鈴木大裕のレビュー一覧

  • 崩壊する日本の公教育

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    日本の教育現場を取り巻く息苦しさの正体が何かを様々な実例をもとに突き止めるとともに、これからの展望についての「光」を指し示してくれる一冊。

    この書籍では、2016年に出版された同氏の著書「崩壊するアメリカの公教育」の8年後である日本の教育現場のいまが描かれている。

    各章のタイトルは「『お客様を教育しなければならない』というジレンマ」や「人が人でなくなっていく教育現場」、「新自由主義時代の『富国強兵』教育と公教育の市場化」といった、読者をドキリとさせるものが多い。しかし、感情的ではなく教育研究者としての視点から、冷静に、実例を交えながら論を展開していく。

    学習指導要領の転換や全国学力テスト

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    2024年10月19日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    忖度か、同調圧力か、権力の逸脱か。最近、表現の自由が失われつつある風潮がある。26人の研究者、作家、芸術家、ジャーナリストが自由について考察し、声をあげる。

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    2021年11月03日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える

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    2021年07月28日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    26名による日本学術会議任命拒否問題に端を発した、自由への権力の介入に関しての論考集。息苦しさの正体にはさまざまな形での!自由を禁じようとする動きがあったことに改めて気がつく。
    それぞれの立場で見た自由への介入は、幅広いものがあり、私たちの生活がじょじょに狭められてきていることが分かる。
    誰かの問題なのではなく、自分の問題として、さまざまなやり口で介入しようとしてくる権力にはNOを突きつけたい。

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    2021年07月16日
  • 崩壊するアメリカの公教育 日本への警告

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    ネタバレ

    まだ読みかけ。
    アメリカの公教育の格差が大きいのは理解できるし、マックチャーターのような教育の画一化を批判する向きもわかる。
    しかし、元々の"Nation at Risk"のレポート('83)の背景にはアメリカの経済的な衰退と教育の質の低下があったのではなかろうか。日本も同じ、日教組に支配された質の低い教師へ批判がベースにあろう。
    国家は公教育への投資によって何を得るか、という根源的な問いに到達することを期待する。経済活動がそのまま戦争手段となっている今日、ひと握りの経済的エリートを国に惹きつけることすら難しい。国家とは、国民とはなんだろうか。
    【2章】
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    2018年08月18日
  • 崩壊するアメリカの公教育 日本への警告

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    無批判にPISA型学力を受け入れることが何を意味するのか。今まで考えたことの無い視点でした。それを前提とした学力論議はいったいどこへ向かうのか、考えさせられました。

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    2017年07月09日
  • 崩壊するアメリカの公教育 日本への警告

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    まさにアメリカがやって来たことをそっくりそのままやろうとしている日本。恐ろしい。国に不満を言ってもしょうがないから自分ができることを全力でやろうと思った。アメリカの公教育がここまで崩壊しているとは考えてもいなかった。日本よりひどい。

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    2017年02月03日
  • 崩壊するアメリカの公教育 日本への警告

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     日本の窮屈な教育に飽き足らずに、自分を発見するためにアメリカに留学した著者。そこで繰り広げられていた,個性を生かす教育と文字通り個性的な同級生たちの姿。著者は「これぞ,日本の教育の目指すべき道」と思っていたそうです。
     が,その一方で,新自由主義のもと,公教育の場がどんどん民営化されていき,「公」というものがなくなっていくアメリカの教育界。著者には,アメリカの教育界が「格差拡大再生産の場」であることが,見えてきます。自分が体験したのは,エリートを育てる私立校だったんです。それはアメリカでも特殊な教育環境であることに気づきます。
     新自由主義に犯され,何ごとも経済最優先で突き進んだ結果の社会が

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    2016年09月25日
  • 崩壊する日本の公教育

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    おそらく共産党シンパの先生の本。しかし、経歴がマジですごいです。もちろん中身も。ノーム・チョムスキーを引用して「人を支配する良い方法は枠を決めたうえでその中で活発に議論させること」と述べてて、なるほどなと。あと給特法って知らんかった。埼玉超勤訴訟とか、大学の教員としても学びがあったと思った。

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    2025年10月30日
  • 崩壊する日本の公教育

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    教育者必読でしょう。
    これからの教育はどこに向かっていけばいいのでしょうか。
    私学も常に問をたてて、学校のあり方を考える必要があります。

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    2025年08月08日
  • 崩壊する日本の公教育

