カシワイのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とある中学校の生徒たちの友情を描いた短編集。人間だから、喧嘩もするし、嫉妬もする。些細なことですれ違い、それが長い間解消されなくて、ぎこちないままになってしまう。そんな風にもつれた糸を、外から解きほぐしてくれる人がいたら…。
各話に共通して登場する黒野くんが、その役割を果たす。他人のいざこざに突然首を突っ込んでくるお節介かと思いきや、話を聞くだけ、ちょっと背中を押してみるだけ、というつかずはなれずの微妙な距離感を保つ黒野くん。
「安心していい。困ったことは起こらない。」
根拠がどこにあるのか分からないけど、そんな無責任な言葉でも、誰かの大きな支えになる。みんな、黒野くんの存在に助けられている。 -
Posted by ブクログ
19世紀初め、イギリスで魚竜の化石を発掘した少女の物語。
幼いながら冴えた知性とまっすぐな気性、そして化石への強い好奇心を持つメアリから目が離せなかった。
稲妻のような激しさから、勇気をもらえる一冊。
とにかく、メアリの強烈な個性が痛快だった。
実在した女性の少女時代だけを書いているけれど、恋愛についてはほぼない。化石発掘を通じて階級の異なる人々と友情を育む様子は楽しいけれど、ちょっと苦さも感じる。
父から化石との付き合い方・楽しさを学び、完璧に理解されているわけではないけど兄や母と協力して発掘作業を進めた点は家族の有り様としておもしろい。
関わる全ての人が良い人ではないけど、要所要所で尊敬