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Posted by ブクログ
アート旅行を通して、自分を見つめ直す主人公。
桐子さんとの関係や、母娘の関係など
話が少し出来過ぎかなと思う所はあるが、
アテンダントの桐子さんのアート旅行は
押しつけがましくなく、心に迷いを持った
旅行依頼者に寄り添い、アート作品に
触れることで、自分の内にあった気づき
ユリイカを導く、1話完結のドラマにしたら、
良さそう。
以前、東京国立近代美術館で、
荻原守衛の彫刻 『女』を見たが
安曇野の碌山美術館にも同じものがあることをや、碌山が人妻への報われぬ恋に苦しみながら
制作した背景など、今回、初めて知った。
次回は、碌山美術館で『女』を見てみたい。
その時は、碌山の苦悩に思いを馳せながら
また違った感情が、湧き上がってきそうだ。
Posted by ブクログ
ふわっと心に染みる、アート×旅小説。「現代アートはもっと気楽に、これまでの人生や生きることについて、ふと立ち止まって考えるためのきっかけにすぎない。旅行とも相性がいい。(略)」という言葉が良かった。自分としてもとても思い出深い川村記念美術館が最後の章だったのが嬉しい。
・ユリイカはギリシャ語で「わかった」というひらめいた瞬間を指す言葉アート鑑賞はユリイカの連続。心や感情を知的に揺さぶられ、腑に落ちる瞬間がある。
・ウォルターデマリア《ライトニングフィールド》体験してみたい。
・河井寛次郎は民藝(無名の職人の手仕事にも美しいものは宿る)の中心
・京都タワーは瓦屋根の波を照らす灯台のイメージで作られた
Posted by ブクログ
初めて飛行機に乗ろうとする桜野 優彩(さくらの ゆあ)の羽田空港第二ターミナルの印象はこうだ。
「そこは明るく、清潔な空間だった。」
そして、場所の描写が続く、
「吹き抜けになった天井は、距離感をつかめないくらい高い。白いポールが網目状に張りめぐらされた、近未来的なデザイン。ガラス越しに、初夏の日差しがふり注ぐ。くもりのないフロアも、階段や手すりも、ピカピカに光っていた。」
思い起こしてみよう。わたしたちが初めて羽田空港を訪れた時のことを。果たして、これほどまでの新鮮な印象を受けただろうか。
これは、優彩が新しい人生へ踏み出す瞬間の描写。これから始まるアートへの旅と、そしてそれを生業としていく彼女の第一歩の描写である。
高校卒業から7年勤めた画材店が店じまいし、半年間、自分の将来に不安を覚えながら過ごしてきた優彩は、あるDMを受け取る。それは旅行会社からのもので、「アートの旅」への招待状だった。半信半疑で、だが、ままよ、と思い、招待に応じて羽田空港へ赴く優彩。そして、冒頭の描写となる。
羽田空港第二ターミナル出発ロビーのAゲート前には、梅村トラベルの志比 桐子(しび きりこ)が優彩を待っていた。
この作品の著者 一色さゆり(いっしき さゆり)は、1988年、京都生まれで、東京藝術大学美術学部芸術学科卒業の作家。先の描写に表れるとおり、表現は緻密で美しい。
美術作品という言葉を使わない芸術を言葉で描写する。そこには、著者の人生経験と感性が否が応でも露呈する。一色さゆりの表現は、どこまでも明るく前向きだ。自然な語り口と分かりやすい表現が、わたしたちをアートという宝箱へと誘う。
「アートの旅」をとおして、わたしたちは、日頃は何気なく眺めている建造物が、実は著名な建築家によるアートであることに気づかされる。まさに「ユリイカ」(ギリシャ語で「わかった!」の意味)の瞬間である。
日常から非日常への転移が旅であるならば、アートの気づきも、旅そのものと言えるだろう。
そんな旅を、優彩と一緒に、みなさんにも体感して欲しい。そう願ってレビューとします。
ボンボヤージュ、良い旅を!
【目次】
第一章 地中美術館、直島「私を見つめ直す旅」
第二章 河井寛次郎記念館、京都「日常を好きになる旅」
第三章 碌山美術館、安曇野「過去とサヨナラする旅」
第四章 DIC川村記念美術館、佐倉「一緒に未来へ向かう旅」
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