佐原ひかりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
両親に大事にされ、言われたことはきちんと守り、いい子で育った実日子。
1人になったとき、生活力がなく頼りなく、世間知らずで、周りからも30歳なのかと驚かれる状態。
それでも、知らなくて恥ずかしくても周りの人をちゃんと頼れるから、失敗してもなんとか乗り越えていく。行き当たりばったりなところはあるけれど、年齢や立場など関係なく、いろんな人と関わり仲良くなれる実日子はすごい。
子供の頃想像していた大人って、もっと落ち着いて冷静で頼りになるイメージだったけど、実際自分がその歳になると全然で少しへこむ。
この本を読んで、そんな自分も受け入れて、失敗を怖がらず、周りより出遅れていても気にしないで、新しいことに踏み出してみれば、その経験が自分の成長につながると感じた。 -
Posted by ブクログ
初めての佐原ひかりさん。
『あしながおじさん』をモーーレツに読みたくなった!!!
寄宿学校リデルハウスにはラヴと呼ばれる特別な生徒がいて、一般生徒と交わることはない。
ラヴは在学中に実現可能であればなんでも望みを叶えてもらえるギフトという権利を持つ。
個性豊かなラヴ達に一般生徒のアモニカや、教師、深夜だけ会える友人、幼なじみが関わり物語は紡がれる。
連作短編のかたちをとり、最後はリデルハウスの謎にせまる展開。
ミーシク、マミアンの話が良かった。
マミアンはノブレス・オブリージュを理解する良き貴族として名を残して欲しい笑
エピローグのアモニカの手紙。
「学校って生き物みたい、たくさんの子どもが入ってきて、たくさんの子どもが出ていく。同じだけど同じじゃない」
昔子どもで、今は学校に通う子どもを見守る親としてちょっと涙が出た。
舞台、設定、オマージュが合わさって楽しめる作品。
でも全部もっと深掘りして面白くなりそうな題材なのでちょっと物足りなさがあり。
-
Posted by ブクログ
佐原ひかりさんの作品を手にするのは4作目、最初に手にした「スターゲイザー」が私好みだったので、大きな期待を抱いていたんです。でもなぁ~私的には、う~ん…という感じ^^;
まず主人公の実日子のことが好きになれない…本当に30歳なのか??って思うほどに…それに、実日子の叔母がイヤだわ~。
作中で様々な出会いがあって、実日子も成長できるところはよかったと思います。というか、成長しなければならないでしょう!と、何だろうな…ウチの娘がこんな感じになっちゃったらヤバいよなぁ~とか思うと、そんなにやさしい目線で読めなかったというのが、本音のところだったりします。
「いい子は天国にいける。でも悪い子はどこにでもいける。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレうーん。「鳥と港」の活動は凄く魅力的で、私も手紙書いたり、文字を書くのが好きだから、すっごくやりたい!って思えた。でも、途中からどうしても主人公の勝手な感じ?言葉や行動で人を傷つける所がとてつもなく嫌で。気持ちが落ちて、読むのやめようかと思うくらいに。自覚、無自覚関係なく好きじゃないな、と。
あらすじからの想像とは少し違ったけど、文通とか手紙とか好きな事の話しだったから最後までは読めました。
手紙やカードを書いて送ったり、渡したり、楽しかった時間を思い出せたのもあるので、好きな人はいいかもしれない?
