カシワイのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
とある中学校の生徒たちの友情を描いた短編集。人間だから、喧嘩もするし、嫉妬もする。些細なことですれ違い、それが長い間解消されなくて、ぎこちないままになってしまう。そんな風にもつれた糸を、外から解きほぐしてくれる人がいたら…。
各話に共通して登場する黒野くんが、その役割を果たす。他人のいざこざに突然首を突っ込んでくるお節介かと思いきや、話を聞くだけ、ちょっと背中を押してみるだけ、というつかずはなれずの微妙な距離感を保つ黒野くん。
「安心していい。困ったことは起こらない。」
根拠がどこにあるのか分からないけど、そんな無責任な言葉でも、誰かの大きな支えになる。みんな、黒野くんの存在に助けられている。 -
Posted by ブクログ
19世紀初め、イギリスで魚竜の化石を発掘した少女の物語。
幼いながら冴えた知性とまっすぐな気性、そして化石への強い好奇心を持つメアリから目が離せなかった。
稲妻のような激しさから、勇気をもらえる一冊。
とにかく、メアリの強烈な個性が痛快だった。
実在した女性の少女時代だけを書いているけれど、恋愛についてはほぼない。化石発掘を通じて階級の異なる人々と友情を育む様子は楽しいけれど、ちょっと苦さも感じる。
父から化石との付き合い方・楽しさを学び、完璧に理解されているわけではないけど兄や母と協力して発掘作業を進めた点は家族の有り様としておもしろい。
関わる全ての人が良い人ではないけど、要所要所で尊敬 -
Posted by ブクログ
久しぶりの山本さんの作品。
『花屋さんが言うことには』の続編らしいが、そのことを知らずに読んでしまった。だが全く問題なし。
主人公は美大卒のミドリ。画材メーカーに内定していたが、コロナでその会社がまさかの破産、在学中からアルバイトをしていた河原崎花店でそのままアルバイト生活を継続することに…というところから始まる。
実家はミモザ農園で、絵に縁がある家族はいないミドリだが、美大卒なだけにその絵は色んな人たちを惹きつけているし、アルバイト先である河原崎花店での仕事にも役立っている。
『画家なんて、そう簡単になれるものではありません』
と分かっているし、一時は絵を描くことも止めていたが、やはり描 -
Posted by ブクログ
『花屋さんが言うことには』に続き、駅前の小さな花屋「川原崎花店」を舞台にしたシリーズ二作目。前作の主人公の紀久子は退職したので、今回はアルバイト店員の美大生・ミドリが主人公。
前半はとにかく花や花屋に関する蘊蓄が多過ぎます。その上に、前作からの繋がりでバラバラと様々な人物が登場して、結果的に「人」が薄くなっている感じがします。読んでいると物語が蘊蓄で止まり、人はサラリと流されている感じ。
とはいえ、そこは山本さん。最後に上手くまとめたので、良かったですが。
ちなみに山本さん(&編集者さんも)、野球は知らないのかな。フォースプレーとタッチプレーの違いをわかっていないみたい(本筋には全く関係な -
Posted by ブクログ
【感想】
前作が面白く、花の勉強になったので読んでみました。
しかし、主人公が紀久子⇒ミドリに変わっていて驚きました!
タイトルにもあるように「夢」がテーマなんだな...と思いました。
花屋に勤める、または訪れる、様々なキャラクターの「夢」に向かう姿、挫折したけど、その道で輝いている姿、挫折したけど、もう一度夢に向かって歩き出す姿...どれも素敵だな!と思いました(*ˊ˘ˋ*)
序盤では、どうしようもないクズ男(?)に見えた雷 響(いかづち ひびき)が周りのキャラクターに心打たれ、変わって行く姿が良かったです!
個人的には蘭くん(花に詳しい小学校の男の子)が好きなので、次回は彼が主人公だ