大前粟生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
よかった。
あったかくてやさしい小説っていいね。
トランプさん勝っちゃうし、愛媛のジンベエザメは死んじゃうしで、少し落ち込んで寒々とした気持ちをあたためてくれた。多謝。
かもめジム、という高齢者の憩いの場になっているジムがメイン。
女子高校生バイトの柏夢はジム利用者のおじいさん、西原さんから恋愛相談を受ける。
西原さんは同じかもめジム利用者のアラフォーの三田園さんという男性会員が好きだという。
柏夢にも同じ高校に好きな男子がいて、ふたりは恋バナをする仲に───。
多主人公、多視点の連作短編集。
クセはあるけどやさしくて「いい奴」が多く登場する。
恋愛小説は読んだあとふわふわするな。
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Posted by ブクログ
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのか?
私には分かりません。
自分の気持ちを隠すのが他人への愛なら優しいけど、単に自分が否定されたくないからだとしたら優しさっていうよりはただの盾なんじゃないですかね?
あくまでも「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」というフレーズはぬいサー創設者の言葉であり、語り手の言葉ではないから賛否両論だろうな。
「繊細で色々考えすぎちゃう」のはZ世代あるあるだけど、それは臆病なだけだとも私は思うんですよね。
ぬいぐるみではなく、七森にしゃべった麦戸ちゃんの方が優しい気がします。
かといって必ずしも他人に話したほうが優しいとは限らずケースバイケースだよなぁ。麦戸ちゃんに優 -
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ネタバレ今時のネット社会がテーマの短編集。
七人の若手作家達が書いているのだけど、その中に若手ではないが^^自分の推し作家である杉井さんが入っていたのでそれを目当てに読み出したのだけど他の作家さんのお話も面白かった。
題材的にはVtuber、tiktok、マッチングアプリ、押し活などいかにもなもので、内容的にはミステリあり青春ものありサスペンス調のお話ありとバラエティがあって、なかなか面白かった。
個人的にはtiktok絡みの青春ものが読後感が良くて好き。
杉井さんのお話は「世界でいちばん透き通った物語」の後日談なのだけど改めて霧子さんがホームズで燈真くんがワトソンなのだなと納得した。 -
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ネタバレこの現代に潜むゾクゾク感がたまらない!
SNSはやっぱり恐くて、でもこんなに温かいものだったなんて、今まで知らなかったなぁ。
特に好きな話は、
自分の娘がパパ活?をしている可能性があり、それを止めるべく取る父の行動に鳥肌が止まらない、結城真一郎「ヤリモク」。
YouTubeの配信に熱を注ぐ変人な同級生を裏で支える主人公。果たして彼女たちの行く末はー。佐原ひかり「あなたに見合う神様を」。
PCを使えない上司の指導係になり、不満を募らせる女性。その女性はその腹いせにその上司の管理下にあるタイムカードの数字をいじり、自分の残業時間をいじるというゲームを行っていた。最後の彼女の言動にに思わず胸を打た -
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画面の
向こうに
隠された
秘密と嘘
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仕事帰りの書店で見つけて購入しました。
「世界でいちばん透きとおった物語」のスピンオフがあるということで。
7作品中、6作品が平成生まれの作家さん。
時代感じます。笑
昭和生まれの私…おののきました。笑
「かわうそをかぶる/朝倉秋成」
人気VTuberへ楽曲を提供していた音楽クリエイターが殺された。
犯人は、VTuberの熱心なファン。
自分はあてがわれた役を演じてるだけなのか。
「まぶしさと悪意/大前粟生」
Tipshotというショート動画SN -
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ネタバレ⚫︎感想
エンタメの短編集。全体を通して面白かった。
石田夏穂さんの作品全部読みたい!という動機で読んだため、最初に読んだのは石田さんの「タイムシートを吹かせ」。石田ワールド全開、しかもちょっといい話で終わっていて良かった。レジェンドはレジェンドたる歴史を持っていた。
「かわうそをかぶる」浅倉秋成さん。「六人の嘘つきな大学生」以来。若者を描くのが上手いんだな〜と思ったし、今作は女の子のVtuberが主人公なので器用さを感じた。本音と建前と本当の自分ってどこ?…怖くて、でも、こんな世界もあるのかなぁと思える、漫画みたいに画像が浮かんでくる作品だった。
「まぶしさと悪意」大前粟生さん。TikTok