大前粟生のレビュー一覧

  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    7人の作家のアンソロジー小説。
    VTuber、TikTok、位置情報を利用したアプリ、マッチングアプリ、YouTuber、Teams、故人のSNSアカウント・仮想通貨口座を題材にしており、令和の時代を感じる。

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    2024年04月15日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    みんなが優しい世界。
    恋愛のあり方って、=性欲、独占欲、自己満足とかに繋がってることが当たり前になっていて、正直そんな世の中に戸惑いを最近感じてた。だけど、「私がすてきな私」、「すてきさが200%300%になることができる」人と出会うことができたなら、恋愛って形にわざわざ持っていかなくてもいい、自分の心の中で、あぁなんか、この人のこと好きだな。これからも一緒に居たいな。って気持ちを大切にして、その人に優しくすればいい。

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    2024年03月29日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    浅倉秋成さん  かわうそをかぶる

    人気音楽クリエイターが殺された。その犯行動機は『VTuberを守るため』だった。主人公の女性に共感できる部分も沢山あり親近感が湧いた。 
    最後の展開に驚き、見返す面白さがあった。

    大前栗生さん  まぶしさと悪魔 
    動画がバズり、カリスマとなった女子高生の海荷は神と呼ばれ学校外からも人気があった。
    しかしそんな海荷がいきなり動画を撮るのをやめてしまった。やめた理由を問うために教師が動いた。動画の中のキャラづくりや誹謗中傷に疲れたためであった。しかしその原因を作った人が意外な人であった。

    新名智さん   霊感インテグレーション
    「幽霊からプッシュ通知が届く」

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    2024年03月23日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    注目作家のアンソロジー作品

    SNS、Vtuber、SNSによるバズり、マッチングアプリ、若手社員と再雇用者のネットリテラシーの差異
    今の自分達にとっては馴染み深いテーマでとても読みやすい作品だった
    もちろんアンソロジー作品なので好き嫌いは多少なりとも出てしまった。

    かわうそをかぶる
     どうしてこれほど心が壊れた少女を描けるのか読んでいて不思議な気持ちになる
     物語の展開がとても綺麗で短編と思えない読み応えがある
     ラストで伏線回収があるのもなんとも秋山先生らしい

    ヤリモク
     40代男性のマッチングアプリ事情
     妻子持ちの彼がやっている理由とは…
     こちらも伏線回収ものだが、一番個人的には

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    2024年03月22日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    嘘がテーマのアンソロジーであり、各作品で何が嘘に当たるのか?を考えながら面白く読めた。1つ目の『カワウソをかぶる』がインパクト強すぎる。あーこっちの人やったんかい!ただのASD(解離はあるかも?)かと思わせといて自分が気持ち良くなるためならどんな事でもやっちゃうサイコパス人格の居る解離性障害やったんかい!が痛快で(書き方が上手くてミスリードさせるからズルい!)、思わず最後の数ページを何度も読み返した。途中何度もあれ?って思わせつつ上手く気付かせないようにするのが作者の狙い通りやとすると凄いなと。その次の話がなんか面白くなくて途中やめそうになったけど、『ヤリモク』が途中早めにネタバレしたけど面白

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    2024年03月17日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    短編集。
    自分の言葉が誰かを傷つけるかもしれないから、人じゃなくてぬいぐるみに心のうちを話す。そんなサークルあったらいいな、と思いました。
    自分が話しかけるとしたら、ぬいぐるみは持ってないからマグカップとかかな。

    最終話の『だいじょうぶのあいさつ』は村田沙耶香さんみたい。

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    2024年03月12日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    初めてのアンソロジー。豪華なメンツですよね!
    石田夏穂さん、佐原ひかりさんの作品が好みだった。
    特に石田夏穂さんの作品は面白くて、くすくす笑いながら読んだ。ベテラン社員のことをレジェンドと密かに呼んでいる時点でツボ。あと、IT介護スタッフとかね笑 やはり石田夏穂さん大好きだ!

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    2024年03月11日
  • 死んでいる私と、私みたいな人たちの声

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    世にも珍しい二人称視点の小説。
    そして二人称視点である意味が読んでいるうちにわかってくるのが面白かった。(ネタバレになるので書きません)

    内容説明に「怒りの幽霊ヒーロー小説」と書いてあるけど、この説明はちょっとおかしいというか、売り方を間違えてると思う。

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    2024年03月03日
  • チワワ・シンドローム

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    これだけたくさん「チワワ」と出てくる本を読んだのは初めてです。

    チワワのピンバッジか、かわいい! と思いつつ読み進めたら、けっこう怖い話でした。
    人の心を手玉にとるあの人が怖いです。
    これはヒトコワミステリーですね。

    弱さを出せば嫌われずにすむ。弱ければ可愛がられて守ってもらえる。確かになあ、と思いました。

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    2024年02月23日
  • おもろい以外いらんねん

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    芸人さんの不安、人間味のある部分の描写について、自分が当事者だと思ったら、本当に恐いと思った。

