大前粟生のレビュー一覧

  • かもめジムの恋愛

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    大前さんらしいやさしい話
    こんなに丁寧なコミュニケーションなかなか取れないよね、祈りみたいな小説だと思った

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    2025年01月04日
  • かもめジムの恋愛

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    高校生の煮え切らない恋話には焦ったさを感じ、おっさんの恋には新鮮味もあり、かもめジムのスタッフとお客さんが妙にひとつになって物語になり、とても楽しく読んだ。続編があってもいいのでは。

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    2024年12月15日
  • おもろい以外いらんねん

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    最初は、お笑いをモチーフにした青春小説かと思った。コンビが結成して方向性の違いにより別れるまでの、青春時代の人間関係や心のうつり変わりを描いたストーリー。けど、読んでみたら、そうだけどそうじゃなくて、そうじゃない部分にしてやられた。この小説におけるお笑いは青春を描くためのただの手段ではなく、お笑いそのものも正面から描き出している。お笑いの持つ嫌な面からも逃げていない。クライマックスのアクリル板を挟んだ漫才の部分なんて、おもしろすぎてニヤニヤしてしまった。そして辿りついた結末に拍手喝采!あ〜おもろかった!

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    2024年11月15日
  • かもめジムの恋愛

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    心にしみた。読んでよかった。
    やさしくない世界を生きるやさしい人たちの日常が描かれていた。
    かもめジムが閉館になる箇所では、しんみりと寂しい気持ちになった。
    もしかしたらこの先、ほとんど会うことがないかもしれない。それでも大切な人に「また明日ね」と言って別れられるのは素敵だと思った。

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    2024年10月13日
  • きみだからさびしい

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    恋愛の形が違う二人。
    人はそれぞれ違うからと相手の気持ちを察して行動する主人公。
    生きていてくれるだけで幸せ、なんて無償の愛に近い。
    優しい彼が、ぴたっとはまる相手にいつか出逢えたらいいと思う。

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    2024年08月31日
  • ピン芸人、高崎犬彦

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    お笑いの世界を描けるのは、現代の姿がすごくよく見えている人だという気がする。裾野が広がった上に先鋭化してしまって、先端も末端ももう見通せない。小説であつかおうとするだけで正直えらいと思うが、この作品はお笑いに味方されたり見捨てられたりしている人間を主人公に据えたことで、地に足が着いたものになっているように見える。

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    2024年05月11日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    ネタバレ

    ネガティブな気持ちやつらい気持ちを人に話すと、その人までつらい気持ちにさせてしまうから、そういうことは人に話さないでぬいぐるみに話す。そういうやさしい人たちの物語だった。他者を「もの」ではなくて、自分とは異なる人間として尊重すること。好きになるとその境界が分からなくなりがちだけど、あるいは他者をジャッジする視線は他者を対象化しているけれど、相手を一人の相手として尊重し、見守ること。支配するのでも無関心でいるのでもないその距離感って実はすごく難しいと思う。やさしい、というのは、距離をとりすぎて無関心に近くなりがちだと気付かされた。
    オートロックではない家に住める側の性=男性である七森は、セクハラ的な風潮に合わせてしまった過去の自分を悔やみながら、今の自分の行動が女性に気持ち悪がられたり怖がらせたりしないように気を遣いながら生きている。麦戸ちゃんは痴漢を目撃してしまってから、何もできなかったり他人事だったりした自分が嫌で、人間が怖くて、大学に行けなくなった。そんな二人が、ぬいぐるみに話すだけじゃなくて、お互いの領域に一歩踏み込んで、あるいは自分を少し開示して、それぞれに話し、聴くのがよかった。やさしさは無関心にも似ている。だから敢えてぬいぐるみには話さない、という白城さんも本当に良い。誰も傷つかない世界が来れば良いのに、と願いながら、そう言う世界は絶対来ないから、ぬいぐるみに話を聞いてもらいつつ、本当に信頼できる人にはこうして話せるって大事だなと思う。表題作以外の3編も似たようなもので、相手を傷つけないようにしながら自分も侵犯されないように距離を守る人たちの話だなと思った。
    私も七森と同じで、友達として好き、と恋愛として好き、の違いはわからない。でも、七森と麦戸ちゃんの間にあるような信頼感というか、一人で生きていくのは心細いから、何も言わなくてもただ隣にいるだけの存在みたいなのはパートナーとしてあらまほしいと思う。

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    2024年03月27日
  • きみだからさびしい

