作家、東京藝術大学美術学部芸術学科、美術ノウハウ十分、この分野ではすごい作家!
第14回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作!「神の値段」タイトルがイイですね!
素晴らしい結末だ、アートギャラリーにも詳しく、ミステリーと芸術のかけ合わさった、芸術を追い求めた、無名と唯子の世界に素人である夫と金持ちのラディの犯罪を暴いた、助手の佐和子の見事な解明は、サスペンスとして、芸術として素晴らしい作品である。
「佯名」ヨウメイは、本名を隠す、あるいは相手を欺く目的で用いる「偽名(ぎめい)」や「仮名(けみょう・かめい)」を意味する言葉です。
インクアート・ギャラリー
唯子のアシスタントサワコ「佐和子さん、画家「川田無名」
コマーシャル・ギャラリーのオーナーであり私の上司でもある永井唯子と、アトリエを統括するディレクターの土門正男
永井唯子。作家の影であり、もう一人の川田無名。唯子の夫、佐伯章介という金融機関
「おおまかに言うと、四つのパートにここの作業は分けられる。わしと土門は墨と筆を、白山は紙を、石黒は墨と硯を専門とし、各パートに集中していた」
「もし無名先生がもうこの世にいないとしても、誰かがこの状況を引き継がないと」 「第二の永井唯子として」
「されど死ぬのはいつも他人」 「なんですか、それ」 「え、知らない、この言葉。されど死ぬのはいつも他人」
「だからあの落札額は、まさに神の値段だったわけだ」 神の値段。
「だから唯子さんを殺して、ラディさんにすり寄り1959年の作品を売ることを思いつきました。唯子さんが死ねば配偶者である自分がギャラリー経営の相続人になり、1959年の作品をどうするかという決定権も握ることができますからね。
無名先生は自分に容疑が向けられていると考え、ゆえに自らの身の安全のためにずっと隠れていたんです。それは自らの芸術のコンセプトを守るためでもありました。そうした真相やこれまで自らの芸術を守ってきてくれたアトリエの人たちに対する深い感謝を記した直筆の手紙が、数日前にアトリエにも届いたそうです。そしてギャラリーにはCD-Rと一緒に、ある作品が届きました」
「落札したのは、無名本人だったのか」
対抗馬になるであろうラディさんの予算も慎重に計算したうえで、マーケットにおける無名先生の価値が十分に上がり、資金の準備が整い、最もその計画が上手くいくであろう時期を見計らって、作品をギャラリーに運んで来ました」
無名先生はラディさんを踏み台にして、マーケットの更なる高みを目指したかった」
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マスコミはおろか関係者すら姿を知らない現代芸術家、川田無名。ある日、唯一無名の正体を知り、世界中で評価される彼の作品を発表してきた画廊経営者の唯子が何者かに殺されてしまう。犯人もわからず、無名の居所も知らない唯子のアシスタントの佐和子は、六億円を超えるとされる無名の傑作を守れるのか――。美術市場の光と影を描く、『このミス』大賞受賞のアート・サスペンスの新機軸。