【感想・ネタバレ】カンヴァスの恋人たちのレビュー

あらすじ

私は、幸せになるために芸術をやるんです。

碧波市の美術館に勤める学芸員の貴山史絵は、80歳の女性画家、ヨシダカヲルの展覧会を担当することになる。ヨシダは美術業界から一線を退いたあと、山奥のアトリエでひとり絵を書き続けていた。担当になった史絵は、東京で働く恋人との将来や、職場での人間関係、学芸員としてのキャリアに悩んでいた。今ではほとんど無名と言っても良いヨシダの展覧会開催に疑問を抱く史絵だったが、ヨシダとの交流を重ねるうちに、その不思議な魅力と、ひとり筆をにぎりつづける生き方に魅了され、自身も次第に変わり始める。
展覧会の準備に奮闘する一方で、史絵はヨシダの過去が気掛かりだった。一時は戦後の女性画家として名を上げていたにもかかわらず、なぜ表舞台から消えてしまったのか。ふたたび絵を描き始めるまでの空白の10年間に何があったのか。ふたりが心を通わせたとき、ヨシダが語るのは、秘められた愛についてだった――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

久々のアート小説だったけれど、改めてアートっていいな、アーティストって凄いな。
そんな風に思わせてくれた。

働く女性の葛藤も、わかりやすく描かれていてよかった。

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

個人的注目ポイントは
○ヨシダという画家の過去
○ヨシダにとって芸術を続ける理由
〇タイトルの意味 恋人たちは誰と誰をあらわしているか

この本は表現がすごく好きです。
また読み直したいぐらい良かったです。
ラストのあの雰囲気が好きです。


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2024年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一目惚れ。これは確かに究極の愛。読めば読むほどにこの本に惹かれてく。A子が詠子っていうのがなお痺れる。こういう伏線回収もすき。満足感高すぎる。

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2023年09月16日

Posted by ブクログ

学芸員のお仕事小説でもあり、1人の80歳の女性画家の半生でもある小説。

学芸員のお仕事て何となくわかっているつもりだったけど、予想以上に大変そうでした。
主人公の30代独身女性が、女性としてこの先自分の人生をどう生きていくのか…これは働く女性ならとても共感出来る所が多いのでは?

そして、ストーリーの方はラストに向けて一気にタイトルの意味に近づいて行きます。最初に思っていた事とは違っていたのでそこは驚きもあり、ミモザの花言葉が「秘密の恋」であることが忘れられなくなりました。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

一色さゆりさんの美術ハートウォーミングストーリーですね。

 碧波市にある白石美術館に勤務する貴山史絵は嘱託の学芸員だ。独身の三十一歳になる。
 白石美術館の展覧会の企画で、碧波市出身でかつ在住するヨシダカヲルという八十歳の女性画家の個展を開く事が決まった。
 その担当を、史絵がすることになる。サブに深瀬真子が付くことになる。真子は週四日勤務の時給制で、“補佐役”という肩書のアルバイトだ。
 物語は、白石美術館の創立者の七十歳になる理事が、ヨシダカヲルの個展を開催したい強い希望を実現したいというのだ?
 史絵は、白石美術館の仕事にやりがいを持っているが、正規の学芸員になる見込みが薄いことに不満を抱えている。付き合っている彼氏は、東京の美術館の正規学芸員なのだが、碧波市からはかなり離れているのでなかなか会うことが出来ないのも不満の一つだ。
 ヨシダカヲルと接触するようになって、史絵は少しずつ彼女の絵と人柄に魅力を感じるようになる。
 史絵は、自分の中で考え方が変わっていくのを感じ始める。
 そして、白石理事とヨシダカヲルの過去の友情が明かされていく。

 美術館の現状がよくわかり、展覧会の準備の様子が描かれているのが興味深く感じました。
 作家との交流の人間模様が、史絵の人間としての成長に深まりを増していくハートウォーミングに、感動をしました。一色さゆりさんの、軟らかな文章が、美術館内部の軋轢を、史絵の成長の階段に変化していく構成に拍手です。
 そして、白石理事とヨシダカヲルの絆も感動を呼びます。
 一色さゆりさんの魅力がよく出ている物語ですね♪

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

地方在住の学芸員が担当する80歳の女性作家の展覧会を行うまでのお話ではあるが、女性が生きていく上で必ずぶつかる問題。
仕事とお金と家庭と子ども。
どれもこれもうまくやりたいのに、どこか妥協したり、諦めたり、選択していかなくてはいけない。
フェミニズム的思想が強いわけではないけども、実際直面したときは不公平だと思ったもんだ。
だが、ヨシダの「男女関係なく若い人は置かれた境遇と葛藤し続けるもの」という言葉は、頭ではわかっていたことだけどハッもさせられた。
男性は男性特有の大変さがあるのに、女性だけが大変なように言われる昨今、一石を投じられるように感じた。

それはそれとして、ヨシダの絵がとても興味深い。実際に見られたらいいのに!と心底思う。

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2024年08月29日

Posted by ブクログ

後半は一気に読んだ。
事なかれ主義で、言いたいことを言わずにいても分かってはもらえないし、自分も不満が溜まる。
自分の意見を伝えて、自分のしたい様にする事が一番後悔しないのかな。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

ヨシダカヲルさんのような存在の方に出会えると人生変わるなぁ。生きる力から生まれる強さと優しさ温かさのある振る舞い、考え方に惹かれる。

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2023年10月26日

Posted by ブクログ

「自分の存在さえも忘れ、私っていうちっぽけな檻から解放されてむき出しの魂で深いところまで下りていける」絵ってどんな絵なんだろう?ぜひ鑑賞したい。言葉ばかりが踊って、ヨシダさんに共感できなかった、残念。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

美術の世界は詳しくないけれど、
美術展開催までの裏側ってこうなのかな、と想像が膨んで楽しい。
美術館に行くあのわくわく感が身に覚えのある人なら、この世界観を楽しめるはず。
でも、ここまでハードとは…
本の中にもある、生きた作家との準備というのが印象的だった。まさに伴走なんだろうな。

テーマはセンシティブでもありリアルで、なかなか挑戦的にも感じる。
働くことと私生活のせめぎ合いのような描写は特にリアルで、三十代には刺さるのでは。
女性目線の話なので、男性側から見たらどうなんだろうか。友人との会話なんてリアルそのもの。

ただ、最後の方、もう少し丁寧に描いてほしかったなと思う部分も正直ある。それが、余韻にわずかに苦さを残している。
作家の過去も然り、主人公の将来への選択も然り。
全てが解決していないことはある意味現実だけれど…
残された目の前の問題にも、主人公が逃げずに向き合っていくんだろうなと想像できる余白はあるから、
読み手に委ねられているのかもしれない。

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2023年08月13日

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