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    ネタバレ

    たくさんの恋愛の形が出てくる。相手と自分のスタンスが違う時、どう折り合いをつけるか。。という答えのないことについて心の動きが細かく書かれている。相手にあわせればいいということでもない。作品にも出てくる通り、性別の違いなどもあり、「対等」は難しいなあと共感した。

    あとは片付けもモチーフとして出てくるのだが、片付けも結局、自分の中の優先順位をつけることであり、主人公はそこにも苦しさを感じている。いっそ全部捨ててしまいそうにもなったり。

    解決策や答えがあるわけじゃない。相手も自分も大事にしたいと思っても結果的には自分が傷つくことも傷つけることもある、て受け入れることなのかなあと思った。

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    2023年10月04日
  • きみだからさびしい

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    ここが良かった、このセリフが胸を打ったとか、そういうものを残しておけないくらい引き込まれて読んだ。
    あやめの不自由さや孤独、そのおもてにあるような快活さが好きだし、圭吾がお化けから始まり葛藤をじっくり炙るように燃させながらひとつ結論を得るまでが好きだし、青木の「おまえが幸せにならないと私は……」とか元木の「誰だって自分の信じたい考え方に洗脳されに行っているだけ」とかは手を固く握りたい衝動を得た。
    ポリアモリーという言葉が出て、それについてもじっくり扱っているが、それに限らずとにかく愛についての話。ひとがひとを愛そうとすることをとにかく言語化した物語だった。

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    2023年04月09日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    ネタバレ

    映画化すると聞いて原作から読んでみました。表題作は独特の文章と主人公のあまりに繊細な思考がしんどくてしんどくて。でもそこがとても良い。私もたぶん学生の頃に漠然と考えていたはずのことが丁寧に丁寧に言語化されていて、痛々しいったらなかったです。(いやでも私はこんなに優しくなかったしもっとアホでした)

    とはいえ、インターネット黎明期だった私の学生時代とは他者や社会との関わり方も全然違っていて、今の時代だからこその生きづらさもヒシヒシと伝わってきて。「あーこんなに先回りしちゃえるんだ」とか「あんなに繊細なのにここはスルーできちゃうんだ」とか。今っぽい感覚が新鮮でもありました。

    映画祭ではよりによって監督がマンスプレイニングされたとTwitterで話題になってましたが、さもありなん。わかりたくない人には存在すら認めたくない世界観だと思います。優しく繊細で傷つきやすく、見る人が見れば「面倒くさい」思考がどこまでもまとわりついてきて、とても息苦しい。そこが良いのです。映画をみるのがめちゃくちゃ楽しみです。

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    2026年03月30日
  • きみだからさびしい

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    最近自分のセクシュアリティについて考えることがあり、ポリアモリーについて知りたくてしらべてこちらを読みました。

    結果的に何か分かったか、というと私自身何か明確な答えを見つけられた訳では無かったけど、
    登場人物がそれぞれ感じていること、思っていること考えていることに共感したり、たまに共感できなかったり、これはあの人っぽいなと思ったり……友達の話を聞いているような感覚で読めました。楽しかったです。

    ポリアモリーについてのことはもちろんですが、それらとは関係なく読んで良かったと思います。

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    2022年12月31日
  • 死んでいる私と、私みたいな人たちの声

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    ネタバレ

    『DVを受けているあなたは、誰???』

    〇〇からDVを受けているXX。って、あなたたち、誰だっけ?読み進めていくと、どうやらXXは幽霊らしいことがわかるけど、頭の中は混乱しっぱなし! でした…

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    2022年11月25日
  • きみだからさびしい

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    素敵
    なんというか、とてもよくわかると思ってしまったらこの本の意味が無いのかも知れないけど
    でもこういう側面あるかもな私にもって

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    2022年11月14日
  • おもろい以外いらんねん

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    日本のお笑い界で、男性優位の世界で、男性自身が違和感を持ち意識を変えていこうとする姿を見せてくれる本は初めて読んで、しかも男性の作家さんで、それがすごく嬉しかった!フェミニズムは女性だけの話ではない。古くからある根拠のない男らしさ・女らしさや価値観からみんなが解放されるべき。
    「自分が楽しんで笑っているものがダメなところを持っているのだと認めたくなかった。」(p84~85)というところ、すごく気持ちがわかる…。今こそ変わりたい。
    彩花と友達になりたいし、つぐみぼんぼんぴょん丸のネタが観たい…!
    めっちゃ読みやすい。2日間で読めた。早い人だと数時間で読めるのでは。

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    2022年04月18日
  • おもろい以外いらんねん

