大前粟生のレビュー一覧

  • きみだからさびしい

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    あやめとの関係が話の主軸ではなく、圭吾の身の回りの多様な恋愛模様も厚めに描かれている。圭吾が1人キャンプにて病んでも永遠と答えが出ない感じ、リアルだなぁと思った。もう1人の彼氏が言ってた、さびしさの代わりに更に心を満たす方を選んだって言い分も妙に納得してしまうし、きみだからさびしい、って圭吾の気持ちも分かる。あやめのことも不思議と憎めない。全体的に良くも悪くも悶々とする内容。

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    2024年03月18日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    ぬいぐるみ好きなので気になっていた本。繊細で優しいMZ世代向けなのかなと感じます。所々共感できるし、自分もぬいサーがあったら入りたいと思うけどめちゃくちゃ響く所はなかったです。でもこういう雰囲気は割と好きてす。

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    2024年03月07日
  • チワワ・シンドローム

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    人の強さや弱さは何を持って判断するんだろう。

    著者の既読作品『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『きみだからさびしい』でも感じた孤独と生きづらさ。

    本作でもSNSに翻弄され人との関係性に葛藤する人達が登場する。

    主人公は大手人材サービス会社の人事部で働く田井中琴美。
    尊敬する親友の穂波実杏は「ミア」の名で活躍するインフルエンサー。
    親友とは言いながらも琴美はミアに庇護されているような存在だ。

    チワワを弱く可愛いものの象徴と捉えたエモーショナルな作品だが、チワワだって時に牙を剥く。

    読みながら自立の文字が何度も浮かんだ。

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    2024年02月26日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    タイトルが気になりすぎて買った本
    やさしいっていいことだけど、それで相手を傷つけてない?苦しめてないかな?人にやさしくするってことは自分にやさしくしたいんじゃない?っていう感じで繊細な人たちが生きづらいよ〜ってなってる話だった
    短編集で、最後の2つがこわかった。だいじょうぶのあいさつってタイトルなんだけど全然大丈夫じゃない。こわい。
    ぬいぐるみの話とのギャップがすごい。

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    2024年02月02日
  • チワワ・シンドローム

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    ネタバレ

    謎解き的な展開は今まで読んだ大前さん作品には無かった気がし、新鮮だった。

    内容は、ざっくり言うと共依存の話だと解釈した。
    そういう小説結構見るけど(『ノーマル・ピープル』等)、乗り越えた後のお話は読んだことがなく、この作品も例に漏れず。そういうお話も読んでみたい。

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    2024年01月28日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    ぬいぐるみと喋るぬいサー、なる「ぬいぐるみサーク」
    嫌な想いをぬいぐるみにだけ打ち明けるのは、仲間がいないというよりも、相手を傷つけなくないという優しさを持ちすぎてしまっているから。

    ぬいぐるみの歴史って意外と浅いけど、これだけ数が増えているのは社会から求められているからなんだろうなぁ。

    相手に踏み込まないでいられる。踏み込まれないでいられる。
    とか、
    心配されるのが嫌だった。人に迷惑をかけるから誰ともつながっていたくなかった。
    という表現が散見されるけど、

    これを優しいと捉えるのは難しい気がする。踏み込まない優しさと、踏み込む優しさ、前者は自分のための優しさで、後者は相手のための優しさ

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    2023年12月29日
  • 死んでいる私と、私みたいな人たちの声

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    面白い“ふわふわ”感のある文章だった。
    でも、得体のしれない感じがして気持ち悪くもあって、何言ってるかわからないのにそれでよしとして読み進められる感じもしていた。
    「わかる」ことに快感を覚えるタイプの人にはなんとも嫌な文章だろうとも思った。
    読み進めて行けば、あの“ふわふわ”した難解な感覚の理由と意味がわかる。

    これからはなんでもないのに誰かに見られているような気になったとき、少し「こわい」という感覚を抑えられるかもしれない。
    それは“窓子”かもしれないから。
    窓子が自分の味方であってくれるように祈る。

