あらすじ
新船中学校を舞台に7つの短編を連作に。もやもやした気持ちやずっと抱えてきた秘密。ぼくらの心によりそって、きみは「聞かせてくれよ」と言った。
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Posted by ブクログ
中学1年生〜3年生が主人公の短編集。それぞれの短編に出てくる登場人物が他の短編にも登場したりして、人間関係が複雑に絡み合う。
思い込んだり、強がったり、嫉妬したり、考えすぎたり、考えずに行動して後から反省したり。中学生ってそういう経験をする時期だったかもな、と振り返ってみて思う。黒野くんがとてもいいキャラをしてる。
小4男子が「とっても面白かった!」と絶賛してました。
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中学校を舞台に、生徒の日常が展開され、悩みや想いが様々に絡みあう。連作の魅力を最大限に活かした作品。中学生に是非読んでもらいたい。巻頭の登場人物の紹介とイラストが、読み進める上での大きな助けとなった。
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黒野くん、いい味出してるなぁ…
中学生にしてここまで、自分を持っているのは
本当にすごいことだなぁ
そんな彼が周囲の人の話を聞いて
寄り添っていく心温まる作品だった。
特に好きな話はやっぱりepisode7の黒野が自分の想いを語るシーン。黒野の人となりに周囲の人はとても救われていると思うし、彼がそれを楽しんでやっていることに感服した。彼のように人生を楽しめたら、とても毎日が輝いているんだろうなぁ。
私も黒野のように、いつかだれかの話を聞いて
寄り添える、そんな人になりたい
p.49.50 努力の理由(episode1 シロクマを描いて)
「好きだから努力できるのか、努力できるから好きなのか……鶏が先か卵が先か、みたいな話だよな」
-「好きなものがない人は、得意なものがない人は、どうしたらいいんだろう……」
「べつになくてもいいと思うけど」
-「あたしは、ほしいよ。好きなもの。得意なもの」
「好きなものがほしい。得意なものがほしい。じゃあ、そのために努力すればいいだろ。ちゃんと、それは努力の理由になるよ」
p.100 弱虫な自分へ(episode2 タルトタタンの作り方)
「強くなりたい。ゆれないように。
自分が自分であるために、闘えるように。」
p.231 本当の強さ(episode5 ヘラクレイトスの川)
「無理に強くなろうとなんかしなくていい。きずついたことを、なかったことになんかしなくていい。苦しいなら、そうやって苦しいって言えよ。つらいって。こわいって。いやだって。しんどいって。たえられないって。」
「おれは、それを弱いなんて言わない!そうやって自分の痛みと向き合って闘ってきたおまえに、そんなことを言う資格はだれにもない!」
p.323 生き方の答え(episode7 くろノラの物語)
「ーどうしたらいいかなんて、答えはないよ。」
「ーそんなのおまえの自由で、おまえの勝手だよ。」
「ーほら、好きに生きろよ。」
p.324 いとおしい生き物(episode7 くろノラの物語)
「おもしろいんですよ。人間ほどおもしろいもの、ほかにないですよ。どいつもこいつもなんだかんだ、あれこれめんどうくさいものをいくつも抱えていて、それにしばられて動けなくなったり、逆にふりまわされて走りまわったり、している」
「でも、そういうのって、いとおしいじゃないですか。おれは、そういうやつらを見ると、なんだか、ちょっかいを出したくなっちゃうんですよ」
p.326.327 くろノラはさ…(episode7 くろノラの物語)
「約束とか。
そんなものにしばられたり、しないですよ。
だって、ネコだもん。
あいつはきっと、好きでいろいろな子と
関わっていたんですよ。
好きで、この学校に留まっていたんですよ。
だからさあ、先生。」
「くろノラはさ、三澄先生--あなたのことが好きで、いっしょにいたんですよ。」
p.328 くろノラとおなじように。(episode7 くろノラの物語)
「あなたも、好きでみんなと
いっしょにいるんでしょう?
