミステリーとかの仕掛けが無いのですんなり読めたしまあまあな感動もあるけど、めちゃくちゃ名作!感動作!でもない。セカチュー未満、みたいな。
中高生にウケそうな同性愛の作品が出たら売れるのかな〜とか考えた。
二人なら夜が明るいというのは、『白夜行』も思い出すな。あれは照らしてくれたから歩けた、という話だが。
『白夜行』みたいな面白いBLも読みたいな。
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先日読みました短編集『いただきますは ふたりで』に収録されていました、君嶋さんの
「ヴァンパイヤの朝食」から始まる連作短編集。
小説新潮連載作のようです。
時々 腐女子になったりするのですが、
そんな時は、
凪良さん 甘いわー
一穂さん 切ないわー
木原さん 痛いわー
とかなんとか思いながら読んでます
この小説は、BLの方向性を持ちますが、一言でゲイカップルの話で括られるわけではないと思います。
主体となる二人の男子の関係を軸にしながら、
その周囲にいる人々の揺らぎや、性別越境を含むさまざまな在り方までも巻き込んで、
世界が少しずつ広がっていく構成になっています。
先日参加したドラァグクイーンの方のトークイベントで、LGBTQと呼ばれる枠の中にも実に多様なパターンがあると知りました。
隠したり、黙ったり、言葉にできなかったり。
そんな関係が現実には多くある中で、
この連作は「できるだけ取りこぼさず書こう」とした作品のように思いました。
Posted by ブクログ
同性愛者の主人公とその周りの人達の話。
恋愛って苦しいな、とか子供が“普通”ではないことを許容できない親の傲慢さ、とか色々な感想を持ったが、一番感じたのはゲイ男性の中にも男性性イデオロギーが内面されていて、ジェンダー構造的には支配側に存在しているのが感じられて、このマッチョイズムやホモソーシャル(この場合は意味が違うから使い方は間違っていると理解しているが)は社会的な問題なのだと強く感じた。
そこはレズビアンや他のセクシャルマイノリティの女性とは全く違うのだと感じた。
これは物語であって、現実ではないのだけど、その面にリアリティを感じられた。
上記した、親の視点の話について。
父親視点の短編で、子供への愛情も感じるし心情も理解できるがやはり普通じゃないこと、期待通りじゃないことに苦悩するのは親としてはどうしようもないことで、どうしようもなく傲慢だと思う。
愛情があるから、苦しくとも、理解しないといけないし、尊重しなければならない。
本当の無償の愛なら、しなければならないと思わずともできるはずだけど、ままならない人間はしようと思ってそうしなければならない。
そうしない、受け入れない親は、毒親でしかない。
私は親ではないから、子供視点でしか読めないし、ACでマイノリティだから、余計に否定的に思ってしまった。
登場人物の中でアロマンティック・デミセクシャルみたいな人が出てきて、理解はできないけど多様な人間が存在する物語なのは良かった。
お話としてはよく出来ていたと思うし、著者の他の作品も読みたいと思ったし、タイトル回収も見事だと思ったが、だとしたら私は暗い夜だけを生きていく。
Posted by ブクログ
男性同士カップルの恋愛話(一人はずっとゲイ、一人は以前は女性が恋愛対象)。章ごとに、本人、元カノ、友達、父親、ゲイバーのママの目線で物語が進む。
この中では、やはり親の章を読んでいる時が苦しかった。もし私の息子が男性を連れてきたら、どうしよう??どうしようもこうしようもないのだけど。この父親のように、息子の幸せを祈るしかないのだけど。
Posted by ブクログ
同性愛者である27歳の柏木文也と、元々は異性愛者だったけれど彼と付き合うことになった33歳の西澤祥太。二人の馴れ初めから現在まで、そしてその周りの人々の反応や葛藤をも描いた連作短編集。
ここ数年ゲイを題材にした作品はものすごく増えて、映画や小説をはじめ恋愛リアリティショーまで、私自身もたくさん触れてきた。
ヘテロがエンタメとして消費するために綺麗にラッピングされているように感じたこともあったけれど、本作は心情描写に注力されていて違和感なく読むことができたように思う。
当事者にならないとわからない感情というのは絶対たくさんあって、そういうのを「理解してます」というポーズではなくちゃんと汲み取れる人になっていきたいと思った。
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君嶋彼方作品は「君の顔では泣けない」に次いで2作目。男性カップル、そして彼らを取り巻く周りの友人や親、バーのママ、それぞれの立場での思いや悩み。「君の顔では泣けない」でも思ったが、取り立てて何も起きない日常が、普通に丁寧に描かれる。悪意というほどの強い感情はなく、とんでもないこともやらかす人物も登場しない。
ゲイであってもなくてもみんな思うところはある。祥太が大らかで素直すぎるのではとか、文也がまあまあ屈折してるなとか、思ったりもするが、身体の関係が人間関係の最善の手段であると考える宮川が一番生きにくいのではと、私は思っている(彼もLGBTQの括りに入るのだろうか)。バーのママはこの先自らの呪縛を解くことができるだろうか。
夜は明るいのだろうか。「だから」って?夜が明ければ明るいけれど、それはもう夜じゃないのでは‥