大前粟生のレビュー一覧

  • ピン芸人、高崎犬彦
    2024年 24冊目
    アメトークでお馴染み、おもろい以外いらんねんの作者が描くピン芸人小説。
    ネタで笑いを取りたいけど、キャラやハプニングで笑いが取れてしまう、芸人としての不甲斐なさや歯痒さを捉えた作品であり、モグライダーともしげを勝手に想像してしまった。
    本の帯をかいてるのが苦渋を舐め続けてきたヤ...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    7人の作家のアンソロジー小説。
    VTuber、TikTok、位置情報を利用したアプリ、マッチングアプリ、YouTuber、Teams、故人のSNSアカウント・仮想通貨口座を題材にしており、令和の時代を感じる。
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    みんなが優しい世界。
    恋愛のあり方って、=性欲、独占欲、自己満足とかに繋がってることが当たり前になっていて、正直そんな世の中に戸惑いを最近感じてた。だけど、「私がすてきな私」、「すてきさが200%300%になることができる」人と出会うことができたなら、恋愛って形にわざわざ持っていかなくてもいい、自分...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    浅倉秋成さん  かわうそをかぶる

    人気音楽クリエイターが殺された。その犯行動機は『VTuberを守るため』だった。主人公の女性に共感できる部分も沢山あり親近感が湧いた。 
    最後の展開に驚き、見返す面白さがあった。

    大前栗生さん  まぶしさと悪魔 
    動画がバズり、カリスマとなった女子高生の海荷は神...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    注目作家のアンソロジー作品

    SNS、Vtuber、SNSによるバズり、マッチングアプリ、若手社員と再雇用者のネットリテラシーの差異
    今の自分達にとっては馴染み深いテーマでとても読みやすい作品だった
    もちろんアンソロジー作品なので好き嫌いは多少なりとも出てしまった。

    かわうそをかぶる
     どうしてこ...続きを読む
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    嘘がテーマのアンソロジーであり、各作品で何が嘘に当たるのか?を考えながら面白く読めた。1つ目の『カワウソをかぶる』がインパクト強すぎる。あーこっちの人やったんかい!ただのASD(解離はあるかも?)かと思わせといて自分が気持ち良くなるためならどんな事でもやっちゃうサイコパス人格の居る解離性障害やったん...続きを読む
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    短編集。
    自分の言葉が誰かを傷つけるかもしれないから、人じゃなくてぬいぐるみに心のうちを話す。そんなサークルあったらいいな、と思いました。
    自分が話しかけるとしたら、ぬいぐるみは持ってないからマグカップとかかな。

    最終話の『だいじょうぶのあいさつ』は村田沙耶香さんみたい。
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)
    初めてのアンソロジー。豪華なメンツですよね!
    石田夏穂さん、佐原ひかりさんの作品が好みだった。
    特に石田夏穂さんの作品は面白くて、くすくす笑いながら読んだ。ベテラン社員のことをレジェンドと密かに呼んでいる時点でツボ。あと、IT介護スタッフとかね笑 やはり石田夏穂さん大好きだ!
  • 死んでいる私と、私みたいな人たちの声
    世にも珍しい二人称視点の小説。
    そして二人称視点である意味が読んでいるうちにわかってくるのが面白かった。(ネタバレになるので書きません)

    内容説明に「怒りの幽霊ヒーロー小説」と書いてあるけど、この説明はちょっとおかしいというか、売り方を間違えてると思う。
  • チワワ・シンドローム
    これだけたくさん「チワワ」と出てくる本を読んだのは初めてです。

    チワワのピンバッジか、かわいい! と思いつつ読み進めたら、けっこう怖い話でした。
    人の心を手玉にとるあの人が怖いです。
    これはヒトコワミステリーですね。

    弱さを出せば嫌われずにすむ。弱ければ可愛がられて守ってもらえる。確かになあ、と...続きを読む
  • おもろい以外いらんねん
    芸人さんの不安、人間味のある部分の描写について、自分が当事者だと思ったら、本当に恐いと思った。

    2人の漫才より3人の漫才の方が面白かったのが、素敵だった。
  • チワワ・シンドローム
    不特定多数の人にチワワのピンバッジがつけられた。一体誰が、どんな目的で?
    そしてそのバッジが話題になる頃、琴美と良い感じにお付き合いしていた男性が突如姿を消す。彼とチワワバッジは関係があるのか?
    謎を追いかけていく過程で、更に世論の動きがあり、先が気になって一気読みした。

    「弱くて誰かに守られる存...続きを読む
  • きみだからさびしい
    大前粟生さんは読みやすくてサクサク読めました!ただ、ポリアモリーという言葉を初めて聞いて、???になってしまった。ただ、多様性って言われてる世の中だし色んな人がいるよなーと思って読み進めました。周りの人がどう思おうと本人たちが納得できていればいいのでは?と思うけど、本人たちも納得した上での葛藤がある...続きを読む
  • おもろい以外いらんねん
    壊れて、壊して、再構築。形を変えながらただただおもろいをつくっていく。
    長い青春の疾走感が心地よい!
  • きみだからさびしい
    「多様性」ブームへのアンチテーゼとして(そんな意図ではないとは思うが)、性別とか立場とかの枠組を関係なしに、一人一人ときちんと向き合って大切にしようとするところに好感がもてた。心のあり様の一面としての恋愛の話。すとんと素直に共感して、なんだか若返った気がする。

    読んでいる途中でうっかりこの本の紹介...続きを読む
  • 死んでいる私と、私みたいな人たちの声
    男版の『女が死ぬ』じゃんと思ったあとに男版ならそれはただの男が死ぬでは??と気づくなど。
    語り手の人称があっちこっちな訳が分かった途端にちょっとひって声が出た。
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    表題作は、映画を見た時よりもずっと理解が深まったような気がした。加害者にならないように振る舞う麦戸ちゃん、七森と、被害者にならないように不条理に慣れていく選択を取る白城の対比が面白かったと思う。
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
    感じやすい人間は時に疲れてしまう
    どちらかというと私もそっち側の人間かもしれない

    最近HSPなんていう便利な言葉もあるけど
    感受性が強く他人の痛みや心に共感してしまう人は
    本当に生き辛いよなぁと思った

    不安で空気を読みすぎてしまったり、
    相手の気持ち考えすぎて、
    全然見当違いな心配したり、
    読ん...続きを読む
  • おもろい以外いらんねん
    関西弁小説が好きなのですんなり読めた。

    ハッピーエンド。

    ツッコミというものが普通から外れたものを否定するという前提で成り立ってるから、その普通があやふやになってる現代、普通なんてほんとはないという当たり前に気づき始めた時代だから、ツッコミという文化のアップデートが必要なのかもしれない。

    見て...続きを読む
  • おもろい以外いらんねん
    文章に漫才のネタゾーンがあるので、すごく読みやすいです。高校からコンビを組んで、売れて、悩んで…、きっと世の漫才師さんは同じような気持ちを感じて、売れたいと思いつつ、売れると自分たちのネタをする時間が無くなり、かといって売れないと発表する場もない。そんな芸人さんたちの世界を垣間見た気持ちになりました...続きを読む