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    教育がサービス化してしまっていることに警鐘を鳴らしている。現在の教育は、新自由主義、グローバル経済に対抗すべく、生徒の学力を伸ばすことを第一目標としている。そのためには成績という結果主義をすることで、教師の仕事をシンプル化、さらに警察などとの連携や外部委託化を増やすことでより教師の仕事を単純にしている。そしてこれは教師自体が部品化されていることを指している。

    学校をグローバル経済の人材工場としてしまっている。そしてこれがさらに格差を生んでいる。というのも、富裕層の住む地域は学業以外が伸ばせる環境が充実してきており、学業以外を得意とするベテラン教師もここに集中するようになっている。たいして、貧

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    2025年05月29日
  • 崩壊する日本の公教育

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    ・教育はサービス業
    ・お客様を教育しなければならない
    ・スタンダードという名の抑圧
    ・自由とは施されるものではない
    ・抑止力をなくした教師
    ・全国学テの行き過ぎた事前対策
    ・学校という場所で本当に学ぶべきものとは
    ・労働はもっと、魅力的であるべき

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    2025年03月28日
  • 崩壊する日本の公教育

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    はじめに
    びわ湖花火大会、ファーストクラス

    知ってはいたけど衝撃的な内容

    第1章「お客様を教育しなければならない」というジレンマ一新自由主義と教育

    「お客様」と化した生徒・保護者の要望に応えつつ、教育機関として生徒指導対応策授業や生徒指導のマニュアル化学校の「塾化」、教育の数値化・標準化・商品化 ビジネス界の侵略

    第2章 人が人でなくなっていく教育現場教員の働き方改革の矛盾

    旭川中2いじめ凍死事件
    新自由主義政府が推進する「学校における働き方改革」の矛盾
    第3章 新自由主義の「富国強兵」教育と公教育の市場化一政治による教育の「不当な支配」
    教育への政治介入:大阪の現状
    大阪市立木川南

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    2025年02月19日
  • 崩壊する日本の公教育

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    教育は大切である、これは誰しもが反対はしないであろう。教育には時間とお金がかかる。しかも、それが「正解」を導き出すかどうかわからない。ここ日本では、選挙や経済などの即時的なものに重きを置き、その日暮らしをしているようにしか見えない。ヒトが地球で存続していくためには、教育を真剣に考え、持続可能な社会にしていかねばならない。本書を読んで強くそう思った。
    包括的で、骨太な著者の考えであるが、自分の思いが強すぎ、それがなぜ正しいのか、またどのようにしていけばよいのかという記述がない点が残念であった。

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    2025年02月04日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    知らない論者も多いのだが,なかなか良い企画だったと思う。
    個人的に自由に最高の価値を置いているつもりなのだが,そもそも自由とは何か,きちんと考える必要がある。自由でないから自由という概念が必要となるという指摘はそのとおりだし,自由と秩序の関係も深める必要がある。
    学術会議の問題は解決されないまま世間からは忘れられてその動きは目的を達しようとしている。カネは出すけど口は出さないなんて器量をこの国に望むのはもう無理なのかもしれない。

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    2024年10月14日
  • 崩壊するアメリカの公教育 日本への警告

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    中身が非常に詰まった、示唆に富む一冊でした。
    教育残業に関わるものとして、アメリカの事例のような"答え"しか教えないような者になっていなかったか、自問自答しました。
    機会があれば生徒には答えのない問いに挑む力をつけることの大切さを説いていきたいです。

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    2024年05月07日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    今、私が自由だと思っているものは本当に自由なのだろうかと考えた。秩序はたしかに大事だけれど秩序以上に大事なものを蔑ろにしていないか。
    国は私を守ってくれるが同時に傷付けも見捨てもする。安易にぬるま湯に浸かっていることの危険性。
    これから先の時間を生きる人が傷付き見捨てられないように今を大事にしようと改めて感じた。

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    2024年01月29日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    ネタバレ

    今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
    そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
    それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。

    気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる

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    2022年11月14日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
    ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。

    例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。

    詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対

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    2022年08月01日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    「知る」ことで「知らない」では感じられなかった物事が立体的に色彩を持って立ち上がってくる。
    ニュースを見て感想を抱くだけといった姿勢では流れに逆らうことはできないが、思考し行動することは人を新たな場所へ連れて行ってくれる。
    本書では各分野の著名人が各々の視点から考えを述べており、他人の視点、思考、背景等を感じながら読み進められるという点で対話的な(厳密には違うが)一冊になっている。
    自由を重んじる立場の方々の考えに多く触れることができて心地良さすら覚えるが、逆に反論する立場の人の意見にも触れたい気持ちになった。

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    2022年06月01日