    2人の漫才より3人の漫才の方が面白かったのが、素敵だった。

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    2024年02月21日
  • チワワ・シンドローム

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    不特定多数の人にチワワのピンバッジがつけられた。一体誰が、どんな目的で?
    そしてそのバッジが話題になる頃、琴美と良い感じにお付き合いしていた男性が突如姿を消す。彼とチワワバッジは関係があるのか?
    謎を追いかけていく過程で、更に世論の動きがあり、先が気になって一気読みした。

    「弱くて誰かに守られる存在でいたい」
    「誰かに心配されると安心する」
    そんな風に考える人は、きっと多いと思う。
    でも主人公の琴美は、そうして守ってくれる親友のリリに依存することに怖さを感じ始める。

    人間は、守ってくれる存在や、励ましてくれる人に依存しがちである。もちろんその人たちに悪気はないし、心の支えがあることは大事。

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    2024年01月04日
  • きみだからさびしい

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    大前粟生さんは読みやすくてサクサク読めました!ただ、ポリアモリーという言葉を初めて聞いて、???になってしまった。ただ、多様性って言われてる世の中だし色んな人がいるよなーと思って読み進めました。周りの人がどう思おうと本人たちが納得できていればいいのでは?と思うけど、本人たちも納得した上での葛藤があるのかなと思ってみたりしました。

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    2023年12月31日
  • おもろい以外いらんねん

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    壊れて、壊して、再構築。形を変えながらただただおもろいをつくっていく。
    長い青春の疾走感が心地よい!

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    2023年09月12日
  • きみだからさびしい

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    ネタバレ

    「多様性」ブームへのアンチテーゼとして(そんな意図ではないとは思うが)、性別とか立場とかの枠組を関係なしに、一人一人ときちんと向き合って大切にしようとするところに好感がもてた。心のあり様の一面としての恋愛の話。すとんと素直に共感して、なんだか若返った気がする。

    読んでいる途中でうっかりこの本の紹介文を見てしまい、けっこうなネタバレをくらったのはショックだった。。

    視点人物がシームレスに変わっていくのが新鮮だった。緩やかにそこにある愛のようだと思った。

    以前読んだ『ブラザーズブラジャー』の装画と同じ方の表紙だったので、思わず手に取って読んでみた。よい出会いだった。

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    2023年07月27日
  • 死んでいる私と、私みたいな人たちの声

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    男版の『女が死ぬ』じゃんと思ったあとに男版ならそれはただの男が死ぬでは??と気づくなど。
    語り手の人称があっちこっちな訳が分かった途端にちょっとひって声が出た。

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    2023年06月27日
  • おもろい以外いらんねん

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    関西弁小説が好きなのですんなり読めた。

    ハッピーエンド。

    ツッコミというものが普通から外れたものを否定するという前提で成り立ってるから、その普通があやふやになってる現代、普通なんてほんとはないという当たり前に気づき始めた時代だから、ツッコミという文化のアップデートが必要なのかもしれない。

    見てられないっていうベテランの芸人も増えたけど、最近のM1を見てるとお笑いってどんどんどんどん旧形態の笑いが削ぎ落とされておもしろくなってる。これからのお笑いに期待しかない。

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    2023年04月19日
  • おもろい以外いらんねん

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    文章に漫才のネタゾーンがあるので、すごく読みやすいです。高校からコンビを組んで、売れて、悩んで…、きっと世の漫才師さんは同じような気持ちを感じて、売れたいと思いつつ、売れると自分たちのネタをする時間が無くなり、かといって売れないと発表する場もない。そんな芸人さんたちの世界を垣間見た気持ちになりました。気持ちがぶつかり合うシーンもあり、タイトルのおもろい以外いらんねん、の意味も理解出来ます。実はおもろいってかなり難しいんだな、と思いました。

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    2023年04月15日
  • おもろい以外いらんねん

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    笑いの境界線って、プライバシーとか社会とかの影響でだいぶ変わってくるんだよな、しかも顕在化しないから分からないんだよなと思います。んで、その笑いの本質から外れたものは、後になっていろんな人の目につくところで反復されて批判されるものと化することがある。いわゆる炎上というもので。結局日本人は足並み揃えて進んでいくことしか出来なくて、そこから遅れた人や速い人をみんなで指さして笑うことが多いなと思います、いい意味でも悪い意味でもね。

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    2023年03月26日
  • きみだからさびしい

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    テーマが好き。ポリアモリーや恋愛の複雑さ、対等ってどういうこと?などについて。
    掴みどころのない、共感しにくい?気持ちも多く書かれているので、人によってはもしかしたら「なんかかよくわからなかった」で終わってしまいそう。

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    2022年12月30日
  • おもろい以外いらんねん

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    そんな大袈裟な、というようなパーソナルな部分を描きすぎず仄暗いしておくことで飛躍時の虚構感に奥行きが出て、人物像に深みがあった。内容もなんとなく知ってる芸人さんのソレで、結末はずーーーっとそれ思ってた!というものでカタルシスがあった。

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    2022年11月09日