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    いままでは漫才とかお笑い芸人をおもろいから好きやなーっと漠然とした感情でしか観てなかったけど、芸人さんもいろんな葛藤があって、同じネタしてても1回1回感情とかちゃうんやろなって、次からそういうこと考えながらみちゃう

    このお話は、めっちゃ大きな出来事があるわけじゃなくて、ひたすら、人間の心の中を痛いくらい描いてて、すごいなって思った
    胸があったかくなるようなシーンで終わるから、読んだ後の幸福感がすごい

    何年後かに読み返したら、また違う印象になりそうやなって思う不思議なお話だった

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    2022年03月17日
  • おもろい以外いらんねん

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    「本当に素晴らしい小説は、真に差別的であることはありえない」と言っていた人(たぶん佐藤亜紀『小説のストラテジー』だと思うが不確定)がいたのだけど、「おもろい以外いらんねん」もそういう意味で、そういう話だったと思う。「笑い」は「普通」からの逸脱とそれに対するツッコミで成り立つものだが、その「普通」が変わりつつある令和という時代には誰かを傷つけてしまうこともある。誰かの容姿や性を踏みつけて取る笑いに順応できる空っぽな漫才師と、それでひとりだけ売れていく相方に「漫才をしろ」と怒る相方、誰かを踏みつけて笑いを取ることは良くないのだと気づいてはいても、過去にそれに加担してきたことを認めるのが怖い親友。三者三様の葛藤には、ネット上でのフェミニズム活動が盛んになってきた現代が、価値観のアップデートの過渡期にあることがとても生々しく現れている。
    「おもろい以外いらんねん」の含意が、「おもろければなんでもいい」から、「人を踏みつけなくても成立するほんまのおもろさを見せてみろ」に変わりつつある時代なんだろう。

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    2021年03月12日
  • かもめジムの恋愛

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    ネタバレ

    GOAT '24年秋号での紹介をきっかけに買った本(中古)。
    よかった。タイトルの通り恋愛の話ではあるけれど、恋をして相手に伝えるあたりまでの話が並び、その時期の感情「この気持ちをどうしたらよいのだろう?」が書かれていた。(どろどろした恋愛話ではなかった)
    恋は思い詰めてはダメだと思う。特に10代・20代の若い頃は。好きな相手に彼氏・彼女がいても、それがずっと続くかはわからない。いつか別れるかもしれないし、いつか自分の気持ちも変わるかもしれない。だから思い悩み過ぎずに話ができる関係を始めればよいと思う。…とこの本を読んで改めてそう思った。若い頃の自分にこの本を読ませたい。
    そして最後、「これからも、また明日ねと言って別れたい」で終わるところもよかった。

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    2026年10月02日
  • 身体を記す

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    表紙がピンと来て内容も見ず、予約して読みました!
    朝井リョウの文章って何が他の人と違うんやろ?
    特別脳に入ってくる
    何が違うのか考えながら読んでも分からなかった

    他いいなとおもったのは
    小池水音、大田ステファニー歓人、
    古川真人、春日太一

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    2026年09月26日
  • ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

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    ネタバレ

    島崎和歌子さんが出てきませんが、読んで良かったです。

    優しくあろうとすることは、自傷行為なのかもしれない。

    全ての欲望が暴力に感じてしまう。
    実際、全ての欲望は暴力なのかもしれない。

    何も気にせず豪快に行動してくれることも優しさかもしれないし、気にして何もできなくなることも優しさだと思う。

    てか『優しい』ってなんだろう
    そもそも優しいことは正しいことなのか。

    かといって優しくないことが正しいとも思わないし。

    優しくあることって全然易しくないし、全然柔しくもないし、優しくすらもない。

    それでも優しくあることを諦めない、強烈な弱さと強さを感じました。

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    2026年09月02日
  • 嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

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    現実って感じで好きなテーマのアンソロジー

    すき↓
    かわうそをかぶる
    ヤリモク

    どっちも短編としての完成度が高かった
    ・vtuberの人格に乗っ取られて(望んでるから乗っ取られるとは違うか?)、現実の人格が憎らしくなってくるのはバーチャル世界が常になるとそうなるのかな…
    ・ヤリモクは言葉遊びのタイトルに、短い中に伏線を張って、救われない起承転結が見事


    次点で↓
    まぶしさと悪意
    霊感インテグレーション

    snsの功罪って感じのまぶしさと悪意
    インターネットと心霊、都市解で学んだ好きな組み合わせの霊感インテグレーション

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    2026年07月13日