君嶋彼方のレビュー一覧
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誰にも恋愛感情を抱かず、性的欲求も抱かない〈アロマンティック・アセクシャル〉の千凪と、幼い頃から強い男であることを過剰に押し付けられて育って来た一番。「普通」の幸せに絡め取られながら、二人の幸せを選んでいく物語。
一番の親がひたすら気持ち悪かった。
そして、そんな親の期待に応えようとして自分を押し殺す一番が歯痒くてたまらなかった。
綺麗な月を見た時にそれを分かち合いたい、そばにいたい、その感情があれば、そこに恋愛感情は必要?相手を尊重し、時間を共有することに喜びを感じるならそれで十分だと思う。
惚れた腫れたという思いだって、いつまでも続くわけじゃないし、恋愛、特に性愛が結婚の絶対条件でもないだろうし。
生きづらいのは女性の専売特許のように色々な小説が書かれているけど、男たるもの〜とか、男らしく〜とかいうマチズモに苦しんでいる男性もたくさんいるんだろうな〜としみじみ思う。
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Posted by ブクログ
恋と食のある10の風景
個性豊かな短編とエッセイがぎゅっと詰まった一冊
収録作品は以下のとおり
一穂ミチ 「わたしたちは平穏」
古内一絵 「ワタシノミカタ 」
君嶋彼方 「ヴァンパイアの朝食 」
錦見映理子 「くちうつし 」
奥田亜希子 「白と悪党」
尾形真理子 「SUMMER STREAMER 」
原田ひ香 「夏のカレー」
《エッセイ・掌編》
田辺智加 「初恋と食事」
山本ゆり 「ゆかりとバターのパスタ」
山田詠美 「恩響の彼方のトマトサラダ」
私は特に、錦見映理子さん、尾形真理子さん、原田ひ香さんの作品が好みだった。
ある作品では、涙がじんわり浮かんでくる。
またある作品では、言葉のセンスが上手すぎてニンマリしてしまった。尾形さんの背徳行為とか。笑
どの作品も、恋と食がテーマという以外は、全く趣が違っていて面白い。其々の個性が光っているので、気になった作家さんの他作品も読んでみたいと思った。
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ネタバレ毎年同じ日に弁天島駅の入場券を購入している恋人が突然いなくなり、その日に弁天島駅へ向かう一話目。
私は自分を高く見せるような嘘を吐く人はものすごい勢いで冷めてしまうだろうな。
東京駅が戦闘ロボットになる突然のSFには危うく振り落とされそうになったけど、段々二人を応援する気持ちがうまれた。私は結構好き。
北海道にある夫の実家へ、義姉妹で乗り込む話も良かった。一緒に過ごすのに心地よい自分になれたらいいなあ。
額賀さんの明洞の話も良かった。おさまるべきところへおさまった。
最後の話でポルトガル行きたくなった。なんだろう、読んでいてイメージするポルトガルの雰囲気がすごく良かったな。 -
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タイトルの通り、駅と旅をテーマにした6人の作家によるアンソロジー。
と言いつつもテーマの縛りは緩めで、アンソロジーとしての統一感は中途半端な印象。
始めの2編、『きみは湖』と『そこに、私はいなかった。』は、いずれも若い女性を主人公にした青春小説。他愛もないと言ってしまえばそれまでだが、どことなく尖った感性が仄かに感じられて悪くない。
次の『雪花の下』は、自意識過剰で家族との関係を壊しかけている中年女性が正気を取り戻していくお話。よくある話ではあるが、旅に同行する義妹の造形が絶妙でなかなか面白い。
ここまでは連作の雰囲気が保たれていたのだが、次の『東京駅、残すべし』で一変。ぶっ飛んだ世界観と作劇に、若干鼻白らむ。
『明洞発3時20分、僕は君に撃たれる』は、大衆に振れすぎてて読み流す感じ。箸休め的な。
最後、『辿る街の青い模様』は、一転純文学みたいなテイスト。ポルトガルに行ってみたくなる。 -
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新刊情報で見掛けて気になり、手に取った作品。
装画とテーマがとても好みだった。
「恋と食」をテーマに描かれた小説、掌編、エッセイのアンソロジー。
作家さん以外にお笑い芸人さん、料理コラムニストさん、コピーライターさんが参加されていて豪華メンバー。
山本ゆりさんのレシピには大変お世話になっている。
本書のタイトルを見て、「心温まる話が多いのかな」と思っていたら、いろんな意味で衝撃的な話が多く、それも含めて楽しめた。
どの作品も出てくる料理がとてもおいしそうー!
パエリア、ロールキャベツ、カニクリームコロッケ…食べたい…!
食欲を刺激されまくりの一冊だった。
︎✿「わたしたちは平穏」一穂ミチさん
性格や食の好みが合い、同棲している2人。一見平穏に見える2人の間に潜んでいる不穏さが怖い。ラストは若月さん、まさか…?この2人、この先どうなっちゃうんだろう…。
︎✿「ワタシノミカタ」古内一絵さん
家庭内には味方が必要だよね。この3人には世間の目に負けず幸せに暮らしていってほしい。昴の例え方が秀逸!昴が作ったキャンプ飯、私も食べたい♡
︎✿「初恋と食事」田辺智加さん
「ぼる塾」の田辺さん。描かれていること全てに共感しかない。私もしんどい時はとりあえずおいしい物を食べて、乗り切っている。
︎✿「ヴァンパイアの朝食」君嶋彼方さん
目次を見て一番気になっていた作品。タイトルだけ見てファンタジーなのかと思いきや、ヴァンパイアって、そういうこと…!恋愛の甘さと苦さが詰まった作品。
︎✿「くちうつし」錦見映理子さん
人生にどれだけ絶望しても、食べることをやめなければ、いつかはきっと立ち上がって生きていける。食べることは生きることに直結するんだなぁと改めて感じた。
︎✿「ゆかりとバターのパスタ」山本ゆりさん
母が作ってくれたお弁当にはいつもゆかりご飯が入っていたことを思い出した。ゆかり買ってきてパスタ作ってみよう。
︎✿「白と悪党」奥田亜希子さん
土鍋にまつわる初恋のお話。美弓の関谷への執着がなんだか怖く感じた。私は何故か小さい頃からお粥の描写にとても惹かれてしまう。土鍋でかしぐお粥、いいなぁ。
♥「SUMMER STREAMER」尾形真理子さん
野球観戦を通じて知り合う2人が絆を深めていく様が微笑ましい。自分が好きなものを一緒に楽しめる相手がいるって素敵。そして試合のシーンがとても胸熱。
︎✿「夏のカレー」原田ひ香さん
男女が知り合ってから40年間のお話。結婚はやっぱりタイミングだなぁ。人生で全てを捨ててでも一緒にいたい相手に出会えることは幸せなことだと思う。
︎✿「恩讐の彼方のトマトサラダ」山田詠美さん
序盤から衝撃すぎる…!だって、真実なんだもん。(p.348)って…!失恋のお話なのに湿っぽくないのは山田さんのお人柄なんだろうな。