    最後に気づいたけど、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』の著者だった。
    「私と窓子は覚

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    2023年11月29日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    共感する自分にすこし怖くなった。
    白城の考えと行動、こうやって本で知れるから人の見方が変わったりもする
    もう人を傷つけたくないって考えるほど、自分は今までどれだけ大切な人を傷つけてきたんだろうって苦しくなる。
    優しい臆病。
    ずっと不安なんだよね。

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    2023年11月28日
  • きみだからさびしい

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    軽いけど、それなりに重みがあったきがした。携帯小説とかよりは読み応えがある感じ。
    誰かにとって誰かは魅力的なんだろうな。と思った。
    部屋の整理するかあ〜。

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    2023年11月14日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    ほんとうの「やさしさ」とは何かを考えさせられる作品でした。
    誰かの辛さに寄り添おうとしたつもりが、相手をさらに傷つけてしまうことにもなりうる。
    誰かに相談することも、その相手をも辛い気持ちにさせてしまうかもしれない。
    被害者になるのも加害者になるのも紙一重なのだと痛感しました。

    個人的には「バスタオルの映像」の主人公に一番共感しました。子供の頃からお笑い番組が嫌いだったり、本気で嫌だと怒ったことをずっと面白がってくる元恋人を振ったり、モラルが合わない人といる苦しさをずっと感じてきたから。
    しかし、同時に主人公の恋人のように、親密な相手を他者と認められずに自分と同化させようとした過去もあり、「

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    2023年11月11日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    つらい、と感じたことを誰かに話したいけど、
    誰かに話したら相手が辛くなってしまうかも
    だからぬいぐるみにしゃべってみた、人たちの話。

    語り手は主人公の七森かと思ったけど
    麦戸ちゃんの気持ちにもなるし
    白城の気持ちにもなる。
    あくまで七森は〜的な表現だから第三者が語り手?
    (読みづらくはない、伊坂さんな感じではない)

    つらそうな人を見たり(痴漢にあってるのを見た)
    つらかった話を聞いたり(↑の話を聞いた)
    それだけで辛くなってしまう人たちの話。
    だから多分想像力が豊かで
    感情移入もすごいんだと思う、、
    けどそれがゆえ相手の気持ちをすごく考えられる
    けどそれがゆえ自分はすごく疲れてしまう
    相手

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    2023年12月03日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    僕もみんなみたいに恋愛を楽しめたらいいのに。大学2年生の七森は“男らしさ”“女らしさ”のノリが苦手。こわがらせず、侵害せず、誰かと繫がれるのかな? 鋭敏な感性が光る小説4篇を収録。

    理解するには年を取りすぎたかもしれない…。

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    2023年07月16日
  • きみだからさびしい

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    恋愛が分からないので恋をするって本当に大変だなあ、なんて他人事みたいに読んでたけど(この小説で言うと恋愛関係が前提となるが)大事な人と対等でありたいとか、そういう葛藤はわかる気がする。

    好きという気持ちだけでは生きていけない。
    分かってはいるけど。
    主人公の自問自答は『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』でもあって、そこがこの作者の良さだと私は思うので今回も沢山悩んでいたところが良かった。
    悩んで悩んで悩み抜いて、導き出す答えがそれで良かった。

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    2023年07月09日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    映画にすごく心動かされ小説も手に取る。
    表題作の「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」はなんだかすごく不思議な文章の中にいた気がする。主人公は主人公で、その行動主だが、主語に「自分」と「七森」とが介在していて、(「麦戸ちゃん」って主語なんかもある)自らが自らをすごく俯瞰しているような、でもその登場人物に対する七森の感覚も感じる。そして思っていることをそのまま連ねているような、七森の脳内の言葉を全部聴いている感覚、でもそれはわたしもだよ、わたしの脳内みたいだったずっと。映画より深い七森を見た。



