鈴木大裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカの教育が民営化されていくなか、従来の教育、ここでは公教育側からの視線で書かれた著書。著者も語ってる通り、アメリカでは教育を受ける権利が保証されていないことに驚いた。自由すぎるだろう・・・。
A案という案が実施され問題ができたら、B案が議論され実行され、C案になるというアメリカのダイナミズムを感じることができた。そして、日本では無理だろうなぁとも思う。
A案という案が実施され問題が出てくる。蓋をする。放置する。外圧がかかったらB案になる。日本のお家芸。ただし、どちらがどうかはその時点ではわからないんだけどね。
著者は、一環して公教育側から立場で語っていたので、民営化(新自由主義派)から -
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Posted by ブクログ
・アメリカで子供をprekに通わせている身として是非読んでおきたかった本。日本的な詰め込み教育しか自分は体験しておらず、その功罪どちらも実感するため、よく言われる自ら考え実践する力、チームワークで課題を解決していく力を養う上でアメリカ教育が参考になるのか知りたいもの。
・試験成績という画一的な観点だけで子供も教師も学校も評価されるようになっており、本来教育が提供すべきものが失われている、その試験至上主義は政府の政策による成績に応じた学校への予算配分+チャータースクールによる民営化促進による更なる効率化により構造的に組み込まれている、という点が要旨。自分は試験を受けること自体は必要だと思っていた -
Posted by ブクログ
ネタバレ教育に浸透していく市場原理。
新自由主義改革で加速した教育の合理化、標準化、サービス業化。
アメリカの公教育について書かれた前著に続き、日本の教育についても同じような傾向があることが強調されていました。
いろいろな順番で書かれているので、すこし頭を整理すると…
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アメリカ~
1983年、米国連邦教育省長官の諮問機関の報告書「危機に立つ国家」報告書。アメリカの世界での競争力を再度高めるために教育の改革が要され、新自由主義改革が教育の現場でも実行される契機に。
1990年、*教育*社会学者マイケル・アップルによる論文では、マルクスの論じた「構想と実行の分離」の状況が教育現場にも及 -
Posted by ブクログ
ネタバレ個人的には読みにくい本だった。
様々な概念や専門用語を分析の視点として用いているが、それらの用語の定義をまず示して欲しい。それから、その分析視点に立つとどのようなことが言えるのかを明瞭に示して欲しい。中には、そんな大層な概念をわざわざ持ち出さなくとも言えるのでは?と思ってしまうようなこともあった。
例えば、学校の「塾化」と述べているが、これは誰の言葉?自らの造語ならば、この定義とこの状況によって進行する自体をもう少し手厚く説明して欲しい。また第5章の冒頭でアップルの論文を引いているが、これは論文の要約なのか、あるいは論文の中の文章の抜き出しなのかがわからない。またその後に「構想と実行の分離 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルは少し誤解を生みそうだけど、今の日本の教育現場が終わってるって話ではなくて。現場で先生方は精一杯踏みとどまって質を維持しようと頑張っているけれど、政府の教育内容への介入もすごいし、システムや制度が自由化・市場化の方向で、このままじゃアメリカみたいになりそうだよー、やばいよー、っていう話。
アメリカの、新自由主義っていうのか。より良い教育を求めて選択の自由はあってもいいけど、ベースの公教育の質の確保はお願いしたい。
ていうか教育は、民営化しちゃいけない分野だよなー。農業、医療、国防とかもそうだろうけど。
政府の介入、道徳の教科化とか価値観の押し付け気持ち悪いなーくらいしか思ってなかっ