大前粟生のレビュー一覧

  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    「かわうそをかぶる/浅倉秋成」
    「まぶしさと悪意/大前粟生」
    「霊感インテグレーション/新名智」
    「ヤリモク/結城真一郎」
    「あなたに見合う神さまを/佐原ひかり」
    「タイムシートを吹かせ/石田夏穂」
    「君がため春の野に/杉井光」

    嘘をテーマに描いた7話収録の短編集。

    杉井光さん以外は皆さん平成生...続きを読む
  • チワワ・シンドローム
    弱くなれば批判もされないし、たたかれなくて済む。だからみんな弱さを求める。弱さは恥でも何でもなく、生きていく術なんだとこの本を読んで強く感じた。一方で弱さを演出して周りから心配され自己肯定感を高めたり進んでポジション取りしようとする人もいる。なぜなら弱い事がメリットになるからだ。チワワシンドロームが...続きを読む
  • きみだからさびしい
    心地いい孤独があること、好きなのに苦しいこと、
    片付けや優先順位のこと、捨てるのにも傷つくこと

    あれこれゆる〜っと
  • きみだからさびしい
    あやめとの関係が話の主軸ではなく、圭吾の身の回りの多様な恋愛模様も厚めに描かれている。圭吾が1人キャンプにて病んでも永遠と答えが出ない感じ、リアルだなぁと思った。もう1人の彼氏が言ってた、さびしさの代わりに更に心を満たす方を選んだって言い分も妙に納得してしまうし、きみだからさびしい、って圭吾の気持ち...続きを読む
  • 死んでいる私と、私みたいな人たちの声
    独特の世界観と、シスターフッド風味。

    分かりみが深いとこもあれば
    よくわかんないところもあって、
    そこが良かった。

    誰かの考えを全て理解出来る訳じゃなくても
    一緒に喧嘩したり笑ったりしてたい。
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    ぬいぐるみ好きなので気になっていた本。繊細で優しいMZ世代向けなのかなと感じます。所々共感できるし、自分もぬいサーがあったら入りたいと思うけどめちゃくちゃ響く所はなかったです。でもこういう雰囲気は割と好きてす。
  • チワワ・シンドローム
    人の強さや弱さは何を持って判断するんだろう。

    著者の既読作品『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『きみだからさびしい』でも感じた孤独と生きづらさ。

    本作でもSNSに翻弄され人との関係性に葛藤する人達が登場する。

    主人公は大手人材サービス会社の人事部で働く田井中琴美。
    尊敬する親友の穂波実杏は「...続きを読む
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    タイトルが気になりすぎて買った本
    やさしいっていいことだけど、それで相手を傷つけてない?苦しめてないかな?人にやさしくするってことは自分にやさしくしたいんじゃない?っていう感じで繊細な人たちが生きづらいよ〜ってなってる話だった
    短編集で、最後の2つがこわかった。だいじょうぶのあいさつってタイトルなん...続きを読む
  • チワワ・シンドローム
    謎解き的な展開は今まで読んだ大前さん作品には無かった気がし、新鮮だった。

    内容は、ざっくり言うと共依存の話だと解釈した。
    そういう小説結構見るけど(『ノーマル・ピープル』等)、乗り越えた後のお話は読んだことがなく、この作品も例に漏れず。そういうお話も読んでみたい。
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    ぬいぐるみと喋るぬいサー、なる「ぬいぐるみサーク」
    嫌な想いをぬいぐるみにだけ打ち明けるのは、仲間がいないというよりも、相手を傷つけなくないという優しさを持ちすぎてしまっているから。

    ぬいぐるみの歴史って意外と浅いけど、これだけ数が増えているのは社会から求められているからなんだろうなぁ。

    相手に...続きを読む
  • 死んでいる私と、私みたいな人たちの声
    面白い“ふわふわ”感のある文章だった。
    でも、得体のしれない感じがして気持ち悪くもあって、何言ってるかわからないのにそれでよしとして読み進められる感じもしていた。
    「わかる」ことに快感を覚えるタイプの人にはなんとも嫌な文章だろうとも思った。
    読み進めて行けば、あの“ふわふわ”した難解な感覚の理由と意...続きを読む
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    共感する自分にすこし怖くなった。
    白城の考えと行動、こうやって本で知れるから人の見方が変わったりもする
    もう人を傷つけたくないって考えるほど、自分は今までどれだけ大切な人を傷つけてきたんだろうって苦しくなる。
    優しい臆病。
    ずっと不安なんだよね。
  • きみだからさびしい
    軽いけど、それなりに重みがあったきがした。携帯小説とかよりは読み応えがある感じ。
    誰かにとって誰かは魅力的なんだろうな。と思った。
    部屋の整理するかあ〜。
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    ほんとうの「やさしさ」とは何かを考えさせられる作品でした。
    誰かの辛さに寄り添おうとしたつもりが、相手をさらに傷つけてしまうことにもなりうる。
    誰かに相談することも、その相手をも辛い気持ちにさせてしまうかもしれない。
    被害者になるのも加害者になるのも紙一重なのだと痛感しました。

    個人的には「バスタ...続きを読む
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    つらい、と感じたことを誰かに話したいけど、
    誰かに話したら相手が辛くなってしまうかも
    だからぬいぐるみにしゃべってみた、人たちの話。

    語り手は主人公の七森かと思ったけど
    麦戸ちゃんの気持ちにもなるし
    白城の気持ちにもなる。
    あくまで七森は〜的な表現だから第三者が語り手?
    (読みづらくはない、伊坂さ...続きを読む
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    僕もみんなみたいに恋愛を楽しめたらいいのに。大学2年生の七森は“男らしさ”“女らしさ”のノリが苦手。こわがらせず、侵害せず、誰かと繫がれるのかな? 鋭敏な感性が光る小説4篇を収録。

    理解するには年を取りすぎたかもしれない…。
  • きみだからさびしい
    恋愛が分からないので恋をするって本当に大変だなあ、なんて他人事みたいに読んでたけど(この小説で言うと恋愛関係が前提となるが)大事な人と対等でありたいとか、そういう葛藤はわかる気がする。

    好きという気持ちだけでは生きていけない。
    分かってはいるけど。
    主人公の自問自答は『ぬいぐるみとしゃべる人はやさ...続きを読む
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    映画にすごく心動かされ小説も手に取る。
    表題作の「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」はなんだかすごく不思議な文章の中にいた気がする。主人公は主人公で、その行動主だが、主語に「自分」と「七森」とが介在していて、(「麦戸ちゃん」って主語なんかもある)自らが自らをすごく俯瞰しているような、でもその登場人物...続きを読む
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    人に優しくありたくて、優しすぎるがゆえに希望を抱き苦しんでいる人の話。
    自身は女性であるが、自分が持つ男性性に苦しむ主人公・七森の気持ちが痛いほど伝わってきた。と同時に、世の女性が男性性に恐怖を抱き、身の安全の確保を常に念頭におきながら生活している(あるいはしなければならない)ということを理解する男...続きを読む
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」
    七森の気持ちがめっちゃ分かる…
    高校のときの七森の葛藤、すごい共感。友達として好き、と恋愛として好き、が分からないというか自分の中で区別がないのも、ただ人として大好きで繋がりたいだけやのに、それだけじゃ上手くいかんくてむしろ傷つけちゃうし、こんなにも…?みたいな...続きを読む