    表題作以外の3作、特に後2作は、もう読めない、くらい苦しかった。でもそれぞれの主人公の心情全部やさ

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    2023年07月09日
  • おもろい以外いらんねん

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    稼げる笑いと理想の笑いと言えばイイのかわからないけど、それらの間で葛藤する姿がストレートに描かれている。笑いのことはよく分からないけど、クリエイティブな活動をする人たちには、理想を求めてこんなふうに悩んだりするのかな、と思いながら読み進めた。最後の最後、主人公を中心とする3人が語り合うシーンはとても良かった。「風景のなかには未来があって、もうやってきてんねん。」という言葉が印象深かった。

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    2023年06月09日
  • きみだからさびしい

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    いまだなあ、という感想。
    多様な恋愛の価値観が描かれるけど、その当事者でなくマジョリティ側の人間は、心で腑に落ちなくても、頭で理解できているかのように自分を騙すことがある。その逡巡をいったりきたり、全力疾走したりじっとしたり。ラストの選択を祝福したい。

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    2023年02月22日
  • きみだからさびしい

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    ネタバレ

    自分が対等に恋愛したい相手と恋愛の価値観が異なった時、自分の性愛はエゴになりうるんじゃないのかっていう悶々とした葛藤を抱える圭吾に、わかる、わかるよわかるんだけどさーってなることが多くてこっちもむずむずした。誰かに対して独り占めしたいとか相手も自分のことだけ見ていてほしいと思ったことないから共感できるところは少なかったんだけど、好きな人が傷つくのは嫌なのに、ましてや自分の気持ちで傷つけるとかあってはいけないっていう感情とか、男とか女とかっていう分類じゃなくてあやめさんと僕っていう独立したものになりたいっていうのはなんとなくだけどわかるかなー、挿れる側と挿れられる側の構図が気持ち悪いみたいな場面

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    2023年02月20日
  • きみだからさびしい

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    『すき』と『さびしい』が溢れてる。

    主人公は京都市内の観光ホテルで働く24歳の町枝圭吾。
    二条城の周囲をランニング中に出逢った窪塚あやめに恋をする。

    意を決し想いを告げた圭吾だが返って来た返事は「わたし、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」

    うーん、これは切ない。
    昨今、多様性が謳われLGBTの認知度も上がって来たとはいえ、複数の人とオープンな恋愛関係を持つポリアモリーには私自身抵抗がある。

    あやめと付き合い幸せを願いながらも、嫉妬や独占欲に悶える主人公の想いに共感する。

    シンプルな言葉で紡がれたピュアな恋愛小説。

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    2023年02月18日
  • きみだからさびしい

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    ネタバレ

    自分が圭吾的な立場になったことからこの本を手に取りました。
    読後違和感が拭えず2回読みました。
    で、思ったのは
    ポリ側の人の交際がとても軽く描かれてること
    あやめに至っては、圭吾から想われてることを知っていながら自分はポリアモリーかもと、アプリに登録して会ってみて、波長があったからと付き合って…そしてそのハスモトの彼女に妬いたり…
    ハスモトは、圭吾にポリアモリーの恋愛について語るけど、ハスモトも出会いは軽くて。すぐ好きになっちゃうって。

    で、体の関係も結ぶまではあんなに線密に描かれてたのに、一回したらセックス漬けみたいになって…

    ポリ側の人が軽く描かれすぎてて誤解を招くかなと思いました

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    2023年02月06日
  • きみだからさびしい

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    ホテルマンの圭吾。
    好きになったのは、ポリアモリーのあやめさん。

    対等でありたい。
    でも、好きな気持ちは募るばかり。

    恋愛はグラデーション。正解の形はない。
    だから苦しい。

    〝自分に合った恋愛をするために必要なさみしさ〟という大人な考え方が未だにできないお子様な私。しあわせ、と思えたひと時を抱きしめて生きていけたら。

    ゲイの金井くんが可愛くてちょっと切ない。

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    2023年01月19日