わたしも本の感想とか言い合える文通したい!! -
Posted by ブクログ
突然、両親を事故で亡くした実日子。実家暮らしで30歳になっても家事もまともに出来ないでいる。
そんな実日子が、訳あって遂に一人暮らしを決意。
引っ越してから出会った
隣人の大学生・サイトーくん
階下の声優・新田さん
お見合い相手の椎名さん
彼らと交流を深めながら少しずつ成長していく実日子が描かれていました。
交流が深まっていく展開が早くて驚いた。それもこれも実日子の世間知らずというか天然な強引さがなせる技なのか……。
戸惑い迷惑そうにしつつも「仕方ないなぁ」という空気を醸し出しているサイトーくんとの交流が微笑ましい。
お見合い相手の椎名さんに至っては、かなりお人好しで良い人だと思う。
作中で描かれていた世代を越えての交流や関係性は、良いなと感じました。
居場所や心の拠り所はいくつあってもいい。
個人的には、他作品と比べてちょっと物足りなかったかなぁ。でも、メモしたい言葉もあって、佐原さんらしい軽やかさと爽やかさを感じる作品。
実日子の成長と、新たな決意に希望を感じながら本を閉じました。
-
Posted by ブクログ
7名の若き作家たちのSNS系など令和の時代のアンソロジー。目玉は杉井さんだろうか。「世界でいちばん~」の続編?のような短編で唯一の書き下ろし。他は小説新潮で特集された作品と結城さんの「#真相を~」から1編。目玉の杉井さんが一番のキャリアというのがうむうむ、というところか。全体的にシニカルな作品が多くやはり令和を切り取ることになるとこういった作風が増えるのだろうか。その中で佐原さんの作品は純粋?な青春もので良かった。
浅倉秋成 かわうそをかぶる
Vチューバーを題材にした作品。一番怖かった作品かも。タイトルの良さと2重人格?のような造りがよかった。
大前粟生 まぶしさと悪意
文藝出身ながらエンタメに寄った印象。そうだよなぁ、という読後感が強い。あまり残らず。
新名 智 霊感インテグレーション
明らかに連作短編の1つだろうな、という作品。ホラーとミステリーの掛け合いは相性がいい。ただあまり怖くはない。
結城真一郎 ヤリモク
バカ売れした「#真相を~」からの作品。オチはすぐに分かるが何故そうするのか?というホワイダニットが面白い。
佐原ひかり あなたに見合う神さまを
もっとも青春らしい1編。佐原さんは奇妙な青春の1ページを切り取るのが上手い。推し活に勤しむ彼女はカッコよくタイプは違うが成瀬みたいな存在。ラストに爽やかな風が吹く。
石田夏穂 タイムシートを吹かせ
SFみたいな読み口。企業小説現代バージョンみたいな感じ。この作者は何作か読んだがものすごく硬い印象を受ける。何だがハードボイルドのようだ。
杉井 光 君がため春の野に
恐らく目玉に、と思って書かれた書き下ろし。まあまあな出来上がりかなと思う。実は暗号ミステリーでそれがタイトルにかかってくるのがミソ。但しこの暗号文は分からないぜ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作家7名によるアンソロジー。
カワウソの妖精・雨露ゆゆというVtuberと交際していると噂された音楽プロデューサー「うみの」が殺害された。ゆゆの活動を続けるべきか否か、視聴者の判断を仰ぐべく配信をすることに…浅倉秋成『かわうそをかぶる』。
動画配信アプリで一躍人気者になった女子高生。若手女性教師は彼女が動画を撮らなくなった訳を探ることに…大前粟生『まぶしさと悪意』。
霊能力者と相談者のマッチングアプリで「幽霊からプッシュ通知が届く」という不具合が起きている。案件を任されたアプリ開発会社の新人社員がアプリをインストールしたところ…新名智『霊感インテグレーション』。
年齢を偽り、マッチングアプリで出会った女性をお持ち帰りしようとする男性。彼が感じた違和感とは…結城真一郎『ヤリモク』。
クラスメイトの権藤さんはとあるダンス系ユーチューバーを推している。ランニング中に偶然権藤さんと遭遇して以来、早朝の公園のひとときを共有することに…佐原ひかり『あなたに見合う神さまを』。
3年前、現場一筋だった65歳の上司が本社に赴任して以来、「私」はタイムシートの労働時間を誤魔化している…石田夏穂『タイムシートを吹かせ』。
新人小説家の青年が会食に誘われた先で出会ったのは急逝したミステリ作家の妻。パスワードのわからない亡き夫の個人用SNSアカウントが死後も更新し続けられているというのだが…杉井光『君がため春の野に』。
いずれも少しこのご時世にありそうな話。意味は色々だけど、半分ぐらいはちょっと怖い感じがした。『あなたに見合う神さまを』の権藤さんの強さがしびれる。『君がため春の野に』は最後が少し不思議な話だった。『世界でいちばん透きとおった物語』のスピンオフらしいので本編も読んでみたいと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアイドル事務所でデビューを目指す練習生たちの物語。
人物紹介に出てくる子が順番に話の中心になる構成で、所属グループバラバラだけど?と思った謎は中盤辺りで繋がった。
私が推すとしたら多分加地透か三苫葵だろうかと思った。意外と若林優人の線もあるかもしれない。
最後の演出で6人のデビューを匂わす演出はデビュー前のアイドル推してる人には馴染み深いだろうなぁと思った。私はもっぱらグループコンでソロデビュー発表とか次の舞台発表とかで見たくらいの演出だけど。
本人がファンの反応見て喜ぶのも好きだけど、本人も知らず一緒に驚く場合もそれはそれでかなりいい時間になるだろうなぁと思う。
表紙のモデルは最初透だと思ったけど、若さまの線はあるだろうか?