好きで関わってきたんでしょう?
くろノラとおなじように。
だれかを助けてやろうとか思ってない-
あなたはそんなふうに言うけれど。
好きだから、私たちの話を、そうやってそばに来て、聞いてくれていたんでしょう?」
「そうですね……やっぱり、楽しいんですよ。
あいつらといっしょにいると」
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新船中学校に通う生徒たちと1人の先生。
それぞれの章の中で、一人ずつの悩みにスポットライトをあて、そして解決していく。みんなどこかで関わっているので、それぞれが見た友だち(先輩後輩含む)の姿が出てくるところもおもしろい。
黒野良輔がキーパーソンになって解決していくが、黒野自身の境遇も最後に明かされる。
悩んだ事があるからこそ人の気持ちに寄り添える。読後感がさわやかで私は好きな一冊。
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『キャンドル』以降、目が離せない作家さん。
今作は7つの連作短編集。
同じ中学に通う1年生から3年生までの登場人物は、それぞれ出身小学校、部活、兄妹というようなつながりがある。
聞くことが大事だとわかっていても難しい。
大人も子どもも「らしさ」の枠にはまってないと不安になる気持ちと、その「らしさ」に苦しめられる気持ちが痛いほどよくわかります。
中学生、そしてその年頃の子供を持つ親世代にも強くおすすめします。
Posted by ブクログ
7つの短編連作、児童書です
中学校での人間関係が崩れたり修復したりの話
終始、黒野くんが良い子過ぎて泣けちゃう…
どいつもこいつもあれこれ悩んで振り回されて…そういうのって愛おしい
大人だって人間関係に悩みますからね
一読の価値あります
心を揺さぶられました☺️
今年読んだ中で一番オススメしたい本
Posted by ブクログ
とある中学校を描いた連作短編集。
少しずつ繋がって、少しずつ広がっていく交友関係がリアル。最後はまた泣かされてしまった。
価値観をアップデートするためにも大人も読んでほしいなー。
Posted by ブクログ
2024年度中学受験で出題された小説ランキング1位とのこと。でも、文体はシンプルで非常に読みやすい。令和六年度埼玉県推薦図書。
村上雅郁さんは、りぼんちゃんに続き、読むのは二作目。中学生の思春期の複雑で繊細な心をとてもうまく表現していると思います。エピソードごとに主人公は変わっていく物語であるが、最後に大きなストーリーとして完成していく。
この村上雅郁さんという人は小学生や中学生を主人公とした児童文学を書くためにまさに生まれてきた人だと思う。思春期にどっぷりの中学生におすすめかな。
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多感な中学生
多様な中学生
でも過ごす場所は選べない
児童書に並んでいたけど深すぎて
描かれている人物のそこかしこにはるか昔中学生だった自分が重なる
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中学生日記のような連作短編集。
当時の自分たちは彼ら彼女らのように目の前の友達の一挙手一投足に悩んで喜んで不安になって幸せになってを永遠にぐるぐる回っている感じだったのを思い出しました。
誰かの悩みはその人自身にしか分からないんだな。ただ話を聞いて寄り添うだけ、大人になるとそれがとても難しい。
くろノラくんお疲れさまでした。
Posted by ブクログ
人にはそれぞれ悩みがあって、悩みの渦中にいる当人にとっては大問題だけど、他人にはよく分からないことも多い。悩んでいる人の話をただ聞くこと、自分が悩んでるときには人に聞いてもらうことが大切だ、とは、よく言われることだ。悩んでいる人に寄り添うとはどんなことか、この本を読むと疑似体験できる。中学生に読んでほしい本。
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まさに群像劇。すごく優しい物語。登場人物たちにちょっとしたヒントや手助けをくれる、不思議な存在もそれはそれで良いんだけれど、黒野くんはそうじゃない。みんなと同じように悩んで感じて、考えている一人の中学生なんだ。
