大前粟生のレビュー一覧

  • 物語じゃないただの傷

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    ただの傷を語る場面はやっぱり痛くて、日常でもなんでもないある出来事で、その傷に物語をつけたくなくて否定してしまおうと蓋をしてきたことが、男性にもあるのだなと思えたし、男性のキャラクターが「あれは被害だったのか?」という葛藤をこういうふうに語ることで巷のジェンダー論に広がりがうまれるような気がした。

    小説としてはもっと愛染の言論や行動などを描いてキャラクターに深みを持たせてほしかったし、セリフで展開しまくるのでそりゃ主人公もずっと混乱してしまうよな、と思う。でも書きたいことは伝わってきたし、いい小説を読めたと満足を感じる。

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    2025年05月28日
  • 物語じゃないただの傷

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    男たちの話。風変わりな友情の話。
    世の中の薄っぺらな部分を風刺していると思う。
    大前さんの感性が好きだ。

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    2025年05月28日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    SNSにうっすら蔓延る嘘をテーマにしたアンソロ。お気に入りは、炎上したVtuberの浅倉秋成「かわうそをかぶる」と、本当にホラーが起こるアプリの新名智「霊感インテグレーション」。石田夏穂「タイムシートを吹かせ」はらしさが凄い。これ絶対将来的読み直したい。

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    2025年05月04日
  • かもめジムの恋愛

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    読みやすく、気がつけば読み終わっていました。
    いろんな愛に溢れている物語。登場人物みんな良く、程よい距離感でみんなの恋愛模様を観させてもらいました。
    ありがとう!

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    2025年04月30日
  • おもろい以外いらんねん

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    純文学になる??
    そうなら純文学を敷居高いと思っている人にもオススメ。
    個人的にも敷居高いと思ってたけど、青春小説を読む感覚で楽しめたよ。

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    2025年04月27日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    自分が言葉にできない生きる苦しみが言語化されていて感動した。七森みたいな生きづらさを抱えてる人はどれくらいいるんだろう。

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    2025年04月11日
  • 物語じゃないただの傷

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    多様性、フェミニズム、口当たりのいいことを語って「稼ぐ」ことに疲れていた男性と、弱者男性が出会って交流することで少し癒される話。
    著者の方は自分の加害性にものすごく怯えてる人なのかな、といつも思う。

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    2025年03月23日
  • かもめジムの恋愛

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    よかった。
    あったかくてやさしい小説っていいね。

    トランプさん勝っちゃうし、愛媛のジンベエザメは死んじゃうしで、少し落ち込んで寒々とした気持ちをあたためてくれた。多謝。

    かもめジム、という高齢者の憩いの場になっているジムがメイン。
    女子高校生バイトの柏夢はジム利用者のおじいさん、西原さんから恋愛相談を受ける。
    西原さんは同じかもめジム利用者のアラフォーの三田園さんという男性会員が好きだという。
    柏夢にも同じ高校に好きな男子がいて、ふたりは恋バナをする仲に───。

    多主人公、多視点の連作短編集。
    クセはあるけどやさしくて「いい奴」が多く登場する。

    恋愛小説は読んだあとふわふわするな。

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    2024年11月07日
  • かもめジムの恋愛

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    登場人物全員の恋愛を応援したくなる本だったし、恋愛って甘酸っぱくていいなと改めて感じた。
    前に「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」を読んで、大前粟生さんは心に問いかけてくるような重めの物語を描く人というイメージがあったので、かもめジムの恋愛のようにどこか切ないけれどキュンとする恋愛物語も描くことを知って、物語の幅の広さにびっくりした。

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    2024年10月21日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのか?
    私には分かりません。
    自分の気持ちを隠すのが他人への愛なら優しいけど、単に自分が否定されたくないからだとしたら優しさっていうよりはただの盾なんじゃないですかね?
    あくまでも「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」というフレーズはぬいサー創設者の言葉であり、語り手の言葉ではないから賛否両論だろうな。

    「繊細で色々考えすぎちゃう」のはZ世代あるあるだけど、それは臆病なだけだとも私は思うんですよね。
    ぬいぐるみではなく、七森にしゃべった麦戸ちゃんの方が優しい気がします。
    かといって必ずしも他人に話したほうが優しいとは限らずケースバイケースだよなぁ。麦戸ちゃんに優

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    2024年10月20日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    繊細な人、色んなタイプのやさしいひとのおはなし。生きづらさと人への思いやり、圧倒的な想像力、人それぞれを尊重した考えに纏め上がっている。

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    2024年10月19日
  • かもめジムの恋愛

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    「かもめジムの恋愛」
    「大人っていつからなるんだろう」
    「寂しさで満たされて」
    「恋なんて、この世にあっていいものなのか?」
    「また明日ね」
    高齢者達が集う、かもめジムを舞台にした5話収録の連作短編集。

