あらすじ
ベストセラー待望の文庫化! 食べることに嫌悪を覚えている高校生・三橋唯。「食べること」と「人のつながり」はあまりに分かちがたく、孤独に自分を否定してきた唯が初めて居場所を見つけたのは吸血鬼の館だった。《解説・令丈ヒロ子》
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Posted by ブクログ
最初の方は、泉さんは達観していて掴みどころのない人で、全てを理解してくれる大人だと思っていたけどそれも主人公が「理解者である」と思い込んでいたから。
そうやって、相手に自分の理想を押し付けて、そこから外れたらそんなの貴方じゃない、ってなる気持ち、私も高校生の頃思っていたなぁ、、
人間ってなんだろう、どこまで条件が揃ったら人間なのかな?誰しも、周囲には理解されないようなことがあるよね。
唯だけじゃなくて、泉さんも自分をさらけ出して改めて互いに向き合うことが出来てよかった。
Posted by ブクログ
【人間】に擬態して生きてる部分、誰しもあるのではないかな。
心に刺さる言葉に付箋をしてたら、付箋だらけになった。この作家さんの本、もっと読みたい。
Posted by ブクログ
三橋唯/女性/子ども/扶養/食べられない
泉遥真/男性/おとな/自立/食べられない
全く違う人と人でもひとつ共通点があればつながることができる。
とても近しい人と人でもひとつ違えばまったく分かり合えない。
共通点だと思っていたものが実は全く別物のことがある。
違っていると思っていたものが実は分かり合えることがある。
分かることは同じということではない。
同じだということは分かることではない。
当たり前のことではあるけれど、忘れがちなこと。
それにしても、唐揚げから食欲を奪う文章の力よ。
Posted by ブクログ
初めて自分と同じような人間に出会えた気がする。
自分も食べることが好きではなくて、できれば食べずに生きていきたい。
食べることを幸せだと思ったこともない。
人との仲を保つために食事の場を用意することにも抵抗があって、ずっと「なぜ人との関わりを維持するために食べもののある場所を用意するのだろう」と思っていた。
でもお腹は空く。食べるしかない。そんな身体が嫌だ。かといって拒食症などの病気ではない。
ただの生きづらい身体。
唯の気持ちは半分わかる。
まったく一緒ではないけど、食べたくない気持ちは一緒。食べられないわけではないけど、食べたくない。
初めて「食べられるから幸せ」「食べられない人は不幸」という目も向けたくなかった認識と向き合えた気がする。
Posted by ブクログ
文庫版の令丈ヒロ子さんの解説も含めてとても読み応えのある作品でした。
「食事」や「食べ物」に関する作品は「幸せ」や「心の健やかさ」に繋がっていくものが多くて苦手だったのですが、この作品は「食事」という行為に悩まされる人達の心情に共感出来る部分もありました。
Posted by ブクログ
真面目なとこ、そのくせ割と嘘ついても平気なとこ、相手にわかってくれるって思っちゃうとこ 結構自分と重なって苦しくなった
ラストは感動 ボロ泣きした
Posted by ブクログ
他者を自分の中に取り込むのが気持ち悪くて
「食べる」とこが出来ない女の子が唯一心を落ち着かせる場所が町の外れにある「吸血鬼の館」と呼ばれる場所だった、、、
あらすじだけ読むとファンタジーかなと思って読み進めたのですが、読んでいく内に
ああそういう事なのか、、と。
周りと同じように生きられないことに対するジレンマや何とかそれでも「輪」から外れないように合わせようと葛藤しながらも孤独という生きづらさもすごくリアルに描かれていて、苦しくなりました。
それでも他者との交流の中で、互いの弱さや想いに気付いていく中で
徐々に自分自身とも向き合い、生きる希望に向かっていくラストは
本当に感動しました。
Posted by ブクログ
分かってくれると期待し、傷ついて
ならば相手を理解しようとし、傷つけて
この堂々巡りから生まれるのは、悲しみや諦めなのか。読んでいると、身に覚えのある痛みを感じた。
食べることが幸せは"私の"当たり前であることを忘れてはいけない...