ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ妖艶な美女を奪い合い、長男ドミトリーと淫蕩な父親フョードルが激しくいがみ合う。
家族のことに無関心な次男イワンと心を痛める三男アレクセイ。
親子の確執は激しさを増し、悲劇は起こる。信仰や死、国家と教会、貧困、父子・兄弟関係など深遠なテーマを含む人間ドラマ。
現代の予言者ドストエフスキー生涯最後の作品を漫画化。
「父親殺し」がこの小説のメイン・イベントです。
殺される父親はフョードルといいまして、好色で性格のねじまがった老人です。
このフョードルには3人子供がいまして、彼は長男と金や娼婦・グルーシェニカをめぐって争っています。
このいざこざははもう、傍目でも見てられないくらい破廉恥なものでして、周囲の人の間では「いつかドミトリイ(長男)が親父を殺すのではないか」という噂が飛び交っているほど。
そしてついに、フョードルは殺されてしまいます。
状況証拠はすべてドミートリイが犯人だと差し示しますが、これといった決め手もない。
殺されたフョードルの次男・イワンと、末弟・アリョーシャはドミートリイの無実を証明するために奔走しますが、果たして……というのが大ざっぱなあらすじ。
大きなテーマとしては「倫理」でしょうか。特に「神様」の存亡にからめた倫理です。
父親殺しで長兄が逮捕される事になりますが、本人は犯行を否定し、父のフョードルと同居していた異母兄弟スメルジャコフが真犯人だと主張、スメルジャコフは犯行を匂わせる遺書を残して自殺
(第十一篇 第八において、スメルジャコフがイヴァンに、犯行を自白) -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中でマルメラードフという中年のおじさんが出てくる。彼は仕事をしない。家で酒を飲んでクダを巻くだけなので、代わりにまだ若い(幼い)娘が体を売り、それでどうにか弟妹を養っている。彼の妻は典型的なヒステリーで、侯爵家に生まれたという虚しい過去の栄光が精神の支え。
マルメラードフは仕事を得る。得るって言っても妻がなんとか斡旋してくれただけでこの人自身は何もしない。妻は大喜びでなけなしの金をはたき、新品のシャツ、きれいな靴、汚れてない帽子、そんなものを買ってきてくれる。弟妹にも久々に温かいスープなんかが出されて、さていよいよ初出勤という日、マルメラードフは職場にいかずに酒屋で飲んだくれ、当たり前だがクビになる。
結局このどうしようもないオヤジを主人公が家に連れて帰ってあげるわけだけど、激怒した妻が罵声とともに彼の体を打ち据える。そうすると、マルメラードフは叫ぶ。「これがうれしいんだ!」
罪に対しての罰は、人間を人間として扱うための手段であり、罪人に向けられる最後の優しさなのだと思う。このマルメラードフの述懐とエピソードが、「罪と罰」をミニチュア化した挿話であり、ここですでに言いたいことをほとんど言っちゃってるんじゃないかな、と思う。 -
Posted by ブクログ
ドストエフスキーにはいきなり「カラマーゾフの兄弟」から入った。光文社古典新訳文庫に亀山郁夫の新訳が出たばかりだったので手に取った。次に「罪と罰」を亀山氏が新訳を出すということだったが、私の希望に間に合わなかったので、こちらは江川卓訳で読んだ。
「白夜」はドストエフスキー初期の頃の作品らしいが、若い頃はこういう情緒的な作品も書いていたのだなと確認することができる作品であると思う。比較的短いのですぐに読み終えることができた。
登場する主人公はドストエフスキー本人なのだろうか。ナースチェンカの一言に一喜一憂する彼の心の浮き沈みが痛々しくもある。清純そうでありながら、若いくせに「あたしに恋をしないで」とあらかじめ釘をさすナースチェンカのしたたかさ。そしてあんなにも「私」に傾いていたナースチェンカの心が、いとも簡単に先の恋人に戻っていく薄情さ。呆気にとられる「私」は言葉にならない。百年くらい前のロシアならいかにもありそうな話かもしれない。
(ちなみに本作品とは直接関係はないが、亀山郁夫氏の訳を批判する向きがある。私は門外漢であるからその正否はわからないが、批判するからには亀山氏よりもロシア語に精通する人がこれほど大勢いたとは驚きであった。)