    大前粟生さんの作品は軽やかだ。
    本作も恋と友情をテーマに流れるように展開していく。

    けれど、行間からほんの少し滲み出る寂しさ。
    それがとても魅力的。

    不器用な登場人物達に自分を重ね、共感したり切なくなったりしながら、一期一会を大切にしようと思えた。

    年齢や性別に関係なく、人が人を想う真っ直ぐな気持ちに愛おしさが込み上げる一冊。

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    2024年10月12日
  • きみだからさびしい

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    生きていてくれるだけで良くて、自分の中にきみがいるなあと自覚できればそれでいい
    裏を返せばもはや諦めにも近いような

    恋と性欲を混同したくない圭吾の考え
    どこまでが恋でその他の感情の名前はなんだろうって確かに思う。金井くんも言っていた「好きって気持ちは一方的で気持ち悪いもんでしょ」という台詞、これを私も自戒する

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    2025年02月20日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    今時のネット社会がテーマの短編集。

    七人の若手作家達が書いているのだけど、その中に若手ではないが^^自分の推し作家である杉井さんが入っていたのでそれを目当てに読み出したのだけど他の作家さんのお話も面白かった。

    題材的にはVtuber、tiktok、マッチングアプリ、押し活などいかにもなもので、内容的にはミステリあり青春ものありサスペンス調のお話ありとバラエティがあって、なかなか面白かった。

    個人的にはtiktok絡みの青春ものが読後感が良くて好き。

    杉井さんのお話は「世界でいちばん透き通った物語」の後日談なのだけど改めて霧子さんがホームズで燈真くんがワトソンなのだなと納得した。

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    2024年09月04日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    この現代に潜むゾクゾク感がたまらない!
    SNSはやっぱり恐くて、でもこんなに温かいものだったなんて、今まで知らなかったなぁ。

    特に好きな話は、
    自分の娘がパパ活?をしている可能性があり、それを止めるべく取る父の行動に鳥肌が止まらない、結城真一郎「ヤリモク」。
    YouTubeの配信に熱を注ぐ変人な同級生を裏で支える主人公。果たして彼女たちの行く末はー。佐原ひかり「あなたに見合う神様を」。
    PCを使えない上司の指導係になり、不満を募らせる女性。その女性はその腹いせにその上司の管理下にあるタイムカードの数字をいじり、自分の残業時間をいじるというゲームを行っていた。最後の彼女の言動にに思わず胸を打た

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    2024年08月19日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    SNSが題材なだけあって「ありそう…」と怖さとふむふむが混同した読後感。

    笑ってよいのか怖がった方がよいのか…。
    さまざまな切り口のアンソロジーならではの楽しさもありました。

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    2024年06月17日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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     個人的なことを聞いたり話したりするのを避けちゃうのすごく共感できた。踏み込んだ話をしないと仲良くなれないのに、なかなかそういう話ってできない。恋愛興味なさそうな人に恋愛のこと聞けないし、28歳実家暮らしの先輩に1人暮らしの話できない。
     学校や仕事に行かなくなるほど繊細ではないけれど七森に共感できることはたくさんあった。
     僕の周りに七森みたいな人いないから友達になりたいなぁ。でもそれは同じような人をみつけて自分が楽になりたいだけなのかなぁ。

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    2024年06月11日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    あぁ…繊細な自分が戻ってきてしまう…と思った。
    言葉選びとか、面白い。
    うぅーとなる苦しい場面が多いんだけど、それでも優しく終わってくれて救われる。
    とても好きだった。

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    2024年05月30日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    画面の
    向こうに
    隠された

    秘密と嘘
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    仕事帰りの書店で見つけて購入しました。
    「世界でいちばん透きとおった物語」のスピンオフがあるということで。

    7作品中、6作品が平成生まれの作家さん。
    時代感じます。笑
    昭和生まれの私…おののきました。笑

    「かわうそをかぶる/朝倉秋成」
    人気VTuberへ楽曲を提供していた音楽クリエイターが殺された。
    犯人は、VTuberの熱心なファン。
    自分はあてがわれた役を演じてるだけなのか。

    「まぶしさと悪意/大前粟生」
    Tipshotというショート動画SN

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    2024年05月06日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    ⚫︎感想
    エンタメの短編集。全体を通して面白かった。
    石田夏穂さんの作品全部読みたい!という動機で読んだため、最初に読んだのは石田さんの「タイムシートを吹かせ」。石田ワールド全開、しかもちょっといい話で終わっていて良かった。レジェンドはレジェンドたる歴史を持っていた。
    「かわうそをかぶる」浅倉秋成さん。「六人の嘘つきな大学生」以来。若者を描くのが上手いんだな〜と思ったし、今作は女の子のVtuberが主人公なので器用さを感じた。本音と建前と本当の自分ってどこ?…怖くて、でも、こんな世界もあるのかなぁと思える、漫画みたいに画像が浮かんでくる作品だった。
    「まぶしさと悪意」大前粟生さん。TikTok

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    2024年05月14日