三澄先生と黒野くんの会話、助けてやろうと思ってるんじゃなくて、ただ好きだからいっしょにいるって良いな。黒野くんの飄々としたキャラも、タイトルの「聞かせてくれよ」も良い。
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7つの短編が連作に。
何気なく言っていた言葉、
この人はこうだろうという決めつけが
誰かを傷つけ苦しめてるのかもしれない
誰かに話を聞いてもらうだけで
楽になるよね
それをこの物語では黒野良輔がしている
かつていたくろノラみたいに
テセウスの船
ヘラクレイトスの川
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多感な中学生の短編連作集。
主人公それぞれの悩みや葛藤がなかなかリアルに描かれていた。
話を聞かせてと言ってくれる誰かがいるって、すごくありがたいこと。
そして心の内を話す時って、まとまった文章でなくても、もやもやしたそのままの気持ちを伝えればいいんだよな。
黒野君みたいな子がいてくれたら、自分の進むべき道が自然と見えてきそうだなと思った。
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10代の頃はちょっとした言動に傷付き、心が折れてしまう。なのに、相手の気持ちを深く読み取れずについつい軽い気持ちで心無いことを言ってしまい、傷つかせてしまう。
そんな描写がリアルに感じられる1冊。
最後、みんなの傷が癒やされていく様にホッとして、その中心に常にいる黒野くんの存在が大きい。
Posted by ブクログ
とある中学校の生徒たちの友情を描いた短編集。人間だから、喧嘩もするし、嫉妬もする。些細なことですれ違い、それが長い間解消されなくて、ぎこちないままになってしまう。そんな風にもつれた糸を、外から解きほぐしてくれる人がいたら…。
各話に共通して登場する黒野くんが、その役割を果たす。他人のいざこざに突然首を突っ込んでくるお節介かと思いきや、話を聞くだけ、ちょっと背中を押してみるだけ、というつかずはなれずの微妙な距離感を保つ黒野くん。
「安心していい。困ったことは起こらない。」
根拠がどこにあるのか分からないけど、そんな無責任な言葉でも、誰かの大きな支えになる。みんな、黒野くんの存在に助けられている。最終章で、そんな黒野くんの心の内側が少しだけ覗けて、彼が受け取った優しさに、暖かさに、感動した。
Posted by ブクログ
みずみずしい思春期の心の機微を描いた短編集。黒野くんが言うように人間は面白い。色々な感情に振り回されて縛られて。それでも誰かに話を聞いてもらえたらきっと楽になることもある。クロがそうだったように…
Posted by ブクログ
思春期の揺れる気持ちを繊細に描いている。入試で扱われるのもなるほどの良品(複雑な感情の話など聞いていられないような子には把握は難しかろうね)。群像劇。みんな色々ありつつ、ドラマチックなことは起こらないけど、いずれ卒業。中学は短くて慌ただしいね。
Posted by ブクログ
新船中学校を舞台とした連作短編で、大袈裟な話はなく、だからこそ読む人が登場人物の誰かに共感できるような内容だと思います。
「自分もこんな事に傷ついた」
「自分もこんな事で傷つけたかも」
と懐かしんだり反省したりしながら読みました。
「タルトタタンの作り方」で
「ぼくらは自分のままでいたいだけ。そうあるように、ありたいだけ。
それを、関係のないだれかに、勝手なこと、言われたくなかった」
という言葉を、ヒリヒリするような中学時代を送っているみんなに送りたいです。
カシワイさんの繊細で軽やかな絵も作品に合っていて感情移入しやすかったです。
この作品が好きな人には村上さんの「キャンドル」もとても良かったのでオススメです。
Posted by ブクログ
とある中学校を舞台とした連作短編集
「話を聞いたり」「話をしたり」することで
気持ちの変化があったり
様々な人と人との繋がりあいで
学校生活が少し変わったり
でもちょっと伏線回収的にはモヤモヤ
保健室の先生やキーとなる人物がいるものの
それがスッキリと明かされるわけではないので
それを求んでしまうと肩透かしかも